相馬市議会 > 2013-09-05 >
09月05日-02号

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  1. 相馬市議会 2013-09-05
    09月05日-02号


    取得元: 相馬市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-28
    平成25年  9月 定例会---------------------------------------日時  平成25年9月5日場所  相馬市議事堂---------------------------------------出席議員(20名)  1番  門馬優子君      2番  杉本智美君  3番  高橋利宗君      4番  鈴木一弘君  5番  新妻香織君      6番  高玉良一君  7番  石橋浩人君      8番  荒川五郎君  9番  米山光喜君     10番  佐藤建雄君 11番  只野敬三君     12番  浦島勇一君 13番  植村恵治君     14番  荒 秀一君 15番  根岸利宗君     16番  波多野広文君 17番  伊東和幸君     18番  村松恵美子君 19番  小泉正人君     20番  佐藤 満君---------------------------------------欠席議員(なし)---------------------------------------出席した事務局職員の職氏名 事務局長       長沢宏昌君    次長兼庶務係長    高橋利宗君 議事係長       中塚綱紀君    主査         木幡好孝君---------------------------------------説明のため出席した者の職氏名 市長         立谷秀清君    教育委員長      倉本まり子君 副市長        佐藤憲男君    総務部長       青田 稔君 企画政策部長     橘川茂男君    民生部長       吉田睦生君 保健福祉部長     星  光君    産業部長       吉野光一君 建設部長       金森 滋君    総務課長       宮崎富由君 教育長        堀川利夫君    教育部長       臺内吉重君 生涯学習部長     渡部 卓君------------------------------------------------------------------------------議事日程第2号  平成25年9月5日(木)午前10時開議 第1 議案第95号から議案第124号及び認定第1号から認定第7号まで    (質疑・委員会付託) 第2 請願第5 TPP交渉からの撤退を要求する意見書提出の請願    (委員会付託) 第3 陳情第1 国に対し東京電力福島第一原子力発電所事故により発生した損害賠償請求権につき三年の消滅時効の適用を排除する立法措置を求める意見書の提出を求める陳情    (委員会付託) 第4 一般質問---------------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程に同じ--------------------------------------- △開議の宣告 ○議長(佐藤満君) おはようございます。 最初に、暑い方は上着を脱いでいただいても結構ですので、よろしくお願いしたいと思います。 ただいま出席議員が定足数に達しております。 これより直ちに本日の会議を開きます。                             (午前10時00分)--------------------------------------- △議事日程の報告 ○議長(佐藤満君) 本日の日程につきましては、別紙議事日程第2号をもってお手元に配付してありますので、この順序に従い議事を進めることにいたします。--------------------------------------- △日程第1 議案第95号から同第124号まで及び認定第1号から同第7号まで ○議長(佐藤満君) 日程第1、議案第95号から同第124号まで及び認定第1号から同第7号までの以上37件を一括議題といたします。 以上37件に関し、質疑を行います。 質疑の通告がありますので、発言を許可します。 12番、浦島勇一君。 ◆12番(浦島勇一君) ただいま議題とされました議案第110号、新相馬市民会館建設工事変更請負契約の締結について質問させていただきます。 これにつきましては、議案説明会の折、市長の提案理由説明にもありましたように、内容については、労働者確保に係る費用の増額ということで、410万円ほどの増額補正でございます。これに係る費用ということでありますが、具体的にはどういった内容でこの積算をされておるのかお尋ねをするものであります。 次に、2点目としまして、認定関係について、監査委員のほうから今回の審査に際しまして審査意見書が出されております。総括におきまして、指摘事項としてるるあるわけでございますが、その中においても、全体的に見て前年度を上回るような不用額が出ておるというご指摘がございます。また、あわせて、国保や後期高齢者等の保険の不納欠損等の事項も指摘されております。決算認定に当たり、ここら辺のところの経過の内容等についてお尋ねをするものであります。 ○議長(佐藤満君) 生涯学習部長。 ◎生涯学習部長(渡部卓君) 12番、浦島勇一議員の議案第110号、新相馬市民会館建設工事変更請負契約に関する増額の根拠についての質問にお答えいたします。 今回増額となる419万550円の内訳については、県の東日本大震災の復旧・復興事業における積算方法等に関する施行要領に基づく、労働者約70人、延べ約2,500日分の宿舎借り上げ費用が約230万円、地下配管スペースの換気設備の追加費用が約100万円、玄関の床仕上げの変更費用が約90万円となっております。 以上です。 ○議長(佐藤満君) 総務部長。 ◎総務部長(青田稔君) 12番、浦島勇一議員決算書添付の監査委員からの審査意見書の指摘事項についての質問にお答えいたします。 平成24年度歳入歳出決算認定における審査意見書の「むすび」に記載のある一般会計の災害廃棄物処理委託料4億4,684万17円の不用額は、流出家屋の解体撤去などについて所有者の同意を得るために予想以上の日数を要したことから、撤去件数が当初の見込みに比べ約2割減ったことによる金額が2億1,852万9,750円、災害廃棄物の中間処理において、災害廃棄物に付着している土砂の撤去方法の決定について環境省との協議に時間を要したため、土砂撤去ができないことによる金額2億2,831万267円の合計額であります。 なお、意見書にある不用額の補正予算対応については、歳入欠陥等のおそれはないことを判断し、補正は見送っております。 次に、相馬市公共下水道事業特別会計において2億3,751万1,902円の不用額を出したことについては、主に平成23年度からの繰越明許予算の中で、国の災害査定での減額、災害復旧工事の実施段階での事業費の減少及び工事の請負差額発生等によることが大きな要因となっております。 なお、繰越明許予算過年度予算のため補正できず、不用額とせざるを得なかったものであります。 以上でございます。 ○議長(佐藤満君) 民生部長。 ◎民生部長(吉田睦生君) 12番、浦島勇一議員の認定第2号、平成24年度相馬市国民健康保険特別会計歳入歳出決算及び認定第3号、平成24年度相馬市後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算収入未済額不納欠損額の増加についての質問にお答えいたします。 平成24年度の相馬市国民健康保険特別会計について申し上げます。収入未済額は5億4,373万5,000円で、前年に比べ6,142万7,000円、10.2%の減、不納欠損額は4,936万6,000円で、前年に比べ2,032万4,000円、70%の増となっております。 次に、後期高齢者医療特別会計については、平成24年度の収入未済額は312万1,000円で、前年に比べ57万9,000円、22.8%の増、不納欠損額は52万5,000円で、前年に比べ26万8,000円、104.7%の増となっております。 収入未済額不納欠損額が前年度と比較して増加していることについて、市は、震災以前からの景気の低迷や東日本大震災による影響により、担税力のない被保険者が増加しているためと考えております。 市といたしましては、負担の公平性の観点から、滞納者との交渉機会を数多く持つための夜間の納税相談を行うほか、口座振替による納付勧奨を積極的に行うとともに、財産調査による差し押さえなどの滞納処分の強化をするなど、収納対策をこれまで以上に実施してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(佐藤満君) 12番、浦島勇一君。 ◆12番(浦島勇一君) それでは、再質問させていただきます。 議案第110号について、ただいま生涯学習部長をして答弁がございました。10月、まもなく竣工を迎えるに当たり、進捗状況もほぼ終盤の時期かというふうに推察をいたします。そういう中におきまして、ここではいろいろ、230万あるいは100万、90万円という個別事項があるわけでございますが、私が考えるに、当初契約をしています10億9,200万円強ほど、本来この契約金額の中にこれら相当事項というのは含まれておるというふうに認識をしておるわけです。仮に労働者確保のために2,500人分ということで宿泊料をここに計上するということは、本来の請負者である3社JVの管理のもとで、しっかりそこの職労者あるいは労働者を確保するというのが基本かなというふうに考えるところであります。その点について、当局の考え方をお尋ねするものであります。 あわせて、本市と3社JVの契約書締結時における契約の約款あるいは約定において、こういった規定というのは盛り込んでおられるのか、あわせてお尋ねをするものであります。 認定につきましては、内容については了解をいたすものでありますが、やはり全体的に、監査委員の総合指摘として毎年こういう形で挙がってきているわけです。今回は非常にさまざまな諸要因があるということでは推察をいたしますが、今後さらなる取り組みについて、改めて対応策方についてお尋ねをしたいというふうに思います。 ○議長(佐藤満君) 生涯学習部長。 ◎生涯学習部長(渡部卓君) 再質問にお答えいたします。 新しい市民会館の建設工事の請負契約の中におきましては、労働者の確保についても当然請負業者のほうで対応するという内容になっておりますが、東日本大震災後、被災地の各建設現場におきましては、労働者の確保が大変難しい状況が続いておりました。これを受けまして、県あるいは国のほうでも労働者確保に要する経費を必要経費として認めるような方向になっておりまして、先ほど申し上げましたように、福島県におきましても労働者確保に関する施行要領というのをつくりまして、各建設現場で地元の労働者、通って現場に来ることができない労働者が多くなった場合、その宿泊経費等について追加に請求することができるというふうな内容を示したわけです。 今回、新しい市民会館の現場におきましては、ほかの建設工事現場と同じように地元周辺の労働者だけでは足りませんで、北海道とかあるいは関西のほうから労働者を呼んで建設工事に当たってきたという状況でございます。今回、約230万円の労働者確保に関する経費を計上いたしまして変更契約をすることになっておりますが、昨年の11月から8月までの宿舎確保に関する経費ということで、今回、変更契約のご提案をさせていただいたということになってございます。 以上でございます。 ○議長(佐藤満君) 総務部長。 ◎総務部長(青田稔君) 浦島議員の再質問にお答えいたします。 特に年度末における見込みについてでございますけれども、担当課と、それから財政課、それから国・県と緊密な打ち合わせをしながら、不用残について減少させるように今後とも頑張ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
