平成30年 3月 定例会平成30年奈良市議会3月定例会会議録(第4号)
----------------------------------- 平成30年3月8日(木曜日)午前10時0分
開議----------------------------------- 議事日程 日程第1 議案第1号 平成29年度奈良市
一般会計補正予算(第6号) 議案第2号 平成29年度奈良市
国民健康保険特別会計補正予算(第3号) 議案第3号 平成29年度奈良市
土地区画整理事業特別会計補正予算(第2号) 議案第4号 平成29年度奈良市
介護保険特別会計補正予算(第3号) 議案第5号 平成29年度奈良市
水道事業会計補正予算(第2号) 議案第6号 平成29年度奈良市
下水道事業会計補正予算(第2号) 議案第7号 奈良市
社会福祉審議会条例の一部改正について 議案第8号 奈良市
地域包括支援センターの人員等の基準に関する条例の全部改正について 議案第9号
奈良市営住宅条例等の一部改正について 議案第10号 奈良市都市公園条例の一部改正について 議案第11号 財産の取得について 議案第12号 工事請負契約の締結について 議案第13号 工事請負契約の一部変更について 議案第14号 平成30年度奈良市一般会計予算 議案第15号 平成30年度奈良市
住宅新築資金等貸付金特別会計予算 議案第16号 平成30年度奈良市
国民健康保険特別会計予算 議案第17号 平成30年度奈良市
土地区画整理事業特別会計予算 議案第18号 平成30年度奈良市市街地再
開発事業特別会計予算 議案第19号 平成30年度奈良市
公共用地取得事業特別会計予算 議案第20号 平成30年度奈良市
駐車場事業特別会計予算 議案第21号 平成30年度奈良市
介護保険特別会計予算 議案第22号 平成30年度奈良市
母子父子寡婦福祉資金貸付金特別会計予算 議案第23号 平成30年度奈良市
針テラス事業特別会計予算 議案第24号 平成30年度奈良市
後期高齢者医療特別会計予算 議案第25号 平成30年度奈良市
病院事業会計予算 議案第26号 平成30年度奈良市
水道事業会計予算 議案第27号 平成30年度奈良市
下水道事業会計予算 議案第28号 奈良市
附属機関設置条例の一部改正について 議案第29号 奈良市手数料条例の一部改正について 議案第30号 奈良市
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準等に関する条例の全部改正について 議案第31号 奈良市
指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに
指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準等に関する条例の全部改正について 議案第32号 奈良市
指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営の基準等に関する条例の全部改正について 議案第33号 奈良市
指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに
指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準等に関する条例の全部改正について 議案第34号 奈良市
指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営の基準等に関する条例の全部改正について 議案第35号 奈良市
指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに
指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準等に関する条例の全部改正について 議案第36号 奈良市
指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営の基準等に関する条例の全部改正について 議案第37号 奈良市
介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の全部改正について 議案第38号 奈良市
指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の全部改正について 議案第39号 奈良市養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の全部改正について 議案第40号 奈良市
特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の全部改正について 議案第41号 奈良市軽費老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の全部改正について 議案第42号 奈良市介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準等に関する条例の制定について 議案第43号 奈良市
指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準等に関する条例の全部改正について 議案第44号 奈良市
指定障害者支援施設の人員、設備及び運営の基準等に関する条例の全部改正について 議案第45号 奈良市
障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する条例の全部改正について 議案第46号 奈良市障害者支援施設の設備及び運営の基準に関する条例の全部改正について 議案第47号 奈良市
地域活動支援センターの設備及び運営の基準に関する条例の全部改正について 議案第48号 奈良市福祉ホームの設備及び運営の基準に関する条例の全部改正について 議案第49号 奈良市住宅宿泊事業の実施の制限等に関する条例の制定について 議案第50号 奈良市廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部改正について 議案第51号 奈良市
国民健康保険条例の一部改正について 議案第52号 奈良市介護保険条例の一部改正について 議案第53号 奈良市後期高齢者医療に関する条例の一部改正について 議案第54号 奈良市
観光自動車駐車場条例の一部改正について 議案第55号
包括外部監査契約の締結について 議案第56号 市道路線の廃止について 議案第57号 市道路線の認定について 議案第58号 公の施設の指定管理者の指定について 議案第59号 奈良市議会の議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当の額並びにその支給に関する条例等の一部改正について 議案第60号 奈良市一般職の職員の給与に関する条例及び奈良市一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部改正について 議案第61号 奈良市職員の退職手当に関する条例等の一部改正について 議案第63号 工事請負契約の締結について 議案第64号 和解及び損害賠償の額の決定について
----------------------------------- 本日の会議に付した事件 第1、日程に同じ
----------------------------------- 出席議員(38名) 1番 道端孝治君 2番 塚本 勝君 3番 樋口清二郎君 4番 山出哲史君 5番 林 政行君 6番 松下幸治君 7番 阪本美知子君 8番 山本直子君 9番 白川健太郎君 10番 山本憲宥君 11番 太田晃司君 12番 階戸幸一君 13番 横井雄一君 14番 宮池 明君 15番 早田哲朗君 16番 三橋和史君 17番 大西淳文君 18番 柿本元気君 19番 酒井孝江君 20番 山口裕司君 21番 北村拓哉君 22番 八尾俊宏君 23番 東久保耕也君 24番 内藤智司君 25番 植村佳史君 26番 藤田幸代君 27番 田畑日佐恵君 28番 九里雄二君 29番 三浦教次君 30番 松石聖一君 31番 鍵田美智子君 32番 井上昌弘君 33番 松岡克彦君 34番 森田一成君 36番 北 良晃君 37番 中西吉日出君 38番 伊藤 剛君 39番 森岡弘之君 欠席議員(1名) 35番 土田敏朗君
----------------------------------- 説明のため出席した者 市長 仲川元庸君 副市長 津山恭之君 副市長 向井政彦君 危機管理監 西岡光治君 総合政策部長 染谷禎章君 総務部長 乾 尚浩君 財務部長 中西寿人君 市民生活部長 川尻 茂君 市民活動部長 澤野井 保君 福祉部長 堀川育子君 子ども未来部長 木綿延幸君 健康医療部長 上野満久君 環境部長 山村栄之君 観光経済部長 梅森義弘君 都市整備部長 岡本善昭君 建設部長 杉野高広君 会計契約部長 神田久美君 企業局長 池田 修君 消防局長 藤村正弘君 教育長 中室雄俊君 教育総務部長 尾崎勝彦君 学校教育部長 北谷雅人君 監査委員 東口喜代一君 総合政策課長 吉村啓信君 財政課長 増田達男君
----------------------------------- 事務局職員出席者 事務局長 米浪高之 事務局次長 小川祐弘
事務局参事議事調査課長事務取扱 議会総務課長 中谷陽子 梶 正樹
議事調査課長補佐 秋田良久 議事係長 杉野真弥 調査係長 岡本欣之 議事調査課書記
美並彰悟----------------------------------- 午前10時0分 開議
○議長(北良晃君) 昨日に引き続き、会議を開きます。-----------------------------------
△日程第1 議案第1号 平成29年度奈良市
一般会計補正予算(第6号) 外62件(質疑並びに一般質問)
○議長(北良晃君) 直ちに日程に入ります。 日程第1、議案第1号 平成29年度奈良市
一般会計補正予算より議案第61号までの61議案、議案第63号 工事請負契約の締結について及び議案第64号 和解及び損害賠償の額の決定について、以上63議案を一括して議題といたします。 昨日に引き続き、質疑並びに一般質問を行います。 4番山出君。 (4番 山出哲史君 登壇)
◆4番(山出哲史君) おはようございます。私は、改革新政会の山出哲史でございます。よろしくお願いいたします。 早速ですが、防災行政に関しまして、最初に津山副市長にお伺いします。 私は、昨年9月の
決算審査等特別委員会と12月定例会におきまして、防災行政について質疑及び一般質問を行いました。現在、担当課において、
福祉避難所協定施設との話し合いの準備、年度がわりの早い時期における庁内が連携した防災訓練の実施の準備、そして地域における
避難所開設訓練実施の働きかけが進んでいると聞いています。私も先月の18日に地元小学校の体育館で行われました
避難所開設運営リーダー訓練に参加をいたしました。改めまして、避難所開設訓練の重要性を認識いたしました。本日は、全庁的な視点で質問をいたします。 去る2月9日、政府の地震調査委員会は、南海トラフ地震の30年発生率につきまして、70%程度から、70%~80%に引き上げたことを発表いたしました。そのような中、
南海トラフ地震発生時の初動、復旧、復興に対する本市の組織体制のありよう、さまざまな計画づくりやマニュアル整備の現状をどのように認識並びに評価しておられるか、お尋ねいたします。 次に、今の質問と同様の趣旨で、向井副市長にお伺いいたします。
南海トラフ地震発生時の初動、復旧、復興を踏まえたさまざまな計画づくりやマニュアル整備、大地震が発生した際のさまざまな対応を想定した場合、現在の職員育成や職員配置のありようをどのように評価されるかについてお尋ねします。 続きまして、福祉行政に関して、福祉部長に質問いたします。 御存じのとおり、国が「我が事・丸ごと」地域共生社会の実現を推進しています。また、
地域包括ケアシステムの強化のため、社会福祉法が改正され、地域福祉計画が福祉の各分野の上位計画に位置づけられました。来年度より高齢者と障害児・者が同一の事業所でサービスを受けられる
共生型サービス事業所が位置づけられます。これらのことに関連して、今後はさまざまな分野の福祉サービスのことを身近な地域で一体的に相談ができて利用につながる体制づくりが求められるようになると考えます。このことについて、どのような認識を持っておられるか、伺います。 福祉部長にもう一つ別の質問があります。
高齢者福祉サービスの利用が初めて措置から契約に変わった西暦2000年の介護保険制度の開始以降、各分野の福祉制度が目まぐるしく変わり続けています。例えば、障害者福祉の分野だけでも2003年の
障害者支援費制度の開始、2006年の
障害者自立支援制度の開始、2013年、
障害者総合支援法の施行というように、10年の間に根拠となる法律が三度も変わっています。利用される方々からだけでなく、施設や事業所、本市の担当職員の方々からも戸惑いの声を聞くことがたびたびございました。このことについて、どのような認識を持っておられるか、伺います。 1問目は以上です。
○議長(北良晃君) 津山副市長。 (副市長 津山恭之君 登壇)
◎副市長(津山恭之君) ただいまの御質問にお答えをさせていただきます。
南海トラフ地震発生時の本市の組織体制のありよう、そしてまた、それに対する整備の現状についての認識、評価ということの御質問と思っております。 本市につきましては、南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法、それに基づきまして、
