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06月19日-04号

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  1. 岩国市議会 2019-06-19
    06月19日-04号


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    令和 元年 第2回定例会(6月)令和元年第2回岩国市議会定例会会議録(第4号)令和元年6月19日(水曜日)――――――――――――――――――――――――――――――議事日程(第4号)令和元年6月19日(水曜日)午前10時開議┌───┬───────────────────────────────────┬───┐│日 程│   件                           名   │備 考│├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 1│会議録署名議員の指名                         │   │├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 2│一般質問                               │   │└───┴───────────────────────────────────┴───┘――――――――――――――――――――――――――――――本日の会議に付した事件 目次に記載のとおり――――――――――――――――――――――――――――――出席議員(30人) 1番 河 合 伸 治 君 11番 姫 野 敦 子 君 21番 細 見 正 行 君 2番 越 澤 二 代 君 12番 丸 茂 郁 生 君 22番 石 本   崇 君 3番 桑 田 勝 弘 君 13番 小 川 安 士 君 23番 石 原   真 君 4番 中 村   豊 君 14番 長 岡 辰 久 君 24番 山 本 辰 哉 君 5番 田 村 博 美 君 15番 大 西 明 子 君 25番 桑 原 敏 幸 君 6番 中 村 雅 一 君 16番 片 岡 勝 則 君 26番 貴 船   斉 君 7番 矢 野 匡 亮 君 17番 広 中 信 夫 君 27番 藤 重 建 治 君 8番 武 田 伊佐雄 君 18番 松 川 卓 司 君 28番 松 本 久 次 君 9番 重 岡 邦 昭 君 19番 藤 本 泰 也 君 29番 植 野 正 則 君10番 広 中 英 明 君 20番 瀬 村 尚 央 君 30番 片 山 原 司 君――――――――――――――――――――――――――――――説明のため出席した者       市長             福 田 良 彦 君       副市長            杉 岡 匡 君       教育長            守 山 敏 晴 君       水道事業管理者        辻 孝 弘 君       審議監            村 田 光 洋 君       総務部長           高 田 昭 彦 君       危機管理監          廣 田 秀 明 君       総合政策部長         加 納 健 治 君       基地政策担当部長       山 中 法 光 君       市民生活部長         野 村 浩 昭 君       文化スポーツ担当部長     藤 本 浩 志 君       環境部長           藤 村 篤 士 君       健康福祉部長         児 玉 堅 二 君       保健担当部長         森 本 聡 子 君       地域医療担当部長       山 田 真 也 君       産業振興部長         白 尾 和 久 君       農林水産担当部長       村 田 武 彦 君       建設部長           木 邉 光 志 君       都市開発部長         山 中 文 寿 君       建築政策担当部長       坂 上 政 行 君       由宇総合支所長        佐 々 川 周 君       玖珂総合支所長        塩 屋 伸 雄 君       周東総合支所長        中 原 健 登 君       錦総合支所長         沖 晋 也 君       美和総合支所長        上 尾 浩 睦 君       会計管理者          村 上 和 枝 君       教育次長           重 岡 章 夫 君       監査委員事務局長       山 下 則 美 君       農業委員会事務局長      中 西 亮 二 君       選挙管理委員会事務局長    宇 佐 川 武 子 君       水道局副局長         佐 藤 明 男 君       消防担当部長         村 中 和 博 君――――――――――――――――――――――――――――――会議の事務に従事した職員       議会事務局長         樋谷正俊       庶務課長           髙村和恵       議事課長           桝原裕司       議事調査班長         福本和史       書記             佐伯浩則       書記             木下勝貴       書記             福永啓太郎――――――――――――――――――――――――――――――午前10時 開議 ○議長(藤本泰也君)  所定の出席議員がありますので、会議は成立いたしました。 これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付しておるとおりであります。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第1会議録署名議員の指名 ○議長(藤本泰也君)  日程第1 会議録署名議員の指名をいたします。 本日の会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、20番 瀬村尚央君、21番 細見正行君、22番 石本 崇君を指名いたします。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第2一般質問 ○議長(藤本泰也君)  日程第2 昨日に引き続き、一般質問を続行いたします。 2番 越澤二代さん。 ◆2番(越澤二代君)  おはようございます。昨晩、山形県の沖合で地震が発生し、新潟県は震度6強、山形県は震度6弱の揺れを観測しております。被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧・復興ができますことをお祈りしております。 それでは、通告に従い一般質問を行います。 1点目、大人のひきこもりについて、(1)中高年のひきこもりの現状と課題についてお伺いします。 ひきこもりは、精神保健や福祉の領域などにおいて、個人の問題ではなく社会の問題、個人責任を超えたさまざまな外的要因による発現であることが明らかにされ、原因分析や支援方法などの研究や実践が行われております。 これまで国は、ひきこもりの調査に関しては、若者問題として39歳までを対象としており、39歳以上の大人のひきこもりの実態把握が進んでおりませんでした。最近では、大人のひきこもりの課題が指摘され始め、国が実態把握のために、ひきこもりを社会の問題として中高年を対象に初めて実施した全国規模の調査が3月下旬に公表され、40歳から64歳までのひきこもり状態の人は全国に約61万人で、今回の調査結果は、2015年に実施した15歳から39歳までのひきこもりの推計54万人を上回った結果となりました。 ひきこもりの原因・きっかけは多様で、ひきこもり者の家庭環境は一様ではありません。また、ひきこもりの中には、「ほっといてほしい」と言う人もあり、対応が難しく、地域福祉の重要な課題と言われています。少子高齢化が進み、担税力のある現役世代が減少する中、これからは行政支援としてひきこもり問題に向き合っていかなければなりません。 岩国市の中高年のひきこもりの現状と課題についてお伺いいたします。 (2)行政支援の現状と課題についてお伺いします。 ひきこもりの長期化や家族の高年齢化が進む現状を踏まえて、ひきこもり支援は本人だけではなく、家族に対しての支援も含めたさまざまな支援が必要となっています。 現在、全国都道府県・政令指定都市にひきこもり地域支援センターが設置され、ひきこもり支援の制度は充実してきておりますが、まだまだ身近な地域での支援は不十分で、訪問支援から就労まで切れ目のない相談・支援体制が必要です。官民を挙げて支援ネットワークを構築し、ひきこもりの実態把握に努め、医療、福祉、教育、労働などの専門知識を持ち寄り、ひきこもりの段階に応じた早期に支援につなげる仕組みの構築が必要です。 行政支援の現状の取り組みと課題についてお伺いします。 2点目、障害のある人もない人も暮らしやすいまちづくりについてお伺いします。 (1)あいサポート運動の推進についてお伺いします。 あいサポート運動とは、さまざまな障害の特性や障害のある方が困っていること、そしてそれぞれに必要な配慮を理解し、日常生活でちょっとした手助けや配慮を実践していくことで、誰もが暮らしやすい地域社会(共生社会)をつくっていく運動です。 あいサポート運動を実践していく方々を「あいサポーター」と呼びます。日常生活の中で障害のある方が困っているときにちょっとした手助けをする意欲がある方であれば、誰でもなることができます。 山口県では、企業や団体を初め、市役所や議会も含めて多くの方々が、サポーターとなる研修に参加し、また、各種講演会、イベント等でサポート運動に関する説明等を受けるなど、推進しておられます。 県のホームページによると、平成31年3月31日現在、172の企業や団体が登録されておりますが、岩国市からの企業・団体数は少ない状況です。数を競うものではありませんが、誰もが住みやすい、暮らしやすいまちづくりを目指して、さまざまな方が窓口に訪れる市役所が、まずは率先してあいサポーターへの登録を検討してみてはいかがでしょうか。 あいサポート運動への市の取り組みについてお伺いします。 (2)供用会館へのいす式階段昇降機の設置についてお伺いします。 供用会館は、地域の皆様の学習、保育、集会などの場として提供し、健康で文化的な地域社会の構築と福祉の増進を図るため、岩国地域に36館設置されています。その多くは、地元自治会などが施設の管理者となって、地域に密着したさまざまな行事が行われており、地域の皆様が気軽に御利用いただける施設となっています。また、いざというときの一時避難所として、命を守る場所として地域の安心・安全を守る場所となっています。一方、少子高齢化の時代を迎え、これまで元気で活動・利用しておられた方々も、階段があるので利用しにくいとの声をお聞きします。 いす式階段昇降機は、個人のお宅のみならず学校や病院、福祉施設、公共施設など、さまざまな場所に設置され、高い安全性を確保しながらも、身体への負担なく手軽に階段の移動を可能にします。また、階段から足を踏み外してしまうなどの危険も未然に回避することができます。高齢者も障害のある方も、誰もが安心して利用できる施設として、2階に集会所がある供用会館へのいす式階段昇降機の設置を望む声を多くお聞きしております。 いす式階段昇降機について、当局の御見解をお伺いいたします。 3点目、食品ロス削減への取り組みについて、(1)取り組みの現状と課題についてお伺いします。 日本の食料自給率は約4割にとどまり、一方、食べられるのに捨てられる食品は年間約642万トンと推計されており、その削減が喫緊の重要課題となっております。 本年5月24日には、議員立法による食品ロスの削減の推進に関する法律が成立しました。国民運動として食品ロスの削減に取り組むことを目指す同法は、国に基本方針の策定を義務づけ、自治体には推進計画を定めるよう求めています。 法案の前文には、食品ロスの削減は、食料の多くを輸入に依存する日本が真摯に取り組むべき課題であると明記し、国や自治体、事業者、消費者などの多様な主体が連携し、国民運動として推進するために法律を制定するとしております。 岩国市における食品ロス削減への現状の取り組みと課題についてお伺いします。 (2)未利用食品を必要とする人に届ける仕組みについてお伺いします。 フードバンク事業は、まだ食べられるのに不要になり廃棄される食品を集め、必要とする人に再配分する事業で、1967年にアメリカで始まって世界に広がりました。日本では2002年にセカンドハーベスト・ジャパンが始め、食品ロスの削減にもつながるとして注目され、現在、数多くの団体が取り組んでおられます。 家族が少なくなってお米が余っている、野菜が一斉にできて余っているなどの声をよくお聞きします。現在、市では、生活困窮者自立相談支援事業の中で、未利用食品などのフードドライブ事業として実施しておられます。まだまだ取り扱い量も少ないため、さらなる未利用食品の有効活用、フードバンク事業の取り組みを拡大し、施設や団体等に届ける仕組みを確立してフードバンクが安定的に運営されるよう、需要と供給をコーディネートする取り組みが必要ではないかと思います。食品の寄附を促進するなど、フードバンク等が安定的に運用されることが重要です。 平成28年にも同趣旨の質問を行っておりますが、その後のフードバンク事業の取り組みの現状についてお伺いいたします。 以上、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  皆さん、おはようございます。先ほど越澤議員のほうからもお話がございましたが、昨夜の地震が大きかったわけでありますが、朝になりまして、徐々にその被害状況等が明らかになってきております。被災された方々に心からお見舞いを申し上げるとともに、改めて、いつ、どこで、どういった災害が起きるかわからないということも痛感しておるわけであります。日ごろの備えをしっかりと徹底してまいりたいというふうに思っております。 それでは、越澤議員御質問であります第1点目の大人のひきこもりについて、(1)と(2)をまとめてお答えをさせていただきます。 まず、ひきこもりとは、厚生労働省によりますと、さまざまな要因の結果として、義務教育を含む就学、非常勤職を含む就労、家庭外での交遊といった社会的参加を回避し、原則的には6カ月以上にわたっておおむね家庭にとどまり続けている状態を示す現象概念であるというふうに定義されております。 まず、中高年のひきこもりの現状でありますが、平成30年12月に行われました内閣府の調査におけるひきこもりの推計数は、「自室からほとんど出ない」「家から出ない」「近所のコンビニなどには出かける」という狭い意味での「狭義のひきこもり群」が36万5,000人、そして、「自分の趣味に関する用事のときだけ外出する」という「準ひきこもり群」が24万8,000人、この両方を合わせた、広い意味での「広義のひきこもり群」が61万3,000人とされております。 この調査によると、広義のひきこもり群は、男性が4分の3以上を占め、また、ひきこもり状態になってからの期間が7年以上という方が約半数を占めております。 本市における満40歳から満64歳までのひきこもりの方の実数を把握することはできませんが、内閣府の調査の出現率をそのまま当てはめますと、600人程度となります。 次に、行政支援の現状でありますが、山口県におきましては、精神保健福祉センターに、ひきこもりの第一次相談窓口としての機能を担うひきこもり地域支援センターが設置されており、そのほか県内9カ所の健康福祉センター等を圏域ごとの地域拠点として、より身近な場所で相談・支援を行う体制がとられております。また、保健・福祉・教育分野の公的機関や医療機関、地域若者サポートステーション、家族会などによる関係機関ネットワークの連携強化に取り組まれています。このうち、岩国圏域を管轄している岩国健康福祉センターでは、ひきこもりについての理解を深め、言葉かけの工夫などを学ぶ「家族教室」や同じ悩みを持つ家族が集まり語り合う「家族の集い」が開催されております。同センターにおける平成30年度の相談対応件数は、実人数46人、延べ人数218人となっており、内訳では、ひきこもり期間が10年以上の方が最も多くなっております。また、年に1回、岩国圏域ひきこもり支援連絡会が開催され、教育機関、就労支援機関保健福祉機関等の関連団体と情報共有を行うとともに、昨年度は、支援機関について紹介したひきこもり支援ガイドマップを作成されております。 本市においては、当事者や家族から相談があった場合、電話や訪問等により対応しており、ひきこもり地域支援センター、家族会、地域若者サポートステーション等の関係機関と連携し、ひきこもり対策にとって必要な情報提供を行っているところでございます。ひきこもりの当事者や家族におきましては、家族だけで悩まないこと、そして、ひとりで抱え込まないことが重要であることから、岩国市保健センターでは、広報紙「お元気ですか」に「家族の集い」の情報を掲載し、また、困りごと相談窓口のリーフレットを作成・配布するなど、相談窓口の周知に力を入れております。また、生活困窮者自立支援法に基づき、岩国市社会福祉協議会に業務を委託し、自立相談支援事業として、健康・仕事・生活費・人間関係などさまざまな問題を抱える生活困窮者の支援を実施しており、この事業の中で、ひきこもりの方に対しても就労訓練や社会参加の場を提供しております。 ひきこもりにおける課題としましては、ひきこもり状態が長期化し、その場合の社会生活の再開が困難になっていること、また、非常にデリケートな問題でもあるため、当事者や家族が不安を抱え込み、実態の把握が難しいことなどが挙げられます。 このため、ひきこもりの支援は、早い段階からの家族への支援が重要であり、身近な地域のサービスの情報を相談支援機関や市民に広く周知し、地域において、日ごろの挨拶や見守り等で相互に相談しやすい状態をつくることが必要となります。 今後は、当事者や家族が早い段階から相談できるよう、相談窓口の情報について、広報紙やホームページへの掲載、チラシの作成等を通じてさらなる周知を図るとともに、多くの市民へのひきこもりに対する理解が深まるよう、健康教室やサロン等の場を活用しながら情報提供に努めてまいります。 また、ひきこもり地域支援センター、民生委員や福祉員、地域の相談支援機関等との連携を強化しながら、当事者や家族が希望したときに適切な支援ができるよう取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎健康福祉部長(児玉堅二君)  第2点目の障害のある人もない人も暮らしやすいまちづくりについての(1)あいサポート運動の推進についてお答えします。 あいサポート運動は、障害のある方が暮らしやすい地域社会を皆さんと一緒につくっていく運動として、平成21年11月に鳥取県で始まりました。 この取り組みは徐々に広がり、現在は、島根県や広島県など9県と大阪市、苫小牧市などの6市が実施しており、山口県でも平成27年8月9日に鳥取県とあいサポート運動の推進に関する協定を締結し、あいサポーターの養成やあいサポート企業・団体の認定などの運動を推進しております。 あいサポート運動を実践する方を「あいサポーター」といい、障害のある方が困っているときなどに、ちょっとした手助けをする意欲がある方であれば、職場や地域・団体などが開催するあいサポート研修を受けることで誰でもサポーターになることができます。 また、あいサポート運動では、この運動の趣旨を理解し、社員研修などを活用して、共生社会の普及啓発に取り組んでいただける企業・団体をあいサポート企業・団体として認証し、認定証を交付するほか、山口県のホームページで紹介するなどしております。 議員御案内のように、障害のある人もない人も暮らしやすいまちづくりを目指す上で、地域住民が障害や障害のある人についての理解を深めることなど、心のバリアフリー化は大変重要です。 本市では、障害者計画の中で「障害者が自立し、安心して生活しているまち」の実現を基本理念に掲げ、障害者の地域での自立に向けたサービスの充実と、安心して暮らせる地域づくりに取り組んでおります。 具体的には、地域生活支援事業を活用して、理解促進・研修啓発事業、社会的障壁を除去・軽減するための民間の活動を支援する自発的活動支援事業、企業に向けては障害者雇用の推進と職場定着支援を目的としたセミナーを、市と障害者福祉事業者との協働で実施しております。 また、2020東京オリンピックパラリンピックの開催機運の高まりの中で、パラ・アスリートの育成やパラリンピック種目の体験機会の提供を通じた相互理解と交流活動の推進を図っているところです。 このように本市では、多彩な社会参加と理解促進の取り組みを、障害当事者やボランティアを初めとして、企業、学生、そして地域の方々など多様な協働の主体によって実施しているところでございます。議員御指摘のあいサポート運動に関しましては、他市の取り組み状況に比べると、研修実績も企業や団体等の登録件数も少ない状況にあります。 このような中で本市では、「あいサポートメッセンジャー」の資格を取得している職員が講師となり、昨年度から新入職員研修の中であいサポート研修を実施するなどの運動を実施しており、今年度中には岩国市として、あいサポート認定企業・団体の登録を予定しております。 今後は、市報や「ふれあいeタウン」ホームページの中での特集や、医療機関、社会福祉法人等への個別の協力要請を行うことにより、あいサポート運動の地域全体での研修実績や登録企業・団体をふやすと同時に、あいサポートメッセンジャーの育成にも取り組んでまいりますので、よろしくお願いします。 ◎市民生活部長(野村浩昭君)  第2点目の障害のある人もない人も暮らしやすいまちづくりについての(2)供用会館へのいす式階段昇降機の設置についてお答えいたします。 学習等供用会館は、地域住民の学習、保育、休養及び集会の用に供し、もって福祉の増進を図ることを目的として、市内全体で36カ所に設置しております。住民が集まり交流を深め、自治会活動を初めとした地域活動を行う際の拠点として、皆様に広く御利用いただいております。 議員御案内のいす式階段昇降機は、階段の上にレールを取りつけ、その上を駆動装置のついた椅子が移動することで、階段を使用することなく上りおりすることができる装置であり、階段の昇降を補助するものでございます。 市内にある36館の供用会館のうち、22館は2階建て以上の構造となっておりますが、そのうち由宇供用会館を除く21館には階段の昇降を補助する装置はなく、供用会館利用者の中には階段の上りおりに不便を感じていらっしゃる方もあると伺っております。 今後、供用会館をリニューアルする際には、そうした地域住民を初めとする利用者の御意見やお考えなどを踏まえながら、障害のある人もない人もお互いが利用しやすい施設となるよう、それぞれの供用会館の現状に応じた対策について総合的に検討してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎環境部長(藤村篤士君)  第3点目の食品ロス削減への取り組みについての(1)取り組みの現状と課題についてお答えいたします。 食品ロスによる食品廃棄物は、食べ残しによる廃棄、皮のむき過ぎ等の過剰除去による廃棄、規格外食品や過剰在庫品等の廃棄から発生しております。 農林水産省によりますと、平成28年度に国内で排出された食品廃棄物は年間約2,759万トンで、このうち643万トンが食品ロスと推計されております。そして、このうち291万トンが一般家庭から排出されている食品ロスと推計されております。 こうした状況の中、市におきましては、家庭から排出されている食品ロスの実態を把握するために、昨年7月に焼却ごみの組成調査を行いました。その結果、焼却ごみの35%程度を占める生ごみのうち、約75%が調理くず、約15%が手つかずの食品、残りの約10%が食べ残しであることがわかりました。 生ごみの全てが食品ロスというわけではありませんが、これらを削減することは、食品ロスの削減にもつながることから重要であると考え、ことし3月に策定しました岩国市一般廃棄物処理基本計画において、重点施策の一つに、「生ごみの削減のための3キリ運動推進」を盛り込んだところです。 「3キリ」とは、「食材を使いキリ」「料理を食べキリ」「生ごみの水キリ」を指し、これらのうち、「食材を使いキリ」「料理を食べキリ」の実践を啓発していくことで、食品ロスの削減につながると考えております。 また、議員御案内のとおり、本年5月31日に、行政、事業者及び消費者が連携し、国民運動として食品ロスの削減を推進することを目的とした、食品ロスの削減の推進に関する法律が公布されました。今後、政府が策定される食品ロスの削減の推進に関する基本方針を踏まえ、市におきましても、廃棄物減量のための取り組みとしてだけでなく、食べ物を無駄にしない意識の醸成とその定着を図ることや、まだ食べることのできる食品をできるだけ活用することなどにも取り組むことにより、食品ロスの削減を推進していく必要があると考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎健康福祉部長(児玉堅二君)  第3点目の食品ロス削減への取り組みについての(2)未利用食品を必要とする人に届ける仕組みについてお答えします。 議員御質問のフードバンク事業は、従来は廃棄されるしかなかった食料が、生活に困窮している方に提供されることから、食品ロスの削減と生活困窮者への支援という、両面からの効果が期待される取り組みです。 本市におきましては、現在、岩国市社会福祉協議会に委託して実施している生活困窮者自立相談支援事業の中で、一般家庭から食料を寄附していただくフードドライブ事業として取り組んでおり、平成30年度には50人の方からお米や缶詰などを寄附していただき、生活に困窮する48人の方に食料等を提供しております。 また、管理している食料の賞味期限が近づき、給付が見込まれない食料が生じた場合には、必要としている団体等に対し食料を提供したり、一度に大量の寄附の申し入れがあり、保管場所の関係で受け入れが困難な場合には、寄附を申し入れた方に必要としている団体を紹介するなどの対応を行っております。 市としましても、フードバンク事業については、需要と供給のバランスを考慮しながら、この事業の普及啓発活動と持続可能な仕組みづくりについて、今後も岩国市社会福祉協議会と協議しながら進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆2番(越澤二代君)  それでは、順不同で再質問をさせていただきます。 初めに、供用会館へのいす式階段昇降機の設置についてお伺いいたします。 御答弁では、地元の人としっかりと話し合いをして、それぞれの現状に応じた対策を総合的に検討するということです。これは前向きな答弁だと捉えておきたいと思います。 いす式階段昇降機の設置については、設置基準があるというふうに思いますが、集会所が2階にある供用会館等への階段に、まず、設置が可能なのかどうかお伺いいたします。 ◎市民生活部長(野村浩昭君)  設置の基準でございますけれども、建築基準法によりその設置に関しましては階段の幅が決められておるようでございまして、いす式階段昇降機を設置することによりその基準を下回る場合には、設置が認められないということとなるようでございます。 なお、目安といたしましては、建築基準法上、2階の集会所に続く階段の幅の基準は140センチメートル以上となっております。また、詳細につきましては、それぞれ現地の状況を調査して判断をするということになります。 ◆2番(越澤二代君)  多くの供用会館等の2階への階段の幅は140センチメートル以上あるというふうに思っておりますので、またしっかりと地元の方と検討していただけたらと思います。 先ほど、御答弁の中で、リニューアル事業の中で総合的に検討されるというふうに言われておりましたけれども、既にリニューアルが終了しているところもございますが、そういった場合どのような形になるのかお伺いいたします。 ◎市民生活部長(野村浩昭君)  議員御指摘のとおり、既にリニューアル工事を終えた供用会館等もございますけれども、そういった施設につきましても、地域住民を初めとする利用者の皆様方の御意見を伺いながら、その供用会館の現状に応じた対策ということで総合的に検討してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ◆2番(越澤二代君)  昨晩も、地震があって多くの方が避難所に行かれたというニュースがございました。供用会館等の2階に集会所があるところに、一時避難場所として避難してこられる御近所の方がたくさんおられますけれども、そうした方が来られた場合に、2階に上がれないから、一生懸命地元の人たちが背負って上がっておられる光景を目にすることがございます。こういった災害はいつ起こるかもわからないということもあわせて、ぜひ、この供用会館が地域の安心・安全のかなめになるような対策を、しっかりと進めていただきたいと思います。 今回は供用会館に絞ってお伺いをしましたけれども、岩国市には数多くの公共施設があり、住民の方が利用されている施設がございます。2階への移動を可能にする、本当に便利なものです。学校でもつけておられるところもございますので、しっかりと検討していっていただけたらと思います。 では次に、誰もが暮らしやすいまちづくりということで、あいサポーターについてお伺いいたします。岩国市は、今年度中にあいサポーター登録をされるということで、非常に心強く思いました。やはりこういった運動を進めていく上では、市が真っ先に取り組んでいく必要があるというふうに思います。このような中、岩国市はあいサポートメッセンジャーについて取り組んでおられると思うんですが、資格を持っておられる方がどのぐらいおられるのかお伺いします。 ◎健康福祉部長(児玉堅二君)  あいサポートメッセンジャーということで、岩国市の職員の中では職員1人と嘱託職員1人の、2人が資格を持っております。本年度についても追加養成ということを予定しておりますので、よろしくお願いします。 ◆2番(越澤二代君)  職員では2人、市内では10人の方がおられるということで、このメッセンジャーの方は、そういった研修会なども開けるというふうに伺っておりますので、この取り組みをさらに進めていく上では大変重要な取り組みだと思いますので、今後もよろしくお願いいたします。 あいサポーターになるためにはあいサポート研修を受ける必要がありますけれども、御答弁では、昨年度から新入職員研修の中であいサポート研修を実施されたとありましたが、どのぐらいの方が岩国市役所の中で受けておられるのかお伺いいたします。 ◎健康福祉部長(児玉堅二君)  市役所におけるあいサポート研修実績でございますけれども、平成30年度は新入職員研修受講生52人、今年度は新入職員研修受講生45人の計97人が研修を受けております。