    ○議長(佐藤満君) 民生部長。 ◎民生部長(吉田睦生君) 浦島議員の再質問にお答えいたします。 これまでの滞納整理につきましては、電話、文書等による催促、あとは口座振替の推奨を行ってきたところでありますが、口座推奨の実績が36.8%という実績になっておりました。今後は目標を40%以上にする。あと、先ほど答弁したとおり、夜間の納税相談の実施でありますが、具体的には9月24日から4日間ほど窓口延長して実施したいというふうに考えております。 以上であります。 ○議長(佐藤満君) 12番、浦島勇一君。 ◆12番(浦島勇一君) 生涯学習部長に最後1点お尋ねをいたします。 ただいま答弁の中において、国あるいは県の制度として、それは認めるよということで了解をいたします。しかるに、今後、本市においてもさまざまな形で出てくるわけです。現状、進捗しているやつもあろうかと思います。それも基本的には、業者の請求の中でそういったことも応分に対応するという、今の答弁だと、こう理解をするわけなのですが、一定にしてそこを完了するというところにおいて、本市で本当にそこでチェックを入れられているのかというところは、非常に大きな問題であるというふうに考えます。そういうところにおいて、業者から請求上がるだけの部分の金額支払うのではなくて、本当にこれが実効性のあるもの、中身がきちっと精算されているもので、その支払いだという部分であれば、これは理解をするものでありますが、そこら辺の管理も含めてどういった対応を考えていらっしゃるのかお尋ねをしたいと思います。 ○議長(佐藤満君) 生涯学習部長。 ◎生涯学習部長(渡部卓君) 今回の約230万円につきましては、業者からの請求内容を確認した上でのご提案となってございます。それから、ほかにも市内でいろいろな建設工事を行っているわけでございますが、その他の工事現場につきましても、同様の事例が起きた場合、業者は請求できることになっていると理解しております。その請求の内容を市のほうで確認した上で対応するということで、今後も進めていくことになるかと思っております。 以上です。 ○議長(佐藤満君) 次に、15番、根岸利宗君。 ◆15番(根岸利宗君) 15番議員、根岸利宗です。 議案第99号、特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例についてお伺いをいたします。 これは、有害鳥獣駆除隊員と私は書いたのですが、正式には鳥獣被害対策実施隊というそうでございますが、この隊員の方を非常勤の特別職とするというものでございます。改めて、この目的について確認をするものでございます。 また、今回のこういう事例について、現在、他市町村においてどういうふうになっているか、その動向についてもお伺いをするものであります。 続いて、議案118号、平成25年度相馬市一般会計補正予算(第3号)について、今の議案第99号との関連でお伺いをするものであります。 款6農林水産費、項2林業費、目1林業総務費有害鳥獣捕獲事業というもので、1,114万円が計上されてございます。今回、議案第99号でこういうような条項を提案されていることも含めて、この事業について詳細を伺うものであります。 以上です。 ○議長(佐藤満君) 産業部長。 ◎産業部長(吉野光一君) 15番、根岸利宗議員の議案第99号、特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例で、有害鳥獣駆除隊員を非常勤の特別職とする主たる目的についての質問にお答えいたします。 鳥獣被害防止特別措置法では、鳥獣を駆除する隊員を市長が非常勤の職員として任命できる旨、規定されております。 近年、鳥獣を駆除する隊員を非常勤の職員として扱う自治体がふえてきたこともあって、本市の有害鳥獣捕獲隊の皆さんからも同様の対応をしていただきたいとの申し出がありました。 市といたしましては、原発事故の影響で駆除すべきイノシシなどが増加している反面、鳥獣を駆除する隊員が高齢化し、さらに減少していることから、隊員の増員を図るとともに、その業務内容を踏まえ、非常勤の職員とすべく条例を改正することといたしました。 なお、非常勤の職員に任命することのメリットは、隊員が活動中に負傷した場合には公務災害として対応すること、隊員の狩猟税が2分の1に軽減されることであります。 次に、今回の事例について、他市町村の動向についてお答えいたします。 鳥獣駆除隊員を非常勤の特別職としている市町村は、県内59自治体のうち、現在、14自治体となっております。 次に、議案第118号、平成25年度相馬市一般会計補正予算中、歳出款6農林水産業費、項2林業費、目1林業総務費中、有害鳥獣捕獲事業についての質問にお答えいたします。 有害鳥獣捕獲事業の1,114万円のうち、報酬216万円は、隊員1人当たりの出動手当を1回2,000円とし、隊員18名が月10回出動した場合の6カ月分の合計額であります。 次に、火葬場使用料525万円は、半年間でイノシシ100頭を民間のペット火葬場で焼却する費用になっております。 次に、補助金373万円は、イノシシの被害を防止するために設置する電気柵の購入補助金で、今後申請が見込まれる50件分の補助金であります。 以上であります。 ○議長(佐藤満君) よろしいですか。 次に、2番、杉本智美君。 ◆2番(杉本智美君) 議席番号2番、未来そうまの杉本智美です。 さきに通告しておりました議案第118号、平成25年度相馬市一般会計補正予算(第3号)の2つの事業について質疑します。 まず1つ目は、款6農林水産費、項2林業費、目1林業総務費有害鳥獣捕獲事業1,114万円について、節1報酬に鳥獣被害対策実施隊報酬が新たに設けられ、216万円が予算計上されておりますが、今までも鳥獣被害対策実施隊が結成されておった中で、今回報酬を新たに設けた経緯を伺うものでございます。 また、今ほども答弁がありましたが、鳥獣被害対策実施隊出動予定数を伺うところでございます。 次に、節14使用料及び賃借料に火葬場使用料として525万円が予算計上されておりますが、こちらも先ほども答弁したかと思うのですけれども、事業内容を伺うものでございます。 次に、節19負担金補助及び交付金、補助金、有害狩猟鳥獣捕獲事業として、当初予算323万8,000円に373万円が増加されておりますが、この事業について伺うものでございます。 2つ目としまして、款3民生費、項1社会福祉費、目3老人福祉費、その他老人福祉事業に、650万1,000円につきまして、節13委託料に社会関係業務委託料として、高齢者移動販売事業委託料が計上されておりますが、この事業内容について伺うものであります。 以上です。 ○議長(佐藤満君) 産業部長。 ◎産業部長(吉野光一君) 2番、杉本智美議員の議案第118号、平成25年度相馬市一般会計補正予算中、歳出款6農林水産業費、項2林業費、目1林業総務費中、有害鳥獣捕獲事業についての質問にお答え申し上げます。 まず初めに、先ほど杉本議員からの質問の中に、新たに今回、実施隊になった経過も踏まえてということもございますが、実はこれについては、今までは鳥獣捕獲隊ということで取り扱ってまいりました。今ご提案を申し上げているのは、10月1日から新たに有害鳥獣の実施隊に変更をしたい。したがって、今までは謝礼として、1回当たり2,000円という謝礼金としてお支払いをしてまいりました。今後は報酬という形で、あくまでも非常勤の特別職として規定をされる関係上、報酬としての支払いになるという経過がございます。それを踏まえて、お答えを申し上げたいと考えております。 先ほど、15番、根岸利宗議員の質問でもお答えをいたしましたが、新たに鳥獣を駆除する隊員を非常勤職員に任命することに伴い、隊員が出動した場合に報酬を支給するため、216万円を計上したものであります。 なお、出動回数につきましては、隊員1人当たり、月10回を見込んでおります。 次に、火葬場使用料525万円は、半年間でイノシシ100頭を民間のペット火葬場で焼却する費用であります。 次に、補助金373万円は、イノシシの被害を防止するために設置する電気柵の購入補助金で、今後申請が見込まれる50件分の補助金であります。 以上であります。 ○議長(佐藤満君) 保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(星光君) 2番、杉本智美議員の議案第118号、平成25年度相馬市一般会計補正予算(第3号)中、歳出款3民生費、項1社会福祉費、目3老人福祉費、節13委託料、高齢者等移動販売事業の内容についての質問にお答えいたします。 高齢者等移動販売事業は、震災により仮設住宅居住者となった方々に対し、リヤカー販売による買い物弱者支援事業が、井戸端長屋を初めとする災害公営住宅には行き届かないこと、また、これらの地域には店舗が存在せず、新たな買い物弱者支援が必要と考えたことから、県の補助事業を活用して生活必需品高齢被災者の地域に販売しようとするものです。 また、この事業は、放射線量の比較的高いとされる玉野地区の買い物弱者対策とあわせて行うことにより、今回の震災及び原発事故による、特に孤独高齢者の生活支援として考えております。 販売ルートは、被災単独世帯の多い井戸端長屋、被災者の新たな住宅である明神前住宅、加えて放射線量が高く店舗の少ない玉野地区での販売ルートで、毎週月曜日から土曜日まで巡回して販売する予定であります。 委託業者の選定は、本年7月に市ホームページなどで公募し、その結果、応募のあった市内業者1社の企画書を審査して決定しております。 前に述べました補助金については、県の起業支援型地域雇用創造事業費補助金をこの事業の人件費などの経費に充てており、その補助金の割合は約2分の1となります。 なお、移動販売車は、市内の業者が購入する予定であります。 以上であります。 ○議長(佐藤満君) 2番、杉本智美君。 ◆2番(杉本智美君) それでは、再質問に移らせていただきたいと思います。 まず、有害鳥獣捕獲事業についてなんですが、今回報酬とされていますが、カウントがあくまでも回という表現をされております。この回というのは、時間的なものなのか、それ以外に、例えば捕獲した実績によるものなのか、再度伺うものでございます。 それから、火葬場使用料という部分でご説明いただきました。今回は民間業者に委託するということですが、市独自で専用の焼却炉を設けている地方公共団体もある中で、当市においてはそういった施設を設けることは検討しないのか伺います。 