南海トラフ地震防災推進地域というものに指定をされております。この推進地域、全国で700を超える地方公共団体が指定されているところでございますが、そのために同法第5条第2項の規定に基づきまして、被害を最小限に軽減するため、緊急に整備すべき施設等に関する事項等を定めるなどの推進計画、これを策定し、防災体制の推進を図っているところでございます。 そしてまた、同じくその措置法に基づき、本市の地域防災計画におきましては、関係機関との連携協力の確保を初め、円滑な避難の確保及び迅速な救助に関する事項、そしてまた、緊急に整備すべき施設等の整備計画や防災訓練計画、そしてまた、防災上必要な教育及び広報に関する事項等に努めると規定しているところでございます。また、加えまして、本市におきましては、地域の防災計画におきまして、南海トラフ地震のみならず大規模な地震災害に対処するための予防、そして応急対策についても規定し、推進に努めております。 しかしながら、災害時における全庁的な
災害対応組織体制につきましては、先進の他都市に比べると、やはりまだ不十分なところがございます。実働的な防災訓練の実施を初め、県や関係機関との連携、そして迅速な活動のため、避難所の運営要領--先ほども議員のほうからお言葉ございました--避難所の運営要領等の細かいマニュアルにつきましても、さらに整備していく必要があると考えております。 以上でございます。
○議長(北良晃君) 向井副市長。 (副市長 向井政彦君 登壇)
◎副市長(向井政彦君) 本市におけます防災部門での職員配置、育成についての御質問でございます。 本市では、平成19年度から市長直属の危機管理監を配置いたしまして、危機管理部門、防災対応を統括しております。現在、本市におきましては、定員適正化計画に基づきまして職員の適正化を図っておりますが、この危機管理部門、特に危機管理課におきましては職員数を増員いたしております。事務職だけでなく経験豊富な元自衛官を数名採用し、また、これも経験豊富な再任用の消防職員も数名配置いたしまして、体制の充実強化を図っているところでございます。 南海トラフ地震の発生確率もまた引き上げられたと聞いております。議員御指摘のように、有事に備えた対応策を平時から準備しておくということは大変重要なことであると考えております。今後も危機管理部門の充実強化は欠かせないものであると考えておるところでございます。そのためには、専門的な知識、経験はもちろんのこと、全庁的な危機管理における組織体制をしっかり把握し、他の関係機関や市民の自主的組織との連携や協働を進め、いざというときには市全体を統率、指示、管理できる職員を確保していくということが重要であり、外部の教育機関での研修や人事異動サイクルの最適化、また外部人材の導入など専門的職員の確保、育成、そして職員の知識と意識の向上に努めてまいりたいと考えております。 また、危機管理部門だけに限らず、市職員全体が、いざというときには市民の生命と財産を守るという市職員の立場としての活動はもちろんでございますが--災害はいつどこで発生するかもわかりません--在住する地域などにおいても住民とともに地域の安全と防災に貢献できるよう、日ごろからの防災意識、危機管理意識の向上を目指してまいりたいと考えております。
○議長(北良晃君) 福祉部長。 (福祉部長 堀川育子君 登壇)
◎福祉部長(堀川育子君) 山出議員の御質問にお答えいたします。 高齢者、障害者などといった縦割りではなく、地域での一体的な相談体制についてでございますが、地域福祉を推進していく上におきまして、非常に重要なことであると認識しております。地域での困り事への対応や、また、支え合い等につきましては、庁内関係課が連携を図り取り組んでいくよう努めております。また、来年度より各日常生活圏域に配置予定の
生活支援コーディネーターが中心となり、
地域包括支援センターや地域の関係団体などと連携し、相談体制の強化に取り組んでまいりたいと考えております。 国におきましては、地域共生社会の実現に向け法整備などが進められており、本市といたしましても、その動向を注視し、できるだけ早期に対応できるように努めていきたいと考えております。 次に、福祉分野の制度変更についての認識でございますが、介護保険法及び
障害者総合支援法におきましては、議員お述べのとおり、3年ごとに事業計画を策定することになっており、その都度大きな法改正が行われております。制度改正により、福祉事業者や関係者に大きな影響を与えていることは認識をしております。高齢者や障害者の増加による
公的サービス利用が増加をしている状況のもと、国では、将来にわたり社会保障制度を維持していくための対応や、事業従事者の処遇改善等の見直しが行われてまいりました。 本市におきましては、制度改正時には国から制度改正に係る詳細な情報を入手し、関係課を含めた職員の勉強会などを実施し、知識を深めているところでございます。また、福祉事業所に対しましては、必要に応じて説明会の開催を実施しております。このような取り組みによりまして、福祉事業所と連携を図り、また、利用者の方々に混乱を来さないよう努めているところでございます。 以上でございます。
○議長(北良晃君) 4番山出君。
◆4番(山出哲史君) ありがとうございました。 2問目は、自席より向井副市長に質問いたします。 今ほど福祉部長から、福祉制度が目まぐるしく変わる中、法律改正時には国から詳細な情報を入手し、関係課を含めた勉強会などで職員の知識を深めておられること、また、事業所に対しては、必要に応じて説明会を開催されていると伺いました。そして、それらの取り組みにより、事業者と連携を図り、利用者に混乱を来さないように努めておられるとのお話がありました。 このような状況にしっかり対応していく観点から、福祉部における今の職員育成や職員配置のありようをどのように評価されているか、伺います。
○議長(北良晃君) 向井副市長。
◎副市長(向井政彦君) 2問目でございますので、自席から答弁を申し上げます。 職員の人材育成、配置につきましては、福祉分野に限らず、よりよい市民サービスを提供するということで大変重要な要素だと考えております。特に福祉分野では、事業者、利用者が多数に上りまして、障害であったり、高齢者であったり、その他、程度によりましてもさまざまな福祉の現場があり得ることから、制度の内容を理解することに加え、事業者や利用者の声、その実態や実情を知るための機会をふやしていくことは、福祉部門の職員の育成にとって必要なことであると考えております。議員からも御指摘ありましたように、相次ぐ制度改正がございまして、制度や運用が大変複雑化しております。過去の制度や経緯、そして実態がわかる専門人材の育成、配置も重要であると考えております。 今後も複雑多様化する福祉の市民ニーズに的確に対応するためには、即戦力の職員も必要ということから、社会福祉主事の任用資格を持ち、福祉の現場等における職務経験を有する社会福祉士職の採用を平成28年度より実施をしております。職務経験で培われた能力や専門知識を生かして、採用後は即戦力として、現在は生活保護業務で活躍をいただいておるところでございます。 今後におきましては、社会福祉職の採用とあわせて福祉分野の制度や実態に精通した人材を育成するとともに、福祉行政の継続性にも配慮した職員の採用、配置に努めてまいります。
○議長(北良晃君) 4番山出君。
◆4番(山出哲史君) 誠実な御答弁に感謝いたします。 最後に、私の意見、要望を申し述べます。 まず、防災にかかわる人材育成と組織体制についてであります。 昨年10月に開催されました日本災害復興学会2017神戸大会の第5分科会におきまして、宮城県南三陸町の町長さんや東京都葛飾区の
街づくり計画担当課長など5人の方々が、実践報告並びに研究発表を行われました。いずれも大変興味深い内容で、共通のテーマは事前復興でありました。避けることができない大地震、その発生後に必要となる復興のための計画を事前につくっておくというものであります。 先月2月22日に放送されましたNHK、朝のニュースの中で、大阪府堺市の市長さんがインタビューを受けておられました。熊本地震の教訓をもとに受援計画をつくったとのことでありました。受援計画とは、大地震が発生した際に駆けつけてくれる他の自治体職員やボランティアさんに対して、助けられ上手になるという計画であります。 先ほど、副市長お二人に御答弁いただきました。南海トラフ地震はいつになるかわかりませんが、いずれ必ず起こります。大地震への準備は、奈良市の特性を踏まえながら、さまざまな法律や最新の情報に照らして積み重ね、世代を超えて切れ目なく引き継いでいく必要がございます。また、準備は多分野にわたり、広範囲であります。県や国との連携調整も欠かせません。事前復興計画や受援計画などの新しい考え方が次々と生まれてまいります。これらの計画をつくる際には、あわせて現場に即した
マニュアルづくりが求められます。 私の考えを申し述べます。行政経験がないため、多少的外れな発言になるかもしれませんが、御容赦をお願いします。 できるだけ早い機会に大地震への準備を担当する職員の育成と組織への配置をお願いしたいと考えます。例えば、その職員は危機管理監の直轄とし、担当業務は大地震への準備に関連するものだけに特化するのはいかがでしょうか。育成につきましては、法律や制度、最先端の取り組みなどを学びながら、奈良市に必要なものを奈良市に合う形で導入できる環境をつくっていくのがよいと考えています。 例えば、昨年、兵庫県立大学に定員12名の
減災復興政策研究科が開設されました。2年課程で教室は神戸市の阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センターの中にございます。昨年入学された第1期生12名のうち5名が行政職員で、派遣もとの自治体の減災復興政策を研究されています。また、冒頭に御紹介しました日本災害復興学会は、正会員の年会費は7,000円ですが、自分次第でさまざまな分野の研究者や専門家、現場の実践者とつながりをつくることができます。そのことにより、災害にかかわる法制度や防災に関する各地の最新情報などを得ることが可能になります。職員育成の場や方法はほかにもあると思います。ぜひとも御検討をお願いいたします。 最後に、組織体制につきましては、平時より危機管理にかかわる指示・命令が全庁に迅速に行き渡り、指示・命令に対する報告、連絡、相談が必要に応じてスムーズに行われる、そのような組織体制のありようを検討していただきたいと考えます。よろしくお願いいたします。 次に、福祉にかかわる相談支援体制についてであります。 先ほど、福祉部長より、地域福祉を推進する上で、何らかの支援を必要とする人に、身近な地域で一体的に対応できる相談支援体制づくりが非常に重要であると御答弁いただきました。また、庁内関係課が連携を図り、対応に努めておられると伺いました。 私の考えを申し述べます。 庁内関係課が連携して対応されていることは何より重要だと思います。今後は、その取り組みをさらに合理的で確かなものにする必要があると思います。例えば、多少の費用は伴いますが、近未来の困り事相談支援体制を考えようといったようなテーマを設定して、市民に開かれた形で、市の職員も参加しやすい形でシンポジウムなどを企画、実施するのはいかがでしょうか。運営には、奈良市が設置に関係している福祉関係の審議会や会議、協議会メンバーの有志に参画していただくのも一つの方法だと考えます。また、奈良市地域福祉計画の策定、計画実行の進捗管理のために組織されました奈良市地域福祉推進会議におきまして、地域における福祉相談支援体制の合理的な再編に継続して取り組んでいただけたらと考えています。 福祉部における職員育成と職員配置につきましては、向井副市長の御答弁どおり、過去の制度や経緯、実態がわかる専門人材の育成、配置が本当に重要だと思います。また、事務職の方々も支援の現場を知ることで自分自身の担当業務への理解が進むと思います。また、御利用者や施設、事業所とのやりとりもよりスムーズになると考えます。 私は、昨年の夏、選挙で当選するまでの約17年間、福祉の現場で働きましたが、折に触れてそのように感じてまいりました。ぜひとも可能な福祉分野から関係職員に対する施設、事業所の現場見学研修を実施されますよう要望させていただきまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(北良晃君) 25番植村君。 (25番 植村佳史君 登壇)
◆25番(植村佳史君) おはようございます。無所属の植村でございます。 早速、観光行政、公益的法人への奈良市職員の派遣等について、市長に質問をいたします。 仲川市長が名誉会長を務めておられる公益社団法人奈良市観光協会への補助金について、29年度予算は1億2750万円でございましたが、30年度予算は1億5670万円と増額となっております。そのうちで、人件費として29年度は5000万円だったのが、30年度は7660万円の増額となっております。さらに、観光協会と奈良市との職員派遣による協定書に基づき、29年度は奈良市職員が5人派遣されております。反対に、観光協会からはプロパーの協会職員が、平成26年より人事交流派遣等の名目で2名が奈良市総合財団と社会福祉協議会へ派遣され、さらに27年より生涯学習財団に1人、研修派遣という名目で奈良市に1人が派遣され、合計4人が派遣されておることになっております。 観光行政における観光協会の役割は大変重要と私も認識しておりますことから、このことについて2点質問をいたします。 1点目に、奈良市から派遣している職員5人の経費負担の案分についてですが、観光協会との職員派遣に関する協定書によると、福利厚生の部分で、第11条第2項には、職員派遣にかかわる共済組合の事業主負担金の費用は乙、いわゆる観光協会が負担し、共済組合に納付するものとするとあります。ところが、観光協会への29年度奈良市派遣職員5人の人件費の見込み額を調べてみますと、本来は観光協会が負担すべき共済費の225万6691円を奈良市が負担しております。これはいかなることでしょうか。このままでは30年度予算でも奈良市が負担をすることになるのではないでしょうか。この整合性についてお聞かせください。 2点目に、職員の適正化計画も27年度には年度計画2,940人だったものが大幅に下回り、2,779人と、マイナス161人となりました。29年度は2,687人となっております。このように、人手不足の折に優秀な職員を5人も出し続けるのは問題があるのではないでしょうか。その職員の方々には、平成28年度から30年度までの地方創生のMICE事業にも従事していただいているようですが、従来からの伝統行事が手薄になっているとも聞き及んでいます。30年度はMICE事業の最終年度に当たりますので、市や外郭団体に派遣されている協会の4人のプロパー職員にMICE事業をしっかりと引き継いでもらうためにも、協会へ戻ってもらう必要性があるのではないかと考えますが、そのお考えをお聞かせください。 以上、1問目といたします。