    ◆2番(越澤二代君)  全体的にはまだ100人ぐらいだろうというふうに思います。あいサポート認定団体の登録を予定されているということでございます。市の職員はまだまだたくさんおられると思いますので、今後もしっかりとこのあいサポート研修を受けていただいて、「市役所の窓口はとても優しいよ」「とても気配りがあるよ」と言われるような市役所にしていただけたらというふうに思います。 県内では――私もちょっと誤解していたんですけれど、障害者へのサポートというふうに捉えておりましたけれど、これは障害のある方もない方も、このサポート登録をされております。県内においては、脊髄損傷の障害のある車椅子の方も、このあいサポート研修を受けて団体登録をされていたりという例もたくさんございますので、これからまた、岩国市のまちづくりの一つとして、岩国は誰もが安心して暮らせる、本当に温かい町だというイメージをつくっていく上でも、このあいサポーターがふえるということが大変重要だろうというふうに思います。 そこで、生涯学習市民講座「イカルス」がございまして、私も、あいサポーター養成講座がこの中にあるのかなというふうにちょっと思っておりましたけれども、いかがでしょうか。 ◎健康福祉部長(児玉堅二君)  生涯学習市民講座「イカルス」の講座のことだろうと思いますけれども、この「イカルス」の講座の一つとして、昨年度から講座を設けさせていただきまして、市民の要望に応じるという形にしております。 ◆2番(越澤二代君)  市が率先してやっていく。また、このあいサポーター養成講座があるということを知らないグループや団体もたくさんありますので、その辺の広報もしっかりとしていただけたらというふうに思います。 次に、食品ロスについてお伺いいたします。 この食品ロス削減は、本当に企業も団体も学校も、全てのところが取り組んでいくべき国民運動だというふうに思います。まずは、学校での子供たちへの食育・環境教育などの取り組みは大変重要だろうと思いますが、給食等から発生する食品ロス削減の取り組みについてお伺いいたします。 ◎教育次長(重岡章夫君)  学校給食における食品ロス削減の取り組みですが、食品ロスによる廃棄物は、食べ残しによる廃棄、調理中に出る皮等の食品廃棄となります。 現在、市内46校の給食調理は、岩国学校給食センターで8校、西部学校給食センターで16校、親子方式で7校、自校方式で15校となっており、給食の食べ残しについては配送元調理場に回送されております。 回収された食べ残しについては、生ごみ処理機を設置して堆肥化を行っている学校が7校、その他の学校においては、引き取り業者が回収して堆肥化を行っております。 次に、食べ残しを減らす対策につきましては、各学校の栄養教諭、学校栄養職員による食育活動、児童・生徒が主体的に活動する給食委員会で、食事の重要性や生産性、自然の恩恵への感謝、好き嫌いせずバランスよく食べることの大切さを全校に伝えるなどの活動を実践し、また、児童・生徒の健康状態に合わせた給食の量の変更などを行い、食べ残しゼロを目指した活動を行っております。 これからも地元食材を活用した食べ残しの少ない給食メニューを検討するなど、食品ロスの削減に向けた取り組みを推進してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆2番(越澤二代君)  学校現場でも一生懸命、こうして食品ロス削減に取り組んでおられるという実態がよくわかりました。私も主婦として毎日家事をするわけですけれど、まず自分からやっていこうと思ってもなかなか難しいです。ですけれど、生ごみを見るたびに、これはいけないなと反省もしておりますが、国民運動とするためにも、消費者への普及啓発にしっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。 そこで、まだ施行はされておりませんけれども、今回成立した法律の中で10月を食品ロス削減月間としておられます。また、同月30日を食品ロス削減の日とし、国及び地方公共団体はそれにふさわしい事業に取り組むものとされておりますけれども、どのように取り組まれるのかお伺いをいたします。 ◎環境部長(藤村篤士君)  議員御案内のとおり、食品ロスの削減の推進に関する法律第9条において、食品ロスの削減に関する理解と関心を深めるため、食品ロス削減月間を10月、食品ロス削減の日を同月30日として設けることとされているところでございます。 本市におきまして、今年度は、まず食品廃棄物の削減という視点から、広報いわくにの「ごみちょっと気にして、もっと気にして!」のコーナーで、「生ごみ削減のための3キリ運動」を取り上げて、啓発を予定しておるところでございます。 また、10月には多くのイベントが開催されますので、そのイベントにブース出展をしまして、「生ごみ削減のための3キリ運動」をしっかり啓発していきたいと考えているところですので、よろしくお願いいたします。 ◆2番(越澤二代君)  しっかり啓発もしていただきたいと思いますし、この取り組みによって市民の方々が、ちょっと自分も気にしようというふうに思っていただけたらというふうに思います。 次に、中高年のひきこもり対策についてお伺いいたします。 御答弁では、本市における満40歳から満64歳までのひきこもりの方の実数を把握できてはおりませんが、内閣府の調査の出現率をそのまま当てはめると、600人程度と推計されますとありました。実態把握調査をされている自治体では、戸別訪問とか、さまざまな形でやっておられる中で、内閣府の調査よりもはるかに多いというような推計もございます。ということは、岩国市でも、少なくとも600人よりも多くの方が支援が必要で、家族が悩んでおられ、支援が届いていないという状況があるというふうに思います。推計人数ではなく、実態把握がひきこもり対策の第一歩であるというふうに思います。とはいいながら、実態把握は大変難しい課題だというふうにも思います。どのように考えておられるのかお伺いいたします。 ◎保健担当部長(森本聡子君)  なかなか難しい御質問で、実態把握をするのは本当に難しいと思うんですけれども、実態把握の調査についてでございますが、ひきこもりになられた方のきっかけとか当事者にとってのひきこもりの意味、それから御本人・御家族の不安の大きさ・深さなどを想像すると非常にデリケートでございますので、無作為抽出のアンケートというようなことでは、なかなか支援策につながるような実情把握が難しいかと思われます。 まずは、今、対応している相談支援機関が、民生委員、福祉員、地区社会福祉協議会、居宅介護支援事業所のケアマネジャーなど、日ごろから地域の高齢者とかかわりがある方々と連携を図りながら、一つ一つの情報を共有して積み上げることで実情を把握してまいりたいと考えております。 ◆2番(越澤二代君)  本当に、実態把握と一言でいっても大変難しいというのはよく理解できます。小さな町であれば――前回のときも言いましたけれども、例えば秋田県の藤里町では全戸訪問して家族の状況をつかまれて、このぐらいの数があったということでされておりますが、岩国市ではそれも難しいだろうというふうに思います。 これまでさまざまな福祉の窓口などで市に寄せられた相談件数もあるというふうに思います。市が認識しておられるひきこもりの実態はどのくらいか、お伺いいたします。 ◎保健担当部長(森本聡子君)  現在、市が把握している実数についてということだと思います。現状では、くらし自立応援センターとひきこもり地域支援センター、そして地域包括支援センター、岩国市保健センターが相談対応しているものを実数として捉えますと、平成30年度は延べ500件程度の相談を受けております。しかしながら、相談者の実人員は60人程度でございますので、実際に支援機関につながった方はほんの一部であると認識しております。 ◆2番(越澤二代君)  実態調査についても地域の福祉のネットワーク、また地域の人たちのさまざまな御協力も得ながら取り組んでいかなければ具体的な支援には結びつかないのが、このひきこもり対策であろうというふうに思っておりますので、これからも本当に、岩国市民は誰も置き去りにしないという思いで取り組んでいただけたらというふうに思います。 ひきこもり対策が非常に充実している岡山県総社市なんですけれど、ここは社会福祉協議会が中心になって、まさにこれは地域の社会福祉の最後の課題だというふうな捉え方をしておられます。そこでは保健師や民生委員や包括支援センターとか保健センター、また、学識経験者等も含めて協議会をつくられて実態把握をされておりますが、その中では情報提供カードというものを皆さんが活用しておられました。このひきこもりの情報提供カードについては、どのような御見解かお伺いします。 ◎保健担当部長(森本聡子君)  情報提供カードについてということでございます。先日、議員から御提示いただきまして、情報を共有し、発見したときに提供するという上で、大変活用しやすい簡単なものではないかと思います。本当に、いかにネットワークをつくっていくかというところで、やはり一つの手法にもなるのではないかと思いますので、今後、その活用については検討させていただきたいと思います。 ◆2番(越澤二代君)  そしてもう一つ、今回の国の調査でひきこもりの長期化とか高齢化が浮き彫りになっておりますが、昨今、ニュース等でもよくあると思うんですが、高齢の親が亡くなった後、残されたひきこもり者がなすすべもなく過ごしているうちに死体遺棄罪として逮捕されるという事態も生じており、80代の親が50代の子を支えるという8050問題が顕著になっています。ひきこもり対策の中でも8050問題は緊急の課題となっています。時間がかかればかかるほど、8050ではなくて9060、そういった状況にもなろうと思います。早期の支援が大事だと思いますので、岩国市としては、この問題についてどのように取り組まれるのかお伺いいたします。 ◎保健担当部長(森本聡子君)  今、言われました8050問題については、80代の親が50代の子供の生活を支えるということで、やはり背景には子供のひきこもりということがあります。かつては若者の問題であったひきこもりが、二、三十年経過し、当事者が50代、親自身が80代という、ひきこもりの長期・高齢化という問題がありまして、生活に行き詰まって親子ともども社会から孤立して、もとの生活に戻れないという深刻な状態が見られる問題です。本当に大変な問題ですし、そうなると人生を諦めたり、ひきこもりの状態を隠したいという思いもございますので、困っていてもなかなか表出されないということがあるため、早期にかかわれないという実情もございます。個々の背景がそれぞれ異なりますので一律に有効な対応策はございませんが、一人一人に合った丁寧な対応が必要でございますので、解決には大変時間を要する難しい問題であると認識しております。 今後の対応としましては、やはり相談窓口の周知、それから日ごろから民生委員、福祉員、地域のいろんな相談支援機関、関係機関との連携・協働によって、ひきこもりということに特化せずに、困り事、心配事、心や体の健康相談ということで、継続して対応して、適切な情報提供をしてまいりたいと考えております。 ◆2番(越澤二代君)  本当に、ひきこもりという言葉そのものも、やはり相談者にとっては非常に重たい言葉であるということで、まさに困り事相談の中からしっかりと対応していただきたいというふうに思います。 ひきこもりは、長期化すればするほど深刻な状態になり、支援の難易度も上がります。そこで、重要になってくるのが未然防止の取り組みだと思います。平成27年4月に生活困窮者自立支援法が施行され、岩国市社会福祉協議会に業務委託され、自立支援相談事業を行っておられます。この事業は、さまざまな問題を抱える生活困窮者の支援を実施しておられますが、この中でひきこもりの方に対しても就労訓練や社会参加の場を提供しておられます。 自立支援相談事業の具体的な内容と相談実績、人数、年齢、再就職の有無についてどのようになっているのか、お伺いいたします。 ◎健康福祉部長(児玉堅二君)  今、御質問のあった自立相談支援事業の具体的な内容ですけれども、生活困窮者が生活保護受給者になる前の段階で自立支援策の強化を図り、生活困窮者に対して自立相談支援事業の実施、住居確保給付金の支給その他の支援を行うために、平成27年度に生活困窮者自立支援法が施行されました。本市におきましても平成27年度から、岩国市社会福祉協議会へ委託することにより事業を開始しております。 具体的な内容としましては、地域の関係機関と連携し、就労や生活に関する支援、自立に向けたプラン作成を行っております。この自立支援事業につきまして、先ほど議員からもありましたように、就労できないままひきこもりとなることを未然に防ぐ手だての一助となるものであると考えております。 また、相談実績になりますけれども、平成30年度では相談件数は296件ございます。そのうち就労に結びついた件数は30件でございます。ただ、30件のうち、これがひきこもりの方の件数だとして把握はしておりません。なので、恐らくひきこもりの未然防止ということで就労されて、その一助となったという方がおられるのではないかなというふうに感じております。 ◆2番(越澤二代君)  この自立相談事業の中で30件の方が就労されたという、本当に、これも一つの未然防止だろうというふうに思います。ひきこもり支援については、今回が2回目の質問となります。前回のときは、まさに8050で悩んでおられた方から御相談を受けました。そのお母様はお亡くなりになりました。そういった状況も地域の中にはございます。福祉の面から考えても大変難しい課題だというふうに思います。まずはしっかりと私たちが福祉の分野で見守りをするということも大事なことだろうと思います。実態調査を行う中でさまざまな状況に対して支援体制を確立していただきたいと思います。先ほども言いましたけれど、岩国市民は誰も置き去りにはしない、支援の手を差し伸べる、そういった思いで今後とも取り組んでいただきたいというふうに思います。 では最後に、フードバンク事業について、時間がありますので再質問させていただきます。 フードバンク事業は、現在、生活困窮者自立相談支援事業の中でフードドライブ事業として行っておられます。本当に、私たちの周りにはまだまだ量が大変少ないというふうにも思っております。提供される量と使われる量の需要と供給をしっかりコーディネートしていくという登録制みたいな体制も必要ではないかと思いますけれども、今後、さらにこのフードバンク事業を充実していくために、こういった取り組みについてはいかがお考えでしょうか。 ◎健康福祉部長(児玉堅二君)  フードバンク事業についてでございますけれども、今、岩国市社会福祉協議会への委託でフードドライブ事業というものを実施しております。フードバンク事業は個人・団体、フードドライブ事業は個人ということになろうかと思いますけれども、現体制で取り組むことができるのかとか、先ほどおっしゃいました、本市における需要と供給の把握やマッチングなど、多くの課題が考えられますので、今後も関係部署と連携して、事業の検討を進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ◆2番(越澤二代君)  以上で、質問を終わります。 ○議長(藤本泰也君)  以上で、2番 越澤二代さんの一般質問を終了いたします。 14番 長岡辰久君。 ◆14番(長岡辰久君)  日本共産党市議団 長岡辰久です。通告に従い質問します。 最初に、岩国医療センター跡地活用について、(1)土地活用が進んでいない理由について、(2)今後の活用計画について質問します。 2007年11月22日、山口県と岩国市と岩国医療センターが、病院の移転とまちづくりに関し合意をしております。今から12年前です。その12年前から、地元の方々は病院がなくなったら地域医療はどうなるのか、また、跡地はどのようになるのか心配しておられました。その思いから、地域の方々が岩国医療センター跡地対策を考える会をつくられ、2011年2月8日に署名を提出するというような行動となったのです。2014年7月30日、岩国市長宛てに「岩国医療センター跡地への医療施設開設の要請について」を提出しております。その中で、「私たちの願いの具体化の方向性が見えぬまま年月が経過してまいりました」「私たちが要望している医療施設の用地はその一角に確保していただけるのだろうか」「すぐに跡地は、市有地として私たちの願いの実現に着手していただけるのだろうか」「この広大な更地がいつまでこの状態で置かれるのか、また、今後一体どうなっていくのだろうか」と、不安を口にされております。2015年、岩国市が更地を取得しました。今はフェンスで囲まれ放置されたままです。地域の方のお話では、タヌキが居ついているそうです。明確な答弁を求めます。 次に、教科書採択について、(1)公正・公平な採択のあり方について質問します。 今、小学校・中学校教科書展示会が開かれております。文部科学省によると「教科書は正式には「教科用図書」といい、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校などの学校で教科を教える中心的な教材として使われる児童生徒用の図書のことです」と書いてあります。つまり、授業の中で中心的存在――主たる教材です。ですから、採択に当たっては、各教科の専門家が慎重かつ公正・公平を期することが大切です。 前回の採択協議会の資料を情報公開請求で取り寄せ、検討いたしました。2015年7月28日火曜日、第4回山口県教科用図書岩国採択地区協議会議事録(要旨)です。この中にある、委員の発言に、「例えば、地域性として、吉田松陰や松下村塾は東京書籍では索引にも載っていない」と発言がありました。この発言は正しいですか。(「正しい」と呼ぶ者あり)今、採用されている歴史教科書には「現金掛け値なし」の説明で明らかな間違いがあり、いまだに訂正されておりません。公正・公平な採択のあり方についてただします。 最後に、基地問題について、(1)岩国日米協議会での確認事項の効力について質問します。 昨年3月末に厚木からの空母艦載機部隊が移駐完了し、戦闘機による爆音被害が増大し、岩国日米協議会での確認事項は守られているのかと疑念を抱いておりました。ちょうどその折、2018年2月21日の中国新聞で米軍岩国基地の運用マニュアルがあると報道されました。3月定例会でも数人が運用マニュアルについて質問しております。その会議録を読ませていただきますと、マニュアルは120ページを超えること。また、2018年3月5日の山田議員の一般質問で、当時の部長は、要約すると「確認事項と運用マニュアルは別のもので、米軍は確認事項を尊重すると言っている」と答弁しております。つまりダブルスタンダード、そして運用マニュアルを優先している。市長も「これまでの内容を、表現を含めてしっかりと米側、または防衛局の中で議論していく必要性については、私は認識しているところであります」と答弁しております。 1991年以来、岩国日米協議会は開かれておりません。米軍岩国基地の米軍機が激増し、市民生活が劇的な悪化を余儀なくされている今こそ、住民の福祉を増進させるという自治体本来の仕事をするべきではありませんか。岩国日米協議会を開き、共通な文書を作成して運用すべきと考えます。今のままでは、「基地との共存」ではなく、基地の言いなり、米軍の言いなりではありませんか。明確な答弁を求めます。 以上、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  長岡議員御質問の第1点目の岩国医療センター跡地活用についてお答えいたします。 まず、(1)土地活用が進んでいない理由についてでありますが、岩国医療センターにつきましては、平成25年3月に現在地へと移転し、その跡地について、岩国医療センターにより平成26年5月まで解体工事が行われ、更地化されました。 その後、岩国医療センターにおいて、公募による跡地の売却処分に取り組まれましたが、民間売却に至らなかったため、平成19年11月の山口県・市・岩国医療センターの3者による合意に基づき、平成28年9月に岩国市土地開発公社が先行取得しております。 また、跡地を取得して以降の維持管理については、市において、仮囲いの点検、防犯灯の設置などの安全対策や、外周部の草刈りなどを実施するとともに、中学校や周辺自治会の行事等の際に駐車場として利用していただくなど、地域の活動にも役立ててもらいながら、適切な維持・管理に努めているところでございます。 なお、議員御指摘の敷地内の草木については、更地化された際に降雨等により地表面の土砂が流出しないよう種子を散布し、植生によって表面を保護するための安全対策を施したものであるため、市としましては、現状を維持してまいりたいと考えております。 次に、(2)今後の活用計画についてでございますが、市におきましては、平成28年から2カ年をかけて、岩国医療センター跡地活用検討事業において、「福祉」と「交流」をテーマとして、まちづくりの基本的な方針や土地利用計画等の検討を行い、平成29年度末に「福祉・交流まちづくり構想」を策定したところであります。 策定においては、市民アンケートや事業者ヒアリング、地元住民との意見交換会、全市を対象とした住民説明会、有識者など専門家を含む外部委員で構成する構想策定検討委員会等から広く御意見をいただきながら検討を行いました。 現在は、この構想に基づき、昨年度から基本計画、基本設計に取り組んでいるところであります。基本計画の検討においては、岩国市公共施設等総合管理計画等との整合性の確認を初め、プロジェクトチーム等による庁内横断的な検討などを行いながら、まちづくり構想で取りまとめた導入機能や基本理念等に基づき、具体的な施設機能の整理を行っております。 今後は、意見交換会などにより広く市民の皆様の御意見を伺いながら、さらに基本計画の検討を進めてまいりたいと考えております。また、基本計画に基づき、今年度中に基本設計を取りまとめる予定としており、市としましては、市民の皆様に喜ばれる施設となるよう、しっかりと取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎教育長(守山敏晴君)  第2点目の教科書採択についての(1)公正・公平な採択のあり方についてお答えいたします。 児童・生徒の主たる教材となる教科書の採択は、教育委員会の重要な役割の一つであります。現在、岩国市と和木町が共同採択地区となっており、両教育委員会は、規約を定め、教科書の採択について協議を行うための協議会、いわゆる採択地区協議会を設けることとしております。 協議会は、教育委員、学校代表、保護者代表等で構成されており、慎重かつ公正・公平な協議を行うため、全委員が平等に意見や考えを述べることができるよう配慮しております。各委員には、発言が十分に尊重されることへの自覚を促すとともに、教科書の記述内容についての発言が前提であることを理解していただいております。記述内容に対する誤解を含む発言等があった場合は、協議会に同席する事務局がその場で確認の上、必要に応じて訂正するなど、協議が公正・公平に進行するよう留意いたします。 また、協議会では、研究調査員による研究調査資料を参考としながら協議を行いますが、研究調査員に対しては、重点的に調査していただきたい項目をあらかじめ示すこととしております。そうすることで、それぞれの教科書の特徴や工夫等を比較しやすくなり、焦点を絞った協議が担保できると考えております。 教育委員会といたしましては、岩国地区の児童・生徒の成長にとって最もふさわしい教科書をしっかりと選んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  第3点目の基地問題についての(1)岩国日米協議会での確認事項の効力についてお答えします。 