そして、補助金に対してでございますが、補助金に対しましては相馬市農作物等イノシシ被害対策事業補助金において柵の設置、そして電気柵の設置に対し交付している補助金であると理解しております。その中で、見込みが今回ふえるだろうということで、増加しているということですが、そのほか新たな対策、施策、要はその対策が確立されたものではないということで理解していいのか、伺うところでございます。 そしてまた、先ほど、高齢者移動販売委託事業の件についてでございますが、当初、今定例会の、市長あいさつにもありましたが、今ほども説明があったかと思うのですが、買い物弱者対策移動販売事業と同じ考えなのか、そしてまた、そういった事業の中で、例えばおでかけミニバス事業等で、既に各地区にお住まいの高齢者が買い物に出かける際の乗り物の一つとして使っていただくために運行しているなど、類似している福祉事業が展開されておりますが、そういった部分との関連性は保たれているのか伺うところでございます。 ○議長(佐藤満君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 市長でないと答えられない質問が大分あったので、私のほうから答弁をいたします。 まず、鳥獣捕獲隊は、隊として出来高にするのかどうかということなのですけれども、現在出来高で考えているということです。 それから、イノシシ対策のことですね。ペット火葬場なのですが、そういうことを相馬市でもやったらどうかというご提案でございますが、このことについては、現在までのところでお答えしますけれども、ペット火葬場を相馬市が運営するようなことは考えてまいりませんでした。現段階では、それは変わっておりません。 このイノシシの処分についてなんですけれども、大変苦慮しておりまして、最初は埋めるということで対応してきましたけれども、地元の方々から相当な反対のご意見がございまして、したがいまして、焼却炉で燃焼させるということも考えたのですが、大体5キロくらいのブロックにしないとできないのです。その手間たるや、これは相当なものである。今後のことはいずれ新たに考えていくことになると思いますが、現段階ではイノシシが相当数ふえたということも踏まえて、1頭5万円かかるということになりますと相当高額ではないかということで、これも随分議論いたしました。しかし、現段階ではやむを得ないということで500万円を計上したところなのです。処分について良好な方法があれば、これは話は別なので、それはもう今後考えていかなくてはならないと思いますが、現段階では、急激にふえてきたイノシシに対して、1頭5万円というのは高いのでありますが、ずっとこれをやるわけではないということを前提として、今のところそのような措置をとらなくてはいけないということで考えているということでございます。イノシシについては以上です。 それから、おでかけミニバスとこの買い物支援バス、チャルメラカーと呼んでおりますけれども、この整合性はどうなのかということのおただしでありますけれども、おでかけミニバスは市内全域を対象としております。買い物支援バス、チャルメラカーについては、これはスポット的に考えているということです。 というのは、もともとこれは対策会議で話が出たことなのですが、委員である小泉議員のほうから、リヤカーを長屋に回せないかということで、そこからいろいろ考えていったことです。リヤカーというのは絆事業で、あくまでも被災地支援、仮設住宅限定の事業でありますから、恒久住宅には適さないということから考えていって、今回の大震災による被災によってできてきた新しい施設なのです。新しいコミュニティーなのです。そのことに対して、特に支援が必要というふうに考えおります。 おでかけミニバスは、相馬の地域、過疎的な地域とされるところ全域を網羅するものでありますし、おでかけミニバスの将来については、これからもいろいろ議論をして決定していかれるべきものと思っておりますけれども、このチャルメラカーにつきましては補助もありますから、そのような中で今回、当面の間、長屋、あるいは明神前住宅もそうなのです。被災ということを前提にして、そういった意味では玉野も被災だと思います。そのほかの中山間地域の限界集落等についてどうするかというのは、これからの議論ということになりますが、被災ということを前提にして、仮設住宅じゃなくて、そこから新たに第一歩を踏み出した恒久住宅の集落についても、あるいはそのコミュニティーについても支援をしていかなくてはならないという考え方から発生している。これは別物というふうにお考えいただきたいと思います。 ○議長(佐藤満君) 産業部長。 ◎産業部長(吉野光一君) 杉本議員の再質問について市長からいろいろご答弁をいただきましたが、1点だけ、ちょっと質問の中で、補助金の関係がありましたので、改めてその部分だけご答弁をさせていただきたいと思っております。 今回、補助金を予算に計上させていただきました。この補助金については、新たな施策ということではなくて、現状、イノシシの部分の駆除をするのにどういうふうな方法がいいかということをいろいろ議論をさせていただきました。やはり一番いいのが電気柵ではないかというお話を受けたことも踏まえた上で、新たな施策ということではございませんが、改めてということではなくて、現状、同じような電気柵の補助金という形で50件ほど予定をさせていただいております。 なお、今後どのくらいイノシシが出てくるかわかりませんので、その辺も踏まえて、いろいろ地元や駆除隊ともいろいろ協議をしながら検討はさせていただきたいと考えております。 以上です。 ○議長(佐藤満君) 次に、14番、荒秀一君。 ◆14番(荒秀一君) 私は今回3件の質疑をさせてください。 まず、1件目の議案第96号、相馬市民会館条例の制定についてお伺いします。これについては、3点質問させていただくということで項目を挙げましたが、(3)につきましては、取り下げますので、よろしくお願いいたします。 それでは、(1)の市民会館条例についてお尋ねしますが、これは別表の料金表にあるわけですが、大ホールの入場料金ということでの料金表がございます。これについては、6月議会においての提案には記載がなかったものですから、今回は改めてこれをくっつけて整備していただいたものと理解するわけですが、ただ、この中で料金設定が、以前の市民会館のときよりも安くなっている部分がございます。これはどういう利用状況を意図されているのかお尋ねするものであります。 2番目といたしましては、この条例の中の第12条、これについては、特別設備等の許可のところでありますが、特別の設備や備えつけ以外の器具を利用しようとするときとありますが、多分これは中程度の市民会館ということの説明でございましたので、当然前の条例についても、言及されておるわけですが、多分この部分を充実しながら、いろいろな照明、音響、機材等の持ち込みをもって対応していくということだと思いますが、それについて改めてお尋ねするものでございます。 次に、議案第97号、相馬市LVMH子どもアート・メゾン条例の制定についてお尋ねします。 これについては、まず管理者についてでございますが、第3条に市教育委員会、そして第13条に指定管理者による管理を行うことができると2つ併記されて、当然、教育委員会のほうが上位であるわけでありますが、ここの指定管理者による管理の部分の考えをお尋ねするものであります。 次に、同じ関連ではありますが、議案第118号、これは平成25年度相馬市一般会計補正予算の中になりますが、款10、項5、目10、節13、ページとしましては、お手元であれば49ページにありますが、その中で運営経費が計上されております。管理運営費ということで、これには281万円、今回の条例の制定に伴うものであれば12月1日以降ということでありますが、年間のコスト、また財源についてどのようになるのかお尋ねするものであります。 以上です。 ○議長(佐藤満君) 生涯学習部長。 ◎生涯学習部長(渡部卓君) 14番、荒秀一議員の議案第96号、相馬市民会館条例の制定に関する市民会館使用料についての質問にお答えいたします。 お尋ねの使用料については、例えば平日の午前9時から正午までの間、大ホールを使用した場合、これまでは9,270円でありましたが、今回は9,000円としており、270円安くなっております。ほかの時間帯についても、同様に端数を処理したものであり、施設の利用促進を図ることはもとより、料金の精算をしやすくしたものであります。 次に、市民会館条例第12条、特別の設備等の許可についてお答えいたします。 第12条の規定は、議員おただしのとおり、利用者が照明器具や音響設備等を持ち込んで使用することを想定した内容となっております。 次に、議案第97号、相馬市LVMH子どもアート・メゾン条例の制定に関する指定管理者についての質問にお答えいたします。 市教育委員会としては、当面、子どもアート・メゾンの管理を市教育委員会が直接行い、今後施設の利用状況等を勘案して、できる限り速やかに指定管理者による管理に移行してまいりたいと考えております。 次に、議案第118号、平成25年度相馬市一般会計補正予算(第3号)中、歳出款10教育費、項5社会教育費、目10子どもアート・メゾン費、節13委託料の年間コストとその財源についての質問にお答えいたします。 先ほどお答えいたしましたとおり、子どもアート・メゾンの施設管理は市教育委員会が行う予定でありますが、施設内の図書閲覧室の受付業務は委託する計画であり、それにかかる費用と施設の機械警備費の5カ月分、95万5,000円として計上したものであります。 なお、年間費用としては約230万円を見込んでおり、全て一般財源で対応することとなります。 以上です。 ○議長(佐藤満君) 14番、荒秀一君。 ◆14番(荒秀一君) まずは、議案第96号に対する再質問をいたします。 先ほどの入場料金の部分においては、市民の皆さんからすれば、大変安く抑えていただいて、前のような条件でということにおいては歓迎されるものと思います。しかし、これからの長いスパン、30年、40年の中で相馬の文化の中心となることを考えれば、値段も確かに大事でしょうけれども、それに伴う市民会館としての質、文化の拠点ということも極めて大事かと思います。(1)番においては理解いたします。 (2)番の第12条の件でありますが、先ほど来、また市長の市民会館建設時以来の議論の説明の中で、中程度でいくということでございました。それは私どもも、やはりこういう震災以前の課題、また震災になってからのいろいろな判断ということにおいては、大変英断もあったと思うところもございますし、それもいたし方ないと。 しかし、充実するということにおいては、多分第12条の部分において、やはりもう10月1日からこの条例が適用されるということでありますので、第12条の中でこれはしっかりと、持ち込みの中で最大限市民会館を生かすというのが本当の中身、これからの工夫かなと。したがいまして、ここの第12条の中で、今部長の説明がございましたが、受け入れるような体制を以前に比べてより充実しているのか、そこをお尋ねいたします。 次に、2点目、議案第97号でございます。これについては、ルイヴィトンに大変私たちも感謝しながら、子供たちの将来に対してのこの施設を大事に使っていこうとしているわけでございますが、それは市当局の今後の考えにおいても大変見えるところであります。 今までは、市長の、あるいは教育長の考えの中で、フォロワーチームという言葉も出ました。