○議長(北良晃君) 市長。 (市長 仲川元庸君 登壇)
◆12番(階戸幸一君) 多額の金額が奈良市から毎年出ているわけでありますが、以前から申していましたように、委託料として2つの支出がされている。そして一方は、診療報酬、これは医療を行った上における診療報酬としての金額、そしてもう1つは、奈良市から委託費として計上されている金額、そういうことでありますが、この今回の調書の中を見てまいりましても、今回1800万円を事務経費として差し引いたという形になりますが、その問題に関しては以前から奈良市は個別で払っているわけでありますから、今回の診療業務委託費7388万5000円、これは医師の派遣代ということでありました。 また、これは医師会から説明がないということですから、あくまでも推察の話として今回申し上げておきますが、休日夜間応急診療所として3市3つの診療所があります。これがほぼ毎日365日の診察を行ったとした場合、365日割る3人、単価として6万7474円という単価になります。これが医師の派遣代という形になります。これ以外に1億四千何がしのお金が出ているということ、これをまず皆様にお伝えをさせていただきたい。 その上において、今回、今、医師会と協議をされているということでありますから、この30年度についての予算については、これは執行をある程度見守っていきたいと思いますが、この協議をされていく中で、31年度について今回と同じような状態になるのかどうか、これはしっかりとこの1年間かけて調査をさせていただきたい。そして、医師会と前向きな協力体制である質疑をいただきたいと、それをお願いしておきます。 では、続きまして、奈良市のポイント制度事業について伺いたいと思います。 予算説明調書を見てまいりますと、高齢者を対象とした健康寿命やボランティア活動への参加を促進し、市民参画への意識の向上を事業の目的とされていますが、今回の積算の中で、管理業務委託費1320万円、そして、システム運営業務委託費1257万2000円、これが計上されておりますが、この内容についてまずお答えください。
○副議長(三浦教次君) 市民活動部長。
◎市民活動部長(澤野井保君) 自席よりお答えをさせていただきます。 管理業務委託費1320万円におきましては、長寿健康ポイント329万3200円、ボランティアポイント327万8300円、健康増進ポイント591万8500円、健康スポーツポイント71万円となっております。また、システム運営業務委託費1257万2000円につきましては、奈良市ポイント制度システム保守管理やホームページ作成などのポイント運営事務局の運営費となっております。
○副議長(三浦教次君) 階戸君。
◆12番(階戸幸一君) 済みません、時間がないのでちょっと割愛をさせてもらいながらいきます。 では、現在のポイント制度をよりよいものとするために、昨日、同僚議員のほうからも話が出ていたと思うんですけれども、ごみの減量などにおいて地域に協力を求めていく、その上においてこのポイントを付与するということも検討してもらったらどうかなというふうに思うわけでありますけれども、現在ある奈良市のポイント制度を拡充して、地域自治協議会への参画促進にポイントを付与するということは考えられないでしょうか、お答えください。
○副議長(三浦教次君) 市民活動部長。
◎市民活動部長(澤野井保君) 奈良市ポイント制度は、社会貢献活動への参加促進はもとより、地域でのボランティア活動の活性化、議員お述べの地域自治協議会設立に向けての担い手不足の解消につながるものと考えております。まずはこの制度を今以上に魅力あるものとするため、12月定例会において御提案をいただきました公共サービスの料金支払い等へのポイント利用に向けての検証、現行の主な交換商品であります特産品以外に健康グッズやスポーツ用品などの拡充、また、子供向けの交換品につきましても検討を進めているとろでございます。今後もより多くの市民ニーズに応えられるような制度になるよう、さらに推進してまいりたいと考えております。
○副議長(三浦教次君) 階戸君。
◆12番(階戸幸一君) ありがとうございます。 では、地域活動の担い手として、特に現役世代の参加を望まれるのが現在の地域の活動だと思うんですけれども、今回、地域自治協議会準備補助事業として、補助交付金が提案されています。この補助金はどのような意図で補助を行おうとしているのか、お答えください。
○副議長(三浦教次君) 市民活動部長。
◎市民活動部長(澤野井保君) 地域自治協議会は、市民ニーズが多様化する中で、行政では担い切れない部分を担っていただく重要な役割を果たしていただけるものと期待をしております。そのため、準備会を立ち上げられるところから、この交付金を活用して地域住民への理解を深めていただき、地域自治協議会の設立を支援してまいりたいと考えております。
○副議長(三浦教次君) 階戸君。
◆12番(階戸幸一君) ありがとうございます。 設立のために準備金をお渡しするということでありますけれども、先ほど申し上げたように、要は今、高齢化社会の中、そして担い手不足というのが現状の地域の実態であります。そういったことを考えた場合においては、やはり今推進しようとしている地域自治協議会への交付だけではなく、こういった地域の方々が、一人一人が参加のしやすい、そして参加する意義があるような形のポイント制度を十分に充実させていくことが私は重要だと思います。ですから今回、この交付金についても、そういった形に変化ができないのか、そういったことも問うていきたいと思っております。 では、次にまいります。 文化振興事業について伺います。なら国際映画祭補助金についてでございます。 この問題は、我が同僚議員からも先ほども話がありました。この事業に対して何も否定するものではありません。しかし、今回の補助金額についてはやはり一言申し上げていかなければならないのではないかというふうに思っております。余りにも金額が前回に比べて大きい、高額であるということは認めざるを得ませんが、この件についてどういった経緯であったのか、そのあたりについてお答えをいただきたいと思います。
○副議長(三浦教次君) 市民活動部長。
◎市民活動部長(澤野井保君) このなら国際映画祭は、前回はカンヌ国際映画祭とのパートナーシップを結びましたが、今回はベルリン国際映画祭と連携した企画も開始されるなど、国内のほかの国際映画祭と比べましても、世界の三大映画祭とここまで連携できている映画祭はないと聞いております。また、レッドカーペットに象徴されますように、市民に開かれた映画祭であり、運営や支援をする市民や観客として参加する市民も、全て自分たちの映画祭という意識で携わっておられます。 奈良市といたしましては、この価値を認めることによりまして、映画文化の振興だけではなく、さまざまな分野で奈良を元気にするものであり、都市のPR、国際交流、観光振興、経済活性化、地域活性化、さらに、奈良の新しい文化・芸術の創出と人材育成につなげたいことから応援していきたいと考え、再度提案をさせていただいたものでございます。
○副議長(三浦教次君) 階戸君。
◆12番(階戸幸一君) ありがとうございます。 趣旨として、またその思いは十分に理解するものであります。しかし、今回、奈良市としては非常に厳しい財政である。その厳しい財政の中で、このように金額の多い少ないじゃなくて、やはり予算がなかなか厳しく通らない状況の中で多くの、前回から比べて多くの金額となったこと、そして、奈良県からも昨年の映画の作成に対しての補助、なら国際映画祭だけの単独ではありませんが、その映画作成に対する補助として500万円が出ていると聞いております。 また、ことしについても、これが海外プロモーションの事業に委託することによって、同じように500万円、ことし県からも出るということも聞いておりますから、そういった複合的なお金を合わせながら、また皆さんに努力していただくことが、この観光に対する事業がこれから発展をするためにも、各自の事業の事業者の中で頑張っていただくことも一つの努力であるのではないかということを一言申し添えておきます。 続きまして、これは教育長のほうにお伺いしたいと思います。 本市では、平成25年度から小学校全学年において少人数学級編制を実施してまいりました。クラス当たりの人数を少なくすることで、教師が一人一人の子供に向き合う時間がふえ、きめ細かな指導ができるようになり、特に低学年においては、学校生活への適応や学習意欲の向上などの点で効果があると報告も受けておられます。一方、学校現場におきましては、不登校や特別な支援を要する児童・生徒の数が増加傾向にあり深刻な課題であることも事実であります。 本市では、平成28年度から学級編制はきめ細やかな指導を行い、学習習慣を定着させる点から、小学校1年生、2年生では30人学級、3・4年生においては35人学級とし、5・6年生においては中学校への接続を見据えた40人学級となっております。平成30年度、市独自の少人数学級編制が1・2年生だけに後退したことについて、仲川市政就任時の8年前の状況に戻ったと言いかえなければならない、現市政では白紙に戻った状態であると言わざるを得ないと、私は考えております。 教育委員会として、今まで成果があるとして小学校全学年まで拡充してきたものが、この数年間で転換が図られているこの現状について伺いたいと思います。 まず、少人数学級編制に対する保護者や学校現場からの評価は高いと聞いておりますが、教育委員会はその声をどのように受けとめているのか、お答えをください。
○副議長(三浦教次君) 教育長。
◎教育長(中室雄俊君) 自席からお答えを申し上げます。 まず、少人数学級編制に対する保護者や学校現場からの評価についてでございますが、これまでも本市独自で国の基準を上回る学級編制を実施してまいりました。本施策を実施してきた中で、一人一人に目が行き届く、1人当たりの発表の回数がふえたなど、保護者、教員から一定の評価を得ておりました。
○副議長(三浦教次君) 階戸君。
◆12番(階戸幸一君) ありがとうございます。 保護者、現場からは一定の評価をいただいているということでありますけれども、では、その評価をいただいているにもかかわらず、少人数学級、この成果について、検証はどのような形で行われたか、その辺についてお答えいただけますか。
○副議長(三浦教次君) 教育長。
◎教育長(中室雄俊君) これまで、教員や保護者に対してアンケート調査を実施するなどして、少人数学級編制の効果を確かめてまいりました。その中で、きめ細かな対応や基本的な生活習慣の定着、保護者との連携等において、高学年より低学年のほうが効果を感じている教員が多いという結果が得られております。しかしながら、学力や不登校、いじめなどについてはさまざまな要因があるため、少人数学級編制による顕著な効果は見受けることができませんでした。 以上でございます。
○副議長(三浦教次君) 階戸君。
◆12番(階戸幸一君) 顕著な効果は見られないということでございますが、この小学校という学校生活の中で、学力向上だけが目的では私はないと思いますが、集団生活を学ぶ上において、小学校の低学年では当然必要ではないかと私は考えるんですけれども、保護者や児童からの声を酌まずに、今年度の少人数学級編制をことしは継続することはされないのか、その辺についてお答えをいただきたいと思います。
○副議長(三浦教次君) 教育長。
◎教育長(中室雄俊君) お尋ねの学級編制についてでございますが、来年度の教育委員会の重点施策を議論する中で、いじめ事象や、教室から飛び出したりパニックを起こしたりする児童への対応など、クラスサイズを小さくするだけでは解決が難しい問題が生じていることから、学校現場の実情に合わせて柔軟に対応していくことも必要であると考えました。 そこで、限られた財源の中で、来年度は小学校3年生以上を国基準の40人学級編制といたしますが、個々の状況に応じた対応をするため、特別支援教育支援員を現在の97人から140人へと大幅に増員して、各学校の実態やニーズに応じてきめ細かな対応を進めてまいりたいと、このように考えておるところでございます。 以上でございます。
○副議長(三浦教次君) 階戸君。
◆12番(階戸幸一君) 時間となりましたので、これで質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。
○副議長(三浦教次君) 2番塚本君。 (2番 塚本 勝君 登壇)