岩国日米協議会は、岩国市と岩国基地との緊密なる協力、親善関係の促進その他共同して相互間の問題の解決を図るため、岩国市・国・県の関係機関並びに現地米軍を構成員として、昭和46年2月に発足して現在に至っております。 当協議会では、これまで、航空機の運用など、基地がもたらす諸問題に関して協議を重ね、その都度、確認された内容を議事録として残し、このうち航空機の飛行等に関する規則等について整理したものを「確認事項」と申し上げております。 また、この「確認事項」は、協議会の議事録を市において整理したもので、署名をした協定書や覚書というものではありませんが、協議会の場において双方で確認したものであることから、市においては、米軍に対し遵守していただくよう機会あるごとに求めているところです。 また、他の米軍基地では、日米合同委員会合意により、航空機の運用に関する取り決めが定められている基地もありますが、岩国の「確認事項」は、性格的には、米軍基地と所在自治体がその地元において確認した、いわゆるローカルルールであります。 市といたしましては、現時点において、このような運用に関する取り決めに必ずしも合同委員会合意が必要とは考えておりませんが、どのような方法で定められたものであっても、大切なことは、米軍がこうした取り決めを尊重して遵守する姿勢を持つことであると思います。 現在、米軍においては、岩国基地周辺において、「確認事項」を尊重し、おおむね、確認された事項に沿った飛行を行っているものと、市では認識しております。 今後とも、米軍には市の立場を十分に理解していただくとともに、仮に「確認事項」に違反するような飛行が認められた場合には、その都度、米軍に対し遵守するよう求めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆14番(長岡辰久君)  では、再質問をいたします。 まず、岩国医療センター跡地活用について再質問いたします。岩国医療センター跡地対策を考える会が署名を提出しております。何筆の署名でしたか。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  跡地対策を考える会の要望ということでございますけれども、何筆であったかというのは記憶にございませんが、その後、先ほど説明いたしましたまちづくり構想を策定する折にその団体の方と意見交換をさせていただきまして、現在、そういった御意見も踏まえて構想を策定し、その考え方というのを、現在つくっております基本計画のほうに反映させていっているというふうに考えております。 ◆14番(長岡辰久君)  6,414筆ですね。今、手元に署名は持ってこられていないと思いますけれども、この署名には2つの要望が書いてあるんですが、御存じですか。その意見をもとにして考えると言われたので、その2点を答えてください。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  先ほど申し上げましたように、その署名の内容については記憶してございませんけれども、1点は、その地域に医療施設を求めるということがあったと考えておりますし、その件については、今回のまちづくり構想の中にも施設配置のイメージ図として具体的に医療施設の位置をお示しさせていただいているところでございます。そのほかにつきましても、この構想の中に反映させていただいていると考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆14番(長岡辰久君)  今、部長が言われましたけれども――2つあります。1、岩国医療センターが移転したら、その後すぐにその施設を活用して、内科、外科などの医療設備が稼働できるようにしてください。2、その他の跡地や施設も有効に活用して、福祉の里など明るく住みよいまちづくりを進めてくださいと。ちょっとこれは、もう更地にしたので可能ではありませんが、今、部長が言われたように、医療施設をつくってほしいというのが大きな要望でございます。 それでは、この要望にありますけれども、地域の方々の要望は明確なんです。市は何度も、丁寧に住民の声を酌み、生かす努力をしていくということを言われております。今後もこの姿勢を大切にしていただきたいと思います。 昨日もありましたけれども、近年、災害が頻発しております。灘地区、特に中洋小学校区の方々は避難場所が近くにないと訴えておられます。跡地に避難所となる建物を強く強く要望しております。きのうも「逃げおくれゼロ」という言葉がありました。ぜひ、この声を実現してください。このことについてはどうですか。 ◎都市開発部長(山中文寿君)  避難所の設置についての御提言でございますけれども、現在検討しておりますのが、福祉交流のまちづくりということで、構想の中では、まず、どのような機能をここに配置するかということを――もちろん市民の御意見をアンケートとしてお伺いしたり、意見交換会をしたり、そのほかいろいろな取り組みをした上で、御意見を反映させていただいております。そうしたまちづくり構想に基づいて、今、福祉・交流のまちづくりということで基本計画を策定している途中でございます。 そういった中で、確かに避難所というのもアンケート等々や意見交換の中でありました。ですが、その福祉・交流のまちづくりを行っていく中で、恐らくそういう機能――似たようなホール機能とか諸室をつくるといったところはあろうかと考えておりますけれども、まずはその福祉・交流のまちづくりの施設として考えていくということが第一義であろうかと考えております。 それから、災害につきましても、いろんな災害がございます。きのうもありました地震でありますとか、津波というような災害もあります。または土砂災害として土石流というのもございます。そうした中では、災害に応じて避難所というのは選択していかなければならないと考えておりますし、この、山に近いところについては今、危険箇所に指定されておりますので、やはりそういった災害が想定されるときにあえてその避難場所に来られるのかというのも、命を守るという観点からは個人個人で考えていただかなければいけないところもあろうかと思います。 今、指定されている灘供用会館は、やはり津波災害においては危険な状況であろうと思いますので、災害に応じた避難というものが必要ではないかというふうに考えておるところでございます。 ◆14番(長岡辰久君)  地元の方が強く避難所の設置を要求しているということをお伝えし、そして部長からは、そのことも考慮するという答弁をいただきました。 きのうもありましたが、この地域は、科学センター移転の候補地の一つであるということを伺いました。私は、この地域は交通の便がいいとは言いがたく、子供たちだけで行くには線路を渡らなければいけないし、小学生が自転車で行くことは困難でございます。有力な候補地の一つとは言いますけれども、再考していただきまして、今、麻里布地区に――具体的に言いますと、消防署が移転しましてあいております。あそこは非常に便利なところじゃないかと私は思います。そこも候補地の一つとして考えていただきたい。これは答弁は要りません。 次に、教科書採択について質問します。 私立の中学校や高校の教科書採択はどうなっていますか。 ◎教育長(守山敏晴君)  それはそれぞれの学校で行っているというふうに認識をしておりますけれども、ちょっと詳しくはわかりません。 ◆14番(長岡辰久君)  今、教育長が答弁されたように、その学校独自でやっております。 それでは、先ほど壇上から質問いたしましたけれども、この発言でございます。「例えば、地域性として、吉田松陰や松下村塾は東京書籍では索引にも載っていない」。この発言は正しいですか。 ◎教育長(守山敏晴君)  通告があれば調べておいたんですけれども、ちょっとそこまで詳しくは認識しておりませんが……。 ◆14番(長岡辰久君)  公平・公正と言われたので、前回の議事録は読んでいただきたいと思います。 これは、ちょっと間違いなんです。私、中身のことについて言っているわけじゃありません。索引にないということなので調べてみましたが、ちゃんと索引があるんです。教科書の156ページにちゃんと写真も載っております。このような発言で教科書採択が行われているわけですよ。このことについて、なぜこのようなことが起こったのか。これ、間違いですよね、索引にちゃんとあるんですから。教科書を見れば、あります。何でこのような間違いが起こったと考えられますか。このような間違いを起こさないために、教育委員会はどのような対策を考えておられますか。 ◎教育長(守山敏晴君)  壇上でも申しましたけれども、記述内容に対する誤解を含む発言等があった場合には、その場で事務局が調べて確認するということを、今回行ったところでございます。 ◆14番(長岡辰久君)  それでは、前回はしていなかったというふうに理解していいですか。今、教育長がうなずかれましたので――うなだれるのではなくてうなずかれましたので、そういうことだと思います。しっかりやっていただきたいと思います。 もっと言いますと、非常に間違い――間違いというか、議事録を読んでみて、私から言わせると大変問題がある。「私から言わせると」というのは、事実に基づいていないということが言いたいわけです。中身のことについては言っておりません。 このような発言があり、この方はこのように言っている――なぜ、「この方」かというと名前が載っていないからです。そしてこのように発言しています。「ユネスコの世界遺産が認められたが、産業遺産で幕末から明治にかけて、育鵬社の記述では、世界から評価された日本の産業革命についての歴史を捉えている。中身がぴったりだと思う」ということですが、この方――私も育鵬社と東京書籍の教科書を見ておりましたが、世界遺産――私は萩市の出身でございますので、吉田松陰などと呼び捨てにするのは本当に心が痛む。松陰先生で育ったわけですからね。 それで、このユネスコの産業遺産のことでいいますと、育鵬社の教科書は、静岡県伊豆の国市の韮山反射炉だけが載っているんです。しかし、東京書籍のほうは萩反射炉と韮山反射炉が載っているんです。どちらが産業遺産について書かれていますか。本当にびっくりします。 今、教育委員会としては、間違いがあったら訂正するということを言われました。今、山口県教育委員会が公平・公正な採択をするためにどんな工夫をしているか、お尋ねします。どんなことをされていますか、県教育委員会は。 ○議長(藤本泰也君)  長岡議員に申し上げます。県のことではなく、市のことでお願いできたらと思います。 ◆14番(長岡辰久君)  今、私が言いましたように、ちょっと間違いがあった――誤解かもしれませんし、故意ではないかもしれません。しかし、県教育委員会では、このような間違いを防ぐためにいろんな施策をやられております。まず一つは、この採択協議会の議事録を全部――要旨じゃありません、全面公開をしております。しかも名前入りでございます。岩国市はそのようなお考えはありますか。 ◎教育長(守山敏晴君)  岩国市も昨年度から、要旨ではなく発言内容について記述するようにしております。 ◆14番(長岡辰久君)  名前についてはどうでしょうか。ここには「委員」としか書かれていないんですよ。県は委員の名前も全部公開しております。岩国市はどうでしょうか。 ◎教育長(守山敏晴君)  岩国市の場合は、静ひつな環境というか、自分の意見が自然に言えるようにするために、名前は伏せて「委員」と記入するようにしております。 ◆14番(長岡辰久君)  要旨ではなく全部公開するというのは一歩前進だと思います。しかし、採択協議会の委員は、いわゆる公費で仕事をしているわけです。ですから私は――今、教育長は「静ひつな環境」と言われましたけれども、静ひつな環境ということは、今までにそういうことがあったのかどうか。要するに、静ひつな環境にしなければいけなかった……(発言する者あり)ということがあったのかどうか――おっしゃるとおりですね。枕言葉が要ります、主語が要るんです。では、お答えください。 ◎教育長(守山敏晴君)  これまでの資料がありますけれども、例えば、委員のところに封書が来たり、ビラがまかれたりといったことがありましたので、静ひつな環境ということで、そういった外部から意見が届かないように――一般的な意見はよろしいんですけれども、そういったことがないように、名前の公開まではしないということにしておりますし、議事の内容についても責任は教育委員会、また、教育長のほうが全部受けますので、それぞれの委員の方々――中には保護者の代表の方々もいらっしゃいますし、教員の代表の方もいらっしゃいますから、そういった方の発言を守る意味でも、非公開としております。(「韓国からも手紙が来ましたよ」と呼ぶ者あり) ◆14番(長岡辰久君)  教科書の採択については、本当にいろいろ大変だと思います。私は、理科の教員でしたけれども、英語の教科書を選べと言われたら困ります。壇上で言いましたけれども、例えば、育鵬社の教科書の「現金掛け値なし」とはどういう意味かと聞かれたら、皆さんは答えられるかもしれませんが、私は答えられませんでした。それは専門家じゃないからです。今もって、子供たちが使っている教科書は訂正されていません。私は中学校の教員でしたが、間違ったところは訂正が来るんですよ。だけれど、8年たってもまだ来ないというのは、私は問題だと思います。ちょっと調べてみますと、ほかの教科書とは記述が全く違うんです。教育長が今、首を振っておられますが、今、「現金掛け値なし」の話をしているんですよ、いいですか。「現金掛け値なし」について説明が全く違い、育鵬社の教科書は「現金を吹っかけている」……。「現金払いで値段を吹っかけていない」、これが「現金掛け値なし」です。今、このことだけにずっと集中してもいけませんから、私が言いたいのは、公正・公平な教科書採択をしていただきたいということです。そのために、今回は一歩進んで、教育長がおっしゃいましたけれども、「誤解を含む発言があった場合は、協議会に同席する事務局がその場で確認の上、必要に応じて訂正するなど、協議が公正・公平に進行するように留意いたします」と答弁されております。ぜひ、このことは守っていただきたい。 ことしの9月1日に発表されるわけですけれども、私ももう一回、議事録を公開請求いたしまして、一つ一つ調べさせていただきます。 そのことを申し添えて、このことについての質問を終わります。 それでは、岩国基地問題について再質問をいたします。パブリックアクセスロードについて、2018年12月7日に私は一般質問いたしました。部長はこのように答弁をしております。「市としましても、パブリックアクセスロードは、市民のレクリエーションの場として、早期の開放を望むものであり、今後も米軍に対してだけではなく、国も含めて一日も早い開放に向けて働きかけを行ってまいりたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願いします」と。あれから半年たちました。その後どのようなアクションをされましたか。その結果はどうですか。答えてください。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  パブリックアクセスロードの再開につきましては、先般も議会で申し上げたとおり、我々は強い姿勢で、再開してほしいという思いを、これはもう継続して持っているということをまず申し上げておきたいと思います。その上で、これは県にも議会後に……(「質問に答えてください。端的に」と呼ぶ者あり)確認いたしまして、今後も一緒に連携してやっていこうということを確認しつつ、国に対してもそういう考えを伝えながら、また、米軍との協議において、事務的には、そういうことを機会あるごとに伝えてはおります。そういうことを継続してやっているということは、申し上げておきたいと思います。 ◆14番(長岡辰久君)  長々と答弁されましたけれども、私が言っている質問には何も答えていない。いつやったか、その結果はどうでしたかということを私は質問しています。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  いつやったかという具体的な日にち等につきましては、申しわけございませんが通告されておりませんので、今、手元に資料を用意してございません。申しわけございませんが、そこはちょっとお答えできません。 ◆14番(長岡辰久君)  閉鎖されてからもう2年たっております。解決のための情熱も誠意も努力も責任感も感じられないような答弁だと私は感じました。答弁されたんですから実行していただきたい、「努力していく」と言うんだから。理解できませんよ、これでは。引き続き頑張っていかれるということで。いいですね。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  繰り返しになりますけれども、先ほども申し上げましたけれども、再開に向けた働きかけは継続してやっていくということを申し上げておきます。 ◆14番(長岡辰久君)  では、質問を変えて、米兵の犯罪に対する対応についてお伺いします。 5月19日、麻里布町の市道上において、米軍岩国基地の軍属が、飲食店店先の植木鉢を投げて破壊して逮捕されるという事案が発生しております。5月19日に事件が発生して、その対応は翌日でございました。そして、6月7日にも事件が起こっております。このことをつかんでおられますか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  6月7日の事件につきましては、市のほうとしても、国のほうから情報提供がありまして、把握してございます。 ◆14番(長岡辰久君)  このことについて、どのような対応をされましたか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  現在、この事件につきましては、これも中国四国防衛局からの連絡でございますが、まだ捜査中とのことでありまして、市としては、引き続き状況を注視した上で、この捜査の結果を待って、今後適切に対応したいというふうに考えてございます。 ◆14番(長岡辰久君)  まだ、対応されていない……。「やまぐち845」というNHKのニュース番組があります。ここでも6月16日に報道されております。この報道の中で、岩国市は何の対応もしてないということを言われました。6月15日の毎日新聞の記事によりますと、「海兵遠征軍は「米軍はこの事実を把握し」」――米軍は把握していると。「不適切な行為に対しかけられるすべての嫌疑を深刻にとらえている。警察署と連携して対処しているとコメントをした」とあります。今、空母艦載機受け入れで、1万人近い方が岩国市に来られております。このことで、事故が起きる、事件が起きることは予測できたはずですよ。ですから、素早く対応することが市民の安心・安全につながると思いますが、いかがですか。逮捕されないとやらないんですか。(発言する者あり) ◎市長(福田良彦君)  米軍構成員による刑法犯でありますが、昨年度はゼロであったんですが、先ほどの議員のお話のように、4月、5月ぐらいから事件・事故が立て続けに起こりました。麻里布町の飲食店の軒先にあった植木鉢の破損――それは軍属によるものだと聞いておりますが、その後、広島のほうで海兵隊員による飲食店員への暴行、そして、先ほどの、6月7日に岩国市内で車両を窃盗しての事故ということで、今、警察のほうでも、いろいろ取り調べが進んでおるということであります。実は、私は常日ごろから基地司令官といろいろ連絡をとり合っておりまして、司令官とこの件についても話をいたしました。立て続けに米軍構成員による事件等が起こっておる中で、何か基地の中でそういったいろんな要因といいますか、背景があるのではなかろうかということを私のほうから尋ねました。司令官のほうからは、構成員に対してこれまで基地の中でやっているような安心・安全のブリーフィングとか、そういったプログラムを決して間引いたわけではなく、定期的に構成員に対しては教育をしているという回答でありました。私のほうからは、いま一度その辺はしっかりと徹底をしてほしいということを、改めて司令官のほうに言ったところであります。まさに空母艦載機の移駐が完了して、こういった事件・事故等が多くなることは決してよくないということで、改めて安全の徹底を司令官のほうに申し入れたところでございます。 ◆14番(長岡辰久君)  それでは、FCLPのことについて再質問をいたします。 15番議員の質問で、市長は、FCLPの疑義があるということを答弁されました。担当の方は現地に行って確認をされましたか。調査員も、光学誘導装置があると報告され、市長も、FCLPじゃないかという疑義があると言われましたけれども、直接見られましたか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  この光学誘導装置を使っての訓練につきましては、まず、基地情報提供協力員が確認をし、そういう報告を我々として受けてございます。職員はその間、現地には赴いてはございませんが、我々も基地政策課執務室内から見ていれば、ある程度、そういうタッチ・アンド・ゴー的な訓練を行っているということは見えるわけですから、事務をしながら執務室からそういった飛行の状況については注視をしていたということでございます。 ◆14番(長岡辰久君)  行っていないということですね。現地に職員は行っていない。(「職員は、その……」と呼ぶ者あり)部長や審議監も行かれていませんね。FCLPかどうかというのは、「国が言っていない」「米軍が通告していない」と言われました。では、岩国市としては、FCLPかどうかというのは誰が判断するんですか。どうやって判断するんですか。 ◎審議監(村田光洋君)  まず、FCLPの状況ですけれど、基地情報提供協力員からの情報とか、我々の目視によって確認できましたので、私や部長が直接現地に行って確認する必要がなかったということでございます。 それから、誰が判断するかということですが、一義的には、やはり実施している米軍がこれはどういう訓練であるかということを判断して、国の質問に対して答えるものです。市長が、疑義があると昨日申し上げましたのも、我々も当然そういった状況を見て、FCLPをやったのではないかという疑義があったから、これはどういう訓練なのかということを照会し、国のほうは、米側に確認して、部長が昨日答えましたが、そういう内容の回答があった。さらには、市長が防衛大臣に直接確認しても同様の回答があったということで、そのことをもって、市としてもこれは通常訓練の一環であったというふうに最終的に判断しているということでございます。 ◆14番(長岡辰久君)  実は厚木で、2017年9月1日から5日間、5時間前に通告をして訓練がやられたんです。御存じですよね。このとき、どういう対応をしたか。黒岩神奈川県知事は、現地に行ってロイド・マック司令官に即時中止を要請していますよ。小野寺防衛大臣は、ハガティ駐日米国大使との会談で中止を要請しています。トップの人が要請に行っているんですよ。今の答弁では、岩国市は、FCLPかは誰も判断できる能力がないということでいいですか。(発言する者あり) ◎審議監(村田光洋君)  どうも議論に差異があるんですけれど、岩国市が判断というか、我々もそういう疑義があったから照会をして回答を得て、それに対応しました。今の神奈川県の場合は、米側あるいは国から明確にFCLPをやるという通告があって、それを行ったから、それは当然そういった行動をとられた。岩国市においても、FCLPが平成12年以前は実施されておりましたけれど、そのときも同様の対応で、当時の市長もそういった抗議をしました。それ以後、岩国ではFCLPは実施されておりませんけれど、仮定の話をするのはあれですが、仮にそういうことがあれば、当然、岩国市の基地政策の基本方針にも反することですので、それは市長も相当の対応をするということは、明確に申し上げておきます。 ◆14番(長岡辰久君)  それでは、岩国日米協議会での確認事項について再質問いたします。 由宇町には市街地はありますか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  一般的に申し上げて、私は、総合支所付近は市街地と言えるのではないかというふうに考えております。 ◆14番(長岡辰久君)  市街地の定義は、こう書いてあります。「人家がたくさん集まっているところを市街地と言う」。だから、由宇町には市街地があるわけで、玖珂町にもあります。錦町や錦帯橋のところにもあります。ここに、今、米軍機が飛行している。こういうことはつかんでいますか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  米軍機が由宇町それから今おっしゃられました玖珂町といった地域を飛行しているということにつきましては、市民からの苦情の声といった形で、市としても把握をしてございます。 ◆14番(長岡辰久君)  岩国市がつくった「基地と岩国」によりますと、「①安全上許す限り工場及び市街地の上空を飛行しない」という確認事項があります。これは、守られていませんよ、今、部長が言われたように。運用マニュアルのことがありまして、正月と盆のことについて、以前の会議録を取り寄せてもらいました。この発言が正しいかどうか、ちょっと質問します。「正月三が日は訓練をしないということですので、ここで想定しているのは、例えば市街地上空で、この近くで時々やる訓練とか、そういった訓練を行わないという意味でありまして、離着陸そのものを認めないという、そういう非常に厳密な表現ではございません」。審議監のこの発言は正確ですか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  今、おっしゃられました離着陸につきましては、正月三が日の飛行につきましては、「訓練は行わない」というのが確認事項の内容でございますから、現に民間航空機等も離着陸等を行っていることを踏まえて、米軍に対して離着陸がいけないとまでは考えていないというのが我々の今の認識でございます。 ◆14番(長岡辰久君)  ちょっと誤解があると思うんです。今、言われたのは、⑦の「正月3が日は訓練を行わない」のことを指していると思います。しかし、この頭には「飛行について」とあります。飛行について8項目あり、そのうちの7番。だからこう読まなければいけないんです。「飛行について正月3が日は訓練を行わない」と読まなきゃいけないんです。そうでしょう。「飛行について」と書いてあるんですから。 ◎審議監(村田光洋君)  岩国日米協議会での確認事項を「基地と岩国」に取りまとめておりますけれど、それは、それまでいろいろ米側と協議した内容を取りまとめてそのページにわかりやすいように編集したものでございまして、「飛行について」というのは、いろんな項目から、飛行についてをカテゴリーとして分けて表示したということですので、現実の協議の中で、そういった飛行についてということではなくて、現実的な協議の中では、正月三が日は訓練をしないということを米側と確認したということでございます。 ◆14番(長岡辰久君)  それでは、市長に伺います。壇上でも言いましたけれども、市長は以前、このように言われております。「しかしながら、この表現自体が訓練か普通の離発着なのか、これはわかりにくさもあろうと思いますので、やはりそういったことも含めて、これから岩国日米協議会のこれまでの内容を、表現も含めてしっかりと米側、また防衛局等の中で議論をしていく必要性については、私は認識しているところであります」。この認識は変わっていないですか。 ◎市長(福田良彦君)  その解釈について、先ほどから長岡議員のほうと我々のほうに誤解が生じているわけでありますから、だからこそ、その表現についてもしっかりと見直そうということで、今、作業も進めておりますので、以前答弁した内容とは全く変わっていません。まさにそういった内容をいま一度精査して、表現も含めてわかりやすい表現に直そうということで今、協議を進めておりますし、作業中ではありますが、実際に、米軍のほうもことしは正月の飛行を控えたということもあります。米軍は米軍なりに盆と正月――あと受験日とか、そういったことも含めて、我々がしっかりと日時等を含めて米側に言っておりますので、それは米側としても、運用を控えるべきはしっかりと控えるということで、配慮もあったということでございます。 ◆14番(長岡辰久君)  今、市長は「米側」と言われましたけれども、この岩国日米協議会の規約――平成3年5月15日の中には、「米側」という言葉はないんですよ。(発言する者あり)そのとおり、「米軍」です。だから、「米軍」と言っていただきたいですね。(発言する者あり)いやいや、細かいんじゃないんです。これが大事なんです。(発言する者あり)(笑声)そのとおりです。細かいことはないんです。言葉が大事なんですよ。言葉で進んでいくわけですから。 それで、ちょっと言いますと、この答弁の中にこういうことが言われております。日米合同委員会という言葉があります。岩国日米協議会と日米合同委員会はどう違うのかということを丁寧にわかりやすく説明してください。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  日米合同委員会と岩国日米協議会の違いですが、端的に申し上げます。日米合同委員会は、アメリカと日本の、いわゆる実務者会議ということで、日米地位協定の運用等を協議する場として設定されておりまして、その中で日米地位協定の運用等を協議しているということです。そういう委員会で合意をされたものが日米合同委員会合意でございます。これに対して、岩国日米協議会につきましては、壇上でも答弁いたしましたが、いわゆるローカルルールで、これは現地米軍と岩国基地と地元自治体が協議の中で確認したということでございます。いわゆるローカルルールなのか、政府間の合意なのか、そういう違いだというふうに認識していただければよろしいかと思います。 ◆14番(長岡辰久君)  日米協議会をやっているのは岩国基地と三沢基地だけですよね。あとはみんな合同委員会合意をやっております。今、市長からも見直しについて発言をされました。ぜひ、これは期限を決めてやっていただきたい。そうでないと、いつまでたっても市街地の上空を好き勝手に飛ぶ、盆と正月も飛ぶということが行われます。これでは、「基地との共存」は認められませんよ。米兵による事件・事故についても発言をしましたけれども、市民が安全・安心で暮らせる。これが自治体本来の仕事でございます。 ○議長(藤本泰也君)  時間になりました。 以上で、14番 長岡辰久君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午後0時 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後1時 再開 ○副議長(貴船斉君)  休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 7番 矢野匡亮君。 ◆7番(矢野匡亮君)  皆様、こんにちは。7番 憲政会の矢野匡亮です。この場で、2回目の質問をさせていただくこととなりました。改めて身の引き締まる思いです。頑張ってまいりますので、よろしくお願いします。 それでは、通告に従いまして質問します。 消防車両の安全基準についてと上水道と下水道の料金徴収一元化についての2点、質問させていただきます。 まず、本市消防団が使用する消防車両の安全基準についてお伺いいたします。 昨年7月の豪雨災害では、本市においてもとうとい人命が失われ、数多くの人が被災されました。また、昨晩は山形県沖を震源とする強い地震があり、多くの方が被災されました。心からお見舞い申し上げます。 本市においても、いつ地震が発生してもおかしくない状況であることを、改めて認識しました。今後、台風、異常気象、地震、火災等により被害が発生しないことを願っております。 災害時においては、岩国市・岩国地区消防組合・岩国市消防団の皆様を初めとした方々の献身的な御努力によって、数多くの人が救われたと聞き及んでおります。 その中において、人の力だけでは対応できない部分を機械が補っています。きょうは、このとても重要な消防車両の安全基準について質問させていただきます。 消防車両の安全基準については、平成16年度に消防庁から、各市町村消防団等の消防機関が使用する消防用車両等に関する安全基準を策定する必要がある旨の方針が示されました。 初めに、本市においてはどのような消防用車両の安全基準が制定されているのかお伺いいたします。そして、合併後10年以上たった現在、消防車両の更新基準については、どのような実態になっているのかお示しください。 次に、上下水道料金徴収一元化についてお尋ねします。 水道局におかれては、昨年、2回の大島大橋送水管破損時に、1カ月以上にも及ぶ給水業務に対する支援活動に従事されたことに、心より敬意を表します。 初めに、本市の上水道と下水道の普及率についてお尋ねします。さらに、上水道と下水道の両方が整備されている割合についてもお示しください。 次に、上水道と下水道の使用料金の請求方法及び徴収方法についてお示しください。 続いて、上水道と下水道の使用料金を滞納している場合の使用料金徴収など、対応をどのように行っているかお伺いします。 さらには、平成30年度の水道事業会計における水道事業費において、おおよそではありますが、給水収益19億6,000万円に対して債権の不納欠損処理額は約41万円で約0.02%。下水道事業においては、営業収益約13億円に対して債権の不納欠損処理額は約600万円で約0.46%です。上水道と下水道の欠損処理額は、なぜここまで違うのかお伺いします。 そして、本市の上下水道料金の徴収一元化に向けた今後の取り組みについて、どのようにお考えなのかお伺いします。 以上で、壇上からの一般質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、矢野議員御質問の第2点目の上下水道料金徴収一元化についてお答えいたします。 まず、本市上下水道の普及率についてでございますが、平成29年度末の本市の行政区域内人口は13万5,662人に対して、上水道については、給水人口が11万437人で、普及率は約81.4%となっている一方で、下水道については、処理区域内人口が4万7,383人で、普及率は約34.9%となっております。 なお、上水道の給水戸数5万6,612戸に対する下水道の整備率は、約30%となっております。 次に、使用料金の請求方法及び徴収方法についてでありますが、水道料金の請求方法については、2カ月に1回の検針後に検針データと料金のお知らせを配付し、後日、納付書を送付しており、下水道使用料の請求方法については、水道局からの検針データをもとに下水道使用料を算定し、納付書を送付しております。 徴収方法については、水道料金、下水道使用料ともに、口座振替のほか、コンビニ納付を含む納付書払いにより、別々に徴収をしている状況であります。 次に、使用料金の滞納対策についてでございますが、上水道、下水道ともに、納付がない使用者に対し、督促通知書や催告通知書の発送等による納付の督促、そして催告を行い、それでも納付がない場合には、上水道については給水を停止、下水道については財産の調査をした上で、差し押さえなどの滞納処分を行っております。 次に、債権の不納欠損処理額の上下水道の差についてでございますが、現在、水道料金と下水道使用料は別々に収納しており、水道料金は納付するが下水道使用料は納付しない使用者の存在が、不納欠損の処理額に差を生じさせる要因の一つとなっております。 使用者の納付の意識が異なる理由としては、使用者が滞納した際に、上水道は給水を停止することができるのに対し、下水道はそのような対応ができないこと、また、本市では水道料金よりも下水道使用料のほうが高いため、金額が少ない水道料金の納付を優先される方が多いことなどが挙げられます。 最後に、一元化に向けた今後の取り組みについてでございますが、過去には、徴収一元化に向け、費用面や事務面などの諸課題について検討する協議会を定期的に開催しておりましたが、その検討の中で、当時は上水道と比較して下水道の普及率が極めて低かったことから費用対効果が見込めないとの結論に至り、平成20年を最後に協議会による検討を一旦終了しました。 しかしながら、その後、10年以上が経過し、下水道については管路建設工事の推進により、平成20年度末の普及率25.2%から平成29年度末には34.9%と、約10%上昇しております。 また、上水道事業については、平成25年4月から水道料金の徴収業務を民間に委託したこと、下水道事業においては、平成27年度から地方公営企業法の財務規定を適用したほか、本年度からは農業集落排水事業と特定地域生活排水事業も一括して運営を始めたことなど、上水道、下水道ともに業務の運営状況が大きく変化してきております。 そうした状況の中、住民サービスの向上、経費の削減、事務の効率化を図るために、上下水道料金の徴収一元化の必要性が高まっており、本年度から改めて徴収一元化に向けた協議を再開し、諸課題の抽出、先進地への調査、意見照会等を行っている状況でございます。 今後、令和3年度からの徴収一元化の実施を目途に、作業を進めていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎消防担当部長(村中和博君)  第1点目の消防車両の安全基準についてお答えいたします。 まず、(1)本市の状況についてですが、現在のところ、本市独自の安全基準は定めていませんが、平成19年3月に日本消防検定協会が策定した「消防用車両の安全基準について」を参考にしながら、消防団車両の維持管理、更新等を行っています。 本市は、消防ポンプ自動車35台、可搬ポンプ積載自動車105台、指揮車等その他車両8台の計148台の消防団車両を保有していますが、これらの車両は、車検と定期点検に加えて、運用する消防団員みずからが毎月、走行や放水が正常に行えるか動作確認をしており、火災や大規模災害などの有事に即応できる体制を整えております。 次に、(2)消防車両の更新基準についてですが、平成18年3月の合併までは、各市町村が、それぞれの方針で消防団車両の維持管理、更新等を行っていましたが、合併協議会で地域ごとに頻度の偏りが出ないよう、公平かつ計画的に更新を行うことを目的に、統一基準を策定しました。この基準は、20年を超えて使用した車両は速やかに更新するというもので、現在、これにのっとって計画的に消防団車両を更新しております。 近年の異常気象に伴う台風の大型化や、「今までに経験したことのない豪雨」と言われる局地的な大雨などの自然災害により、甚大な被害が発生する中、市民の安心・安全に寄せる関心は極めて高く、消防・防災体制の充実強化は、行政の最重要課題の一つです。 今後も、地域防災の中核的な存在である消防団が市民からの期待に応えられるよう、資機材の配備も含めて災害対処能力の向上に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆7番(矢野匡亮君)  上水道と下水道の料金徴収一元化については、本市の現状・課題・経緯をお示しいただきました。 現状、本市において、上水道と下水道の料金徴収において、同じような作業を別々に行っている二重作業とも言える実態がわかりました。しかし、令和3年度からの上水道と下水道の料金徴収一元化の実施を目標に作業を進めるとの、具体的な方針、時期を示していただきました。 上水道と下水道の料金の徴収一元化ができ、効率的な運用、平等な利用料金負担、そしてさらなる普及率の向上に取り組んでいただきたいと思います。令和3年度に向けた具体的な計画を注視していきたいと思います。本件について再質問はありません。 続いて、消防団所有の消防車両安全基準について再質問させていただきます。 消防団の皆様から、機器が故障しても老朽化しても、20年たたないと更新してもらえないという声を聞きました。合併前は必要に応じて更新できたのにという声も聞きました。合併前の旧市町村での更新は、どのように行っていたのかお伺いします。 ◎消防担当部長(村中和博君)  合併以前は、いずれの市町村も車両の更新時期を明確に定めておりませんでした。年限を設定して計画的に更新するというより、現場での使用に支障を来すなど、能力が低下し、修理も見込めないようなものについて、適宜、更新してまいりました。 ◆7番(矢野匡亮君)  合併前には20年の制限がなく、適宜、必要に応じて更新していたことがわかりました。 現在、本市が参考にしているという日本消防検定協会の消防用車両安全基準検討会の資料には、消防用ポンプ車両の更新時期についてはどのように記載されているのでしょうか、お伺いします。 ◎消防担当部長(村中和博君)  消防ポンプ自動車の使用期限、保証の期限、修理の対応年数及び交換部品の供給対応年数については、艤装メーカーが設定して使用者へ提示するものと規定されております。 ◆7番(矢野匡亮君)  現在、本市が採用している消防ポンプ車両の艤装メーカーからは、更新期限は何年と提示されているのでしょうか、お示しください。 ◎消防担当部長(村中和博君)  15年と提示されております。 ◆7番(矢野匡亮君)  先ほど、日本消防検定協会の消防用車両安全基準検討会の資料をもとに運営して、20年での更新との答弁がありました。しかし、艤装メーカーからの提案は15年が更新期限とのことです。なぜ、15年が20年になったのでしょうか、お伺いします。 ◎消防担当部長(村中和博君)  艤装メーカーが提示する15年の更新が望ましいことは、十分認識しております。ですが、合併により、本市が保有する車両が約150台と、大幅に増加しました。このため、更新期限を15年に設定すると、将来にわたり消防団車両更新に係る経費が膨大になることが懸念されました。 そこで、費用の軽減という観点から、メーカーの助言等も得ながら適切にメンテナンスを行うことで、提示の期間よりも5年ほど長くしたものでございます。 ◆7番(矢野匡亮君)  費用の軽減が優先され、20年更新になったとのことです。合併時の財政状況をいろいろ考えられたとは思いますが、現在の異常気象を初めとした状況を考えたら、そろそろ見直す時期ではないのかと提言させていただきます。今後、どのような施策を展開されようとしているのか、お伺いします。 ◎消防担当部長(村中和博君)  合併当時、膨大な車両更新に伴い、将来的な費用の軽減という観点から、20年更新という基準を定めて、これに沿って運用してまいりましたが、合併から13年余りが経過いたしまして、災害の規模や発生頻度など、当時と比べものにならないほど増大しているところです。 地域の防災・減災に大きな役割を果たしている消防団が、火災や大規模災害時にその能力を十二分に発揮できるよう環境を整備することは、行政の最重要課題だと考えております。 性能劣化が著しく、災害対応に支障を来すような資機材につきましては、20年という基準にとらわれることなく、速やかに更新して有事に備え、市民の安心・安全の確保に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆7番(矢野匡亮君)  今、20年の基準にとらわれることなく、必要に応じて速やかに更新との答弁をいただきました。そのようにしっかり取り組んでいただきたいと思います。 次に、市政のトップであります福田市長にお伺いします。 本年2月の施政方針において、災害に対する日ごろの備えの大切さや、地域の防災力を高め、災害に強いまちづくりを目指すと発言されました。また、先ほど、壇上からの答弁で、「今後も、地域防災の中核的な存在である消防団が市民からの期待に応えられるよう、資機材の配備も含めて災害対処能力の向上に努めます」とありました。 今後、消防団の災害対処能力の向上等について、どのようにお考えかお伺いします。 ◎市長(福田良彦君)  消防団の皆様方におかれましては、地域に非常に精通された方がなっておられますし、地域の防災リーダーとして、その動員力もさることながら、日ごろからお仕事を持ちながらも昼夜を問わず献身的な消防防災活動に従事していただいておりまして、市としても非常に心強く感じております。また、議員の中にも消防団の方々もおられますし、私も、かつては消防団に所属しておりました。そういったことで、ピーク時には200万人と言われた消防団員が、今は90万人を割っているわけであります。消防団員の確保等、そういった課題もありますが、先ほどから矢野議員から質問をいただいておりますのは、そういった非常備消防である消防団の装備品や資機材について、しっかりと充実させるべきだというお話でございます。 先ほど、消防担当部長の答弁にもありましたように、原則20年ということをうたってはおりますが、壊れても更新しないというわけではなくて、これまでしっかりとメンテナンスしながら適切な運用をしてもらっておりますが、もし、そういった異常とか、故障したりして使えなくなれば、それはもう、その時点で更新をすることであります。 そういった中で、先般、6月9日に県の総合防災訓練がありました。常備消防、消防団員、関係機関が集まって、いろんな総合的な訓練をしたわけでありまして、昨今の資機材は非常に進化しており、軽量化や、機能も向上しております。そういった資機材も随時進化しておりますので、消防団員のほうからも新たにこういった資機材を導入してほしいといった意見も――消防団幹部からもいただいております。 そういった中で、今の資機材をしっかりと――ある程度経費もかかりますので、そういったサイクルの目安はつくっておりますが、適宜――昨今、いろんな自然災害が起きており、通常の訓練に加えて出動の回数もふえておりますので、資機材の摩耗等も激しくなってきております。 そういった中で、その資機材がいざというときに使えないということが最悪でありますので、消防団の方々が日ごろ訓練している技術がしっかりと現場で生かされて、市民の安心・安全につながるような体制づくりをしっかりとやっていく上で、資機材の配備等も含めて、しっかりと充実をさせていきたいというふうに考えております。 ◆7番(矢野匡亮君)  大変いいお言葉をいただきました。ぜひ災害に強いまちづくりの実現に取り組んでいただき、安全・安心な岩国市をつくっていただきたいと思います。 以上で、私の質問を終わります。 ○副議長(貴船斉君)  以上で、7番 矢野匡亮君の一般質問を終了いたします。 6番 中村雅一君。 ◆6番(中村雅一君)  皆さん、こんにちは。憲政会の中村雅一でございます。通告に従い、一般質問をさせていただきます。 議員となり初めての経済常任委員会での行政視察をさせていただきました。金沢・富山・富岡の3市を回りました。この3市は、昨晩の地震で震度3であり、震源地近くで被災された方々とともに、お見舞い申し上げます。 視察の際、この3市の関係者の方々には温かいおもてなしを受け、実り多い視察となりました。その中で感じたそれぞれの取り組みの姿勢は、見習うべきものが多かったと思います。 本市も、さまざまな経済の活性化についての取り組みをされていますが、本市の未来を見据えた未来構想の取り組み方として、後継者の育成と活性化への手法について質問をさせていただきます。 質問の1、岩国市の職人の育成について、(1)建設業界の後継者育成について。 視察先の一つ、金沢職人大学校は、金沢市が出資して社団法人として平成8年に設立され、現在に至っています。この大学校は、高度な職人の技術を後世に伝えるために、石工科・瓦科・左官科・造園科・大工科・畳科・建具科・板金科・表具科の9科と、ここを卒業した修復専攻科があります。3年間の夜学で、学費は無料です。 私が初めてこの大学校を訪れたのは平成14年でした。当時の事務局長から説明を受けて一番印象に残ったのは、「金沢の町は金沢の人で守る」という、職人大学校を設立する決意を表明された当時の市長の言葉でした。職人の育成や町屋などの文化財の保護の大切さを市民に理解してもらうには、設立以前の20年間の活動もあったと聞いております。 このたび再び訪れて、当初の思いを引き継いでおられ、これまでに300人を超える職人を育ててこられたそうです。 金沢には金沢で守るべきものがあり、岩国市にも岩国市で守るべきものがあります。江戸時代の生活を思い起こさせる古民家や神社仏閣、そして指定文化財など、岩国市の宝とも言える建造物や史跡、これらを修復して後世に伝えることが、今の岩国市でできるでしょうか。 四、五年ぐらい前でしょうか、岩国建設業協同組合を中心として、岩国市に技術者を育成する学校の設立をという活動がありましたが、この活動は頓挫しています。 そこでお聞きします。少子化、職人離れ、機械化などにより激減する職人に対して、本市は職人を育成するシステムの構築についてどのように考え、どのような対策をとるべきか、検討されていることがありましたらお聞かせください。 (2)岩国市の職人について。 金沢市では以前、文化財を修復するとき、それに従事する職人に金沢の職人が一人もいないことに気づき、このままでは金沢の文化が失われると危機感を覚えたそうです。本市はどうでしょうか。 文化財の大規模な取り組みといえば、錦帯橋の平成のかけかえ以降ありませんが、次の文化財修復工事は岩国市の職人でできるでしょうか。建設・建築関係者の職種別職人の数と、その推移についての調査、また、今後の対策等の検討が進んでいるなら経過報告をお聞かせください。 質問の2、本市の世界遺産登録に対する取り組みについて、(1)世界遺産登録に向けての手法と計画について。富岡製糸場が世界遺産を目指したのは平成15年8月で、暫定リストに掲載されたのが平成19年1月、世界遺産に登録されたのが平成26年6月です。発端は、群馬県知事が富岡製糸場を世界遺産にしようと言ったことによると説明を受けました。世界遺産になる3年ぐらい前までは、ほとんどの人が世界遺産に登録されると思っていなかったと、説明員は笑っておられました。しかしながら、それまでに世界遺産登録に向けた活動は大変なものがあったと推察されます。 本市においても、錦帯橋の世界文化遺産登録に向けた取り組みが進んでいますが、構成資産の違いから、富岡製糸場と同じ手法はとれないと思います。 そこで、錦帯橋を世界文化遺産とするための手法及び年次計画をどのように立てておられるのか、また、世界遺産委員会への推薦書(暫定版)も視野に入れた提案書の作成をされているのかお聞かせください。 (2)バッファーゾーンを構成する地区住民と基本計画について。 富岡製糸場を世界遺産とするため、バッファーゾーン(緩衝地帯)を構成する周辺の都市計画調整区域の解除、保全のための新たな条例の制定など、住民との協議がかなりされたと思われます。 本市としては、バッファーゾーンを構成する地区の住民との合意形成はどのように進めておられるのでしょうか。また、富岡製糸場の周辺整備はかなり進んでおり、駅からの道筋に道しるべとなるような舗装がなされ、鉄道を利用してこられた人々のために駅舎を整備するなど、目に見えるような形で町の整備を行っていました。 本市としては、周辺整備の計画は世界遺産に向けてどのように進めるのか、基本計画があるならお示しください。 (3)具体的な取り組みについて。 錦帯橋が世界遺産になるための構成資産であるバッファーゾーンに点在する文化財や古民家など、町並みの具体的な保存計画は、どのように進めておられるのでしょうか。 城下町地区街なみ環境整備事業計画は、世界遺産を目指すには大事な計画ですが、これは長期的な計画で、登録の早期実現から考えると補助的な計画となります。市として錦帯橋の世界遺産登録を目指すには、積極的な整備計画が必要と思いますが、お考えをお聞かせください。 また、富岡製糸場は、保存管理計画と整備活用計画が順次整備され、世界遺産に向けて具体化されていきました。錦帯橋においては、保存活用計画をこれから策定しながら提案書を順次補完していくとのことでしたので、提案書の完成まで、いましばらくかかると思われますが、富岡製糸場では、保存活用の観点で、保存管理班と整備活用班との調整がかなり難しく、いまだに協議が絶えないそうです。 本市としては、どのような体制で保存活用計画を立てていかれるのかお聞かせください。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、中村雅一議員御質問の第2点目の本市の世界遺産登録に対する取り組みについてお答えいたします。 まず、(1)世界遺産登録に向けての手法と計画についてでありますが、御承知のとおり、先般、日本から世界遺産登録の推薦を行っている、百舌鳥・古市古墳群について、世界遺産委員会の諮問機関であるイコモスから登録勧告がなされており、今後、世界遺産委員会において、イコモスの勧告を踏まえ、世界遺産一覧表への記載の可否が決定されることとなります。順調に記載が決定されますと、日本の世界遺産は、文化遺産が19件、自然遺産4件の計23件になります。 この百舌鳥・古市古墳群につきましては、平成19年度の世界遺産暫定一覧表への掲載に向けた公募のもと、平成22年に暫定一覧表に記載され、早くから有力な候補と期待されながらも、国内選考を3度見送られ、そのたびに有識者からのアドバイス等を参考に登録推薦書の原案の見直しを重ねられたと聞いております。 錦帯橋につきましても、百舌鳥・古市古墳群と同じく、平成19年度に山口県と共同で提案を行い、カテゴリーⅠaという高い評価を得ましたが、残念ながら暫定一覧表への記載は見送られ、あわせて文化庁から課題が示されたところであります。 その後、課題を克服するため、平成21年6月に、錦帯橋世界文化遺産専門委員会を設置し、錦帯橋の顕著な普遍的価値の証明に関する調査・研究を進めるとともに、世界遺産登録推進に関する議論等を行ってまいりました。 課題克服のための具体的な方策として、国内外の専門家を招いてのシンポジウムを開催するなど、広く錦帯橋の価値や魅力を発信し、理解を深めるとともに、平成28年11月には、本市と山口県、関係団体とで構成する錦帯橋世界文化遺産登録推進協議会を設置し、ロゴマークの募集やリーフレットの作成、ホームページの開設のほか、錦帯橋世界遺産国際意見交換会を開催するなど、さまざまな事業を積極的に展開し、市民・県民の機運の醸成に努めてきたところでございます。 こうした中、錦帯橋世界文化遺産専門委員会を中心に進めてきた調査・研究や議論等を踏まえて、新たな「世界遺産暫定一覧表記載資産候補提案書 錦帯橋」を作成し、昨年の12月に、山口県とともに文部科学省に提出したところでございます。 この新たな提案書につきましては、暫定一覧表に記載された後に、国から世界遺産委員会に提出する登録推薦書に準じた構成としており、世界遺産の核となる資産を、中央3つのアーチ橋と両端の桁橋、それらを支える4つの橋脚と両岸の橋台、石敷の護床工によって構成される錦帯橋としております。 また、錦帯橋と一体となる両岸の地域につきましては、資産である錦帯橋を効果的に守るための緩衝地帯、いわゆるバッファーゾーンの区域として検討しています。 今後、百舌鳥・古市古墳群が世界遺産登録されますと、国内の暫定一覧表に記載されている文化遺産は1件減少することとなります。 