当然、フォロワーチームが指定管理者になれるのかという考えが今あるのか、それとも、フォロワーチームだってずっと何年もここを管理することができるはずはないわけですから、そこら辺のお考えをお尋ねするものでございます。 以上です。 ○議長(佐藤満君) 生涯学習部長。 ◎生涯学習部長(渡部卓君) 再質問にお答えいたします。 新しい市民会館の施設、設備面につきましては、これまでの市民会館の設備よりは少し改善されております。いい内容になっておりますが、それでも利用される人によりましては、私どものほうで用意した設備では足りないと、用意した機材ではちょっと対応できないという場合もあると思っています。そういう場合には、利用者と協議を行いながら、機材の持ち込みについて許可をしながら使っていただくということを考えております。先ほどから、新しい市民会館はレベル的には中レベルの施設ということですが、基本的には市民の皆様初め、できるだけ多くの方に使っていただきたいという考えでおります。ですが、芸術面で、音楽とか文化面で、どうしても新しい市民会館の設備では足りないと、公演とか演奏ができないという場合においては、協議を行いながら使っていくような対応をしてまいりたいというふうに考えております。 次に、子どもアート・メゾンの今後の管理についてでございますが、子どもアート・メゾンの建物がオープンした後、ただいまお話がありました相馬フォロワーチーム、これまで震災後、子供たちの心のケアの活動を中心に行ってきているNPOでありますが、フォロワーチームは、新しい建物の中に事務所を構えまして、活動の拠点としてこれからも活動を続けていく予定になってございますがフォロワーチームを指定管理者として市がお願いするかどうかについては、開館後、利用状況やフォロワーチームの状況を踏まえながら、今後検討していきたいと考えております。 以上です。 ○議長(佐藤満君) これにて質疑を終結いたします。 ただいま議題となっております議案37件については、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれの常任委員会に付託いたします。--------------------------------------- △日程第2 請願第5 ○議長(佐藤満君) 次に、日程第2、請願を議題といたします。 ただいま議題となっております請願第5については、お手元に配付してあります請願付託表のとおり、産業建設常任委員会に付託いたします。--------------------------------------- △日程第3 陳情第1 ○議長(佐藤満君) 次に、日程第3、陳情を議題といたします。 ただいま議題となっております陳情第1については、お手元に配付してあります陳情付託表のとおり、総務常任委員会に付託いたします。 ここで暫時休憩いたします。                             (午前10時51分)--------------------------------------- ○議長(佐藤満君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                             (午前10時59分)--------------------------------------- △日程第4 一般質問 ○議長(佐藤満君) 次に、日程第4、一般質問を行います。 会議規則第61条第2項の規定により質問通告がありますので、順次これを許可します。 最初に、1番、門馬優子君。         (1番 門馬優子君 登壇) ◆1番(門馬優子君) おはようございます。 議席番号1番、新政会の門馬優子でございます。 通告しております3件5点について質問をさせていただきます。 あの未曾有の東日本大震災から2年半が経過しようとしております。時間の経過とともに復興が目に見える形で進められ、被災者にとりましても、私たち市民にとりましても、明るい兆しが見え始めております。しかし、最近、震災の復旧・復興とは別に、東電の事故による放射能問題が私たちの健康を脅かし、将来への不安が募るばかりであります。このような生活にかかわるさまざまな不安を少しでも緩和することこそが、被災者を初めとする市民の皆様の安心・安全な生活につながっていくということを前提に、通告してあります質問に入らさせていただきます。 まず初めに、現在行われております甲状腺検査についてお伺いいたします。 この質問内容は、所管にも触れますが、市民の健康被害にかかわる重要な案件であると判断し、質問をさせていただきます。 皆さんもご存じのとおり、県が主体となり昨年10月より子供を対象とした甲状腺の検査が実施されております。本市におきましても、ことし4月より各小・中学校、学校幼稚園は学校にて実施され、それ以外の子供においては5月から8月の間に4日間、公開検査日を設定し実施されているようです。現在においては検査結果の通知が郵送され、その結果内容に不安を抱えている保護者も少なくはありません。新聞やネットなどの報道により、本当は危ないというような、より不安を仰ぐ記事も最近目にします。ですから、なおさら、その結果が仮に安心な状況であっても、それを裏づける説明が必要なのではないかと私は思います。 冒頭でも述べましたが、この事業はあくまでも県の事業でありますから、市としては要望程度のことしかできないのはわかっております。しかしながら、これから相馬市を担う子供たちの未来に、私は無駄な不安を与えるようなことはしたくありません。このような現状も踏まえ、市としてはどのような対策を考えているのかお伺いします。 続きまして、災害公営住宅の払い下げについてお伺いします。 まず1点目として、災害公営住宅の払い下げ時期と金額についてお伺いします。 災害公営住宅が完成し始め、被災された方々の新たな生活が始まっています。そんな状況の中で今一番問題となっているのが、不透明な部分の多い災害公営住宅の払い下げに関することであります。現在市では、災害公営住宅への入居者に対しても、払い下げの時期や金額についてははっきりとした回答を出しておりません。一体いつになったら明確な回答が出るのかと、入居者からは不満な声が出ております。その主な理由としては、入居者にとっては、その2点というのは今後の生活設計を立てる上で必要不可欠なことであるからです。明確な回答は無理であっても、ある程度の目安をつけることができれば、被災された方々は精神的にも負担が減るのではないでしょうか。 次に、2点目として、仮設住宅のエアコンの譲渡についてお伺いします。 被災された方々が仮設住宅より退去する際、仮設住宅に設置されているエアコンを取り外し、次の住宅へと持っていきたいという声をよく聞きます。被災者の皆さんが生活を再建する上で、このような生活に密着している支援が一番うれしいのではないでしょうか。被災者の立場を最大限に考慮した答弁を期待しております。 最後に、新しい相馬のまちづくりについてお伺いします。 その1点目として、今後の相馬市の観光をどのように進めるかについてお伺いします。 現在の相馬市では、大震災の影響により、以前は観光の中心だった原釜、松川、岩子、磯部の沿岸地区の観光のめどが立っていない状況であります。震災より2年半が経過しようとしている中、そろそろ今後の方向性を打ち出し、進めていかなければならない時期に来ているのではないかと私は思います。 その2点目として、お城を中心とする行政ゾーンの新しいまちづくりをどのように進めるかについてお伺いします。 市役所の新築に伴い、お城を中心とした和風づくりの公共施設が建ち並び、相馬市の新しい観光の名所となることが期待されております。そんな中で、行政ゾーンの新しいまちづくりについてはどのように進められているのでしょうか。その考えについてお伺いし、壇上からの質問を終わります。 ○議長(佐藤満君) 市長。         (市長 立谷秀清君 登壇) ◎市長(立谷秀清君) 1番、門馬優子議員の甲状腺検査についての質問にお答えします。 市は、平成24年12月5日に開催した第4回健康対策専門部会において、子供たちの生涯にわたる健康不安に対応するため、甲状腺がん検査を毎年行うべきとすることを基本方針といたしました。その時期については、甲状腺がんの発症時期からして4年後には必要と考えておりました。しかしながら、県において2年に1度、しかも今年度については、県において相馬市で甲状検査を行うこととなったため、県のデータをもって本年度の検証に当たるということといたしました。 今年度の甲状腺検査は、震災時点で18歳以下の6,798名を対象に、4月30日から8月8日まで、各小・中学校やスポーツアリーナそうま等で実施されました。8月21日に県が公表した本市の検査結果は、受診者2,400名のうち、2次検査が必要と判定されたのは17名でありました。 市は、甲状腺検査結果の見方や放射線の甲状腺への影響などについて、保護者等の不安解消に対する要望を踏まえ、福島県立医科大学が開催する出張説明会を実施してまいりたいと考えております。 市といたしましては、来年度以降の甲状腺がん検査について、実施時期、実施方法、検査回数の頻度及び検査体制などについて、年内に健康対策部会を開いて検討してまいりたいと考えておりますが、県においてせっかくやっているわけですから、これと競合しないように連携して、住民、特に子供たち、あるいは親御さんたちに安心を与えられるように、いろいろと調整をしながら、今後計画してまいる必要があろうかと思料いたしております。 その他の質問は担当部長に答弁いたさせます。 ○議長(佐藤満君) 建設部長。 ◎建設部長(金森滋君) 1番、門馬優子議員の災害公営住宅の払い下げについての質問にお答えいたします。 災害公営住宅の払い下げの時期は、入居時期に関係なく、法律により住宅の完成から耐用年数の4分の1の期間経過後と定められておりましたが、このたびの東日本大震災後の災害公営住宅については、耐用年数の6分の1の期間経過後に払い下げできるように法律が改正されました。 したがいまして、市が払い下げを予定している戸建ての災害公営住宅は、木造のため耐用年数が30年であり、住宅完成から5年経過後に払い下げが可能となります。 市は、払い下げ対象地区を、既に完成した程田明神前団地、現在整備を進めている細田地区、鷲山地区の一部の3地区とし、長屋やアパートのタイプを除く戸建て住宅のみを払い下げる方針であります。 災害公営住宅の払い下げ価格は、法律により推定再建築費から年数経過分を減額して算定することとなっておりますが、このたびの東日本大震災については、払い下げ時点の不動産鑑定価格により算定することも可能となりました。 しかしながら、どちらの算定方法を用いても被災者の負担が大きくなることが予想されるため、市は、さらに負担が軽減されるよう国土交通省に要望してきたところであります。 市といたしましては、現在のところ、払い下げの具体的な金額は明示できませんが、払い下げを希望する方々が、物件である土地代に加え、建物は建設費用の半分程度の負担で済むように、市独自の支援策を構築の上、ことし中に議会へ提案したいと考えております。 次に、仮設住宅のエアコンの譲渡についての質問にお答えいたします。 市は、住宅団地の勉強会などにおいて、災害公営住宅の入居希望者から仮設住宅のエアコンの譲渡や再利用について多数の要望を受けたことから、仮設住宅やその附帯設備の所有者である福島県に対し、数回にわたり市として要望してきたところであります。 