◆2番(塚本勝君) 無所属の塚本 勝でございます。 早速ですが、通告に従いまして関係理事者に質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 さきの12月定例会で、道路狭隘地等の消防活動の困難地での対策、消防車両の更新につきまして伺いましたが、改めて消防局長にお伺いいたします。 国におきましては、糸魚川で発生いたしました大規模火災を受け、今後の消防のあり方に関し、検討会の検討結果から、本火災を踏まえた基本的な考え方、各消防本部において取り組むべき事項が示されたところでございます。 本市においても、道路狭隘地、市街地の不燃化が進んでいる一方で、木造の建築物の密集した地域が多く存在しており、このような地域で火災が発生した場合には、隣接する建築物等への延焼危険が非常に高く、さらに、強風、乾燥等の気象条件等の要因が重なれば、一気に大規模な市街地火災へと進展し、消防力を大きく超えてしまう可能性があります。 前回の定例会で、「消防水利の整備や道路狭隘地等における火災防ぎょ計画の策定を進めてまいりたい」とのことでありましたが、策定に当たっての具体的な内容と留意すべき点、策定後の活用についてお尋ねいたします。 2点目といたしまして、本市の消防力の整備率は、中核都市消防本部と比較してどのような状況になっているのかお尋ねいたします。 3点目として、非常備消防(消防団の車両及びポンプ格納庫)の現状についてお伺いいたします。 続きまして、奈良市独自のシステム学びならについて、学校教育部長にお尋ねいたします。 学びならの事業は、これからの時代に求められる資質、能力の向上を大きな目的として、今年度9月から市内の全4年生を対象に取り組まれていると承知しており、奈良市独自の教育システムとして期待しております。 そこで、1月の観光文教委員会で質問をさせていただいたことに引き続きまして、今年度の取り組みの総括を質問するとともに、今後の学びならについてお聞きいたします。 まず、学びならに取り組んでいる児童は、AI的な最先端のテスト分析をもとに提供された復習プリントに取り組んでいるとお聞きしておりますが、これまでの児童の様子と取り組みの状況についてお聞かせください。取り組みの状況については、AI的に分析された結果の活用の仕方や保護者への周知といったところでお聞かせください。 以上で1問目を終わります。
○副議長(三浦教次君) 消防局長。 (消防局長 藤村正弘君 登壇)
◎消防局長(藤村正弘君) 塚本議員の御質問にお答えいたします。 火災防ぎょ計画策定に向けた具体的な内容と留意すべき点、策定後の活用についての御質問でございます。 まず、火災防ぎょ計画策定の指定対象となる地域につきましては、地勢、水利状況及び建築事情を複合的に勘案し、延焼の危険性が高く、消火活動が困難と判断される街区で、管轄消防署長が認める地域といたします。 指定要件といたしましては、住宅戸数密集度及び木防率--この木防率といいますのは、全棟数に占める木造建築物の割合を言います。これらが高く、道路狭隘地のため消防車両の進入が困難な地域としております。 留意事項といたしましては、火災防ぎょ線設定等の関係から、策定単位は町丁目または4メートル以上の道路に囲まれた区域を基本とし、策定単位面積が大きくなる場合は分割して作成し、実践に即した計画といたします。計画の内容は、活動における重点項目、延焼拡大防止対策、避難誘導対策等を盛り込むものといたします。 計画策定後は、全消防署所に消防活動資料として周知するとともに、指令データに反映させ、当該地域での火災等における無線統制等の資料としての活用、また、計画に基づいた連携訓練等の実施など、迅速かつ効率的な消防活動を目指し、被害の軽減を図ってまいります。 次に、本市の消防力の現状についての御質問でございます。 平成27年度の国の消防施設整備計画実態調査からの整備率は、本市では施設・車両とも100%、中核市平均は施設92%、車両91.9%という状況でございます。消防水利につきましては、消防水利の基準から本市の整備率は99.9%、中核市平均は84.7%となってございます。 次に、非常備車両、ポンプ格納庫等の現状についての御質問でございます。 非常備、消防団の車両につきましては、小型動力ポンプ積載車等99台、小型動力ポンプ111台を配備し、ポンプ格納庫、これは本市公有財産分でございますが70棟、ホース乾燥台が61基を設置しております。 車両器具等の維持管理等につきましては、法定及び定期点検整備を実施し、更新につきましては、配備年度及び走行距離等を基準に順次実施しております。ポンプ格納庫等の維持管理等につきましては、各分団のポンプ点検時とあわせまして現状を確認し、分団長を通じまして修理、修繕等を実施しているところでございます。 以上でございます。
○副議長(三浦教次君) 学校教育部長。 (学校教育部長 北谷雅人君 登壇)
◎学校教育部長(北谷雅人君) 塚本議員の御質問にお答えさせていただきます。 まず、児童の様子についてでございますが、児童の学びならの学習状況や意欲、変容を把握するために、取り組みを始めた9月と2学期の終わる12月に、市内4年生全児童を対象にアンケートを実施いたしました。 その結果といたしまして、分析によって提供されるレコメンドシートと呼ばれる復習プリントについて、「間違いやすい部分についての解説があって、どうして間違えたのか自分自身でもよくわかる」といった感想や、「さらに難しい問題にチャレンジでき、やる気が出る」といった感想を聞いております。 次に、分析結果の活用についてでございますが、分析結果は先ほども申しましたように、児童一人一人の習熟度に合ったレコメンドシート、いわゆる復習プリントの抽出に使用するとともに、学級ごとの分析結果を一覧等に作成し、毎単元ごとに返却をしております。各担任教員は、この分析結果を生かし、個々の児童の得意な部分や苦手な部分を的確に踏まえ、指導方法の改善に活用してもらうように指導しているところでございます。 最後に、保護者への周知についてでございますが、当該学年の保護者向けの説明文書を配付するとともに、担任教員から、学級懇談会等での機会を捉えて説明が行われております。また、要請があった学校においては、指導主事が学校に出向き、保護者会などで学びなら事業の説明を行いました。さらに、保護者を対象に、学びならのポイントをまとめたリーフレットを作成し、配付するなどをしており、今後も丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(三浦教次君) 塚本君。
◆2番(塚本勝君) 2問目は自席より再質問をさせていただきます。 まず、消防行政につきまして、先ほどの答弁から、消防の施設、車両の整備率、消防水利における整備率についてもおおむね整備されていると認識いたしましたが、消防水利の具体的な施設状況について、どうなっているのでしょうか。 整備はされていますが、老朽化が進んでいる事実は否めない事実であると考えますが、大規模災害時等に対応するためには、現場活動要員、消防車両、消防水利や活動の拠点となる施設の更新、維持管理が必要であり、今般の本市の厳しい財政状況から、抜本的な方策を講じなければ、実災害における消防活動能力が薄まることが危惧されます。消防局の今後の考え方をお伺いいたします。 続きまして、学びならについてですが、やる気になっている児童が育ちつつあることがよくわかりました。今後も児童の実態をしっかりと把握する中で、取り組みを進めていっていただけるようお願いいたします。 最後に、学びならの取り組みの総括と来年度の学びならの展開について、奈良市教育委員会としてのお考えをお聞かせください。 以上で2問目を終わります。
○副議長(三浦教次君) 消防局長。
◎消防局長(藤村正弘君) 2問目は自席からお答えいたします。 まず、消防水利の設置状況についてでございますが、消火栓は公設、私設、簡易水道上設置分を含めますと5,789基、防火水槽は公設、私設合わせまして1,325基、その他の水利、これはため池、プール、河川でございますが、324カ所を消防水利として指定しております。 次に、消防力の充実強化を図る上で、財政状況を踏まえた今後の更新、維持管理等についての考え方についてでございますが、さきに答弁いたしましたとおり、本市におきましては、消防施設等及び水利基準からはおおむね整備されているところでございます。 一方で、更新等維持管理につきましては、厳しい財政状況で一度に多くの更新は困難なことから、老朽度合いを踏まえた計画的な更新整備とあわせまして、修理、修繕等で対応しております。 今後の考え方につきましては、少子高齢化、人口減少等により住環境や人口動態等さまざまな変化によりまして、消防ニーズの量や質の変化を踏まえたサービスの提供が求められるところでございます。消防車両等につきましては、稼働率に応じた適正配置、効率的な運用管理、共有化、管轄間における応援体制の連携強化が必要だと考えております。また、消防施設や消防水利につきましては、事後保全型から予防保全型へと転換し、長寿命化を進めていく必要があると考えております。 現有の消防力で最大の効果を引き出し、市民の安全・安心を引き続き確保してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(三浦教次君) 学校教育部長。
◎学校教育部長(北谷雅人君) 自席より御質問にお答えをいたします。 学びならの事業の総括についてでございますが、学びなら事業は何を理解しているのか、理解していないのかや、理解していることをどのように使うことができるのかを丁寧に分析して復習教材を提供しているものであり、児童は習熟度に応じて効率的に学習を進めることができたのではないかと考えております。 ただ、ことしは2学期から市内全ての4年生に対してのスタートであったため、全ての教員に対して、事業内容等の周知が十分であったかどうかという点については課題がございました。来年度につきましては、年度当初から説明会を実施するなど、事業内容の周知を徹底してまいりたいと考えております。 また、来年度は、今年度学びならを経験した4年生が新5年生になることから、算数科は積み上げの教材であることから、その継続性を重視していくためにも、対象を4年生から4・5年生に拡大して実施する予定でございます。なお、これらに加えて、今年度5・6年生で実施しておりますモデル校6校においても、同様の観点から引き続き検証を続けてまいる予定でございます。 今後も学びならの事業が効果的に活用され、新しい時代に必要とされる資質、能力を育んでいくことができるよう、取り組みをしっかり進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(三浦教次君) 塚本君。
◆2番(塚本勝君) 3問目は自席より、意見と要望を述べさせていただきます。 平成29年度の全国消防長会総会決議では、消防・救急需要に的確に対応する消防職員の確保及び消防装備の充実を重点項目に含め、総務大臣や地方6団体、この6団体といいますのは全国知事会、全国都道府県議会議長会、全国市長会、全国市議会議長会、全国町村会、全国町村議会議長会などに要望があったとありました。 高齢化や人口減少等により、本市の厳しい財政状況から、消防における既存の車両や施設、水利等は現状維持にとどまっており、老朽化の進捗度合いが大きく、現実の消防力の強化にはなっていないと言えます。 先ほど消防局長から、消防力の充実強化について、計画的な更新と消防車両の効率化、消防施設並びに消防水利の長寿命化の必要性があるとの御答弁をいただきました。高齢化の進展に伴い著しい救急件数の増加や、インフラの高度化等による災害の多様化、国際情勢の不穏な動向等、社会環境の変化に対応するためには、現有の消防力の維持だけでは市民の安心・安全は守れないと考えます。各種政策を実施しているのはどこの部局でも同様でありますが、とりわけ消防行政は市民の皆様の生命、財産にかかわる目前急迫な究極の責務であります。そのことを十分認識、御理解いただき、消防力の設備率を上げていく手厚い手だてを要望いたします。 もう一点は、現場活動を担っている消防職員の人員の増加についての要望であります。 これまでも、各党各位から人員確保についての御発言をいただいていると思いますが、本市では定員適正化計画により、業務の見直し等により中長期的な定数管理を推し進められておりますが、災害現場で対応している消防職員も同様に、再任用職員、臨時職員の配置等はあるものの、退職者補充もままならなく、職員数は年々減少傾向が見受けられます。この消防職員の不足は今日に始まったことではなく、数十年にわたり本市の課題であったと理解しております。 火災現場では水を確保し、ホースや筒先を操り、指揮するなど、それぞれの持ち場にしっかりとした体制がとれてこそ早急な体制がとれるものであり、複数の火災が発生するようなことになると、現在の職員体制では不安材料が大きいと感じております。本市では、大きな火災や複数の火災が幸いにも経験がないわけでありますが、備えあって市民の安心・安全が確保できるわけであります。そのためにも、計画的な職員の確保を進められることを強く要望するものであります。 続きまして、学びならにつきましてですが、来年度は拡大して実施していくということで理解いたしました。教育の結果というものは、一朝一夕には結果は出にくいものでありますから、継続して取り組む必要性があると認識しております。これからの未来は、社会で求められる能力や学力が、私たちが子供のころとは大きく変わってきております。教育におきましても、これまでどおり、今までどおりだけでは進歩はないと考えております。学校現場の先生方は、報道でもありますように、普通の授業と授業以外の負担も多く、大変御苦労いただいていると思いますが、今後もこのような分析データを積極的に活用していただき、効率的に指導していただければなと思っております。 私は、この学びならは新しいチャレンジで、子供たちが興味を持って取り組めるものであり、また、今後求められる教育の一端を担うものであり、奈良市独自の取り組みといたしまして全国に発信できるようなシステムをしっかり築き上げ、実績を上げていかれることを期待いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○副議長(三浦教次君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。 午後2時51分 休憩 午後3時30分 再開
○議長(北良晃君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。-----------------------------------