今のところ暫定一覧表の見直しなどについて文化庁から示されていませんが、今後の国の動きを注視するとともに、山口県と連携し、情報収集を進め、提案書の精度向上を図り、随時、文化庁に対し働きかけをしていきたいというふうに考えております。 次に、(2)バッファーゾーンを構成する地区住民と基本計画についてでございますが、本市においては、平成26年4月に、岩国・横山・川西・錦見の4つの地区を対象に、錦帯橋を中心とした錦川両岸地域のまちづくり将来ビジョンを策定しています。 この将来ビジョンでは、「住んでよし、訪れてよしのまち」という、まちづくりの目標を掲げ、「城下町として育まれてきた風景と文化を守る」「歴史性を大切にした暮らしやすい住環境をつくる」「何度も訪れたいと感じてもらえるもてなしの環境を整える」という3つの基本方針を定めており、これらは議員御質問の、錦帯橋と一体の歴史性や景観を形成する区域であるバッファーゾーンの周辺整備を進めていく方針に合致するものと考えております。 周辺整備につきましては、この将来ビジョンに基づいた街なみ環境整備事業において、街路灯の更新、総合案内板や誘導板の設置、道路の美装化、景観の保全・形成に配慮した修繕・修景に対する助成を行うなど、各種事業に取り組んでいるところであります。 また、将来ビジョンを策定する際には、地域の方々への説明や意見交換を重ね、住民との合意形成を図りながら進めており、今後も地域の皆様の御意見を丁寧に聞き、ともに連携しながら、「住んでよし、訪れてよしのまち」を目指した取り組みを続けていくことで、バッファーゾーンとなる地域の保全や周辺整備につながっていくものというふうに考えております。 最後に、(3)具体的な取り組みについてでございますが、世界遺産のバッファーゾーンとして検討を行っている横山・岩国・川西地区の一部については、都市計画法に基づく風致地区や、景観法に基づく景観計画の重点地区に指定し、歴史的な面影を残す城下町としての良好な景観を守っていくため、地区の特性に応じた景観形成基準により、景観誘導を行っているところであります。 この取り組みにあわせて、この地域の人々が、吉川氏による近世の城下町整備を基盤として、錦川や錦帯橋とともに暮らし育んできた地域固有の文化的価値を明らかにし、現在の景観を将来まで守っていくことを目的として、専門家の調査のもと文化財保護法に基づく文化的景観の評価を行ってきました。 本年3月、これまでの調査をもとに、錦川下流域における岩国の文化的景観保存調査報告書をまとめ、現在、文化的景観保存活用計画の策定を行いながら、国の重要文化的景観の選定を目指しているところでございます。 このように、バッファーゾーンとして検討している地域については、錦帯橋と一体となる地区としての価値を明確にするとともに、各種法令により保全を図っており、また、錦帯橋の適切な保護や来訪者等に必要な環境整備として、下河原駐車場の移転や、(仮称)錦帯橋資料館の整備等に関する検討を行っているところでございます。 また、資産である錦帯橋については、これまで平成20年3月に策定した、名勝錦帯橋保存管理計画書に基づき、適切な維持管理を行ってきたところであり、文化庁から示されている史跡等の適切なマネジメントを推進するための史跡等保存活用計画を踏まえ、昨年度から、名勝錦帯橋としての価値の保存や整備活用に関する方針を定める名勝錦帯橋保存活用計画への改定を進めております。 市としましては、これらの計画の策定において、錦帯橋の保存管理や世界遺産の推進、また、文化財保護の観点から横断的かつ綿密な連携のもと、各分野の専門家や関係機関、そして地域住民を初め、関係団体等からの御意見も伺いながら策定作業を進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  第1点目の岩国市の職人の育成についてお答えします。 まず、(1)建設業界の後継者育成についてお答えします。山口労働局職業安定課の資料によりますと、平成31年4月の求人・求職バランスシートでは、全体の有効求人数2万8,284人に対して有効求職者数2万24人で、有効求人倍率が1.41となっています。そのうち、職人が含まれる建設の職業というくくりで見ますと、有効求人数588人に対して有効求職者数78人、有効求人倍率7.54と一層高い数値となっています。このように、建設業界は従事者の高齢化と少子化の影響もあり、人材確保が難しく、後継者の育成が課題となっております。こうした状況を受け、人材確保に向けた支援制度について、山口県においては平成30年度から建設産業活性化推進事業を新設し、今年度は、県の主催、山口県地域を支える建設産業担い手確保・育成協議会の共催で、6月4日に山口きらら博記念公園において、やまぐち建設産業魅力発見フェアを開催されております。人手不足の建設産業に興味を持ってもらおうと、個別ブースでの県内建設企業約30社の紹介・PRに、建設を学ぶ県内の高校生約200人が参加されております。 また、昨年度は、山口県の主催、一般社団法人山口県建設協会及び一般社団法人山口県建築協会の共催で、建設産業に魅力を感じ、理解を深めていただくため、県内の土木・建築分野を学ぶ高校生及びその保護者向けの土木・建築工事現場見学会を開催されております。 さらに、山口県では、地域産業関連の技術ニーズに沿った人材育成を行うために、高等産業技術学校が県下2カ所、下関市に西部校、周南市に東部校を設置されています。しかし、木造建築技術を学ぶ木造建築科は西部校のみであり、本市では、身近で技能習得をすることが難しい状況にあります。そうしたことから、市としては、木造建築技術を学ぶための環境整備について、山口県に要望をしております。 本市においては、特定の業種に絞った人材の確保・育成の支援は行っておりませんが、平成30年度は、若者就職支援事業として、市内企業や職業についての理解を深めていただくために、市内企業の若手従業員や経営者を講師に招き、市内の高校生や中学生を対象とした職業理解セミナーを実施しました。 また、人材育成として、平成30年度から中小企業大学校で実施される研修に社員等を派遣する中小企業者に対して、受講料の一部を補助する岩国市中小企業人材育成支援事業を実施しております。 いずれにいたしましても、職人に限らず、人手不足が顕在化しつつある業種については、若者を中心とした人材確保と育成に取り組む必要があると考えており、現在の取り組みに加え、有効な制度の創設について検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。 次に、(2)岩国市の職人についてお答えします。 市内の職種別職人の数は把握することはかないませんでしたが、国勢調査によると、山口県における職業分類(小分類)による大工、とび職、左官等の就業者数は、平成22年調査では、大工5,050人、とび職1,720人、左官1,610人、平成27年調査では、大工4,670人、とび職1,630人、左官1,270人と、いずれも減少しております。県内人口自体が145万1,338人から140万4,729人へ4万6,609人減少し、現在も人口減少の傾向は続いていることから、大工、とび職、左官などの職人、技術者の減少も進んでいると推測されます。 議員御質問の文化財修復等への対応ですが、現在、岩国市内には181件の指定文化財及び11件の登録文化財がありますが、建造物につきましては、国指定が2件、県指定が4件、市指定が9件、国登録が11件の計26件ございます。 こうした建造物等を後世に伝えていくためには、適切な時期に修復等の作業が必要で、瓦屋根や壁の破損などがあった建造物などについては、状況を確認して緊急性を勘案しながら随時修繕を行っています。 また、文化財保護の観点から、民間所有の建造物などについても届け出や工法についての指導を、県教育委員会や有識者のアドバイスを受けながら行っております。 これらの修繕等につきましては、日本伝統建築技術保存会の会員及び技能認定者、古民家等の修理実績を有する技術者が担当することになりますが、現在、岩国市内での文化財建造物等の修理の機会は、市所有・民間所有ともに年三、四件程度であり、規模も小規模なものとなっています。 将来的に見ても、対象となる建造物等の件数が相当数ふえ、修理・修復の機会が多くなることは考えにくいと考えられます。 大規模修理(解体修理)等につきましても、修理実績等資格的要件を満たし、文化庁の承諾を得て、従事していただくことになることから、市では、資格的要件を満たした地元の職人の方の推薦はできますが、市の意向で優先して従事していただくことはできないこととなっています。 建設業界の機械化・効率化が進む中、職人の技能が生かされる機会は減少していると考えられます。また、建造物の保存修理には熟練した技術・技能は欠かせないことから、岩国市だけではなく全国的な課題となっており、職人の減少による技能の継承が危惧されるところです。今後とも継続的な職人の育成につきましては、全国的な動向を調査・研究してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆6番(中村雅一君)  それでは、自席から、通告とは逆に再質問させていただきます。 これまでの錦帯橋の世界文化遺産に向けての取り組みについては、以前にもお聞きしており、世界遺産登録を目指して12年になること、そしてこれまでの活動成果がこのたびの提案書にあらわれていることも承知しております。 私が質問いたしました錦帯橋を世界文化遺産とするための手法と年次計画につきましては、これからの活動指針となる基本計画的なもので、これまで以上の具体化を進めていかなくてはならないところでありますが、御答弁の中で、錦帯橋と一体となる両岸の地区について、資産を効果的に守るための緩衝地帯の区域として検討しておられるとありました。現段階においてどのような検討を進めておられるのでしょうか、お聞かせください。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  錦帯橋という資産を効果的に守るための緩衝地帯の区域につきましては、その歴史性と錦帯橋との一体性の観点から、錦帯橋が建設される背景となった城下町の範囲と、錦帯橋及び錦帯橋からの眺望景観を維持するため、錦帯橋の上下流及び主要な背景をなす城山の稜線部までを範囲として検討をしております。なお、これらの範囲につきましては、現在、各種法令に基づきまして、適切に維持管理や景観誘導を行っているところでございますが、世界遺産として求められる資産及び緩衝地帯における保護措置との整合については、専門家の意見などを聞きながら検討を進めているところでございます。なお、今後につきましては、地域の皆様の御理解も得ながら、検討を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆6番(中村雅一君)  関係法令や世界遺産を目指す前からの条例などとの整合を考慮しながらの検討は、大変な作業だと思います。より効果的な緩衝地帯をつくっていただきたいと思います。 また、御答弁の中に、提案書につきまして、今後、精度を高める――ブラッシュアップを図り、随時、文化庁に対して示していかれるとのことでしたが、もう少し詳しくお聞かせ願います。
    ◎産業振興部長(白尾和久君)  昨年12月に文部科学省に提出しました提案書につきましては、これまでの調査・研究や議論などを踏まえ、現時点として取りまとめを行ったものになります。そのため、世界遺産暫定一覧表への記載に向けまして完成度をさらに高めていく必要があると考えているところでございます。今後も取り組みを進めていくこととしています。具体的には、現在、策定作業を進めています名勝錦帯橋保存活用計画、文化的景観保存活用計画などの各種事業による内容や、3月末に開催いたしました錦帯橋世界遺産国際意見交換会において海外の専門家の方から御意見をいただきました「無形の要素」に関する調査・研究などもしっかり行いまして、随時、提案書に反映して更新していきたいと思っているところでございます。 ◆6番(中村雅一君)  もう少しゆっくり話されても結構です。 御答弁の中にあったように、ブラッシュアップについては、前例のない作業が多いと思いますので、より広く意見を取り入れて、進めていかれますよう提言いたします。 緩衝地帯に点在する文化財や古民家の保存に関するものとして、錦川下流域における岩国の文化的景観保存調査報告書を本年3月にまとめられたとのことで、私の認識不足で申しわけありませんが、概略を報告していただけないでしょうか。また、文化的景観保存活用計画を策定中とのことですが、どのようなものかもあわせてお願いいたします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  文化的景観保存調査報告書の概略について説明させていただきます。本市では、錦川を軸として、おおむね御庄から河口部にかけての一帯を文化的景観の範囲として捉えておりまして、その成り立ちであるとか、土地利用の変遷などの調査を進めてきたところでございます。昨年度は、各分野の専門家の御意見もいただきながら、錦川下流域における岩国の文化的景観の調査結果や本質的な価値について取りまとめを行っております。その概略についてですが、岩国はもともと陸地が少ないところでございますが、江戸時代に入って吉川氏が城下町整備や干拓を進めることで、都市、また生産地として発展をしてきました。この都市構造を基盤とする人々の暮らしが現在も受け継がれているところでございます。一方で、錦川と両岸の城下町、そして錦帯橋が織りなす物見の文化が今も形を変えながらも続いておりまして、独自の風景観が醸成されているところでございます。このように、錦川下流域において人々の暮らしが育んできた文化的景観が現在もしっかりと受け継がれているという評価を受けておりまして、調査内容とあわせて報告書として取りまとめたところでございます。 現在は、調査により明らかになりました文化的景観の価値を将来まで守っていくために、文化的景観の範囲のうち、おおむね横山地区と岩国地区を対象とする文化的景観保存活用計画の策定を進めているところでございます。その文化的景観保存活用計画の概要についてでございますけれども、文化的景観の位置・範囲や文化的景観の保存に関する基本方針などを記載したものでございまして、調査により明らかになった文化的景観の価値をどのように継承していくかについて定めるものでございます。本計画は、おおむね横山・岩国地区を範囲としておりまして、昨年度、そして本年度の2カ年をかけて策定することとしております。策定に当たりましては、岩国市文化的景観保存活用計画策定委員会を開催いたしまして、各分野の専門家や地域の代表者の御意見を伺うこととしているところでございます。昨年度は文化的景観の範囲などについて意見を伺ったところでございまして、本年度は3回の委員会を開催し、文化的景観の保存に関する基本方針など、文化的景観の価値を保存していくために必要な事項について取りまとめることとしております。なお、今年度につきましては、第1回となる策定委員会を今月の28日に開催することとしております。 ◆6番(中村雅一君)  詳しい説明をありがとうございます。岩国市の新たな魅力を発掘できるような報告書であるというふうに認識いたしました。広く市民の目にとまるように、観光資源として活用されるといいのではないかと思います。緩衝地帯の環境整備として、錦帯橋下河原駐車場移転や(仮称)錦帯橋資料館を上げておられました。現在の進捗状況、また名勝錦帯橋保存活用計画の策定はどの程度進んでいるのでしょうか、あわせてお聞かせください。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  まず、(仮称)錦帯橋資料館の進捗状況でございますが、昨年度から中央フード銀座店跡地とそれに隣接する耳鼻科跡地並びに大明小路側に隣接する建物2棟の土地の取得を進めております。これまでに、(仮称)錦帯橋資料館とそれに付随する駐車場の整備に要する事業用地を昨年9月に取得しまして、(仮称)錦帯橋資料館と一体となる公共空間であるとともに地域の潤いの場や交流を育む広場として整備する(仮称)岩国一丁目広場の事業用地については、昨年11月に地権者等と契約を締結し、昨年度内に建物1棟の土地を取得し、残りの建物1棟の土地を今月末までに取得する見込みでございます。なお、これらの土地のうち、臥龍橋通りに沿った一部を、歩行者等の安全を考慮した道路事業用地として取得をしたところでございます。今後につきましては、それぞれの土地を取得した事業の趣旨や用途及び土地の面積を踏まえた上で、地域住民の皆様、関係団体などの意見をしっかりと伺いながら、錦帯橋の世界文化遺産登録の推進や岩国地区の交流促進、にぎわいの創出につながる新たな施設整備計画の検討を行っていくこととしておりますので、よろしくお願いいたします。 それから、駐車場につきましては、御承知のとおりエース会館跡地の取得がかなわなかったこともございまして、現在のところ、下河原駐車場の移転はもとより、現状の駐車場不足を補うだけの用地を確保することが非常に困難な状況でございます。こうしたことから、引き続き、駐車場の適地となり得る土地の情報収集に努めておりまして、あわせて公共交通機関の利用促進、パーク・アンド・ライドによる観光客の移送といった手法も視野に入れながら検討しているところでございます。 それと、名勝錦帯橋保存活用計画の策定の進捗状況についてでございますけれども、名勝錦帯橋保存活用計画策定委員会を開催し、昨年度は基本方針の取りまとめを行ったところでございます。具体的な内容につきましては、策定委員会を12月と2月に開催しまして、計画策定の沿革や目的の整理、名勝錦帯橋の概要や本質的な価値の明示、そして現状や課題の整理を行った後、基本方針について意見を伺ったところです。今年度については実施計画を策定する予定でございまして、4回の策定委員会を開催する予定としております。名勝錦帯橋の保存管理や環境保全、活用や整備などについて意見を伺って、実施計画について取りまとめを行い、年度内の計画策定を目指しているところでございます。なお、今年度につきましては、今月29日に第1回目の委員会を開催する予定でございます。 ◆6番(中村雅一君)  質問がたくさんあるので、少しはしょってまいりたいと思います。 富岡製糸場はそのものが資料館であるため、活用計画と観光面での工夫について見学しながら理解が深められますが、錦帯橋の成り立ちや構造・技術などは、リーフレットやパンフレット、観光ボランティア、ホームページでしか知るすべがありません。スマートフォンやタブレットを活用したガイドなど、ホームページ以外に、現地での対応は考えられないでしょうか。お考えがあればお示しください。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  現在、観光案内板やポスターなどに掲載してあるQRコードをスマートフォンで読み取ることで、簡単に目的の情報を入手することができます。こういったQRコードの活用について、近年、多くの観光施設で導入をされております。そのために、錦帯橋を初めとした観光施設においても情報発信に有効であると考えております。また、多言語の発信も可能でございますので、インバウンドを含む観光客の利便性の向上を図る上でも、そういったことの調査・研究をしてまいりたいと考えております。 ◆6番(中村雅一君)  QRコードの活用は、岩国市の観光のみならず、市民がより岩国を知るためのアイテムとなり得ます。早期実現を期待しております。 富岡製糸場が世界遺産となった折には、130万人の観光客があったそうです。しかしながら、3年を経過したころから、来場者数が半減したということです。観光資源としての市の起爆剤となり、恒久的な財源を目指したのですが、交通アクセスやリピーターとなるべき方策など、課題が多いとのことでした。本市におきましても、既に観光資源としての錦帯橋がありますが、このたびの観光客動態調査におきまして、平成のかけかえ工事のときと同様な現象が見られます。これまでにも、観光客の増加を目指し、観光誘致の手法を検討されたと思いますが、現在検討しておられる新たな取り組みがあればお示しください。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  現在、東京オリンピックパラリンピック開催に向けて、外国人観光客が増加をしております。本市においても増加をしているところでございます。こうしたことから、首都圏や関西圏、また、広島・宮島などの交通拠点にインバウンド向けの広告であるとか、錦帯橋周辺の観光施設へのキャッシュレス決済の導入を早期に実現をしていきたいというふうに思っております。また、認知度の向上のための積極的なPRと、訪れた際のおもてなしの充実をしっかりと図っていって、受け入れ環境の整備をし、インバウンド対策の強化を行ってまいりたいというふうに思っております。 ◆6番(中村雅一君)  活用計画は、そこに住む人々や観光客に対しても考えていかなくてはなりません。本市におきましては、交通アクセスの検討及び将来ビジョンを示されていますが、周辺の観光状況の中で、広島や宮島の観光客は増加傾向にあり、そこからの錦帯橋への誘導を促す方法もあると思います。新たな交通アクセスとして、無料片道シャトルバスを運行するとか、宮島港から岩国港への船を出すなど、観光客を誘致する手法を提案する住民の方もおられます。本市において、近隣からの集客も視野に入れた取り組みについて、検討されていることがあればお聞かせください。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  本市の観光においては、世界的な観光地である広島・宮島からの誘客というのは長年の大きな課題でございます。そうしたことから、昨年の12月定例会でも田村議員から御提案もございました広島からのシャトルバスの運行であるとか、船による送客なども有効な手段というふうに考えておりまして、現在、関係機関とさまざまな協議を進めているところでございます。今後においても岩国市観光協会、あるいは観光プロモーション戦略協議会を初め、関係機関と連携を図って、しっかりと継続して調査・研究をしてまいりたいというふうに思っております。 ◆6番(中村雅一君)  富岡製糸場の世界遺産登録への取り組み、そしてその後の新たな課題への取り組みについては、学ぶべきものが多いと思います。錦帯橋を世界遺産とするには、世界に類を見ない唯一のものであるため、他の世界遺産への取り組み方と同様な手法はとれないとは思いますが、緩衝地帯を構成する地域住民との合意形成による周辺整備は変わらないと思います。緩衝地帯の構築、また、活用のさまざまな手法を検討し、将来に向けた基本計画の策定を早急に進め、錦帯橋の世界文化遺産登録が近い将来実現するよう、岩国市及び山口県や市民団体とが連携して足踏みを速めていかれるように、切に願います。 それでは、質問の1について、再質問させていただきます。 本市におきましても、職人の育成に取り組んでおられることに感謝いたします。御答弁のあった内容についてもう少し質問させていただきます。山口県立東部高等産業技術学校に木造建築科を設置することを山口県に要望されているとのことでしたが、現在の状況はどうなっているのでしょうか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  平成26年度に一般社団法人山口県建設業協会岩国支部から本市に対して要望がありました。それを受けて、平成27年度県予算等に対する要望を山口県に提出しました。それ以降、毎年要望活動は続けているところでございます。 ◆6番(中村雅一君)  岩国市に分校を設置するという考え方もあると思いますので、引き続き要望されるよう、よろしくお願いいたします。 それから、市内の高校生や中学生を対象とした職業理解セミナーを実施されたとのことですが、どれくらいの参加者があったのでしょうか。また、中小企業大学校での研修に参加した企業数及び受講者数は、どのくらいだったのでしょうか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  職業理解セミナーについては、平成29年度からの新規事業でございます。中高生を対象といたしまして、市内企業の経営者や若手社員を講師に招いて、地元企業や職業についての理解を深めてもらい、将来の進路選択の参考としてもらうことを目的としております。平成30年度の実績でございますが、中学校が1校と高校が3校の4校で、合計712人でございます。残念ながら建設産業についての企業はございませんでした。これは、基本的に学校からの要望で企業を選択しているという関係でございます。 それから、中小企業大学校については、近くでは、広島市の商工センターにございまして、独立行政法人中小企業基盤整備機構が設置しているものでございます。平成30年度につきましては、1社2人の参加でございました。 ◆6番(中村雅一君)  取り組みは大変大切なことだと思いますが、幅広い職業の中に職人という職業人がいることを知ってもらえるような取り組みもよろしくお願いいたします。 岩国市の職人について、御答弁の中で、「将来的に見ても、対象となる建造物等の件数が相当数ふえ、修理・修復の機会が多くなることは考えにくい」とのことでしたが、ないわけではございません。あると考えるほうが妥当だと思います。そのときに備えることは大切なことと考えます。また、岩国市の職人を、市の意向で優先して従事してもらうことはできないとの御説明でしたが、これは、発注形態や文化財の種別により、従事してもらうことは可能です。御答弁からは、職人の育成に対し消極的なお考えをお持ちのように思えるんですが、いかがでしょうか。 ◎教育次長(重岡章夫君)  議員御指摘のとおり、文化財を守っていくためには、修理・修復は恒常的なもので、専門的技術を持った職人の力が必要となります。一方で、職人の減少は、岩国市だけでなく、全国的な問題であり、容易に解決できない深刻な問題となっております。守るべき岩国市の文化財の修理等を行う際には、幾つかの条件等もございますが、できる限り地元の職人に従事していただきたいと考えており、他市町等の、職人と行政がうまく連携して文化財の修理・修復等が実施できている例を参考にしながら、安心して文化財を守っていけるよう研究してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆6番(中村雅一君)  ありがとうございます。職人とともに将来について語る場も一つの手法だと思いますので、よろしくお願いいたします。 職人の中には向上心にあふれる者もいますが、日本人のライフスタイルの変化により、普段の仕事からはこれまで当たり前とされた技術の習得ができなくなっています。高度な技術を身につけたいと考える職人に対する助成制度について、活用できるものがあればお示しいただけないでしょうか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  現在、先ほど御案内した広島市にある中小企業大学校に研修に行く際の受講料の一部を補助する制度がございますけれども、議員御案内の、高度な技術を身につける職人に対する助成制度はございませんので、そういった職人を初め、中小企業者の皆さんが利用しやすい制度への改正については、ちょっと調査・研究をしてみたいと思っております。 