災害救助法における仮設住宅等の財産は、建設から2年経過すれば処分することが可能となっておりますが、現時点において所有者である福島県は、エアコン等の財産処分の方針を決定しておりません。 したがいまして、市は、仮設住宅のエアコン等の財産を被災者が有効に活用できるよう、今後も福島県に対し要望してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(佐藤満君) 産業部長。 ◎産業部長(吉野光一君) 1番、門馬優子議員の市の観光施策の進め方についての質問にお答えいたします。 本市の観光資源は、東日本大震災などにより、潮干狩りでにぎわっていた松川浦や原釜尾浜海水浴場が壊滅的な被害を受け、さらには相馬で水揚げされる新鮮で種類豊富な魚介類の提供ができない状況にあります。 市といたしましては、今後復興事業の進捗を踏まえて、1つ、防災備蓄倉庫、磯部コミュニティセンター、防災集合所、防災行政無線屋外拡声子局、監視カメラなどの防災施設をテーマとしたコース、2つ、漁労倉庫、殉職消防団員顕彰碑、磯部、原釜の慰霊碑や鎮魂記念館などの復興、鎮魂をテーマとしたコース、3つ、中村城跡を囲む新たな和風建築の市庁舎、市民会館、歴史資料収蔵館、郷土蔵などの和風建築物をテーマとしたコースなどによる観光案内とともに、4つ、光陽パークゴルフ場、光陽サッカー場、光陽ソフトボール場などのスポーツ施設によるスポーツ交流、以上の4コースを活用して交流人口の拡大に努めてまいりたいと考えております。 市は、現在整備を進めている千客万来館を、相馬市観光協会や光陽地区のスポーツNPOとの連携のもと、スポーツ交流等のイベントの企画、広報宣伝、宿泊施設のあっせんなど、ワンストップ・サービス提供の拠点として、また市民来訪者への交流の場として活用してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(佐藤満君) 企画政策部長。 ◎企画政策部長(橘川茂男君) 1番、門馬優子議員のお城を中心とする行政ゾーンの新しいまちづくりについての質問にお答えいたします。 市では、中村城跡を中心とした行政ゾーンとして、城下町の風情を生かした景観のある町並みをつくりたいと考えており、これまでに中村第一小学校校舎の建設や、先般、県が施行した歩道橋塗りかえなど、周辺の景観に配慮したものとなっております。 また、既存の施設であるアリーナに加え、建設を進めております市民会館や歴史資料収蔵館、郷土蔵、さらに現在設計を進めている市役所庁舎や千客万来館など、お城の前の行政関連施設を和風のイメージで統一することとし、城下町としての雰囲気の醸成を図り、ひいては観光資源の一翼としてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(佐藤満君) 1番、門馬優子君。 ◆1番(門馬優子君) それでは、再質問させていただきます。 まず、甲状腺検査についてなんですが、県が公表しました検査結果、2,400名のうち、17名が2次検査と判定されたのですが、この結果について市長はどうお感じになったのでしょうか。 ○議長(佐藤満君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 2,400人のうちの17人の2次検査というのは、大体、疫学的に見てごく妥当な数字だと思います。鹿児島でやっても同様の数字が出るでしょうし、長野県でやっても大体同様の数字だと思います。 もう一つつけ加えれば、2次検査に該当したものは全てがんだということはほとんどありませんで、例えば消化器の検査で胃カメラに該当された人が全部がんかというと、そのようなわけではないというのと同じことであります。がんを疑っても不自然ではないという範囲で2次検査を指定いたしますから、そういった意味では、逆に言うと17人ぐらいひっかけないと、何のために検査をしたかわからないということにもなります。極めて妥当な数字と思っております。 ○議長(佐藤満君) 1番、門馬優子君。 ◆1番(門馬優子君) 続きまして、甲状腺検査のほうなのですけれども、市独自の対策として、来年以降に甲状腺がん検査を実施するようですが、どのような方法、どのような体制で行われるのでしょうか。お考えをお聞かせください。 ○議長(佐藤満君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 甲状腺検査については、これは、ことし県が甲状腺検査を行ったということを前提に考えないといけないのです。つまり、県の考え方と我々健康部会の考え方の間にちょっと乖離があります。 というのは、いわゆる県でA1、A2、A2経過観察としておりますが、我々は、嚢胞はほとんどがんではないという観点に立っています。甲状腺がんの検査ということであれば、嚢胞はほとんどがんではない、がんとはあまり認められないというのが主流であります。しかしながら、甲状腺の検査、異常か正常かということで考えれば、ある程度の大きさの嚢胞は異常ということになりますから、甲状腺の病理的な検査ということで考えれば、経過観察という表現が妥当になります。しかし、がん疑いかということになると必ずしもそうではない。したがって、嚢胞だけではB判定にはならない、いわゆるがん疑いの判定にはならないということですが、ここのところは現場で相当混乱しているということが言えます。 そこで、我々の解釈でもってコメントをすることによって、せっかく県が行った方向性と大きな乖離が出てきて、現場を混乱させるということになると、これまた考えものではなかろうかと思っております。相馬市が甲状腺検査をしなければいけない理由は、一番は不安の解消ということにあったわけです。ですから、やりようによっては不安を助長することになりかねないということも踏まえて、考える必要があろうかと思っていますが、具体的な方法論については、今、私がここで来年度のことをどうこう申し上げるのは不適切と思いますので、控えさせていただきます。 ○議長(佐藤満君) 1番、門馬優子君。 ◆1番(門馬優子君) 実は、私たち保護者の間で一番心配とされていますのが、判定のA2というもので、今、市長からもお話あったのですが、結節ではなく5ミリ以上の嚢胞が幾つか見られる状況なのですが、こちらの嚢胞が20.1ミリ以上になると、結節と同様の危険性というか判定となってしまうようなのですが、将来、一番心配となるのは甲状腺がんになることなのですけれども、そちらの可能性についてわかりやすく説明していただければ助かります。お願いします。 ○議長(佐藤満君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 嚢胞は、ほとんどがんになりません。嚢胞から特に目立ってがんに成長するということは、ほとんどないというのが医療界の常識です。ただ、結節については、ある程度の結節については、これはがんの可能性があるから2次検査をしなければいけない、精密検査をしなければいけない。その精密検査というのは、バイオプシーと申しますけれども、細胞をとってきて調べることが2次検査です。ですから、嚢胞について2次検査を、体に針を刺して細胞をとってくるというのは、安全にやりますけれども、決して簡単な検査ではないですね。ほかの臓器もありますし、子供さんが暴れたらどうするかとかいろいろな問題があります。 したがって、安易にやれる検査ではないので、2次検査の適用ということになると慎重にならざるを得ないのですが、嚢胞については、なくなったりすることもあるのです。これは学者によって、あるいは病理学者によっても、臨床科によってもそれぞれ見解の違いがあるのです。ですが、嚢胞についてはそれほど心配することはない。 ただ、絶対ということは言えませんので、医者はまあ大丈夫だろうと思っても、絶対とは言わないのです。聞くほうは、絶対大丈夫かというふうに求めるわけです。薬の副作用と一緒ですね。まあ大丈夫でしょうと言っても、何万に一つ、何十万に一つ出れば、絶対とは言えないわけです。それと同じようなことで、表現が、絶対という表現を使えない分、不安に至らしめるところがあるわけです。そこは非常に難しいです。放射線何ミリシーベルトだったら安全ですかというのと一緒です。絶対ということはなかなか言えないのです。そこのところ、ある程度踏み込んでいかないといけないと思っていますけれども、これは特に保護者の方々に対する説明ですね。また、この説明が、説明を聞けば聞くほどわからなくなるということはよくあるのです。そういうことも踏まえて、できるだけご理解いただけるような対策を講ずる必要があろうかと思っています。 ○議長(佐藤満君) 1番、門馬優子君。 ◆1番(門馬優子君) それでは、そちらの対策を早急に打っていただけるようにお願いします。 続きまして、質問です。県に要望という形でちょっとお願いしたいのですけれども、甲状腺がんの検査を子供たちだけでなく、仮に、希望する大人の方にも検査体制を拡大するお考えはありますでしょうか。 ○議長(佐藤満君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 一般の医療機関に行って、私は甲状腺がんが心配ですと言えば、それは何らかの対応はします。それを大人のために甲状腺の検査体制を組んで、どうぞこの日は皆さんやりますからというような、そういうことをしなくてはならない状況ではないと思っています。 というのは、だんだんとこれはいろいろな学術データから明確になってきているのですが、大人について集団検診をしなくてはならないような、そういう深刻な事態ではないということがだんだんわかってまいりました。平素でも甲状腺がんというのは発生するのです。これは放射性ヨウ素が関係なくても発生するわけです。ですから、平常の状態でも発生する範囲と、実際これから福島県でも起こってまいりますけれども、そこの発生頻度の差を見きわめていかないといけないです。 それと、よく医者に行くと、首にさわるのです。習慣的にさわる人がいます。あれは甲状腺をさわっているのですね。甲状腺機能亢進症となると腫れますから、そのような場合も甲状腺を、首のあたりを視診あるいは触診でよく診るというのが現実的なところです。 もう一つ言えることは、甲状腺がんというのは比較的死亡率が低いのです。体表にあって、異常が出ると目でわかる、さわってわかる。膵臓がんなんかとは違って、深刻になる前に対応することがよくあるので、重大なことに至らしめるということはあんまりないがんと言われています。 したがって、大人のために特別な体制を組むということが果たして適切かどうかということですね。そういうことも踏まえて、判断していくべきだろうと思います。 ○議長(佐藤満君) 1番、門馬優子君。 ◆1番(門馬優子君) 続きまして、災害公営住宅の払い下げについて再質問させていただきます。 先ほど答弁のほうで、市独自の支援策を検討しているようなのですが、具体的にどのような支援策なのかお考えをお聞かせください。 ○議長(佐藤満君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 先ほど建設部長をしてお話し申し上げましたけれども、もともとこの災害公営住宅を、ずっと市営住宅のままでいる場合の市の管理の負担、そしてもう一つ、これは大事なことなのですが、災害公営住宅を払い下げすることによって、被災者のご自身の財産にすることによる、人生に対する意欲、幸福度ということを考えた場合、できるだけ払い下げをしたい、払い下げをするように持っていきたいというのが基本的な考え方で、復興住宅の企画に入ったわけです。 