○議長(北良晃君) 質疑並びに一般質問を続行いたします。 37番中西君。 (37番 中西吉日出君 登壇)
◆37番(中西吉日出君) 無所属の中西でございます。 早速質問しますので、重複する点については御了承願います。 平成30年の最初の議会で、市民にとって重要な、平成30年度予算案や新斎苑の建設問題が議論の中心と考え、市長に行政姿勢について質問し、その他は関係理事者にお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 まず、財政について数点質問いたします。 1つ目は、去る11月の総務委員会でもお聞きいたしましたが、平成30年度の予算編成についてでございます。この平成30年度の予算編成方針においては、第4次総合計画後期基本計画における財源不足額を特に見直すことなく、そして内外にその不足額を改めて示すことなく、さらにはマイナスシーリングなどの示しもなく、呼び声としては、事業計画を重視して、事業の方向性と成果目標を設定するということで、政策効果の高いものに重点配分を行うという津山副市長の答弁でありました。 先日の2月の総務委員会においては、この事業計画の内容に関する議論がどのタイミングでどのように進められたのか、どれだけの期間をかけられたのか、特に市長、各部長との折衝において、この事業計画の議論にどのような方向と時間をかけられたのかを財務部長にお聞きしたところであります。11月中旬から2月上旬にかけて、総合政策部門での調整が延べ12日間、市長予算査定の協議が延べ18日間あったとの答弁がありました。市長と各部局との間において、それぞれの事業の趣旨、目的、方向性、協議、そのわずかな時間の中で市長が事業計画にどれだけ目を通されたのか疑問であります。 そこで市長にお聞きいたします。 平成30年度の予算編成において、市長が事業計画について議論された内容はどのようなものであったのか。そして、その中で重点配分した事業はどのような事業であるのか。一方、そのために見直して減額や廃止した事業はどのようなものであったのか、以上3点についてお答えください。 次に、財政状況について、これも11月の総務委員会で質問したことに関連してお尋ねいたします。 御承知のように、本市の経常収支比率は近年ほぼ100%に近い状況でありましたが、平成28年度の決算では100.9%ということで、財政の硬直化というよりは本当に厳しさを増している実感を受けております。平成4年度までは70%台をキープして、一定の理想数値であったと思いますが、その後のバブル崩壊による市税の減収や市債の発行などの影響から、一気に経常収支比率の悪化が進んだと理解しております。 市長は、行財政改革の推進を公約に掲げてこられて8年間の財政運営を進められてきたところでありますが、この経常収支比率の結果を見る限り、少しの増減はあるものの、結果は100%を超えることとなっています。 そこで、経常収支比率の改善についてお伺いいたします。 まず1点目、この8年間どのような取り組みをされたのか。 2点目に、その取り組みの結果、改善しなかった原因、理由はどこにあるとお考えなのか。 3点目に、その原因などを踏まえて、市長は当然、経常収支比率の改善に取り組まれていると思っておりますが、平成30年度の予算編成において、経常収支比率の改善に向けてはどのような考えで挑み、どのような対策を講じられたのか、以上3点についてお答えください。 次に、財源不足についての対応についてお聞きいたします。 これまで、毎年3月の定例議会の場に立たせていただいた際には、予算編成における財源不足額が予算編成に取り組む段階で幾らあるのか、見直しはしたのかと質問してまいりましたが、必ずと言っていいほど後期基本計画の財源不足額を答えていただくのにとどまり、さらには具体的な対応策もお答えいただくことはありませんでした。この8年間は、市長の厳しい財政状況のかけ声だけで、後期基本計画の財源不足額は放置されたままではないのかと実感しております。 そこで、あえて市長にお聞きいたします。 後期基本計画の財源不足額の12億円は解消されたのでしょうか。市債や基金からの財源措置は、解消ではなく補填であるかと思っております。解消されたならば、具体的な結果をお示しください。 次に、財政状況について、これも11月の総務委員会で質問した関連で市長にお聞きいたします。 まずは、人件費についてであります。 私は、総務委員会において、この10年間の人件費の推移についてお聞きいたしました。結果は、10年前のピーク時は、平成19年度の人件費は286億8519万円で職員数は2,870人であり、平成28年度の決算では239億1905万円で2,494人であると、財政課長の答弁でありました。このことから、10年間で47億6614万円の減及び職員数は376人の減となっております。 さて、そこで疑問となってまいりますのが、仲川市長が市長選挙に際して市民に配布されたビラについてであります。これについては市民から、市長の8年間の実績として評価の声が届く一方、本当にこれだけの結果であるのか疑問であるとの声が多く届けられてまいりました。そこで、私も改めてそのビラの検証をしたところでございますが、その中で、人件費については単年度で約36億円の減、職員数もピーク時から1,000名以上の減とされております。10年間で47億円の減については一定の評価をいたしますが、この数値について、市民からの疑問にお答えいただきたいと思います。 市長にお聞きいたしますのは、選挙で配られたビラの人件費について、単年度で約36億円はどのような分析であったのか。職員数はピーク時から1,000名の削減とされておりますが、一体いつのピーク時としてあらわされているのか、2点についてお答えください。 次に、同じく選挙時のビラの市債残高の疑義についてでありますが、全会計の市債残高はピーク時から216億円の減、国の借金の肩がわりを除く実質的な市債は8年間で346億円縮減と、ビラには記載されております。 私が調べたところによると、普通会計ベースで8年前の平成21年度末での市債残高は1880億1844万円で、28年度末では2091億8928万2000円であります。この8年間では211億7084万2000円の増となっております。また、この間の市債残高のピークは、平成25年度で2170億7241万8000円で、28年度末と比較しても78億8313万6000円減となることは理解できます。しかしながら、分析基礎に違いがあったとしても、216億円も減となってはいませんでした。分析の基礎に違いがあったとしても、市債残高をピーク時から216億円減少させたという実績に疑問があるのは当然であると思っております。 そこで市長にお答えいただきたいのですが、8年間の実績でいうならば、21年度末と比較すべきでありませんか。8年間で市債残高を216億円減少させたと、実績として、市民の疑問にどのように御説明されるのですか、お答えください。 次に、新斎苑に関連して2点、市長にお伺いいたします。 今議会でも新斎苑建設の用地取得及び建設契約の議案が提出され、一気にこの横井町山林での計画着手に市長は押し切る姿勢で手続を進められておられます。 市民の皆さんから寄せられる疑問としては、合併特例債の期限の延長もあって、市長はもっと腰を据えた取り組みをされたらどうか、このような奈良市としてビッグプロジェクトである以上、いまだ問題視されている点、例えば鑑定価格とかけ離れた用地費や広大過ぎる用地取得、危険な要素を拭えない土量問題、産業廃棄物の存在と処理など、まだまだ多くの課題が明確にされていないのであり、議会はもっと十分な検証をすべきではないかと多くの声があります。私は、この関連議案については時間をかけて内容を精査すべきと思っており、議員の皆さんとしての姿勢に期待するものであります。 さて、今議会では、その内容について、それぞれの課題の警鐘が鳴らされております。私は、その中で以前から申し上げてきた手続の問題について、市長のお考えをお聞きしておきたいと思います。 昨年の9月定例議会においても反対討論で申し上げましたが、当時、市長は用地の取得も済んでいない第三者の土地に新斎苑を建設するDBO事業者の予算を出されたのであり、このような非常識な予算が議決されたものの、DBO事業者の募集は少なくとも用地の取得があった後と思っておりました。しかしながら、進められた手順では、他人の土地に公共施設を建設するというDBO事業者の選定が1月、2月に進められたわけであり、その後、今定例市議会に財産の取得議案を提案されております。 そこでまず、新斎苑など整備事業用地の取得に関して、契約事項は一体どのような項目、内容で構成されているのか。 2点目に、第1回目の事業者は市の上限価格を超えていたため、その事業者は失格とされました。そもそも市の積算は適正だったとお考えであるのでしょうか。 3点目に、第2回目の選定は、そのような短期間で十分な審査ができたと言えるのでしょうか。市民の皆さんはそれで納得するのでしょうか。そして、委員会では具体的にどのような審査をされたんでしょうか。 以上3点について、どのような考えなのでしょうか、一般常識ではあり得ない手順を踏まれたことについて、市長のお考えをお聞きいたします。 次に、新斎苑建設によって発生する残土の処分についてであります。 報道でも取り上げておりましたが、この残土の処理を、本市の米谷町にある最終処分地を利用すべく地元自治会に打診しているとのことでありました。この問題についても、市長が事を急ぐ姿勢が見え、絶えず整合性がとれない状況が続いております。もともと最終処分地は、受け入れに際して地元との長い年月にわたる折衝があり進めてきた経過がございます。また、下流域の天理市にも問題は及ぶと思っておりますが、そのような調整が簡単にできると市長は思っておられるのか。とにかく、この新斎苑建設について丁寧さが足りないどころか、強引に進めようとする姿勢ばかりが目についてくるのであります。特に、1月26日の市議会常任委員会である市民環境委員会で理事者が答弁したことと異なる動きをするなど、議会軽視とも言えるのであります。 そこで市長にお聞きいたします。 この新斎苑建設に関連する残土処理について、最終処分地に受け入れを調整されたのは単なる思いつきであったのか、これが重要な課題としてぜひとの思いであるのか、今後の進め方についてを含めてお答えください。 次に、保育所建設に関係して、子ども未来部長にお伺いいたします。 議案第12号 工事請負契約の締結についてが提案されております。奈良市では、過少規模になっている幼稚園と待機児童のある保育園の統合再編や民営化によりこども園への移行を進めています。全国的な人口減少により、労働力確保のため女性の社会進出など、国、地方、民間事業者が連携し、さまざまな取り組みを行っている状況でありますが、本施策は子育てをしながら働く若い世帯にとって重要な施策の一つであり、本市としても前向きに取り組んでいく必要があると認識しています。 辰市地域において、平成31年度をめどに、過少規模となっている辰市幼稚園と建物の老朽化が激しい辰市保育園を統合再編し、杏町運動公園に新たにこども園を建設する計画となっており、本地域に子育て世帯を呼び込める活気あふれる施設ができることは、地域の方々も大変喜んでいるところであります。 一方、本運動公園のある杏南町自治会では、これまで防災訓練や夏祭り、秋祭りや子供会の運動会など、さまざまな地域の取り組みを本運動公園で行っております。こども園建設に伴い、これらの行事ができなくなります。地域の活動ができなくなることは、これから地域住民が主体となって地域の課題をみずから解決していくなど、行政とともに自治を行っていこうとしている本市の方向性と異なってきていると考えています。引き続き地域活動を行っていけるよう、何らかの対応策を講じていくべきと考えますが、奈良市の見解をお伺いいたします。 次に、八条・大安寺周辺のまちづくりについて、都市整備部長にお伺いいたします。 私は、機会あるごとに、この件について本会議で質問をしてまいりました。平成27年1月23日にまちづくりに関する包括協定が締結され、昨年6月にまちづくり基本構想が策定されております。今回の新年度予算案では、「県市連携で、より大きな仕事にスピード感を持って取り組む。」と、重点施策項目に2567万円を掲げておられます。 新年度は奈良の南の玄関口として整備が進むと受けとめさせていただきますが、まず、県との協議の進捗状況はどのようになっているのか。次に、地域住民と行政が協働し、まちづくりを進めるとされていますが、具体的にどのように進めようとしておられるのかについて、2点お伺いいたします。 これで私の第1問目といたします。
○議長(北良晃君) 市長。 (市長 仲川元庸君 登壇)