錦帯橋に特化したもので申し上げますと、錦帯橋のかけかえ工事に携わる技術指導者を育成することを目的としまして、国内外で開催をされる研修・講習の受講を希望する者に対する補助制度がございます。名称は、岩国市錦帯橋伝統技術支援費補助金でございまして、補助額については補助対象経費の3分の2以内、20万円が限度でございます。実績として、平成28年度に1人、日本伝統建築技術保存会が主催した日本伝統建築棟梁研修を履修し、認定試験に合格したことから、日本伝統建築棟梁として認定を受けた方がおりまして、現在、錦帯橋の橋守業務等を行ってもらっているところでございます。 ◆6番(中村雅一君)  助成制度については、まだまだ数が少ないというふうに認識いたしましたが、使えるものは広く市民に周知していただいて、活用されることを望みます。 実は、金沢職人大学校が設立されたと同時に開設されたのが金沢芸術村です。この施設は、金沢市が全面的に経費を持ち、市民に開放しているそうです。これらの施設をつくるに当たり、当時の金沢市長は、これらの施設を利用する人から、世界に通用する人が育てば、それは金沢の財産だと言われたそうです。こういった思想的なことは、人材育成を推進するための大きな原動力となると思われますが、本市では、このような方針をどのようにお考えになりますか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  職人の養成について、実は、先般国は、文化審議会及び無形文化遺産保護条約関係省庁連絡会議の審議を経まして、本年3月、国の選定保存技術のうち、「伝統建築工匠の技」「木造建築物を受け継ぐための伝統技術」をユネスコ無形文化遺産代表一覧表に記載するために提案書を提出したところでございます。今後、2020年秋に行われるユネスコ政府間委員会において審議・決定されるというふうに伺っております。このことは、国も、伝統工法で寺社を建てる宮大工であるとか、壁を仕上げる左官、カヤぶき屋根の職人、手縫いの畳職人などの伝統建築技術の継承、人材育成といったものの国際社会における保護の取り組みが大変重要と判断されたものというふうに思います。議員御案内の金沢職人大学校のような育成機関の設置につきまして、職人を育成することは本当に望ましいこととは考えておりますけれども、職人育成の重要性は国全体の問題となっております。県内他市においても共通の課題として取り組む必要があるというふうに考えられることから、今後は、山口県に対してもこうした各種の伝統技術養成専門科の新設とあわせまして、県立東部高等産業技術学校に木造建築を学ぶための学科の整備とあわせて要望してまいりたいと考えているところでございますので、よろしくお願いします。 ◆6番(中村雅一君)  私の質問とは少しずれていたような気がいたします。どちらにしても、どういうふうな形をもってそういう方策を進めるかというのはとても大事なことでありますので、金沢市と同じようにはできないと思いますけれど、スローガンというものを持ちながら進めていただければと思います。 金沢職人大学校を卒業された人の中には、熊本の震災で崩れた熊本城の石垣の修復に携わっている者もいるそうです。全国から、金沢の技術の高さが認知されているあらわれでしょう。そのような技術者を持つ金沢市は、岩国市のよいお手本となると思いました。同じことはできないとしても、取り組み方を研究し、岩国方式を立ち上げるべきときが来ているのではないかと思います。職人がいなくなれば、建設業界はもとより、生活の基本的な要件である衣食住の「住」が成り立たなくなり、安心・安全の根幹を揺るがすこととなります。職人を育てるのは一朝一夕にはできないことですが、岩国市の近い未来を直視し、実効性のあるプロジェクトを早急に立ち上げ、官民の力を集結し、アクションを起こすことが急務だと思います。 そこで、職人がいなくなる前に、官民が手を携え、ともに技術者の育成に取り組んでいくように提言いたします。これについて、市長のお気持ちをお聞かせください。 ◎市長(福田良彦君)  今、提言をいただきましたが、確かに今、先ほどから部長が答弁しておりますように、日本全国共通の課題というふうになっております。以前、地元の業界のほうからも、そういった職人の確保がだんだん難しくなってきたと、型枠大工とか、土木・建築関係も含めて、なかなか地元で人材が確保しづらくなったという話を聞いています。それにつきましては、県のほうともいろいろ意見交換をしてきたわけでありますが、やはりこれからの人口減少社会にあって、これまでの日本の伝統文化・伝統工芸を含めて、そのすばらしさがだんだん継承されなくなってくるということは、まさに日本の損失にもなりますので、いかにこれからそれをどう守っていくか、継承していくか。これは非常に難しい課題ではありますが、先ほど金沢の話もございましたが、市としてそれをどういうふうに具体的に岩国方式として、どういった形で――錦帯橋の保存も含めてでありますけれど、どう職人を育てていくか、さらには、最近のように、いろんなデータをどう管理して、デジタル化して、またそれをいかに後世に残していくか。一流の技術者がいなくても、ある程度の技量を積めば、幾つかのデータを使ってその保存につなげていけるのではないかということも、今ごろの技術も含めて、守っていくあらゆる方法を、岩国方式として大きく捉えて取り組んでいきたい、検討していきたいと思っております。 ◆6番(中村雅一君)  熱い御答弁をありがとうございます。それなりに受け取ることができました。しかし、行政主導型というのではなく、やはりいろんなところからの知識人を集めた、官民が協働でというところを主体にして、これから取り組んでいただけたら、もっと取り組みやすいのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。 以上で、質問を終わります。 ○副議長(貴船斉君)  以上で、6番 中村雅一君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午後2時24分 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後2時55分 再開 ○議長(藤本泰也君)  休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 ここで、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。 17番 広中信夫君。 ◆17番(広中信夫君)  皆さん、こんにちは。憲政会の広中信夫です。通告に基づき、一般質問を行います。 今回は2点お尋ねいたします。1点目は、選挙投票環境の整備について、2点目は、錦帯橋にかかわる観光環境の整備についてです。 それでは、まず、1点目の選挙投票環境の整備についてお尋ねいたします。 ことしの4月7日に行われた山口県議会議員選挙では、投票率が44.02%で、前回の49.59%の5.57%大幅ダウンの、残念な結果となってしまいました。これでは、ことし夏に行われる参議院議員選挙の投票率も推して知るべしです。残念ながらこのところの政治離れに歯どめがかかりません。特に若者の政治参画意識は危機的な状況となっています。その対策として、ソフト面では有権者の主権者教育による政治参画意識の向上が最も重要なことですが、ハード面での投票環境の整備も必要不可欠ではないでしょうか。 そこで、(1)大型商業施設への期日前投票所の設置についてお尋ねいたします。 これは、ハード面での投票機会の利便性に加え、来店する幅広い世代の対象者に選挙をより身近に感じていただけるきっかけにもなることから、各自治体がこぞって、この商業施設での期日前投票を導入しております。 岩国市も、これまでのたび重なる私の提言で、このたびの参議院議員選挙から導入する予定とのことですが、その進捗状況と今後の方向性についてお尋ねいたします。 次に、(2)自動車を利用した移動期日前投票所の設置についてお尋ねいたします。 これは、昨年3月の私の一般質問でも取り上げましたが、中山間地域の過疎化や高齢化が進展する中、投票所への交通手段の確保が難しい有権者への投票機会の確保ができる、中型ワゴン車を使った移動式期日前投票所のことです。これも中山間地域の小集落を抱える自治体が導入をし始め、我が岩国市にも必要不可欠なものだと思います。その後の当局の方向性についてお尋ねいたします。 続きまして、2点目の錦帯橋にかかわる観光環境の整備についてお尋ねいたします。 皆さん御承知のとおり、錦帯橋は国指定の名勝であり、日本を代表する木造橋で、1673年に第三代岩国藩主吉川広嘉公が創建して、現在に至るまでの340年余りの歴史を持つ岩国市のシンボルであります。我々が岩国自慢をするとき、まず錦帯橋と答えられる方がほとんどではないでしょうか。 しかしながら、平成30年の岩国市観光客動態調査によると、錦帯橋周辺の観光のバロメーターである錦帯橋入橋者数は、ここ2年を平均すると年間約63万人で、10年前の約78万人と比べて約15万人、19%の大幅減となっています。しかしながら、この状況の中で、岩国の夜の観光の目玉でもある錦帯橋のウ飼いの乗船者数は、10年前の約5,000人から、ここ最近の岩国市観光協会と岩国観光プロモーション戦略協議会の工夫と努力で、一昨年は約6,900人――去年はちょっと豪雨災害がありましたのでイレギュラーかと思いますけれども、かねてからの目標の7,000人に届くところまで向上してきました。 観光客の約9割が市内に宿泊しない「通過型」となっている現状で、錦帯橋のウ飼いとライトアップされた錦帯橋の組み合わせは、岩国における夜の集客力をアップさせるものでございます。 そこで、まず、(1)錦川を舞う蛍とウ飼いとのコラボについてお尋ねいたします。 錦帯橋のウ飼いは、錦川の川面に映る淡い赤色のかがり火や、遊覧船のほのかな明かり、ライトアップされた錦帯橋や岩国城が彩りを添える、幻想的な歴史絵巻です。そこに余り注目されていませんが、船頭さんいわく、「乗船者の方が、川岸を飛び交う蛍を見てとても感激されるんですよ」とのことでした。 しかしながら、ことしのウ飼い開きでは極端に数が少ないように思えました。もし、我々の手で川面を乱舞する多くの蛍を現実のものとすることができるならば、「動」のウ飼い、「静」の錦帯橋・岩国城、そして、蛍の「幻」の、3つのトラブルコラボとなり、乗船した皆さんの一生物の思い出となることでしょう。そして、錦帯橋のウ飼いの乗船者数増の一翼を担う大きな力となることでしょう。 そこで、このウ飼いの大きなアピールポイントである蛍などの資源を生かしたPRについてどう考えておられるのか、お尋ねいたします。 続きまして、(2)「吉香 鵜の里」の運営状況についてお尋ねいたします。 ウ飼いの主役であるウを飼育する施設として2年前にオープンした吉香 鵜の里ですが、金網越しに間近にウが餌を食べる姿やトレーニングをする様子を見られたり、パネルや映像で全国のウ飼いの歴史を学ぶことができる展示スペースや授乳室等も用意され、一息つける休憩スペースになっています。 以前の飼育所は飼育環境が悪く、ウが多く命を落としていたと聞いています。新設の施設は、ウが生息しやすい環境で、また、ウについての学習の場として、利用者に愛される場でなくてはなりません。 そこで、吉香 鵜の里の運営状況についてお尋ねいたします。 続きまして、(3)2020年東京オリンピックパラリンピックに向けてのインバウンド(外国人観光客誘致)の取り組みについてお尋ねいたします。 岩国市観光客動態調査によりますと、昨年岩国を訪れた観光客の約2%は外国人とのデータが出ています。近ごろ、錦帯橋付近は外国人の方がよりふえているというふうに実感しているところでございます。 彼らは旅行先の選択に、旅行雑誌・ガイドブックなどの紙媒体と同時に、インターネットやSNSといったものを効果的に活用しているのが現状だそうでございます。また、来年は東京オリンピックパラリンピックの開催でより多くの観光客が見込めます。岩国市としての誘致の取り組みや錦帯橋周辺の受け入れの取り組みについてお尋ねいたします。 続きまして、(4)(仮称)錦帯橋資料館の整備計画についてお尋ねいたします。 平成28年・平成29年の2年間の基本設計業務の後、諸課題により計画を断念し、その後、新たな施設整備についても地元との合意に至っておらず頓挫している状況と聞いております。この件は早期推進が必要不可欠だと思います。その後の土地の取得状況、今後の新たな施設整備計画等の進捗状況とその方向性についてお尋ねいたします。 以上、明快な答弁をお願いいたしまして、私の壇上での質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、広中信夫議員御質問の第2点目の錦帯橋にかかわる観光環境の整備についてお答えいたします。 まず、(1)錦川を舞う蛍とウ飼いとのコラボについてでございますが、錦帯橋のウ飼いは約400年の歴史を持つ本市の伝統文化であるとともに、夏の風物詩として市内外からの誘客を図っております。 このウ飼いは、保存事業として平成26年度から市が継承しており、岩国市観光協会の自主事業である遊覧船の運航とともに、毎年6月1日から9月10日までの間、多くの皆様に楽しんでいただいております。ウ飼いの乗船者数は、天候に左右されるところもありますが、年間6,000人前後で推移しております。 一方、乗船者の大半は市外の方であり、広く市民の方々にもウ飼い文化を知っていただき、気軽に乗船していただけるように、昨年度から「吉香 鵜の里」において市内の小学生を対象としてこども鵜飼教室を開催しており、また、昨日は、岩国基地内の児童を対象として開催しました。 さらに、岩国市観光協会と岩国観光プロモーション戦略協議会では、おととしから、浴衣姿で来られれば特別料金で乗船できる「ゆかたDAY」を企画し、女性グループや御友人同士、御家族などに御利用していただいております。 議員御提案の蛍とウ飼いとのコラボ――先ほど、「トラブル」と聞こえましたが、「トリプルコラボ」ですね。(発言する者あり)言葉は大事でありますから、午前中に習いましたので。(笑声)「トリプル」のコラボについてでありますが、私もウ飼い開きの際、川岸を舞う蛍をお客様と一緒に楽しんだところでございます。 市としましては、ウ飼い遊覧時における安全運航の徹底を図るとともに、こうした魅力やこの時期ならではの蛍なども活用したPRも行い、一人でも多くの方に本市の伝統文化である錦帯橋のウ飼いを楽しんでいただけるよう、観光協会や戦略協議会とともに鵜飼遊覧船事業の魅力向上に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、(2)「吉香 鵜の里」の運営状況についてでありますが、「吉香 鵜の里」は、錦帯橋のウ飼いで使用するウの飼育施設として、国の再編交付金を活用し、総事業費約1億4,000万円をかけて整備をしたものでありまして、平成29年3月に開設いたしました。 この施設の建設につきましては、平成19年度から、ウの飼育場として、横山市民プールの更衣室を改修し、使用しておりましたが、日当たりや通気性が悪く、衛生面の改善が課題でありました。 このことから、ウが健康的に長期間、ウ飼いで活動できる環境の確保や、市民や観光客の方々にもウ飼い文化に親しめる施設ということをコンセプトに、平成26年度に施設建設の設計を開始し、整備を進めることとしたものであります。 その内容は、日当たりや通気性をよくするため全面金網張りとし、ウの飼育状況も観察できる機能も持たせるとともに、観光客の休憩やウ飼いの歴史と文化を紹介する展示室を併設することといたしました。 また、施設の観覧状況でございますが、この施設は、畜舎として整備するとともに、無料で自由に立ち寄ることができる施設であるため、観覧者数は把握できませんが、隣接施設の岩国シロヘビの館の入館者数、年間約17万人と同程度の観覧はあるものと推定しております。 今後も、「吉香 鵜の里」については、本市の伝統文化であり、貴重な観光資源でもある錦帯橋のウ飼いのPRに利用するなど、鵜飼保存事業の拠点施設として大いに活用し、ウ飼いの保存、そして伝承を図ってまいりたいと考えております。 最後に、(3)2020年東京オリンピックパラリンピックに向けてのインバウンド(外国人観光客誘致)の取り組みについてでございますが、現在、本市では、国内外からの誘客を図るため、昨年度からの2カ年をかけて観光プロモーション動画を制作しております。この動画は、市内の観光スポット、イベント、郷土料理、特産品などの観光資源を観光PR映像とするものでありまして、4Kでの映像再生を可能とし、日本語版と英語版を制作する予定であります。 完成後は、市のホームページやユーチューブ、フェイスブックなどでPRしていくとともに、観光イベントや観光施設などで効果的に活用していく予定としております。 また、錦帯橋周辺では、フリーWi-Fiの整備やトイレの洋式化、さらには、観光案内板や誘導看板を多言語にリニューアルするなど、インバウンドを受け入れるためのハード整備を行っています。 加えて、7言語による市内全域の総合観光パンフレットであります「陶酔」を広島・宮島の観光案内所や宿泊所、また、日本政府観光局の海外事務所に設置して、インバウンドを対象とした観光誘客も図っております。 また、ことし2月、東京におきまして、2020年東京オリンピックパラリンピックのホストタウンに登録している自治体や民間企業、大使館職員に対するPRイベントが開催されましたが、私も直接本市のホストタウン事業の紹介や観光のPRを行ってきました。 今後の取り組みとしましては、2020年東京オリンピックパラリンピックの開催期間中に、首都圏や関西圏を初め、広島・宮島などの主要な交通拠点において、制作予定の観光プロモーション動画などを活用して、情報発信を行っていきたいと考えております。 さらに、受け入れ環境の整備としましては、インバウンドを含む観光客の利便性の向上や観光客による消費の拡大を図るため、錦帯橋周辺にある観光施設のキャッシュレス決済の導入も検討しております。 今後も、こうした総合的かつ戦略的な観光誘客に取り組み、本市の交流人口の拡大、さらには地元経済の振興に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎選挙管理委員会事務局長(宇佐川武子君)  第1点目の選挙投票環境の整備についての(1)大型商業施設への期日前投票所の設置についてお答えします。 本市におきましては、各種選挙時に市役所や総合支所・支所の8カ所に期日前投票所を設置するほか、各地の集会所など19カ所に日時を指定した期日前投票所を設置しております。 本年4月に執行されました山口県議会議員選挙におきましても、全投票者数の36%の方が期日前投票所を利用されており、今後も期日前投票を利用される方は、ますます増加するものと思われます。 こうした中で、投票人の利便性の向上を図る観点から、大型商業施設などに期日前投票所を設置し、より多くの有権者の方々に、買い物のついでに、気軽に投票を行っていただく施策が全国的にも実施されているところであり、これまで議員にも御提案いただいたところでございます。 本市におきましても、この夏執行予定の参議院議員通常選挙では、南岩国町にあります大型商業施設で期日前投票所を設置する予定にしており、設置日時等が決まり次第、市報や投票所入場整理券等で周知を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 次に、(2)自動車を利用した移動期日前投票所の設置についてお答えいたします。 市役所や総合支所・支所以外の19カ所の期日前投票所の内訳といたしましては、合併以前から期日前投票を行っていた箇所で、引き続き実施している箇所が4カ所、投票区の統合等により投票所が閉鎖した場合の代替措置として閉鎖した地域に出向く出前期日前投票所を15カ所に設置しております。 この出前期日前投票所は、閉鎖した地域内の集会所を投票所として借り上げ、投票場所を確保した上で、投票管理者・投票立会人・事務従事者が現地に出向き、時間を限定し、投票所を設置するもので、中山間地域等の投票機会の確保に資するものであります。 議員御紹介の自動車を利用した移動期日前投票所につきましては、本年4月に執行されました山口県議会議員選挙において、山口県内で2市が実施しております。 他市の運用の状況を見ますと、移動期日前投票所につきましては、車両を投票所とすることで移動が容易である、1日に複数の箇所で投票所を設置できるといった利点がある一方で、車内で投票する場合は、記載所や投票箱の設置場所の確保など狭い車内での投票となる、乗車の際の段差など注意が必要である、また、悪天候の際は投票に支障を来すおそれがある等の欠点があると思われます。 本市が実施している出前期日前投票につきましては、投票場所が屋内で一定の投票環境が維持できるため、投票人が安心・安全に投票できる、1日に数カ所で投票所を設置できるといった利点がある反面、投票所の設営に多少時間がかかるため、移動期日前投票所ほどの小回りはきかないといった欠点もあります。 いずれにしましても、本市が実施している出前期日前投票につきましては、投票機会の確保という意味で、他市が行う移動期日前投票所と同様の効果があるものと考えておりますが、他市・他県が行う移動期日前投票所の運用方法等を注視し、今後とも投票しやすい環境づくりに努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  第2点目の錦帯橋にかかる観光環境の整備についての(4)(仮称)錦帯橋資料館の整備計画についてお答えします。 (仮称)錦帯橋資料館につきましては、世界文化遺産登録を目指す錦帯橋の歴史や構造等を紹介し、その魅力を発信するとともに、地域のにぎわいを創出することを目的として、岩国一丁目の中央フード銀座店跡地と隣接地により整備の検討を進めております。 昨年度において、整備に要する土地を取得するための土地収用法に基づく事業認定を得ることが困難と判断したことから、まずは、用地の取得を最優先として、地権者の方々や関係機関と事業手法を含め調整を進めたところです。 その結果、(仮称)錦帯橋資料館と付随する駐車場並びにこれらと一体となる公共空間を構成する(仮称)岩国一丁目広場整備事業用地、そして、歩行者等の安全を考慮した道路事業用地として、地権者等と契約を締結し、昨年度中に土地7筆中3筆を取得し、今月末までに残りの4筆も取得が完了する見込みでございます。 今後は、それぞれの土地を取得した事業の趣旨や用途並びに土地の面積を踏まえた上で、地域住民の皆様や関係団体などの御意見もしっかりと伺いながら、錦帯橋の世界文化遺産登録の推進や、岩国地区の交流促進、にぎわいの創出につながる新たな施設整備計画の検討を行っていくこととしておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆17番(広中信夫君)  それでは、自席より再質問をさせていただきます。 まず、2点ほど。先ほどの「きっかわ」は、おわびして訂正ということで、「きっかわ 鵜の里」のことを、私は「きっこう 鵜の里」と、多分、間違えて言ったというふうに思います。(「反対ですよ」と呼ぶ者あり)反対……。「きっこう」が本当ですよね。(「そうです」と呼ぶ者あり)「きっこう 鵜の里」――「きっかわ」と言ったような気がします。もう一つ、「トリプル」を「トラブル」と言ったような気がいたします。何せ、けさ、強い薬を、間違えて2日分飲んでしまいましたから、ちょっと体調的に不十分かなというふうに思いますが……。今後、そういうことがありましたら御了承いただけたらというふうに思います。 それでは、まず、大型商業施設への期日前投票所の設置についてということで、通常、市役所や総合支所とかというところでは、期日前投票所の開設期間は7日間が多いというふうに認識しているんですが、今回の大型商業施設での開設期間は、新聞報道等によりますと、「1日」と書いてあったような気がするんですが、その詳細をお答えください。 ◎選挙管理委員会事務局長(宇佐川武子君)  このたびの参議院議員選挙における大型商業施設での期日前投票所の設置期間は1日のみと考えております。 ◆17番(広中信夫君)  それでは、1日がいいのか悪いのかは、また後ほど申し上げますけれども、その1日のみにした根拠をお答えいただけたらと思います。 ◎選挙管理委員会事務局長(宇佐川武子君)  本市では初めての大型商業施設での期日前投票所の設置ですので、前例もなく、どの程度の利用者があるかもなかなか予想が難しい手探りの状態での開始となります。まずは、試行的に1日のみ実施したいと考えております。 ◆17番(広中信夫君)  せんだって、私は総務常任委員会のメンバー8人で、4年前から市内3カ所の大型商業施設で期日前投票所を設けている千葉県八千代市へ視察に行ってまいりました。いろいろ聞かせていただいて勉強になったことがたくさんあったのでございますけれども、この八千代市での大型スーパーの期日前投票所の開設期間は、いずれの選挙でも7日間ということでございました。また、全国的にも有名なんですけれども、青森県弘前市では16日間開設という、そういう期間で、本当に力を入れてやっておるという状況でございます。山口県の4市は、つい最近――1年前か2年以内だと思いますけれど、つい最近始めた、人生でいえばよちよち歩きの、こう言ったら御無礼ですが、よちよち歩きでやっておられるところを参考にするというのは、果たしていかがなものかなと思っております。 その件に関してどのように考えておられるのか、根拠も含めてお答えいただけたらと思います。 ◎選挙管理委員会事務局長(宇佐川武子君)  まずは、山口県内で取り組まれている他市の事例を参考にさせていただいております。今後、他県の事例なども参考にさせていただきたいと思っております。 ◆17番(広中信夫君)  最後に言いましたけれど、他市の選挙ということで――それなら、自分たちでどうしようかと、いろんなことを考えてやったということは余りないんじゃないかなと、残念な思いがいたします。よそが、それも、近いところがやっているからそれをただまねしてやるぞというふうに思えてならないというのが、私の率直な感想でございます。 また、今回の参議院議員選挙では、当面、南岩国町の1カ所での設置の予定とのことですが、来年は市長選挙がありますが、その市長選挙では何カ所を検討しておられるか、お答えください。 ◎選挙管理委員会事務局長(宇佐川武子君)  商業施設を使用した期日前投票について、県内他市におきましては、期日前投票所の設置場所により、候補者に有利・不利が生じるおそれがあることから、市民に身近な市長選挙・市議会議員選挙・県議会議員選挙では行わないとしているところもございます。実際に平成30年2月執行の山口県知事選挙では県内4市が商業施設での期日前投票を実施しておりますが、次の平成31年4月執行の県議会議員選挙では2市のみとなっております。 一般的に土曜日や日曜日の実施であれば、平日に比べ、市内各所からの来店者がふえるため、施設周辺の住民が利用する割合が少なくなり、地域性も薄れると思われますが、いずれにしましても、今回の参議院議員選挙での実施結果を詳細に分析した上で、検討してまいりたいと考えております。 ◆17番(広中信夫君)  次回の市長選挙の期日前投票所の開設は複数かという問いですけれども、明確な答弁はなかったということでございまして、残念です。何か、マイナス的な要素のことを言われているので……。 