そのことについては、私、国会でも申し上げてきましたし、いろいろなところで、民主党政権時代にご要望申し上げてきたのです。国会議員の先生方からも、ここら辺までだったらとか、いろいろなものの言い方がありまして、私は相当要求水準の高いことを申し上げてきたのですが、ただ、明確にそれが決まったわけではない。しかし、被災者の方々は、市長がそう言っているのだから何とかそういう方向にしてくれということで、ご期待なさっているわけです。ただ、国土交通省、財務省のほうからは、財政規律に反するようなことは困るという話をされておりますが、しかしながら、国交省あるいは財務省においても、少しずつ我々のこの主張に対して歩み寄ってきてくれているわけです。例えば、7年半たたないと払い下げできないのが、今5年になったわけですから、だんだんと変わってきているのです。これからも変わり得るのですが、今、明確なことは申し上げられないというのが国のほうの基本的な姿勢です。 これからも要望を続けていく必要があろうかと思いますけれども、その際、議員がおっしゃったように、将来の目標が見えないとなかなか計画も立てられない。目標としては、5年後ないし6年後、7年半後になるか、そのぐらいの適切な時期に、市が投資した金額の半分ぐらいで払い下げることが適切だろうと考えております。その時分のことを、その時代のことを、例えばこれからできる復興住宅の5年先のことは、とてもじゃないですけれどもお約束できる立場にありませんので、ですから、ことし中にある程度その方向性を決めて皆さんのご了解をいただいた上で、国のほうが歩み寄ってくれないときは相馬市が負担する。若干の負担を伴っても、私は、相馬市がこれからずっと管理していく苦労、あるいは被災者の方々の生きがいということを考えたら、多少の金員を払っても、これは被災者の皆さんの自立に資するような、そのような方針を決定すべきと思っております。したがいまして、私の任期のうちにそのことについてはご提案を申し上げたい、そのようなことで、ことし中にということで答弁をさせていただいたというわけであります。 ○議長(佐藤満君) 1番、門馬優子君。 ◆1番(門馬優子君) それでは、次の質問に入ります。 仮設住宅のエアコンの譲渡の件ですが、これは被災者のために一日も早く方針を決定していただくように、より一層県のほうに要望をお願いいたしまして、次に質問に移りたいと思います。 新しい相馬のまちづくりについて再質問したいと思っているのですが、本市の新しい観光資源として、4つの観光コースや和風づくりの行政ゾーンをいち早く活用するためにも、その核となる千客万来館の一日も早い完成が必要なのではないかと、私は答弁を聞き思ったのですが、それが相馬市の観光を進める上で重要であると思います。そこで、千客万来館の現在のスケジュールについてお伺いいたします。 ○議長(佐藤満君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 現在のスケジュールというのは、あした根岸議員の質問に答えようと思っていたことなのですけれども、基本的には今年度中に着工したいということです。 今年度中に着工したいということと、それともう一つ、これはごく数日間の、先週末の出来事なのですけれども、お城のお堀跡を避けてつくってもらわないと困るぞということを、県のほうからご指摘いただきました。しょっちゅう県と対立するわけにもいかないので、市民会館のときは市民からアンケートをとって、アンケートに基づいて重要なところだけは残して、重要でないところはある程度目をつぶろうという判断をしたのですが、今回も、お堀の跡に旧図書館が建っているのですね。同じところに建ててはだめなのかと言ったのですが、だめだというのですよ。今まで建っていたのは、それはしようがない。後からまた同じところに建ててもだめだというのですね。あんまりけんかしてもしようがないですから、この辺はある程度県の言うことも聞いて、文化財課の言うことも聞いてやらないといかんかなと思っております。 しかし、そうしますと、今のコミュニティセンターにかかってくるのです。そうしますと、今度はコミュニティセンターも新しく、つまり公民館も新しく建てるということを、同じくやらないといけなくなってしまいます。 そういうことを考えて、このことについては議会の皆さんに今の状況を情報公開をした上で、条件としてどういうことが可能か、つまり今年度中に千客万来館を着工しないといけない。そういう約束で千客万来館の予算をいただいたわけです。ですから、じっくり吟味をする時間があればよかったのかもしれませんけれども、今そういう状況ではありませんので、何とかそういうことで、えいやとやってきたところあります。しかしながら、そのあとの中央公民館、あるいはその需要について、あるいは工事しているときどうやって、今までの利用者の方々をどうするのかということも、いろいろなことを考えながら、議会の皆さんには全員協議会をもってちょっとご相談させていただきたいなと思っております。 千客万来館については3月中に、今年度中に、2月でもいいのですけれども、今年度中に着工したいと、何としても着工したい。でないと、予算が吹っ飛ぶ可能性がありますので、そのようにしたいと、スケジュールとしてはそういうことです。鋭意、設計等、あるいは設計の前に今の建物を壊す設計もしないといけないですね。いろいろと手続がありますし、作業もございますし、そのようなことに鋭意取りかかっていく必要があるだろうと思っています。 ○議長(佐藤満君) 次に、14番、荒秀一君。         (14番 荒 秀一君 登壇) ◆14番(荒秀一君) 14番、そうま維新の荒でございます。 今回は、通告させていただきましたが、愛育園の件一本に絞りまして、課題と将来ということでお尋ねするものであります。 なぜ愛育園かということでございますが、ご存じのとおり、まず震災以降多くの犠牲者がございましたが、その中でも子供に対して、児童・生徒に対してのいろいろな施策、義援金も含めまして、そういう大きなうねりがあったのも実際でございます。そこで、この時代、同時に児童虐待という、また時代の流れの中で、子供たちの状況も注視されている今日において、震災における多くの子供たちのこともさることながら、家庭において恵まれない、児童虐待等で苦しんでいる子供たちが収容される児童養護施設である相馬市立の愛育園の現況と将来についてお尋ねすることが、きわめて肝要かなと思いまして、課題として挙げさせていただきました。 相馬市は、相馬市立としての愛育園を立ち上げてから、この歴史は大変古いものがございます。ひもといてみますと、二宮尊徳先生のご子息、お孫さんも園長という時代もあったようであり、そのころにおいては薫陶園、戦前においては徳富蘇峰、今、テレビにも出ています新島襄の弟子でありますが、彼なども篤志家の一人として薫陶園を建設し、多くの篤志家がその子供たちのために、特に以前は教護施設という位置づけもあったようでありますが、以前は県立であった、そして相馬市が、その後市立として、伝統あるものに今日まで守ってきたものであります。 しかし、その維持においても、県内の児童養護施設の状況は大きく変化し、県内には8つの児童養護施設がございますが、その中で唯一市立、相馬市立というもので、相馬市立愛育園がございます。ほかはほとんどが、異なる社会福祉法人が経営されております。そういうことを考えますと、相馬市は、極めて大きな責任を歴史の中においても果たしてまいりましたし、また現時点においてもその役割は極めて大きいものがございます。 その一方でまた、前もこの議会の中でも議論されましたが、国県要望事項の中に愛育園を相馬市立から県立へと、強い要望事項が今までもずっと挙げられております。議会の中でも、市のいろいろな動きを議論させていただいたところでございますが、なかなか国県要望も認められなくて、相馬市立であるのだという認識の中で今までまいりました。しかし、今こそ私は、大きく見直して新たな判断をして、政治的な決断をして、子供たちの児童養護施設の将来への、愛育園としての考え方をまとめる時期が来ていると私は思います。 先日も、私の大変親しい男性でありましたが、愛育園において臨時職員として一生懸命働いている姿を見ました。彼は大変有能な、子供を愛する立場でありましたが、先日会いまして、そうしたらもうやめたと。どうしてかと聞いたら、あれほどこの町を愛して、職場を愛している本人がなぜやめたのだと聞いたら、臨時職員の身分では私の家族を養っていけないということでやめたということを聞いて驚きました。 各議員もご存じでありましょうが、大変多くの職員が入れかわり立ちかわり、正職員が少ない中、臨時職員で昼夜の勤務を、子供たちを守っている現況であります。そのことを考えれば、相馬市としてのその政策的な決断を、現状を認識しながら、子供たちのためにその責務を果たすべきものであろうことは明白であります。 そこで、市として認識している市立愛育園の運営の現状と課題について、まずお尋ねいたします。 次に、福島県との協議の進捗状況についてお尋ねいたします。 これは国県要望事項にも、相馬が望むものとして県と調整している中身であると思います。どのような進捗の状況があるのか、県の答えはどうなっているのか、そして相馬はどのような調整をして、そしてこの先、どのような決断をできるような状況にあるのか、その進捗状況をお尋ねするものであります。 この時代を見ると、なお一層、児童養護施設のニーズと重要性は増大していると私は思います。多くの里親を募集している、多くの子供たちの親を、愛情を求めているというが今の時代であろうと私は強く信じます。 3番目に、最後でございますが、将来に対する相馬市の考え方についてお尋ねいたします。 確かに、県との協議内容によって全て影響されるものであるでしょう。相馬市が、もし県立移管がスムーズに進むとするならば、また新たな展開の中で判断すべきものがあると思います。しかし、もし、今までもそうでありましたが、足踏みをするような状況であれば、ここはそのような大事な政策に、市長として、市として明確な判断をして、今までのような状況でなく、子供たちのために、愛育園の将来のために、判断を今こそすべきではないだろうかと私は思うものであります。今までは、そういう県との調整の中で、要望事項においても難しさがありまして、どうしても先送りの状況であったのは否めません。今こそ市長が英断を示して、この時代、子供たち、恵まれない児童・生徒たちのために、親の愛情、家庭の愛情を注ぐような施策をしっかりと講ずるべきではないかと、そのときにまさしく来ていると私は強く信じるものでございます。相馬市として、市長としての考えをお尋ねいたします。 以上で、壇上よりの質問を終了させていただきます。 ○議長(佐藤満君) 市長。         (市長 立谷秀清君 登壇) ◎市長(立谷秀清君) 用意していた答弁書の答弁をする前に、ちょっと今までのことを再度申し上げたいと思うのですが、私が市長に就任した12年前、2つの大きなテーマがあったのです。1つは相馬養護学校、もう1つは愛育園です。 相馬養護学校については、入学者が広域にわたるため、相馬市の子供が半分以下である。