◎市長(仲川元庸君) ただいまの中西議員からの御質問にお答え申し上げます。 まず、平成30年度の予算編成に際し、どのような議論をしてきたかということでございます。 事業計画の議論内容については、主に新規事業や投資的事業及びいわゆる公約やマニフェストに関する事業を中心に、事業の目的、また達成すべき目標を明確にし、私のみならず、事業にかかわる職員全員が認識を共有し、事業の内容や実施方法について議論を重ねてきたところでございます。その上で、新年度においては、特に待機児童解消などの喫緊の本市の行政課題や、未来に向けた成長戦略の施策などを重点的に予算の配分を行わせていただいた次第でございます。 また、さきの御質問にもございましたが、事業の整理や合理化の見直しということにつきましては、時間外勤務手当の見直しや、これまで法定外繰り入れを行っておりました国保会計への繰り出しの廃止、また、それ以外にもさまざまな事業の見直し等によりまして財源の捻出を行ってきたところでございます。 また、経常収支比率の改善について、どのような取り組みをしているかということでありますが、就任後に第5次奈良市行財政改革大綱、また、行財政改革重点取組項目などを中心といたしまして行革を推進してきたところでございます。また、行政のみならず外部の視点、住民の視点なども取り入れて、事業仕分けや事務事業の見直しなど、人件費も含めた適正化を図り、民間委託の推進などもあわせまして業務の効率化を進めてきたところでございます。 また、歳入の根幹となる市税の増収に向けましては、課税強化や徴収強化策を講じ、加えて国税OBの任期付職員を採用するなど、徴収の強化に努めてきたところであります。また一方で、下水道料金や公民館の有料化などの受益者負担などの適正化につきましても、これまでの姿勢を継続する形で取り組ませていただいた次第でございます。 また一方で、経常収支比率がなかなか改善をしないという、その原因がどこにあるのかということでございますが、特にこの数年間でも顕著な伸びを示しておりますのは扶助費の増でございます。生活保護はもちろん、高齢化の進展、また、障害者の方の増などに伴いまして、介護経費や医療費、また社会保障関連経費がふえているという状況は周知のところでございます。 一方で、景気の低迷や人口減少などによる税収の伸び悩みや、以前の三位一体改革による地方財政制度の変更なども影響しており、経常一般財源の確保については難しい部分もあるというふうに考えております。 また、30年度の予算編成において、経常収支比率の改善にどのように取り組んだのかということでございますが、来年度以降も、施策の見直し、また、業務の質的転換等によりまして経費の削減を行うということについては継続をしていくわけでございますが、経常収支比率という指標ももちろんでございますけれども、やはり将来世代への負担を軽減するという観点におきましては、将来負担比率の軽減に特に重点を置いて財政の健全化を進めているところでございます。これにつきましては、平成21年度には213.9%でございましたが、28年度では166.1%と47.8ポイント改善をしたところでございます。まだまだ十分ではないと認識をいたしておりますので、平成30年度におきましても、将来のために必要な予算はしっかりと配分をしながらも、将来の負担は減らしていくという部分について意識をさせていただいたところでございます。 また、後期基本計画の財源不足が解消できたのかということでございますが、当然のことながら議会に御提案を申し上げる予算は黒字で計上いたしておりますので、財源不足についてはさまざまな方策を講じて黒字を確保させていただいている次第でございます。 一方で、選挙で配られたビラに載っている人件費の計算がどうであるかということでございますが、そのビラをごらんいただいてもおわかりいただけますように、本市のピーク時の職員との比較を載せております。本市におけます職員数のピークは平成7年度の3,691名がピークとなっており、29年度では2,687名となっておりまして、その差が約1,000名ほど縮減という表現をさせていただいております。 また、市債残高についても、見解の相違があるということで御指摘を頂戴いたしました。市債残高について、私の選挙ビラに掲載をしております216億円という数字につきましては、土地開発公社などを解散させ、将来にツケ回しをしないために、第三セクター等改革推進債を約196億円発行したことによりまして、全会計ベースでピークとなった平成24年度の末残高約2944億円、これをピークといたしまして、29年度の予算ベースでは2728億円となっていると、この差を表現させていただいたところでございます。 また一方で、国の借金の実質的な肩がわりでございます臨時財政対策債を除く実質的な市債については、8年間で346億円縮減いたしていることを申し添えます。 普通会計につきましては、どちらかといえば専門用語といいますか、一般の市民の皆様には伝わりにくいところもあろうと思い、私は常に市債残高につきましては、全ての会計を含めた全会計ベースの数字をお出しするようにいたしているところでございます。 続きまして、新斎苑についての御質問でございます。 用地の取得に際して契約事項はどうなっているのかということでありますが、用地取得に伴う契約事項は、公共事業における用地買収では公共用地の取得に伴う損失補償基準等で定められており、その他の公共事業での用地買収における土地売買契約と同様の内容となってございます。 内容といたしましては、事業に必要とする土地の地番や地目、地積並びに取得単価を記載し、それらに要する売買代金の総額やその支払い時期を記載いたしております。さらには所有権の移転に伴い登記手続が必要となりますことから、議会の承認がいただけますれば本契約となりますので、本契約締結後に嘱託登記によりまして登記手続を行う旨を記載いたしております。そのような中で万が一、契約に関し疑義が生じた場合には、市と売り主とで協議をするということも記載をいたしております。 次に、当初の新斎苑の事業者募集につきまして、市の積算が適正であるのかという御質問でございます。 事業者募集に係る事業費総額の上限といたしましては76億円と設定をさせていただいたわけでございますが、御指摘のように、当初の募集におきましては、この金額におさまる提案がなかったところでございます。市といたしましては、適切と思われる金額を算定いたしたところでございましたが、結果といたしまして、市の想定を超えた評価がなされたというふうに認識をいたしております。 また、2回目の事業者選定において、短期間であったが十分な審査が行われたのかという御質問を頂戴いたしました。 事業者選定委員会におきましては、選定委員の皆様の御理解のもと、提案書を配付する中で質問や確認事項等について検討いただいた上で、事前に採点についてもお願いをしたところでございます。これをもとといたしまして、提案事業者からのプレゼンテーションを受け、聞き取りを実施する中で、
事業コンセプトを理解し、設計から施工、維持管理・運営に至るまでを個別具体的に評価をいただいたわけでございます。さらに、委員会全体としての採点や評価について、個々の視点で最終的な評価をいただき、協議をいただいた中で事業者を選定いただき、その後、市におきまして優先交渉権者として決定をさせていただいた次第でございます。市といたしましては、事業者選定に係る一連の手続につきましては適切に行われたものであり、市民の皆様にも御理解を賜れるものだと考えております。 次に、残土の処理について、最終処分地の米谷町での受け入れ調整についてはどう考えているのかということでございますが、残土処理につきましては、国から建設発生土等の工事間利用を一層促進することと方針が出されておりますことから、本市でもかねてよりコストの縮減、また環境負荷の低減という観点から、その対応について検討してきたところでございます。 現在、米谷町の最終処分場における焼却灰の埋め立てには必要となる覆土がございますが、これを近隣の山林を切り崩して活用してきたところでございます。一方で、この近隣の山林は覆土が枯渇してきたということもあり、今後は新たな経費をかけて覆土の購入をしていくという必要性が生じてまいります。その一方で、新斎苑の整備に関しましては、残土が排出され処分する必要もあるということから、双方のニーズを勘案し、工事間で利用ができるのではないかと考えさせていただいた次第でございます。 以上でございます。
○議長(北良晃君) 子ども未来部長。 (子ども未来部長 木綿延幸君 登壇)
◎子ども未来部長(木綿延幸君) 中西議員の御質問にお答えさせていただきます。 仮称辰市こども園建設工事に関する御質問でございます。 自治会が地域活動を引き続き実施できるような市の対応についてでございますが、仮称辰市こども園は平成31年4月の開園を目指し、現在、文化財発掘調査も完了し、本定例会において工事請負契約締結の御同意をいただいた後、来年度早々より建設工事を行っていく予定としております。 議員御指摘のとおり、杏南町自治会は、かねてより活発にさまざまな地域活動に取り組まれており、運動公園が使用できなくなることで地域活動の拠点がなくなり、これまで行ってきたさまざまな行事ができなくなることから、何とか対応してほしい旨の御要望をいただいているものでございまして、現在、その方策を検討しているところでございます。 以上でございます。
○議長(北良晃君) 都市整備部長。 (都市整備部長 岡本善昭君 登壇)
◎都市整備部長(岡本善昭君) 御質問にお答え申し上げます。 八条・大安寺周辺地区におけますまちづくりについての御質問でございます。 1点目といたしまして、八条・大安寺周辺地区におけます県との協議の進捗状況についてでございますが、八条・大安寺周辺地区につきましては、八条・大安寺周辺地区まちづくり基本構想を策定し、奈良市八条・大安寺周辺地区のまちづくりに関する基本協定を県と市で昨年6月30日に締結しております。現在は、基本構想の実現に向けまして、まちづくり基本計画を策定している段階でございます。その中で、県市が相互に協力し、事業内容、事業主体等をより具体的に取り決めを行おうとしているところでございます。このため、県担当課と市の関係各課からなる基本計画検討ワーキングを開催し、施設整備だけでなく、ソフト事業などの多方面にわたるまちづくりの施策の検討を行っております。 並行して進めております基幹事業につきましては、既に事業認可を受けております西九条佐保線や鉄道高架化などにつきましては、平成36年度末の完成を目標に事業を推進していることから、新駅周辺でのまちづくりにつきましても、この時期に合わせた完成を目指していくものでございます。 今般、県事業の都市計画道路大安寺柏木線とあわせまして、市事業であります新駅西口駅前広場につきましては、今月中に事業認可を受け、事業に着手していくこととしております。新駅周辺の面的整備やアクセス道路などにつきましても、引き続き早期に事業を具体化できるよう努めてまいりたいと考えております。 次に、地域の住民の皆様と行政が協働しまちづくりを進めることについて、具体的にどのように進めようとしているのかという御質問でございますが、まちづくりは行政だけでなく、市民の皆様や事業者の皆様などと協働により進めていく必要がございます。八条・大安寺周辺地区におきましては、この考えのもとで、まちづくりの基本計画策定の段階において、地元関係者の皆様や各種団体の皆様に加わっていただく仮称八条・大安寺周辺地区まちづくり懇話会や、広くまちづくりのアイデアを募るための市民ワークショップの開催を予定しております。また、新駅周辺の面的整備区域につきましては、まちづくりの機運を高め、整備の方法などの知識を広げていただくため、次年度からは地権者の方々を対象としたまちづくり勉強会を計画しているところでございます。 引き続き、官民それぞれの役割や責任を分担しつつ、協働によるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
○議長(北良晃君) 37番中西君。
◆37番(中西吉日出君) 2問目は自席から行います。 再質問を考えていましたが、時間の都合上、意見と主張を申し上げたいと思います。質問とは少し前後いたしますが、よろしくお願いいたします。 まず、新斎苑関連です。 そもそも条例に、財産の取得についての議決が必要という条例、その名前も議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例があるからこそ、市長はこのたび議案を提案されたのではないでしょうか。この条例では、財産の取得について2000万円以上で、土地については5,000平方メートル以上のものについて議決を必要としているわけであり、議会が、奈良市の財産として適正な価格であり、無駄に大きな面積を取得しないことなどを審査するために金額や面積を定めているものであります。その財産の取得についての議会の審査があり、住民が納得いくものとして議決があって初めて奈良市の財産となるわけであります。 先日、報道でもありましたように、この用地取得について住民監査請求の動きがありました。それは、まさしく今申し上げた条例の趣旨が問題提起されておりました。一つには、土地の価格が不動産鑑定価格の3倍強であることや、不必要な土地の購入で11ヘクタールもの面積を事業計画も奈良市が考えずに購入を進めようとしていることについてであり、訴訟も考えていると聞いております。 仲川市長は、就任された当時から、奈良市の土地開発公社の無駄に多く価格の不明な用地に異議を唱えて、公社の解散等に奮闘されたにもかかわらず、今回、同じ問題を抱えた土地を強引に議決させるべく提案されたのであります。工事の発注を用地の取得契約より早く進めたところには、議決がありきという傲慢な考えがあると思っております。これでは議決に関する条例は必要ないのではないでしょうか。これは明らかに、議会軽視というより議会無視の姿勢であると思っております。住民にこのような動きがある以上、議会は時間をかけて慎重な審議をすべきではないでしょうか。 あわせて、このような用地取得に問題を抱えたままで工事着手を急ぐ市の姿勢に改めて疑問を持ち、工事請負契約の締結においても、多額の契約の審査をたった1回で、はい、どうぞとばかり議会に提案されてきたことにも大きな疑問を持っております。 さらには、残土処理についても、奈良市の市長の思慮の足りなさ、動きが気になります。質問の中でも申し上げましたが、確かに相当の量の残土処分については大きな課題であるとは思いますが、まず、基本的には、それは工事請負の契約者が個々の裁量で処分案を模索するもので、事前に行政が調整するものではないと思うのであります。 残土の運搬が進められますと、大型ダンプが生活道路に入り込み、振動や騒音、そして通行による危険の増大など、大きな負担が地元に負荷されるのであります。ましてや本市の最終処分地は、半世紀以上の長い歴史の中で、地元住民や下流域の住民の皆様との信頼関係をもって維持できてきたところであるのにもかかわらず、このようなことが簡単に受け入れられると判断されたことなど、短絡的で焦りが感じとれ、疑問ばかりが目立つ取り組みであると思っております。 