多分、そのことは、この前、選挙が終わった後の下関市長のコメントが出ておったんですが、今、言われたように、市長選挙や市議会議員選挙等では行わないような方向で進みたいというコメントが出ておりましたけれど、今のはそれをうのみにされた感じの考え方ではないかなと思います。私は、それは全くナンセンスだと思っております。 開設する地区によって不公平感が生じるおそれがあると言われましたけれど、それでは、極端な話ですが、この市役所に期日前投票所を設けるわけですが、例えばこの周辺の方が知事選挙に出られるとか、市議会議員選挙に出られるときは、ここでやったら公平性が保てなくなるというふうに、そもそも論でいうと受け取れるわけですよ。それならここでやったらいけないわけですよ。そう考えると、果たして、公平性が云々というのは当たっているのかなと思うわけでございます。(「答弁は」と呼ぶ者あり)答弁はなかなか難しいと思いますので。(笑声) それと、もう一つありますけれど、そこでやると公平性が失われる、地元の人が多く来るからというのが考えられるということですが、百歩譲って、仮にそういう考え方があるとしても、1カ所でやると問題が起きるわけですから、それなら、岩国市内の何カ所かでやれば公平性も――こっちでやったらこっちでやるというふうに、複数の箇所に設置すると均等がとれて、問題はなくなってくるんじゃないかと思っている次第でございます。 ちなみに、今、行われている岩国市内の期日前投票所では、前回の県議会議員選挙で1万7,814人の方が期日前投票をされたというデータがございます。そのうち、この市役所で期日前投票をされた方は全体の59%と、約6割の方がここに来られているわけです。あとの4割はほかの7カ所の会場ということでございます。 ちなみに、期日前投票全体のうち、1日当たりに占める割合は、玖珂総合支所は8%の203人の方が投票されている。周東町が10%の263人、由宇町が11%の278人、本郷町が1.4%の――人数が不明確ですけれど……。錦町が5%の126人、美川町は1.2%の28人、美和町は4%の100人という方が来られているわけでございます。 すなわち、今、行っている期日前投票所が、これでいいのかということです。今、言いましたように、全体の比率、もしくはそこに来られる方の1日当たりの人数は、交通の便が悪いから来ておられないのか、交通の便がいいところだったらもっと来られるんじゃないかとか、いろいろと考えられるわけです。そういう感じで、ぜひ、今までのことを水に流してというか、ゼロベースにして考える必要があるんじゃないかというふうに思っています。 皆さん、御存じかと思いますけれど、この期日前投票所は、イオングループが物すごく力を入れてバックアップをして、あちこちで開いているわけです。全国で79カ所の期日前投票所をイオングループが率先して協力しているというのが現状です。その投票所を、岩国にもイオングループ系列の大型スーパー等も4店舗ございます。そこにお願いしたら、可能性はゼロではないというふうに思いますので、それも含めて、いま一度、期日前投票所の設置場所を――仮の話として、今までやっていた玖珂総合支所・周東総合支所の期日前投票所をやめて、周東町・玖珂町の大型スーパーに期日前投票所を設けるということも考えられるんじゃないかというふうに思います。 ちなみに、玖珂町と周東町の1日当たりの期日前投票を足すと466人なんです。私も想像するんですが、そこの大型スーパーは何千人という方が来られているんじゃないかというふうに思いますので、より効率的な期日前投票所の開設ができるんじゃないかというふうに思います。 るる申し上げましたが、このことに関して所感をお答えください。(発言する者あり) ◎選挙管理委員会事務局長(宇佐川武子君)  私は選挙管理委員会事務局は初めてなんですけれども、いろいろな問題が山積しているというのをひしひしと実感しております。議員にいろいろと教えていただいたことを、今後――まず、この夏の参議院議員選挙では、先ほども言いましたが、本当に初めての試みということで、詳細にこれを分析して、今後、先ほどの議員の提言についてよく考え、よく分析しまして、今後につなげていきたいと考えております。 ◆17番(広中信夫君)  宇佐川局長はこちらへ来られて初めての選挙でございますので、余り強くは言いませんが、ただ、本当に言いたいのは、1日だけ、1回やっただけで、全てのデータをとろうと思ったら大間違いですから、まずは7日間やってみていいところのデータを持ってきて勉強するということが必要だというふうに思います。宇佐川局長におかれましては、こんなにすばらしいものになりましたよという形で、胸を張って職務を全うしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 それでは、2点目の錦帯橋にかかわる観光環境の整備について再質問をさせていただきます。 ウ飼いの中で蛍の存在をPRするという答弁が先ほどありましたけれども、やはりPRをするには、相当の数の蛍が飛び交うという状況が必要ではないかと思うわけです。 そこで、川面を乱舞する多くの蛍を現実のものとするために、どういったことが考えられるのかお答えください。 ちなみに、蛍の一生は、卵から成虫になるまで約1年かかり、その大部分は水中で生活し、成虫になってからの寿命は約2週間でございます。すみやすい環境としては、1番目、きれいな水がいつも流れている川で、川底に石や砂利があること、2番目、幼虫の餌になるカワニナが大きいもの、小さいものとたくさんいること、3番目、土手にさなぎになるために潜れるやわらかい土があること、4番目、水の近くに卵を産むことができるコケや木などがあること、5番目、川の周辺に休息できる高い木や低い木があること、6番目、安心して飛び回れる広い空間があること、最後に、外灯などで明るくなく、暗いところがあることということでございます。 先ほどお聞きしたことについて、お答えをいただきたいと思います。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  蛍が乱舞する環境の整備ということでございますけれども、山口県下の市町では、生息地の天然記念物指定などによりまして、蛍観賞に取り組まれているところがございますけれども、御案内の錦川におきましては、錦川流域では生活や生業とされている方々もございますし、錦川の河川の管理者でございます山口県においては、昨年、防災の観点から河川内の柳を伐採したような経緯もございまして、そういった錦川の防災対策の面も踏まえて、取り組みの可能性について、県と協議をしてまいりたいと考えているところでございます。 ◆17番(広中信夫君)  この前、錦帯橋のウ飼い開きのとき、本当に残念なことに、ぽつんぽつんとしか蛍が飛んでいなかったんです。それで、ある方にうちの前まで連れて帰ってもらったんですが、錦川に行波橋という橋がありますけれど、それはうちの近くなんです。その橋を渡っていたら、行波の護岸に蛍が乱舞しているんです。びっくりしました。私の小さいころの記憶では、橋の上から竹ぼうきでとっていた覚えがあるんですが、何十年ぶりにびっくりして、もう乱舞していまして――錦町の蛍の乱舞は有名ですけれど、それにも負けないぞというぐらいの乱舞がありまして、これはやっぱり、誰も手を加えていない自然の環境の中でそういう状況ができているということでございます。 それで、最近、ビオトープという言葉をよく聞くようになっておるんですが、皆さんも御存じかと思いますが、これは野生生物のすむ場所という意味ですが、都市開発などの人間の都合で失われた自然の生態系をもとのように回復させた場所や、最近では、水辺の生態系を人工的につくり上げて再現した場所のことをいうそうです。 このビオトープの取り組みの一つとして、自然の環境に戻すということで、全国各地で蛍の里づくりが積極的に行われておるのが現状でございます。 蛍の舞う学校として全国的に有名な岐阜県大垣市立小野小学校では、蛍の餌となるカワニナの養殖から、蛍の幼虫をしっかり育てて、学校の中にあるビオトープに放流して、6月には蛍が飛び交うというふうに取り組んでおられます。自然環境の神秘さや大切さ、人と自然の共存などを体験的に学ぶ環境教育の教材として取り組んでおられるということで、全国的に有名でございます。 また、愛知県豊橋市では、市民と行政と企業による地域総参加によって会員数651人のNPO法人朝倉川育水フォーラムという団体を立ち上げて、地元の朝倉川を蛍のすみよい川にするために頑張っていらっしゃいます。そういういろんな例がたくさんあるわけです。 私も、山口県はどうなのかなと思って調べましたら、山口県も独自の取り組みとして、「水辺の小わざ」と銘打って、川の流域全体の生態系をより豊かにするために、川の中のいろいろな生き物の一生や川全体の特性を把握して、小規模でありながら、その水辺にふさわしい効果的な改善策をいろいろな視点で工夫することを行っておられます。その一環として、ホタル護岸を整備しているところもあるわけで、山口市の一の坂川や椹野川、下関市の木屋川などで、県が主体で整備して、特に、一の坂川は、改修前に絶滅寸前だったものを、県の主導で護岸整備をして、今では夏の風物詩という形で有名になっているということです。 川の大きさが小さいとか、いろいろと条件的にも環境的にもあろうかと思いますけれど、とにかく岩国市の錦帯橋の蛍の乱舞するウ飼いになるようにするために、岩国市として何ができるのか、考えられることをお答えいただけたらというふうに思います。 ◎建設部長(木邉光志君)  錦帯橋周辺というわけではございませんが、もう随分――30年まではいかないと思うんですが、以前に二鹿川のほうで、議員のおっしゃいましたホタル護岸というのを改修工事でやったことがございます。 そういった中で、やはり蛍がすみつく環境というのは先ほど議員がおっしゃったとおりのことで、ただ、1点ございますのは、やはりそこには、例えば、よく、天然のヨシとかというのがあるんですが、やはりこれは今、堆積する土砂なんかのところにも生えるという状況がございます。そういった中で、先ほど産業振興部長も申し上げましたが、治水という面と親水という面の相反する部分ではございますが、両立できるところで、ビオトープも含めて、小さな河川の管理者ではありますが、その辺も考えて、錦帯橋周辺だけではなく――特に私が記憶にありますのは御庄川、こちらはすばらしい――私も若いころ、かみさんと行った記憶もございます。(笑声)そういうところで、観光には大変寄与するものがあると思いますので、錦川の管理者であります山口県のほうともいろいろと情報交換をしながら、できることはやっていければと考えております。 ◆17番(広中信夫君)  今、話を進めておるのは、錦帯橋周辺の環境整備でございますので、御庄は御庄で、また違うときによろしくお願いしたいと思います。ぜひ、蛍の乱舞する錦帯橋のウ飼いという形を目指して、遅くとも――ことしは無理でしょうけれど、来年ぐらいにはそういうことができれば、私は何回もウ飼い船に乗りたいというふうに思っております。岩国市民の方にもそういう形でたくさん乗っていただきたいと思いますので、その実現に向けて取り組んでいただけたらと思います。 続きまして、インバウンドについてお尋ねいたします。 先ほどありましたけれど、錦帯橋周辺で外国人観光客の方が買い物で困っているというふうなアンケート結果も出ているわけです。なぜかというと、十分にキャッシュレス化が進んでいないということがありますけれど、これに対する私の提案は、今、全国的に導入が進んでいる自動両替機――広島・宮島にもございますし、鳥取県の空港にも設置してございます。高さが1.5メートル、幅が45から50センチメートルと大変コンパクトなもので、ホテルとか商店の中に設置してあり、タッチパネルで、多言語でいろんな貨幣の両替ができるというものの設置が進んでいるということがございますので、それもぜひ進めていただきたいなというふうに思います。 インバウンドに関しまして、今は情報社会でございますので、皆さん御存じかと思いますけれど、錦帯橋のライブ映像を無料でダウンロードして、24時間、一年中見られるというアプリもございます。そういうようなものも活用して、インバウンドを引っ張ってくるということも必要ではないかと思います。 3点目ですけれど、(仮称)錦帯橋資料館の件も、今はバーチャルの時代ですので、現実では見えないいろいろなことが、どんどんそのバーチャルの世界でつくり出すこともできるという時代になっています。ただ資料をショーケースの中に据えてそこを見るというのではなく、このバーチャルの世界を多次元で――三次元・四次元の世界をつくり出して、観光客だけではなく、岩国市民の方もそこに行っていろいろと楽しめるというものの導入が必要ではないかと思います。土地の取得の作業を頑張っていただきまして、大体のめどが立ったということでございますので、インバウンド、それと、バーチャルで観光客の方に見ていただくような、(仮称)錦帯橋資料館の運営ということを進めていただけたらというふうに思います。 最後に、市長、今のことで、インバウンドと資料館のことについてコメントをお願いいたします。 ◎市長(福田良彦君)  今、いろいろVRの話もされましたけれど、まさに、今、オリンピックやいろいろな国際的な催しがこれから国内である中で、どうやって東京や大阪からこの岩国にお越しいただくか。先ほど、Wi-Fiとか、さまざまな環境整備を含めて申し上げましたが、そういった映像を駆使して、また、岩国のさまざまなコンテンツを効率よく発信できるような媒体として、そういった最先端の情報を、私なりに視察や意見交換をして、民間企業の活力も取り込んでいきたいと思っております。 ○議長(藤本泰也君)  時間になりました。以上で、17番 広中信夫君の一般質問を終了いたします。 22番 石本 崇君。 ◆22番(石本崇君)  市政改革クラブ 石本であります。 それでは、通告に従い、一般質問を行います。 初めに、企業誘致について、(1)市の取り組みについてお尋ねいたします。 本市がこれまでに取り組んでこられた企業誘致の内容について、お示しください。また、今後の方向性についてどのようにお考えなのか、お答えください。 2点目、スポーツ振興について、(1)市の取り組みについてお答えください。 3点目、鳥獣被害対策の取り組みについてお尋ねいたします。 昨今は、市街地にも熊や猿などが出没し、目撃情報も多数寄せられ、地域の方々も大変心配をされているところであります。そこでお尋ねいたしますが、市街地周辺での鳥獣被害対策の取り組みについてお答えください。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、石本議員御質問の第1点目の企業誘致についての(1)市の取り組みについてお答えします。 本市は、気候が温暖で地震のリスクが少ない地域であることから、企業立地の地理的優位性を有しており、さらに、岩国錦帯橋空港を初めとする充実した交通インフラ、乳幼児から中学生までの医療費や市立小・中学校給食費の無償化等の充実した子育て環境など、本市のセールスポイントを生かすことで、より多くの企業が本市に進出されるよう、企業誘致に取り組んでいるところであります。 本市では、進出される企業に向けた支援制度として、固定資産税や都市計画税相当分を3年間交付する事業所設置奨励金や、新たに雇用した人数に応じて交付する雇用奨励金を設け、企業立地を支援しています。 また、昨年度には、岩国市企業誘致等促進条例を改正し、奨励金額の増額や上限の撤廃など、企業にとって有利な条件を整えることにより、企業誘致を強力に推し進めているところであります。 さらに、情報インフラの整備が進んでいる中で、IT関連企業の誘致や、企業が本拠地とは別に設置するサテライトオフィスの誘致を図るため、これらの企業に対し、施設改修費や通信回線使用料などを補助する岩国市IT・コンテンツ産業等オフィス誘致推進補助金を新たに創設するなど、積極的な取り組みも行っております。 これまでの企業誘致の実績でありますが、企業進出等の件数は、平成24年12月の岩国錦帯橋空港の開港を契機に、現在まで延べ22件と順調に増加しており、昨年度は3件の進出調印式を行ったところであります。 これら22件の進出に伴う設備投資予定額は、全体で約250億円、新規雇用計画人数は全体で837人となっており、このうち、実際に雇用された人数は現段階で約500人となっております。 今後の方向性については、昨年度にテクノポート周東工業団地が完売となったことで、企業立地のための事業用地が少なくなってきており、企業誘致の積極的な推進に向けた新たな事業用地の確保が重要な課題となっております。 また、大規模な事業用地を必要としないIT関連企業の企業誘致にも取り組むことで、本市経済の活性化や雇用の確保と拡大にしっかりとつなげていきたいと考えております。 さらに、通津沖工業団地内にて建設中の、仮称ではございますが、防衛装備庁艦艇装備研究所岩国海洋環境試験評価サテライトには、海洋環境を疑似的に再現できる装置を備えた大型水槽が整備される予定であり、現在、この施設を活用した地元高等教育機関や研究機関等との研究協力について検討しているところであります。 市としましては、今後、新たな分野においても積極的に情報収集を行い、企業誘致につなげてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎文化スポーツ担当部長(藤本浩志君)  第2点目のスポーツ振興についての(1)市の取り組みについてお答えいたします。 岩国市総合計画の中で、目標とする将来像を実現するための基本目標として、「心の豊かさと生き抜く力を育む教育文化のまち」を掲げ、「生涯学習やスポーツ活動等が盛んに行われている」ことを施策目標としております。また、岩国市スポーツ推進計画では、いつでも、どこでも、誰もが、いつまでも、気軽にスポーツを楽しめるよう、生涯スポーツの推進やスポーツ環境の整備を基本施策とし、現在、さまざまな事業を実施しております。 まず、1つ目の生涯スポーツの推進につきましては、総合型地域スポーツクラブの創設や育成等に向けた事業やレクリエーション活動団体の支援等を実施しております。また、障害の有無にかかわらず、子供から高齢者までの幅広い層において、みんなで一緒に楽しむことができる、ペタンク等のニュースポーツに関する事業も実施しております。 また、競技スポーツ団体の支援や障害者スポーツの推進につきましては、日本体育大学と平成28年4月27日に協定を締結し、同大学へジュニアアスリートを派遣したり、学校等に指導者を派遣していただいたり、障害者アスリートを派遣して、指導していただいたりと、次世代を担うジュニア層のスポーツの推進、競技力の向上等を目的とした事業を実施しております。 次に、2つ目のスポーツ環境の整備として、愛宕スポーツコンプレックスは、日米交流のシンボルとして、平成29年11月4日に野球場、ソフトボール場などの運動施設がある野球場エリアが供用開始されました。その後、平成30年7月7日に陸上競技場や屋内運動施設、屋外テニスコートなどがある陸上競技場エリアが供用開始され、現在まで、プロ野球ウエスタン・リーグのカープ対タイガース戦、日米親善リレーマラソン、春季山口県高等学校野球大会決勝大会など、大規模なイベントを実施しております。 今後におきましては、7月18日に日米大学野球選手権大会、8月にはアメリカ女子ソフトボールチームの国際大会等の事前合宿を実施する予定としております。 さて、来年は、いよいよ、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されますが、大会組織委員会から、6月1日に、東京2020オリンピック聖火リレーのルート概要が発表されました。聖火は、来年5月14日に福岡県から山口県内に入り、一番初めに錦帯橋付近をスタートし、全13市を走者が通過し、締めくくりは15日の萩市となっております。 本市における東京2020オリンピック・パラリンピックの取り組みにつきましては、昨年に引き続き、ホストタウン国であるアメリカ代表チームの女子ソフトボールとフェンシングの2種目について、オリンピック直前合宿の実現や、大会期間中のパブリックビューイング等の実施に向け、全力で取り組み、市民の皆様の記憶に残るすばらしいものにしたいと考えております。 オリンピック・パラリンピックを通じ、スポーツを実際に「する人」だけではなく、「観る人」「支える人」にも着目し、生涯にわたってスポーツにかかわることができる環境づくりを推進してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎農林水産担当部長(村田武彦君)  第3点目の鳥獣被害対策についての(1)市の取り組みについてお答えいたします。 野生鳥獣による農林業等への被害は、被害の大小にかかわらず、生産意欲の減退や地域活力の低下につながりかねない大変深刻な問題でありますことから、市では、猟友会、岩国農林水産事務所等の関係機関で構成する岩国市鳥獣被害防止対策協議会を設置いたしますとともに、岩国市鳥獣被害防止計画を策定し、防護柵の設置などの「防護」と、捕獲おりの設置などの「捕獲」の両面にわたる対策を総合的に進めております。 こうした取り組みの結果、近年、野生鳥獣による農林業被害額は減少傾向にありますが、一方で、議員お示しのとおり、猿や熊の目撃情報が山間部だけでなく市街地でも多数寄せられるようになっておりますことから、市街地での野生鳥獣による人身被害等の防止対策の取り組みも進めているところです。 具体的には、まず、猿についてですが、市街地で目撃されているのは、群れから離れたいわゆる離れ猿と考えられますことから、小型捕獲おりによる捕獲を行っています。 昨年度は、出没情報のありました平田地区で1頭捕獲したところでございますが、市街地では、安全性が確保できる場所が限定されることなどから捕獲おりを設置できない場合もあり、今年度は捕獲には至っておりません。 引き続き、関係機関と連携しながら取り組みを進めますとともに、市民の方が被害に遭わないよう、目撃場所付近での巡回の実施や、市民メール、市民ニュースアプリ等での目撃情報、留意事項の周知に努めてまいります。 次に、熊についてですが、岩国市に出没するツキノワグマにつきましては、絶滅危惧種に指定されていることなどから、山口県が策定した保護計画において、被害防止対策として必要最小限の捕獲が認められているものの、まずは捕獲以外の方法で対処し、それでも出没や被害が防止できない場合に、必要に応じて捕獲を許可するとされております。 このため、市におきましては、市民の方に熊を「呼び寄せない」「出会わない」ための方法等について、ホームページで常時お知らせいたしますとともに、熊の出没が多くなる時期には市報での周知を行っております。 また、出没についての通報があった場合には、市民メール、市民ニュースアプリで目撃情報、留意事項についてお知らせいたしますとともに、幼稚園、保育園、学校等への周知や、出没地域での防災行政無線による注意喚起、広報車によるパトロール等を行っております。 さらに、状況に応じて、養蜂農家への電気柵設置の指導、出没集落での爆竹による追い払い等を実施しており、こうした対応をとっても、なお、地域内に熊の出没が継続する場合、捕獲許可について岩国農林水産事務所と協議し、申請を行っているところです。 本年5月の連休明けから市街地で出没が続いた熊につきましては、県から捕獲許可を受け、通津・師木野地区、周東町祖生地区、由宇町神東地区の3カ所に捕獲わなを設置いたしました。当該わなでは最終的に捕獲には至りませんでしたけれども、周東町でイノシシ捕獲用わなによる錯誤捕獲で2頭が捕獲されております。 また、山陽自動車道岩国インターチェンジ付近の高速道路下り線で自動車にはねられて死亡したと思われるツキノワグマも1頭発見されております。 鳥獣被害対策につきましては、野生鳥獣の市街地への出没等、活動範囲の広域化等の状況も踏まえ、関係機関としっかりと連携して、効果的な取り組みを迅速に進め、農林業被害の軽減、市民の安心・安全の確保に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆22番(石本崇君)  それでは、順不同で、先ほど登壇されたんですが、早速、鳥獣被害対策についての再質問から入らせていただきます。 初めに、壇上から御答弁がありましたように、熊でありますが、昨今は市街地にも出没するということで、私どももニュース等々でそういった話を耳にしてはおります。 しかし、実際には熊にも都合があるわけで、いろいろとお取り組みにはなられていますが、どのような行動を起こすかは予測できないところがあります。突然、熊と出くわした場合、そういった緊急的な状況における対応――生命尊重第一でしょうし、そういった場合にどのように対応していくか、お取り組みについてお尋ねしたいと思います。 ◎農林水産担当部長(村田武彦君)  熊が出没して、住民に被害を加えそうな状況であるというときの対応ということでございますけれども、住宅街等に熊があらわれて、熊をまさしく殺処分しなければならないというような緊急の状況におきましては、考えられる対応といたしましては主に3つございます。1つは、警察官が出動して駆除する。2つ目としては、県が獣医師等を手配して麻酔をかける。3つ目といたしましては、緊急で市が、県から銃による捕獲許可を受けて猟友会に依頼して駆除するというような対応が考えられますけれども、実際にどのような対応をとるかということは、場所等、状況によって変わってまいろうかと思います。したがいまして、緊急時にこういった対応が迅速にとれるように備えておくことが必要であろうかと考えております。 そのためには、やはり警察や県との密接な連携・協力が不可欠でございますことから、現在もいろいろな対策について関係機関と連携をとりながら対応しているところではございますけれども、お示しのような緊急時も想定して、いま一度、連絡体制の強化等に努めてまいりたいと考えております。 ◆22番(石本崇君)  他の自治体において、熊に遭遇して、市からの要請で警察官も現場に赴き、周辺住民に注意を促して、現場の安全も確保した上で駆除、要するに殺処分ですね、ハンターが射殺したということがあったんですが、結局、公安委員会との連絡がとれていなくて、発砲したということで、撃ったハンターが鳥獣保護法違反の疑いで書類送検され、また、発砲したのが建物の近くであったということで、それが結構問題視されて、鉄砲の所持許可が取り消されたという事例がありました。そうなると、お願いをするにしてもなかなか難しいところも出てくるので、そういうことがないように――これは他市の事例なので岩国市には相当するかどうかは私にもわかりませんが、いずれにしても人命は最優先でございます。熊という猛獣ですから、そう簡単には、人が遭遇しても身の安全を図る上でも大変だろうと思いますから、何とぞ、そういうことが起こらぬように、しっかり関係所管や関係各位と緊密な連携をとって、万全な体制で臨んでいただくことが市民の安心・安全につながると思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、同じく鳥獣被害対策についての再質問でありますが、ちょっと今度は、本当に身近なところで、カラスであります。カラスが人を襲うとかはめったにないことではありましょうが、カラスの被害で一番困るのが、やはりごみの問題です。きちんとごみ出しルールを守っておられるでしょうけれども、ネットというか、そういったものがきちんとかけられる――やはり、100%かけるということがなかなか難しいときもあると思います。 