したがって、相馬市立として相馬市がその運営に全責任を負うのは、これはもう限界があるのではないか。 それからもう1つ、相馬愛育園です。愛育園については、入所者に相馬の子供がほとんどいないのです。愛育園ができたとき、薫陶園としてできたときは、相馬の有志の方々、今お話しになったような高名なよその方もいらっしゃいますけれども、ほとんど相馬の有志の方々が、相馬の恵まれない子供たちのために浄財を出し合うという大変崇高な精神で始まったのですが、現在の愛育園には相馬の子供はほとんどいないのです。これは、県全体で子供たちをどこに入居させるかということを県が措置しますから、親元を離すというのが原則ですから、相馬の愛育園には相馬の子供がいない。加えて、市立で運用しているのは相馬市だけである。だから、これは県立移管が適切ではないかということで、相馬養護学校並びに愛育園の県立移管を県のほうに要望してきたのです。 ところが、その当時の、これは具体的に言いますと副知事の川手さんでした。一気に来られても困るから、1つずつやってほしい。したがって、優先順位として養護学校のほうがこれは先だろうと、入学者もふえてまいりましたから。それでご案内のように、数年前にこれは県立移管したわけです。その後、愛育園についても、相馬市としては、相馬の子供たちをお預かりしているのであれば、それは相馬市民からカンパを集めても何しても、これは相馬の子供たち、恵まれない子供たちのために、しっかりした対応をしなくてはいけない。しかしながら、相馬の子供たちをお預かりしていない。残りの7つの児童養護施設は、これは市立の施設ではないということを考えたときに、やはり行財政改革の点から、あるいはこの職員の負担ということも踏まえて、県のほうに要請をしてきたということです。その当時、河内議長のときでしたから、県に要望するに当たっては、河内議長中心に議会の皆さんともお話をさせていただいて、こういう状況ですよと、だとしたら、これは県立あるいは県主導でやるのが正しい考えではないかということで、当時の議会とも調整の上、県立移管を要請したということです。 前回の議会だったと思いますが、5番の新妻議員からこれからのランニングコストについてどうなのという、そのような質問いただきましたね。ですから、愛育園もほとんどは、これは措置費で来ていますけれども、建物が壊れればこれは相馬市で直さなければいけないし、例えば愛育園の子供さんが脱走したりすることあるのです。地元の消防団員が一生懸命探します。そのようなやっぱり市に対する負担を考えたときに、やはり県立移管を要望するというみんなの判断は、私は適切だったと思いますし、そのことを踏まえてのご質問と理解して聞いておりましたので、その認識の延長上で答弁をさせていただきます。 相馬愛育園は、昭和32年、相馬市内の親のいない子供や、ひとり親で経済的に子供を育てられない家庭の子供を擁護するという、報徳の教えを理念とした助け合いの精神から開設された相馬市立の児童養護施設です。 現在の相馬愛育園の職員数は20名で、その内訳は、園長と事務担当職員が正職員2名、児童養育担当職員が正職員5名と嘱託職員7名の計12名、栄養士と調理担当職員、食品放射能測定職員が正職員2名と臨時職員4名の計6名となっております。 また、現在の入所者数は、小学生11名、中学生8名、高校生1名の計20名となっております。 市といたしましては、県内の8カ所の児童養護施設のうち、市が直接運営している施設は相馬愛育園だけであること、相馬愛育園に入所している児童のほとんどが市外の児童であること、相馬愛育園の運営は、他の7カ所の施設と同様に、県もしくは社会福祉法人が行うべきであると捉えており、相馬愛育園の運営移管が大きな課題と認識いたしております。 次に、県移管の協議経過についてお答えいたします。 市は、相馬愛育園の県への運営移管について、平成17年度からこれまでの間、相馬地方市町村会による国県要望事項として要望しているほか、平成22年5月開催の福島県相双地方連絡会議において、県知事に対して相馬愛育園の県移管を強く要望しております。 また、平成23年3月の震災直後には、原発事故に対応するため、園児の措置がえを県に要請し、さらに同年5月には、震災対策業務に従事する者の宿泊場所として活用するなどのために、園児の措置がえを県に要請しましたが、県からは園児を措置がえしない旨の回答でありました。このときの回答は、原発対応でそれどころではないという、そのような回答を文書でいただいております。 さらに市は、平成24年7月及び11月に、相双保健福祉事務所長に対し県への移管を要請し、平成25年1月には、県の児童家庭課長に対して県への移管を改めて要請しましたが、県は震災対応で繁忙であることもあり、具体的な協議が進んでいない状況となっております。 次に、将来の愛育園のあり方に対する市の考え方についてお答えいたします。 市は、相馬愛育園の運営については、県内の他の児童養護施設同様に、県もしくは社会福祉法人が運営すべきものと考えておりますが、県移管についての協議が進んでいない状況から、今後も県移管に向けた要望活動等を継続するとともに、将来の愛育園のあり方について市民による検討委員会を設置し、市の事業として相馬愛育園を運営することが適切かどうか、改めて検討していくべきものと考えております。 先ほど議員の冒頭の演説の中にありました、愛育園の臨時職員では生活がもたないからおやめになりたいと、そのような方がいらっしゃるかもしれませんけれども、現在、県移管を要請している相馬市の立場で、積極的に正職員を雇用するということについては、私は自己矛盾に陥るのではないかと思っておりますので、方針転換がなされない限り、これは現在の方針でいくべきではないかと、そのように考えております。 ○議長(佐藤満君) 14番、荒秀一君。 ◆14番(荒秀一君) それでは、再質問いたします。 大変な現況また厳しい県とのやりとりの報告がありまして、大変厳しいなというところが正直なところでございます。 そこで1点、まず、愛育園の運営の現状と課題ということでお伺いしますが、確かに愛育園には相馬の子供たちは少ないということで私も理解していますが、そこでお尋ねします。児童養護施設のほうで、相馬出身の園児を、ほかで預かっていただいているケースがあると思うのです。そういう配分もしていると思いますが、その数字をお尋ねいたします。 ○議長(佐藤満君) 保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(星光君) 14番、荒秀一議員の再質問にお答えいたします。 児童養護施設の入所状況、相馬市の子供の入所状況でございますが、児童養護施設には、福島愛育園に3名、アイリス学園という福島にございます児童養護施設に1名、堀川愛生園という棚倉町にある児童養護施設に1名、合計、相馬市外の児童養護施設には5名の方が入所しております。 なお、相馬愛育園には1名の方が入所しており、今現在、相馬市の子供で児童養護施設に入所している方は、合計6名というふうなことになっております。 以上であります。 ○議長(佐藤満君) 14番、荒秀一君。 ◆14番(荒秀一君) ただいまは、部長から数字をいただきました。これをどう判断するかだと私も思います。ですからここで、私はこうすべきだという早急な結論は出せないのもわかるわけでありますが、やはり相馬市立でやっている中で、県立移管を要望しながら、それがなかなか前に進まないと。だとしたら、先ほどのお話の中で、職員体制も充実できないのも実際だということにおいては、これは理解いたしますし、むしろ理解せざるを得ないと言ったほうがいいと思います。 ただ、今の部長の数字の中で、相馬の愛育園には相馬の子は1人しかいませんが、ほかに5名お世話になっているということを考えれば、これはやはり発想をしっかり持って、自分たちはそれこそお互いさまの中で、その愛育園の運営をいかに充実するかではないかなと思うところがございますが、将来の方向性を考える上で、今の数字、極めて大事かなと思いますが、市長のお考えをお尋ねいたします。 ○議長(佐藤満君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 議員の今のニュアンスですと、これはやっぱり相馬市として、責任を持って運営すべきでないかということですね。 これは、相馬市は責任を持つべきではないというのが、河内議長のときでしたけれども、これを県に要望するときの議会の皆さんとのお話し合いでした。その方向性に従って、相馬市だけが、例えば福島市は一切運営にかかわっていません。須賀川市もかかわっていない。相馬市だけがかかわっているということに対して、それほど余裕がないのに、これは相馬市がその任を負うというのは不適切ではないかということでした。震災で被災しましたから、被災してもう大変なときに、これ以上相馬市として、市立の形で進めるのは困難だということで、県のほうに何度か要望書を出しましたけれども、県は忙しいからそれどころではないということだったのですね。 今の議員の発言は、そんなことを言っても、相馬市の子供もよそに世話になっているのだから相馬市が責任を持ってやるべきではないかというようなことと理解してよろしいですね。そういうことで、私に問うているということでよろしいのですか。         (「私は違う」と呼ぶ者あり) ◎市長(立谷秀清君) 違うのですね。         (「はい」と呼ぶ者あり) ◎市長(立谷秀清君) 最初に決めたのと同じような方向で、私はやっぱり現段階で、これはやっぱり相馬市がこのままこの仕事を負担するというのはなじまないと思っています。場所を提供する、あるいは建物を提供する、それはいいかと思いますが、相馬市の行政体制の中でこの負担をする、措置費で相当来ますけれども、やっぱり修繕ですとか、あるいは経費の一部はどうしても相馬市が負担せざるを得ないということを考えたときに、行財財政改革の精神から言ったら、これはやっぱり相馬市だけが、言ったら悪いですけれども、不平等を背負っているような形になりますから、これは適切ではないのではないかというのが個人的な感想でありますし、皆さんとの合意だったというふうに理解しながら、県のほうにいろいろ申し上げてきた。 今後については、これは私が現段階で申し上げるべきことではないのですが、いずれ市民の皆さんと愛育園のあり方協議会みたいなものをつくって、そういう中でどうするか結論を出すべき問題ではないかと思いますが、一応、相馬市の方向性として決めてきたとおりに、震災以降も行革の精神から、いろいろその方向で活動してきたということであります。 ○議長(佐藤満君) 14番、荒秀一君。 ◆14番(荒秀一君) ただいまは、それこそ市長の認識、また市長が私のほうに確認のご発言もありましたが、やはり議論としては、基本的に相馬市が全部しょえというものではないわけであります。ただ、この状況を先送りすることは、これは好ましくないのじゃないかということを申し上げているわけでありまして、そこら辺は議会も、もちろん私も、これはご協力申し上げることは全くそのとおりでありますので、ぜひとも市長の、それこそ指導力、政治力を、お願いしたいと思いますし、また、私が特に今回こういうテーマを挙げさせていただいたのは、確かに県の都合もわかります。私も、また私たちの議会の気持ちもよくわかりますよ。ただ、実際、生きている私たちの子供たちがいるということを考えれば、誰の責任ではないのです。