工事請負関連契約において、議会の議論の的となると思いますので、他の議員と重なりますが、このようなビッグプロジェクトがこんな短期間の審査で決定されることに、本当に市民は納得するのでしょうか。このことにも、議会も市長の進め方の問題に説明責任が果たせるよう取り組むべきと思います。 次に、財政関連についてであります。 予算編成方針において、事業計画を重視して、その検討を中心に予算編成を進めるとされたこと、私は総務委員会においても疑問を投げかけてまいりました。そもそも事業計画は、予算編成の中心であることは基本中の基本であり、その検討を重点的にされることを、疑問と期待を持って予算編成の状況を注視してまいりました。 その事業計画について、市長が、予算編成作業中、どれだけの時間を割かれ各部課長と協議されたのかという、改めて疑問があります。庁内から聞こえてくる声は、市長は御自分の興味あるところしか予算の協議をされない、したがって、結果はよくとも悪くとも要求どおりの予算結果が多く、本当に厳しい財政状況であるのかとの疑問の声が数多く届けられてきております。今後の予算決算委員会においては、このことについて多くの議論が進められ、厳しい検証がされると思っております。 次に、市長が昨年の市長選挙で配布されたビラの数値について質問したわけですが、私はその数値の違いを追及するつもりも毛頭ございません。ただし、今の御答弁にありましたように、人件費を単年度で36億円の減としたのは、市長就任後の9年間の実績であったことや、職員数も決して市長実績ではなく、平成7年をピークとしたもので、1,000名の削減は仲川市長以前の市長が取り組んだ結果が7割もあるのであります。確かに、市長は改革市長として当選されてきたわけでありますから、市民の皆様もこのような数値には興味を持たれているわけであります。したがって、結構多くの疑問の声があることは心にとめておいていただきたいと思い、このような過大広告ととられても仕方がないような選挙ビラは気をつけていただきたいと注意させていただきます。 さて、もう一度、予算編成に戻りますが、答弁においては、経常収支比率や財源対策の目の前にある課題については結果を出せず、将来負担比率の好転をお示しになりましたが、この数年、本当に市長は行政改革の結果を残されてきたのでしょうか。数値だけを見れば厳しさが増しているようにさえ見えてくるのです。その結果、庁内から聞こえてくる声は、市長は自分の好きな興味のある事業には潤沢な予算がつき、興味のない部門は予算の協議の時間さえ与えないとのことのようです。予算編成の場で、市長と各担当部課長が、政策や日々住民対応について細かく点検されて初めて、新年度の行政運営の方向性が共有できるのではないでしょうか。その場においてもっと危機感も共有するべきではないのでしょうか。このような数点の疑問も、行政トップのスタッフにおいて、今後の課題としてお聞きいただきたいと思うのであります。 保育園建設関連に携わってでございますけれども、もともと辰市人権文化センター跡地があったところに社会福祉協議会が建設されました。それも杏南町、また地域の人たちがもろ手を挙げて賛成されたからこそです。何も反対したわけじゃありません。そのことを念頭に置いていただき、これからの杏南町の行事に、また活動に理解をしていただき、またその役目を十分に理解していただくようお願いしておきます。 他の質問に関する意見は、質問の中で触れましたので御承知いただけたと思います。 繰り返し御意見を申し上げますが、市長の新斎苑建設に関する取り組みは、しっかり時間をかけて検証と審議が必要であることを強く主張して、私の質問を終わります。ありがとうございました。-----------------------------------
△会議時間の延長
○議長(北良晃君) 議事の都合により、会議時間を午後6時まで延長いたします。-----------------------------------
○議長(北良晃君) 6番松下君。 (6番 松下幸治君 登壇)
◆6番(松下幸治君) 無所属の松下幸治です。 早速質問に入ります。 本市の行政組織改革を進めるに当たり、市長の公約である地域自治協議会のしっかりとした検討が必要です。 ことしは明治維新150周年で、明治4年に全国261の藩を廃し3府302県に、同年末までに3府72県と、地方自治体が75団体の体制になったわけです。当時の人口はおよそ3200万人、1県当たり43万人で、村は現在の自治会という位置づけでした。 人口が4倍になった現在の地域自治の適正規模は何人なのか。市は小学校区単位での地域自治協議会の設置を目指していますが、位置づけは住民自治組織なのか行政村なのか。いずれにしても、防犯・防災、消防団の機能強化は喫緊の課題です。災害時に住民を組織する地域防災組織の確立は、住民自治の範疇を超えており、地域経済の活性化という意味でも地域自治協議会には財政も含めた行政の主体的支援が不可欠となっています。また、その中心となる防災拠点である市役所本庁舎耐震化及び出張所を含む組織改革は早急に実現すべき課題です。 そこで市長に2点お聞きします。 1点目といたしまして、市が本庁舎耐震化と一体的に取り組むべき組織のスリム化、業務の標準化・効率化を今後どのように進めるか、お聞かせください。 2点目といたしまして、平成27年度より中核市の要件が人口20万人以上となり、100万人以上とする政令市要件との間に人口格差が生じていることから、人口40万人以上を要件とし、区役所や児童相談所などを必置とする準政令市、いわゆるスーパー中核市を国が制度化し、本市として目指していくべきと考えますが、見解をお聞かせください。 次に、教育改革についてです。 さきの12月定例会では、幼児教育無償化に関連し教育長にお聞きしました。その実現には小学校を1年前倒し実施する必要性があると考えますが、教育は学校だけではなく、地域で、また生涯続くもので、拠点となる図書館の役割は今後ますます重要となります。 そして、教育委員会が進める学びならの取り組みは、基礎学力の形成を目指すもので、今後は全教科に拡大するとともに、教職員の勤務時間の短縮を図り、同時に、実施が迫っております新しい教育指導要領が目指す生きる力を具現化し、その実現に欠かせない地域の教育力を引き出すとともに、地域と学校の一体性が一層求められます。 そこで教育長に4点お聞きします。 1点目として、本市に市立図書館は3つ必要なく、西部図書館に集約し、電子図書館の整備を進め、また国会図書館への納本の電子化も進めて、点字図書などの充実を図るノーマライゼーションの推進も重要と考えますが、今後どのように進めますか、お聞かせください。 2点目といたしまして、学校施設の有効活用、オープン化は重要であり、学校図書館等の地域開放は法律にも明記され、文部科学省としても推奨していますが、今後どのように進めますか、お聞かせください。 3点目といたしまして、新学習指導要領に基づくカリキュラム・マネジメントの在り方に関する検討会議報告書を見ますと、カリキュラム編成についてさまざまな例示、方法論が示されており、昼休み時間を長時間化し、昼食、掃除、また歯磨き運動や昼寝の時間、自習時間など、さまざまなことに関して計3時間確保し、土曜日授業の採用などにより、週6日、1日5時間の冬期プログラムと、週5日、1日6時間の通常プログラムで、授業時間数を週30時間、40週で年1,200時間確保し、地域の教育力を生かした学びが可能であると考えますが、今後、カリキュラム・マネジメントの進め方についてどのようにお考えですか、お聞かせください。 4点目として、不登校児童・生徒への支援については、平成28年12月に公布された義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律に示されているように、不登校特例校設置や夜間中学校での受け入れ、フリースクールとの連携及び援助制度、ICTを活用した学習支援などがあります。奈良市としてどのように考え、また、今後どのように進めるか、お聞かせください。 以上で1問目といたします。
○議長(北良晃君) 市長。 (市長 仲川元庸君 登壇)
◎市長(仲川元庸君) ただいまの松下議員からの御質問にお答えを申し上げます。 本庁舎耐震化と組織のスリム化を一体的に進めていくべきだということで、どういうふうに進めるかという御質問でございます。 やはり、耐震化と組織のスリム化につきましては、御指摘のように連携をとって同じスピードで進めていくべきだと私どもも考えております。特に組織のスリム化は、限られた人材で最少の経費で最大の効果を求める行政運営のかなめであり、職員の定員適正化も含め業務のスリム化をさらに進めていくことが重要だと考えております。 耐震化に当たりましては、市が所有する他の施設の有効活用や円滑な窓口業務のあり方なども踏まえ、最適な事務室の配置を検討する機会にもいたしてまいります。耐震化による業務の影響は、できる限り低減するようにも努めてまいりたいと考えております。 続きまして、スーパー中核市制度についてどう考えるかということでございますが、私もこの単語は初めて伺いましたが、いわゆる政令指定都市の要件が再び100万人となった現在、我々中核市が次に目指す都市制度というものが存在をしていない状況になっております。一方で、御指摘のように特例市が中核市に昇格をするところがふえており、我々既存の中核市といたしましても、政令市並みの権限の移譲を求めるという動きにつきましては、これまでも中核市市長会の中でも議論をしてきたところでございます。 現在、48市、人口では1890万人でございまして、日本の人口の15%を占める中核市は、まさに地方分権の牽引役となり、市民に最も身近な基礎自治体として市民サービスの向上に積極的に取り組んでいく責任ある主体でございます。一方で、権限移譲により行政サービスを提供するに際しては、やはり権限とともに財源の移譲、また人材の確保というものが重要でございまして、この部分については都道府県からの移管に伴う協力姿勢が何よりも不可欠でございます。 そういった中におきまして、住民に最も身近な総合行政体であります基礎自治体がいかなる役割を担うべきか、また、その役割を担保するための権限、財源をどのように配分するかという、非常に大きな視点での総合的な議論が必要だと考えております。 御指摘をいただいた取り組みも含めて、今後さまざまな研究をし、また、時を捉えて国などに対しても提言を申し上げていきたいと考えております。
○議長(北良晃君) 教育長。 (教育長 中室雄俊君 登壇)
◎教育長(中室雄俊君) 松下議員の御質問にお答えを申し上げます。 まず初めに、市立図書館の整理統合と電子図書館及びノーマライゼーション推進についてでございますが、市立図書館は、市民に広く図書や情報を提供することで地域住民の生涯学習を支える施設であり、地域における情報センターとしての役割、課題解決支援の役割、地域の交流の場としての役割を担っております。本市では、中央・西部・北部図書館において、各地域のニーズに合ったサービスの展開を図っており、住民にとって身近な図書館であり、それぞれ必要な施設であると考えております。 次に、電子図書等を扱う電子図書館の整備につきましては、インターネットでどこからでも、いつでもアクセスできるという利点は認識をいたしております。引き続き調査、研究を行っているところでございます。 次に、学校図書館の地域開放についてでございますが、学校施設の一つである学校図書館の利活用につきましては、学校と地域の連携を深め、学校図書館の機能の高度化を図る上でも有益であると認識をいたしております。学校や地域の状況も踏まえ、専門家の意見や先進地域の状況も参考にしながら、本市における学校図書館の有効活用について研究を進めてまいりたいと考えております。 次に、今後のカリキュラム・マネジメントをどのように進めていくのかということについてでございますが、各学校では学習指導要領に基づいて学校の教育計画である教育課程を編成いたしております。新しい学習指導要領では、その教育課程をどのように編成し、実施をし、評価、改善していくのかといういわゆるカリキュラム・マネジメントの確立が重要視されております。 このカリキュラム・マネジメントにおいては、教育内容と教育に必要な人、物、時間、情報などの資源を効果的に組み合わせて教育の質の向上を図っていくことが鍵となります。時間のマネジメントとしては、例えば1こまの授業時間を何分にするのか、1日の時間割をどう組むのか、年間授業時間数をどのように確保するのかなどが挙げられます。これらを設定するに当たっては、子供たちの学びの質の向上につながるのか、子供や学校、地域の実態を踏まえたものとなっているのか、子供や教員にとって過度の負担とならないのかといった点も考慮するとともに、保護者や地域に御理解をいただくことも必要であると認識をいたしております。 今後、国におきましては、これまでの時間割編成に関する事例のさらなる発掘と分析を行うとしており、私ども市教育委員会といたしましても、こうした国の動きも注視しながら、より効果的なカリキュラム・マネジメントのあり方について研究してまいりたいと考えておるところでございます。 最後に、不登校児童・生徒への支援についてでございますが、本市の不登校対策につきましては、教育センターが核になり、不登校児童・生徒の居場所や学びの場としての奈良市適応指導教室を教育センター内に設置し、学校復帰に向けた学習や集団活動による支援を行っております。 また、自宅から出ることのできない児童・生徒においては、臨床心理士が訪問学習支援を行う際に、今後、タブレット端末の活用も視野に入れ、ICT等を通じた学習支援を推進してまいりたいと考えております。 夜間中学校等における支援につきましては、平成28年度より春日中学校夜間学級において、不登校などさまざまな事情から学び直しを希望する中学校の学齢を超えた既卒者の受け入れを行っております。 今後も、不登校についてはどの児童・生徒にも起こり得ることと捉えて、学校と家庭と連携をしながら、教育委員会あるいは教育センターを初めとする関係機関、さらには地域、フリースクールなど民間施設との連携を図り、不登校児童・生徒の社会的自立に向けた支援に努めてまいりたいと、このように考えているところでございます。 以上でございます。