最近は、外国人の方もたくさんいらっしゃいますから、そういった中で、結構、カラスがごみをつついて周辺を散らかして非常に迷惑をかけるケースが、市街地におけるカラス被害ということではやはり多いのではないかと思います。 市は、こういったカラス被害に対してどのような対応をされるのかということを、少し詳しく御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ◎環境部長(藤村篤士君)  ごみ集積場所でのカラス等によるごみの散乱被害につきましては、市民の皆様の御協力によりまして、カラスネット等によるカラス対策が年々広がるにつれて減少傾向にはございます。しかし、昨年1年間で環境事業所に寄せられましたカラス被害の相談件数は、59件でございました。カラスの被害等で環境事業所に御相談いただきました場合には、担当の職員が現地に出向き、ごみの回収を行うとともに、原因となっている状況を確認した後、ごみ集積場所の管理者に、カラス等によるごみの散乱防止の対策としまして、カラスネットの設置やごみの出し方の工夫などのお願いをするとともに、ごみの持ち出しマナーの看板を設置するなどしております。なお、ごみ集積場所にごみが散乱していた場合には、ごみ収集の際に散乱したごみも回収するようにしております。また、ごみを前の夜から出したりごみ収集後に出したりすることがカラスに荒らされる原因となっておりますことから、カラス被害の対策としましては、ごみは収集日の朝6時から8時までに持ち出すよう周知をお願いしております。 また、物理的な対策としましては、餌となる生ごみをできるだけ減らすことや、生ごみがカラスから直接見えないように新聞紙などで包んで出していただくこと、そしてカラスよけネットを設置していただきしっかりかけていただくことなどをお願いしております。 そのほか、「カラスによるごみの被害の対策を」と題しましたホームページを作成しておりまして、その中で、カラスよけネットの効果的な設置方法や、あぜ板を利用した折り畳み式の囲いのつくり方についても紹介しておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆22番(石本崇君)  本当にいろいろとお取り組みにはなられていると思います。なかなかこれが十全に機能するということは難しいわけでありますが、こういったこと、小さなことかもしれませんが、見過ごすわけにはいかないということで、カラスに限らず犬・猫もそうでしょう。そういったものがごみを荒らすということもあると思いますが、要するに、いろいろと住民側も取り組みをした上で、答弁の中にもありましたように、最終的には、担当課のほうに連絡をすればきちんとやっていただけるという理解でよろしいでしょうか。 ◎環境部長(藤村篤士君)  そのとおりでございます。カラス被害等がございましたら、環境事業所のほうに御相談いただけたらと思います。(「カラスじゃなくて、犬や猫もですか」と呼ぶ者あり)当然、犬や猫、カラスもでございます。 ◆22番(石本崇君)  それでは、鳥獣被害対策の次の再質問に移らせていただきますが、ちょっと前の新聞で「タカ放ち 迷惑サギ追放」と。サギ――鳥獣のほうのサギですね。「ふん害深刻 市が試行」ということで、記事を読み上げますと、「住民からの訴えを受け、市などは、サギを追い払う手だてを模索してきた。2年前には県が枝を刈り取ったが、効果は上がらなかった。爆竹や小型無人機・ドローン、放水で追い払うことも検討したが、人家が近く断念した」ということでございます。 要は、鷹匠にお願いをしてタカを放ってサギを追放するんだということを、現在、お取り組み中であるということでございますが、そのことについて、もう少し詳しく御説明をいただきたいと思いますが、お願いいたします。 ◎市民生活部長(野村浩昭君)  現在、県指定天然記念物でございます岩国市楠町一丁目のクスノキ巨樹群に、アオサギやシラサギが営巣地、いわゆるコロニーを形成いたしまして、それに伴い、今、議員がおっしゃったような被害といいますか、そういった状態が発生いたしまして、関係機関と連携してその対応を図っているところでございます。 クスノキの管理者である県に対して、営巣されると思われる枝の枝打ちなどをお願いし、対応をさせていただいているところでございますが、根本的な解決方法が見出せない中、関係者で広く対応策に関する情報収集を行ってまいりました。そうした中、サギ被害対策に効果があったとするタカによる追い払い事例の情報を入手するに至りまして、その方法や効果を問い合わせ、関係者で協議の上、この手法で対策を講ずることとしたものでございます。 具体的には、この手法で効果を上げている自治体から情報収集をいたしまして、それを扱っている業者も紹介していただき、委託をいたしまして、平成31年の2月からサギが別の場所に飛び去ると思われる9月までをめどに当面の対策を進めておりまして、2月から5月末まででございますが、合計20回の追い払い作業を実施しているところでございます。 しかしながら、この方法による効果が出るまでには時間を要すると伺っておりまして、引き続き作業を継続していくことが必要な状況となっております。 なお、サギが飛び去る9月までの間、巣から多数のひなが落下して周辺に散在するといったこともございますので、その対策についても現在、あわせて進めているところでございます。 落下したひなの回収は、従前より地元の住民の皆様方の御協力をいただきながら対応しているところでございますが、現在、業者への委託による回収方法も新たに取り入れまして、開始しているところでございます。 市といたしましては、課題となっている地域の周辺の皆様方が、生活の場として、また憩いの場として快適に過ごしていただけるよう、引き続き、関係機関と連携いたしまして、対応に努めてまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆22番(石本崇君)  今、部長が答弁なされたわけでありますけれども、他市・他県からの鷹匠が来られてそういった追い払いの活動をやられとるというふうに、ただいま受け取ったわけではございますけれども、実は岩国市にも鷹匠がおられるわけで、ちょっと前になるんですけれど、マスコミにも取り上げられたりなんかして、知っている人は知っているというところなんですが、せっかく地元に鷹匠がいるわけで、しかもこの方は、動物行動学というんですか、そういった、鳥の生態に関して非常に精通しているというふうに伺っております。どうか、やっぱり地元でありますし、顔が見える業者――業者という言い方は失礼ですが、鷹匠でもありますので、こういった方にもお声がけをして連携されて、より効果を上げるというお考えはございませんでしょうか。 ◎市民生活部長(野村浩昭君)  先ほど答弁いたしましたように、さまざまな方法で追い払いを実施してまいりましたけれども、効果が認められず、今の、タカによるサギの追い払い方法ということで、当時の担当もいろいろ方法を検討しておったようでございまして、その中で今回の方法にたどり着いたということでございます。今後も、そういったやり方を基本に考えてまいりたいというふうには考えておりますが、今、議員から御紹介があったような方が地元岩国市にいらっしゃるようであれば、そういった取り組みが可能か、また、まずお話をさせていただきながら、どのような形で連携することが可能であるのか、また、より効果的な対応を図ることができないかどうか、そういったことを検討してみたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆22番(石本崇君)  くれぐれも――ちょっと念を押すようで恐縮ですが、サギを追い払うためにいろいろお試しになられたわけですね。また新聞の記事を読み上げますが、県がクスノキの枝を切ってくれたと。爆竹――鳴り物、小型無人機・ドローンも検討された。そして、放水で追い払うことも検討したと。しかし、結果的に鷹匠――このタカで追い払うのがベストとまでは申しませんが、現状における対策では、これがベターだということでございますね。それなら、ぜひ、岩国にも鷹匠はいらっしゃいますので、どうかどうか連携されて、本当に困っている方がいらっしゃるわけでありますので、今以上に成果・効果が上がるようにお考えいただきたいと思っております。 それでは次に、スポーツ振興についての再質問をさせていただきます。 壇上でもありましたとおり、次世代を担うジュニア層のスポーツの推進、競技力の向上等を目的とした事業を実施――特に義務教育下の児童・生徒を対象に、ちょっと再質問させていただきたいわけでありますが、平たく言えばアスリート育成です。現に、岩国市からも非常に有望な選手が輩出されております。その後に続くような、まさに金の卵――鉄は熱いうちに打てと申しますけれども、義務教育下で行われているクラブ活動において、昨今は、学校もそうですけれど、先生を取り巻く環境、また、子供たちのクラブ活動における環境についても、大きな変化が見られているように思います。 例えば、働き方改革であったり、クラブ活動においても週休2日――2学期ぐらいからそのような取り組みをされると伺っております。そういった、アスリート育成においては非常に厳しい現状になっている中、壇上でも、「競技力の向上等を目的とした」と御答弁がありましたように、どのように取り組んでいくかが非常に重要な問題になってくると思います。現場の先生も時間がない。ましてや、音楽や数学の先生が野球や陸上競技を教えるというのは、どちらにとっても負担であります。教える先生もやはり大変でしょうし、子供たちもおもしろくない――おもしろくないと言ったら語弊がありますが。 そのような中で、今は外部指導者という形をとっておられますが、これもボランティアであります。ボランティアというと聞こえはいいですが、やはり無料奉仕でございますので、どこかに――全員とは申し上げませんが、どこかにそういった甘えが出てくる可能性もあります。 そこで、部活動指導員制度というものが他市では行われているとお聞きしましたが、こういった制度について、いま一度詳しく御説明をいただきたいと思います。部活動指導員制度というのはどのような制度であるのか、教育委員会の中でおわかりになる範囲で結構でございますので、詳しく御説明をしていただければと思っております。 ◎教育長(守山敏晴君)  それでは、中学校の部活動の取り組みについてお答えいたします。 中学校の部活動については、生徒の健康増進はもとより、自主性・協調性、さらには思いやりの心を育むなど、生徒が健やかに成長する過程で大きな役割を果たしております。 現在、国では、働き方改革のもとに教職員の長時間労働是正に向けて取り組みを進めておりますが、部活動についても、活動時間の削減や適切な休養日の設定等、国や県のガイドラインを踏まえた取り組みを推進しているところでございます。このような中におきましても、多くの先生方が、限られた時間を有効に活用して熱意を持って生徒を指導しており、技術や技能だけでなく、豊かでたくましい心を育んでおられます。 また、2年前から実施しております日本体育大学とのスポーツ協定に基づく連携事業も競技力向上につながっております。平成29年度は剣道、昨年度はハンドボール、今年度は野球の指導をしていただくということになっており、トップレベルの指導を受けることによって、市内の競技者や指導者のスキルアップにもつながっているところでございます。 さらに、先ほど御質問がありましたように、部活動指導員制度の導入についても、専門的な指導による生徒の技術・技能の伸長、また、部活等の指導における教職員の負担軽減等、期待される効果は大きいものであると考えておりますので、今後、部活動指導員制度については、導入している他市との情報交換を等行う中で、適切な配置に向けて検討を重ねてまいりたいと思っております。 今後とも、子供たちの可能性を最大限に伸ばすことができるように、部活動の充実を図ってまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆22番(石本崇君)  前向きともとれる御答弁ではありましたけれども、もはやこういった取り組みは待ったなしであろうかと思います。本当に、現場の先生も大変な思いをされておりますし、何よりも子供たちも夢を持って中学校から部活動――もっと早い子は小学校でスポーツクラブとかいろいろやっておられるでしょうけれども、夢と目標を持って部活動をやるわけですから、やっぱり勝つことの喜び、負けることの悔しさ、全て子供が成長していく上での重要な栄養になると思います。そのためには、やっぱり真剣に取り組まなければなりません。もちろん、安全面からもそうであります。 だとするならば、こういった部活動指導員については当然、働き方改革とセットで取り組んでいただきたい。そうでなければ、国からの申し入れで働き方改革だといったって、誰も長時間働きたいわけじゃないんですよ。やはり働かざるを得ない。子供たちにとってもそうですよ。週休2日という中で、やっぱり、強くなりたい子、記録を伸ばしたい子、いろいろな思いの生徒がいるわけで、それを両立させるのであれば、まさに、ゼロか100かではなくて取り組めるところから取り組んでいただきたい。もし、こういった取り組みがなされないのであれば、外部指導員にお金を払ってでもしっかりとやっていかなければ、こんなものはただの現場いじめになりますから、しっかりとこういったところは取り組んで、検討するとかという言葉ではなく、やってしかるべき問題であると私は認識いたしております。 どうかいま一度、そのあたりを踏まえて、教育委員会としての思いを再度確認させていただきたいと思います。私は、この問題は非常に重要だと思っています。今までなかったのも不思議に思っています。そして、今、こういう環境の中で、こういう要請も出てきた、しかも他市はやっているのにこちらはやっていないのはいかがなものかと思っておりますので、いま一度、御答弁のほど、お願いしたいと思います。 ◎教育長(守山敏晴君)  今、議員が言われたように、部活動指導員につきましては、いろんな部活動について意義がありますし、それについての顧問の先生方の負担軽減もあると思いますので、検討して、実施するように取り組んでいきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。 ◆22番(石本崇君)  余り変わらなかったような気がするんですけれど……。いずれにしても、しっかりと取り組んでいただけるということはありがたいことでございますので、どうかよろしくお願いしたいと思っております。 それでは、最後の再質問に移らせていただきます。 最初、時間が余るかと思いましたら、あっという間でございましたので、ちょっとここらあたりはしっかりとお尋ねさせていただきたいと思っております。 企業誘致についてでございますが、先般、特別委員会がございまして――特別委員会と申しましても2つございますが、どちらの特別委員会かは言わずもがなでありますけれども、その中におきまして、ある施設の話のときに、これから岩国市で誘致していきたいという話の中で、当然、どこに誘致するんだという質疑がありました。そこで、白尾部長のほうから――まあ、一つは言いません、それは私が言ったところですから、今回のお話ではありません。もう一つ、白尾部長みずからが御答弁されたのが、旧山口銀行の場所であります。そこは非常に目立つところでもありますし、企業誘致という見地からも、私は非常に有力な候補地であろうと、ある施設に限らず思うわけであります。当然、特別委員会ですから、限定的な質疑であったわけですけれども、きょうの一般質問を受けられまして、改めてその旧山口銀行の場所について、何か市のほうとしてお考えがあるようでしたら、御発言をいただきたいと思います。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  都市活力再生・推進調査特別委員会の中で、仮称でございますが、東部産業振興センターについて、今後、県から複数の候補地が示されるであろうという中で、その一つに山口銀行岩国支店の跡地も考えられるというような発言はいたしました。まだ、そのほかにも当然あるわけでございまして、限定的に言ったわけではございません。当然、あの場所は中心市街地の基本計画のエリア内でございますし、本通商店街の玄関口ということで、大変重要な場所でもございます。ということから、商業の活性化が求められる区域でもございます。 あの場所は、平成19年5月から現在の状況となっておりまして、長い間そのまま放置されている状況ではございますが、企業誘致をするに当たりましては商業施設等の誘致に限定されるのかなとは思っておりますけれども、いずれにしましても、所有者の山口銀行や関係団体等との連携が必要でございますので、今後、そういった方面で、山口銀行のほうで検討がなされていくものというふうに考えてございます。 ◆22番(石本崇君)  私は、ある施設というふうに申し上げたので……。その施設の具体的な名前はよしとして……。 10年間放置とおっしゃられたんですが、放置されていたんですか。何かお考えがあったわけではないんでしょうか。非常に、一等地といえば一等地でございますし、本当に、こういうことをこの場で申し上げるのは甚だそぐわないことかもしれませんが、大分前に、ちまたでは、いろいろな個別具体的な企業名が挙がって、その企業が来るんじゃないかとかと言われていましたので、放置というのはちょっと違和感があったんですが……。何らかのお考えがあったんじゃないかと思うのですが――放置なら放置でいいんですが、ちょっといま一度、御答弁をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  放置という表現は適切ではなかったかもわかりませんが、地権者であります山口銀行が考えることでございますので、市として、山口銀行と直接そういったアクションを起こしたことは、今まではございません。 ◆22番(石本崇君)  承知しました。 それでは、もう少しその件でお尋ねいたします。 地権者とおっしゃられたわけですが、あの建屋は、全て山口銀行が所有していらっしゃるのでありましょうか。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  株式会社山口銀行であると認識しております。 ◆22番(石本崇君)  それでは、全部が山口銀行の用地という理解でよろしいですか。あれだけ広いのが全部、山口銀行の持ち物ですか。地権者が1つというのと複数いるというのでは、180度違うお話なので……。別に他意はないんですよ。これから何かをするにおいても、地権者が1者というのと複数いるというのでは、やはり交渉を行っていく上でいろいろと大変さが違ってくるんじゃないかなという素人考えでお尋ねするんですが、いま一度、そこらあたりをはっきりと御答弁いただきたいと思います。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  建物があったところは山口銀行が所有者だというふうに認識しておりますが、裏手にありました駐車場については複数人の地権者がいるものというふうに思われます。 ◆22番(石本崇君)  済みません、個別具体的な名前は結構なので……。市としては、それは認識されているわけですね。当然、今、明確な御答弁をいただいたので――ですよね、わかりました。 では、もう一度、ちょっと後戻りするような再質問で恐縮なんですが、本当に、あれだけ場所的にいいところにありますので、市としても、何かお考えになるというようなことは本当にないのでありましょうか。済みません。ちょっとしつこいですが、時間もあるようなのでお願いいたします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  現時点では、そのような考えは持ち合わせてございません。 ◆22番(石本崇君)  それでは、特別委員会でおっしゃられた、ある施設の候補地の一つであるぐらいの認識でいたほうがいいということでありますね――承知いたしました。非常にわかりやすい御答弁で、ありがとうございました。 それでは、またちょっと関連でお尋ねいたしますが、壇上から御答弁もありましたように、新たな分野においても積極的に情報収集を行い、企業誘致につなげてまいりたいということでございますが、昨今は飛行艇ミュージアムということで――私の父は自衛隊員でもUS-1に乗っていたわけでもありませんが、私は、ライフワークとして取り組んでいこうと思っておりました。 その飛行艇ミュージアムに関連して、救難飛行艇ということで、やはりあれだけの世界唯一の部隊で、飛行艇のUS-2が岩国に展開されているということであります。これは、基地問題についての賛成・反対はいろいろあるでしょうが、こちらは人命救助――救難飛行艇ですから、こちらを主とした、今までもたくさんの実績で、国籍を問わず人命救助を行っている。著名なところでは、8月に岩国市に来られますけれども、著名人も救出したということです。昨今、マスコミにも非常に多く取り上げられている。そして今般も、飛行艇ミュージアムを建設しようということでいろいろなところで機運が盛り上がっていると、私自身は感じております。 その飛行艇をここ岩国でつくっているというのは適正な言葉かどうかは私にもわかりませんが、平たく言うと、つくっている新明和工業という会社があると思います。岩国にもあるのでありますけれども、これからどういうふうになっていくかはわかりませんが、災害であるとか、いろんなことで、海外にもニーズがあるというふうに、素人ながら伺っております。 新明和工業に限らず、こういった航空機産業の誘致という観点から、市は何かお考えをお持ちではないかという質問をさせていただきたいと思います。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  航空機産業の誘致ということで、商工振興課では、平成28年、29年と、新明和工業の神戸市甲南工場のほうに訪問させていただいて意見交換を行っているところでございますし、本市今津町にございます新明和岩国航空整備株式会社にも、定期的に行って情報交換を行っているところでございます。誘致等の提案も行っているところではありますけれども、現在のところは大きく進展はしておりません。 ◆22番(石本崇君)  進展はしていないというのはわかります。そうではなくて、市として、壇上からの答弁でもありましたとおり、積極的に情報収集を行い、企業誘致につなげてまいりたいとおっしゃっているんだから、それはもう、今のところ進展はないのはわかっていますけれど、どのように思っているのかということを、私はお尋ねしております。いま一度、御答弁のほど、お願いいたします。 ◎産業振興部長(白尾和久君)  岩国に配備されております救難飛行艇のUS-2の民間機への転用という動きに合わせて訪問も重ねておりますけれども、一昨年に、日本飛行機の誘致というものにもトップセールスで成功したこともございますので、引き続き、粘り強く企業訪問を重ねて、誘致に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。(発言する者あり) ◎市長(福田良彦君)  新明和工業でありますが、私も以前、甲南工場のほうにお邪魔していろんな話をさせていただいて随分久しくなるんですが、御承知のように、そのグループ会社の新明和岩国航空整備株式会社が岩国のほうに平成8年から立地されております。ここでは、先ほど石本議員御案内のように、救難飛行艇US-2などの整備に当たっておられまして、従業員数も百二十五、六名だというふうに伺っております。そういった中で、市としても、今、US-2を含めて、新明和工業の企業誘致の可能性について、これまでもいろんな役員とも話をさせてもらっております。 御承知のように、今、政府がこのUS-2の国外への売り込みをしております。この話が出てもう5年ぐらいたちまして、相手がインドとかでありますので、なかなか進捗を見ていない状況でありますが、1機がかなり高額なUS-2を民間に転用して量産体制に入ることが可能であれば、その第二工場として岩国に――これまで自衛隊第31航空群71航空隊がおられますので、そういったOBの方もたくさんおられます。そういった中で、ぜひ、私とすれば、こういった航空機関連企業としての新明和工業が岩国に進出をしていただくことは、我が市にとって、今後のいろんな展開から見ても、非常に発展性があるというふうに考えております。 また、近々、このUS-2につきましても、辛坊さんの講演会等も控えておりますし、岩国徴古館での企画展、また、市役所のほうでも黄色い飛行艇――これ、消防飛行艇でありますが、こういった救難飛行艇のあらゆるオプションを、今後、新明和工業としても考えておられます。救難飛行艇のみならず、消防の飛行艇としても活用できるといったことで、いろんな分野でこの飛行艇の技術は生かされるのだろうというふうに思っています。そういった企業でありますので、我が市に立地していただけるようにいろんな意見交換をさせてもらいたいし、私としても積極的に誘致に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆22番(石本崇君)  15番議員に仕切っていただきました。ありがとうございました。 わざわざ市長に答えていただきましたけれども、航空産業というのは新明和工業に限らず、裾野も広いわけであります。また、先ほど、ちょっと言いかけて途中でやめたんですけれども、特に、これは救難飛行艇でありますし、人命を救出するということで、相手を打撃力でせん滅させるという戦闘機とは違いますから、基地に賛成・反対にかかわりなく、イデオロギーを超えて人命は尊重されるものであると思いますし、先ほど大西議員に仕切っていただけたのが、これがエールだろうと私も考えておりますので、(笑声)恐らく、議員の皆さんは反対されるということはないと思います。非常に、岩国ならではの企業誘致、岩国しかできない企業誘致ではないかと思っております。 また、福田市長も、来年また選挙もあるようでございますが、ぜひ、これを公約の一つにしていただいて、どうか、「夢をかたちに」ということで、また大きな大きな夢を形にしていただけたらと思います。 それでは、これをもちまして、一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(藤本泰也君)  以上で、22番 石本 崇君の一般質問を終了いたします。 ここでお諮りいたします。通告されました一般質問はまだ残されておりますが、本日はこの程度にとどめ、明6月20日午前10時に本会議を再開し、一般質問を続行することにいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(藤本泰也君)  御異議なしと認め、さよう決しました。 本日はこれにて散会いたします。午後4時54分 散会 ――――――――――――――――――――――――――――――  地方自治法第123条第2項の規定により署名する。                         岩国市議会議長  藤 本 泰 也                         岩国市議会副議長 貴 船   斉                         岩国市議会議員  瀬 村 尚 央                         岩国市議会議員  細 見 正 行                         岩国市議会議員  石 本   崇...