○議長(北良晃君) 6番松下君。
◆6番(松下幸治君) 2問目からは自席から行います。 市長の公約であります出張所改革についてですが、前にも以前質問したことがあるんですが、駅前の出張所で大半の手続が済むようにするという、ここでいう大半とは90%以上ということを意味すると思うのですが、実質的に出張所が区役所機能を持つことを意味すると思います。そうすると、本庁舎に総合窓口機能は最小限でよく、企画部門などに特化した庁舎基本計画を作成すべきと思いますが、その意味で市の方向性がいまだ見えない状態であります。 この出張所改革についての市長のお考えをお聞かせください。 また、市が計画する起債に期限があることから、十分な審議を経ず、本庁舎耐震化整備基本構想もいまだに示されることもなく、余りにも拙速であるように思うのですが、いま一度立ちどまって、建てかえや耐震化など、市役所本庁舎のあり方について再検討し、国際級ホテルができる立地であるとか、子供や未来に誇れるグランドビジョンを踏まえ、市役所周辺地を含めた開発計画を官民協働で実現する新庁舎基本構想を作成すべきと考えますが、市長のお考えをお聞かせください。
○議長(北良晃君) 市長。
◎市長(仲川元庸君) 2問目は自席からお答え申し上げます。 出張所改革についての考えでございますが、大半というのは、市役所業務の大半というよりは、一般の市民の皆様が手続などでお越しをいただく御用事、この多くの割合が本庁舎にお越しをいただかなくとも、出先機関でできるようになれば市民の皆様の御負担も減るだろう、そういった趣旨で掲げさせていただきました。 特に利便性が高い駅に隣接している出張所などについては、これから車に乗らないお年になられた方もふえてくる時代でもございますので、そういったところを特に中心的に業務を拡充し、その分、本庁舎における窓口業務は分散化、縮小化をしていくということを基本に考えております。またさらに、申請の手続などに際しましては、文書等の簡素化、また、住民票などについてはコンビニ交付の導入などによりまして利用者の方々の待ち時間の短縮を図るなど、ICTなどを活用した窓口改革も同時に進めてまいりたいと考えております。 また、本庁舎の耐震化についての御質問を頂戴いたしました。建てかえなども含めて考えるべきではないかという御指摘でございます。 他の議員からの御質問にもお答え申し上げましたように、耐震補強するということによりまして非常に有利な緊急防災・減災事業債が活用できるというところが大きなポイントでございます。特にこの緊防債につきましては、32年度までとなっておりますことから、やはり財政的な視点を考えれば、その期間内に耐震化という方法で行うことが最も経済合理性は高くなるだろうと考えている次第でございます。 また一方で、現在進行中の大宮通りプロジェクトなどのまちづくり事業との関連性ということも当然重要だというふうに認識いたしております。今回、本庁舎の耐震化に係る基本構想につきましては、耐震補強改修工法での耐震化ということを基本といたしておりますが、周辺の環境との調和、またエリアマネジメントという視点で、市役所、近隣とのどのような一体性を生み出していくかということについては、本庁舎のあり方議論の中でさまざまな角度からも議論を深めてまいりたいと考えている次第でございます。
○議長(北良晃君) 6番松下君。
◆6番(松下幸治君) 以上で質問を終わります。
○議長(北良晃君) 5番林君。
◆5番(林政行君) 無所属の林 政行と申します。 今回は、学校現場におけるLGBTを含む性的マイノリティーについて、学校教育部長と教育長に伺います。 未来を担う子供たちが多様な性のありようを受けとめ、希望を持って自分らしく学校生活を送ることができ、マイノリティーの子供たちにとって学校が安心・安全で居心地のいい場所となるよう環境を整えることが、学校教育に携わる関係者の責務だと感じています。 ただし、決してその方たちだけで環境を整えることができるわけではなく、子供たちを支える方々の性的マイノリティーに対する理解や役割も重要でありますし、社会全体の土台なども必要であることは間違いありません。この環境を整えることで一番肝心なことは、マイノリティーの子供たちがいることを前提に動くということです。今の奈良市の学校現場は、この点が十分行き届いているとは言いがたい状況であります。 ある調査では、性別に違和感を感じた時期について、性同一性障害の当事者の多くが、物心がついたころには自覚している結果が出ています。その中で約9割が中学生までに違和感を自覚し、体は女として生まれたけれども自分は男だと思っている人、または男として生きる人の当事者の約7割が小学校の入学時に既に違和感を持っていました。この調査から、低学年、早期からの対応が必要と考えられます。また、学生のころ、制服、水着、トイレが苦痛だったという話を私自身も聞いております。 大阪市の淀川区、阿倍野区、都島区の3区合同教員向けLGBTハンドブックの「こんな雰囲気づくりをめざしましょう」の項目には、「『同性が好きでいいやん、異性が好きでいいやん、好きにならんでもいいやん、好きな服装でイキイキしてる方がいいやん』『自分のことを大切にしたい』『相手のことも大切にしよう』と思える気持ちが自尊心や他人を思いやる心を育むことにつながります。」と書かれています。 奈良市の幼稚園、保育園、こども園では、先生方が子供に寄り添って個々の多様性を認める研修を受けていることもあり、この雰囲気づくりができています。実際に男の子が女の子っぽい洋服を着てきても、先生も子供たちも、その男の子を特別な存在と思うことなく、みんなで生き生きと過ごし、自尊心や他人を思いやる心をごく自然に身につけています。この子供たちがごく自然と身につけたことを、小学校の低学年からうまく順応させ取り入れていただきたい。そして、今このときにも違和感や苦悩しているかもしれない未来を担う子供たちに、さまざまな施策を打っていただき、その気持ちを少しずつでも解消させ、未来へ歩んでいただきたく、質問をさせていただきます。 まず、LGBTを含む性的マイノリティーに関する市内の学校の現状を、学校教育部長、教えてください。
○議長(北良晃君) 学校教育部長。
◎学校教育部長(北谷雅人君) 林議員の御質問に、一問一答でございますので、自席よりお答えをさせていただきます。 LGBTに関する市内学校の現状についてでございますが、各学校においては、文部科学省から平成27年に出された性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等についての通知、また、平成28年の性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施についてのパンフレット等に基づき、LGBTを含む性的マイノリティーについて理解を図っているところでございます。 また、昨年度は、市立学校全ての養護教諭を対象に、LGBTの当事者の方を招聘した研修を実施いたしました。学校によっては、独自に校内研修のテーマとして取り上げ、同様の研修を行ったところもございます。今年度は、教育委員会事務局職員全員に対しても同様の研修を行い、235名が受講いたしました。 さらに、学校現場では、日ごろから当該児童・生徒が自分の悩みや不安を相談しやすいように相談室を設けたり、定期的にスクールカウンセラーを学校に派遣したりするなど、相談体制や環境を整えているところでございます。 児童・生徒に対する指導といたしましては、道徳の時間を初めとする教育活動全体を通して、相手の立場に立って考え、互いの違いを認め合う心情を養っているところでございます。 以上でございます。
○議長(北良晃君) 林君。
◆5番(林政行君) ありがとうございます。 市内の学校の現状を聞く限り、まだまだマイノリティーの子供たちがいることを前提に動いているとは言えない状況です。 大阪市では、3区合同教員向けLGBTハンドブックを作成し、それをもとにして学校現場に取り入れています。平成29年3月には、倉敷市教育委員会が、性の多様性を認め合う児童生徒の育成との題目で人権学習実践資料を出されています。その中身を読みますと、小学校、中学校ともに相当濃い内容の人権学習を行っていることが見てとれます。 子供たちの性の多様性に関する学習の前提として、まず教職員の研修、そして学校環境づくり、相談・サポート体制の整備、保護者との連携、最後に、小学校の低学年、中学年、高学年、中学校、高校と、発達段階に応じた性の多様性に関する学習と、この3点をしっかり抑えておかなければなりません。 そこで、これらのことを踏まえて奈良市教育委員会として、今後、具体的にどのように取り組まれるのか、学校教育部長、教えてください。
○議長(北良晃君) 学校教育部長。
◎学校教育部長(北谷雅人君) 御質問にお答えをいたします。 今後、具体的にどのように取り組もうと考えているのかということについてでございますが、議員から御紹介いただいたとおり、独自に性的マイノリティーやLGBTに関するパンフレットを作成し、その取り組みを進めている自治体があることは承知いたしております。そのような他市の取り組みも参考にしながら、学校においては、例えば図書館や保健室にLGBTに関する書籍を置くなど、できることからしっかり取り組んでまいりたいと思います。 また、教育委員会といたしましては、当該児童・生徒や保護者から学校に対して相談があった場合、学校における相談体制の整備や支援の状況を聞き取り、必要に応じて関係機関とも連携するなどして適切な助言を行ってまいりたいと考えております。 そういった環境や体制の整備はもとより、まずは教員がLGBTを含む性的マイノリティーについて高い意識と正しい理解を持つことが重要であり、児童・生徒の発達段階を踏まえて適切に指導できるよう、研修等を実施してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(北良晃君) 林君。
◆5番(林政行君) できることから取り組むとの御答弁、ありがとうございます。 最後に、LGBTを含む性的マイノリティーに関して、教育長がどのような認識を持っておられるのか教えてください。
○議長(北良晃君) 教育長。
◎教育長(中室雄俊君) 自席からお答えを申し上げます。 LGBTに関しまして、教育長の私がどのような認識を持っているのかというお尋ねでございますが、学校においては、性に対する不安を持ちながら、周りから理解されないことにより思い悩む児童・生徒がいる可能性があることを心にとめながら指導に当たることが重要であるというふうに認識をいたしております。そのためには、今、学校教育部長が御答弁申し上げましたように、教職員自身がLGBTを含む性的マイノリティーについて正しい知識と高い意識を持ち、適切に指導できることが大切であると考えております。 本市教育委員会といたしましても、今後、当該児童・生徒が孤立感や自己否定、いじめなどに苦しむことなく、自分らしく安心して生きられるように取り組んでまいります。 以上でございます。
○議長(北良晃君) 林君。
◆5番(林政行君) 心強い御答弁、ありがとうございます。 ある大学の先生は次のように言われています。LGBTを含む性的マイノリティーの子供たちは、誰が信頼できる大人であるかしっかり見ています。この先生なら自分のことをわかってくれるだろうと信じて、期待して、本当の自分の話をすることでしょう。学校での取り組みや先生のさりげない一言が彼らの人生を変えることになります。 今回は教育現場を中心に話をさせていただきましたが、公共サービスにおける状況はどうなっているのか。相談や役所窓口に来られた方の対応、公営施設内の施設利用の対応、福祉サービスを初め対面サービスの対応、防災・災害避難時の対応、公民館などの施設利用や公営住宅の入居に対する対応、奈良市として、これらのLGBTを含めた性的マイノリティーの方々に対する対応はしっかりとしているのか、市長にはいま一度御確認していただき、不十分であるなら早急な是正をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
○議長(北良晃君) 以上で質疑並びに一般質問を終結いたします。-----------------------------------
○議長(北良晃君) ただいま議題となっております日程第1、議案第1号 平成29年度奈良市
一般会計補正予算より議案第61号までの61議案、議案第63号 工事請負契約の締結について及び議案第64号 和解及び損害賠償の額の決定について、以上63議案については、お手元に御配付いたしております議案付託表のとおり、予算決算委員会に付託いたします。-----------------------------------
○議長(北良晃君) お諮りいたします。 本日の会議はこれで打ち切り、予算決算委員会に付託いたしました審議の関係もありますので、あすより本会議を休会いたしたいと思いますが、そのようにいたしまして御異議ございませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(北良晃君) 異議なしと認めます。 よって、そのように決定いたします。 なお、本会議の再開につきましては、改めて御通知申し上げます。 本日はこれで散会いたします。 午後4時49分 散会
----------------------------------- 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。 奈良市議会議長 北 良晃 奈良市議会副議長 三浦教次 奈良市議会議員 山出哲史 奈良市議会議員 大西淳文 奈良市議会議員 鍵田美智子...