みんなやろうとすることが一番大事であって、それを引っ張っていくのがいわゆる子供たちの親である市長だと私は思います。ですから、私はあえてこういうことを申し上げておりますし、現場で働いている人たちも疲労こんぱいしているというのが私の認識でありまして、ほかから聞く声は全くそう理解していいのじゃないかと思います。 したがいまして、これはいろいろな経緯があった中で、ほとんどのところは共有しているところがございますが、誰を責めるとかそういうことではなくて、協議会をしっかり立ち上げるのであれば、ぜひともその辺を進めていただきたいと思いますし、一歩、進めましょうよ。私はそう思いますし、その辺の、市長のお考えをお尋ねいたします。 ○議長(佐藤満君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 私の今回の任期の中で、どうこう判断できることではないので、将来的な問題だと思います。 しかしながら、愛育園は、あと数年後に大規模改修が必要になると思います。老朽化という事実もありますから、いずれは、それは数年先か10年先かわかりませんけれども、いずれは大規模改修もしくは改築が必要になります。 議員のおっしゃることは、どうしても私には、相馬市立としてきちんとして責任を持ってやりなさいと言っているふうにしか聞こえないのですが、県のほうはこんなことも言っているのです。そんなにお嫌だったら、おやめになったらいかがですかということも言っています。撤退なさったっていいですよと、よそに措置するだけの話ですから、撤退なさるという方法もあるのですよということも県が言っている。 となると、いっそのことやめてしまうか、あるいは、受け取ってくれるところがなければ、相馬市立として今後の改築も含めて、職員もしっかり採用して、しっかり経営していくか。一番は改築の費用でしょう。そういうことを考えたときに、私は、県移管もしくは県の紹介する社会福祉法人等が一番無難だろうと思っていたのですが、この2つの選択肢の中のどちらかを選択しないといけないですね。早くしろということであれば、それは市民の代表者からなるあり方協議会みたいなものをつくって、結論を出していくべきだろうと思います。そこまで、それは誰が市長になろうとも、そのときの市長であろうとも、市長がひとりでばさっと判断すべきものではないですね。今までの歴史もありますから。 ですから、多くの方々の意見を集約して、結論を出さざるを得ないことだろうと思いますし、相馬市立として続けるのであれば、相当な財政負担を覚悟しながらやらなくてはならないことです。そこのところも、重々今後の検討課題になっていくのだろうと思いますが、今のところは、震災の後、特に県のほうに何とかしてくれということをずっと要望してまいりましたし、公益的な施設ですから、運営は県が措置して相馬市外の子供をお預かりするわけですから、その子供が脱走したからといって、相馬市の消防団が血眼になって探すみたいなことは、私はあまり適切でないと思っていますので、その辺の事例も含めて協議が必要だろうと思っています。 ○議長(佐藤満君) ここで、13時まで喫飯休憩をいたします。                              (午後0時04分)--------------------------------------- ○議長(佐藤満君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                              (午後1時00分)--------------------------------------- ○議長(佐藤満君) 日程第4の議事を継続いたします。 次に4番、鈴木一弘君の質問を許可します。 4番、鈴木一弘君。         (4番 鈴木一弘君 登壇) ◆4番(鈴木一弘君) 議席番号4番、会派未来そうまの鈴木一弘であります。 震災より2年半が経過しようとしている今、被災地の復興事業のモデルケースとなるような各事業が完成を見る状況に、ほんの少しではありますが安堵する機会がふえたような気がします。関係各位の努力に対し、改めて敬意を表するところでございます。 そんな中、沿岸部におきましては港湾施設の一部の機能回復はあるものの、本来の姿にはほど遠い状況にあります。中でも、震災以前は豊かな漁場として知られていた相馬沖と松川浦ですが、今もなお続く放射性物質による海洋汚染と風評被害のために厳しい状況が続いています。相馬沖では、試験操業の結果、安全が確認されたミズダコなどの一部の魚介類の出荷があるものの、残念ながら本格操業にはほど遠いのが現状です。本地域の人々は、これまでも豊かな自然の恵みを受ける一方で、時には過酷な自然の猛威に直面をし、自然とともに生きていくための知恵や技術を育み独自の文化を形成してきました。復興に当たっては、やはり地域ならではの資源である自然とともに生きるという考え方が大事と考えます。 しかしながら、本来のすばらしい自然がある環境に人が集まる状況とはまだまだほど遠いものとなっています。このままでは地域の人たちの心がなえてしまいそうです。 そこで、本市の新たな交流人口増加に向けた地域資源の創出について伺います。 1点目として、環境省が提唱するグリーン復興プロジェクトの一つであるみちのく潮風トレイルについての今後の取り組みについて伺います。この、みちのく潮風トレイルは、地域の自然環境や暮らし、震災の爪跡、利用者と地域の人々などをさまざまに結ぶ道として、青森県八戸市蕪島から福島県相馬市松川浦までを対象に設定する長距離自然歩道であります。本トレイルは、東北太平洋沿岸を歩くスピードで旅することで、車の旅では見られない風景、歴史、文化などの奥深さを知り、これらを体験する機会を提供するものでもあり、今後は地域との協働により沿岸被災地を結ぶ歩道を設定することや、さまざまな地域の自然の恵みや自然の脅威への理解、促進、また新しい観光スタイルの提唱及び観光振興への貢献等を目指して設置されることが考えられます。 さらに、本トレイルは本線と枝線により構成されるものであり、枝線に関しましては本線からその周辺に存在する興味地点等に到達するための道が考えられます。また、コース完成後はさまざまな世代や地域の方々が本トレイルを利活用しながら地元の住民と交流することにより、震災から得られた教訓が広く後世に受け継がれていくことも期待できます。 以上のことからも、南の玄関口である本市の松川浦環境公園を中心とした周辺環境の整備促進について、また、枝線として本市の歴史的文化などの魅力を体験するコース設定に向けた関係各団体との勉強会の開催、地元トレイルガイドの育成等において環境省と連携をとりつつも、独自の施策を積極的に取り組むべきと考えます。所見を伺います。 次に、復興エコツーリズム推進モデル事業に対する取り組みについて伺います。 震災から2年半が経過しようとしている今、松川浦に生息する底生生物、鳥類、海藻類などはおおむね回復傾向にあることが調査により明らかになっています。震災により変化しながらも、確実な生物多様性の回復を見ている環境をどのように維持し、さらには産業や暮らしの復興と生物多様性の保全を両立し、いかにして相乗効果として結びつけるかが課題と考えたときに、地域の自然環境や歴史、文化の保全に責任を持つ観光を目的とする復興エコツーリズム推進事業は最高の取り組みと考えます。ことしの8月7日、8日には、生き返る松川浦の自然と暮らし応援ツアーと称したモニターツアーが開催され、大変好評であったと報告が入っています。このような状況を踏まえて、できるだけ早い時期にエコツアーの企画に携わることのできるエコツアーコーディネーターの育成、あるいは実際にガイドを担当するエコツアーガイドの育成、さらにはツアー客の受け入れ組織の体制整備及び専門家を招いた勉強会の開催、それに加え放射能に対する不安払拭に向けた検査体制の充実など、復興エコツーリズムにおいてもトレイル同様、環境省と連携をとりつつも独自の施策に積極的に取り組むべきと考えます。所見を伺います。 また、以上のグリーン復興プロジェクトに対しても、地域を挙げた推進のための機運の醸成策についても所見を伺います。 次に、2点目として、スポーツツーリズムへの取り組みについて伺います。 全国各地で、スポーツを観光振興に活用しようとするスポーツツーリズムに挑戦する動きが広まっています。スポーツツーリズムはスポーツを見る、するだけではなく、支える人たちとの交流という新しい形のツーリズムの変革も視野にあり、このことにより健康と環境を重視し、スポーツの普及とスポーツを通じた地域活性の効果が期待できます。 また、スポーツとツーリズムのさらなる融合によるビジネスの創出により、かなりの経済効果も期待できると考えます。そのような目的達成のために、本市においても関係各団体連携のもと、平成25年6月27日に相馬スポーツツーリズム推進協議会が設立されました。現在、本市においては光陽地区に最高のスポーツ資源を抱えており、今までばらばらだった運営を1つの組織にすることで地域活性の効果が考えられます。 そこで、スポーツツーリズムへの取り組みについて現段階の進捗状況について、さらには今後の計画について伺います。 次に、集団移転事業の今後のあり方について伺います。 本市においては、被災地復興のモデルケースになるような事業の完成を見ているところであり、災害公営住宅の完成、入居もその一つであります。一日でも早く恒久住宅へ移り住んでもらいたいとの思いから、本市の担当職員が休日や昼夜を問わず説明会や勉強会を開催して、本事業に対する理解、協力をお願いしている姿を多く目にしてまいりました。しかしながら、現実としては入居後にはさまざまな諸問題が発生しています。今後、相馬市が復興をなし遂げる上で最も基盤となる事業ですので、そのようなことはできるだけ少ないほうが望ましいと考えます。 そこで、各地区においてどのようなワークショップを開催したのか、そしてまたどのような形で意見が反映されたのか伺います。さらには、今後のワークショップのあり方について伺います。 以上で、私の壇上からの質問を終了いたします。 ○議長(佐藤満君) 市長。         (市長 立谷秀清君 登壇) ◎市長(立谷秀清君) 4番、鈴木一弘議員のワークショップの実績と効果についての質問にお答えします。 市は、現在整備を進めている住宅団地の区画決定を初めとして、住宅団地内の美化、清掃やペット飼育等のルールをつくるための話し合いの場であるワークショップ、すなわち勉強会を開催してまいりました。各団地での勉強会の開催回数は、明神前団地が入居までに6回、その他の団地は細田で4回、刈敷田、荒田、南ノ入、鷲山、狐穴でそれぞれ2回実施しております。 これまでに、細田団地の勉強会では、住宅タイプの希望調査の実施について数多くの意見があったことから、市はアンケート調査を行って入居者の希望に沿った住宅タイプを配置することといたしました。 また、明神前団地では、団地整備後に外の洗い場設置の要望があり、市は希望の有無を確認の上、今後設置することといたしております。 次に、今後のワークショップのあり方についてお答えいたします。 市は、これまでの勉強会の内容を踏まえ、参加者からの要望や新たな課題等が生じた場合にはアンケートを実施し、さらに勉強会を少人数グループによる意見交換の場にするなど、参加者の意見や要望を十分に把握し、その要望に対しては宅地面積の変更等、市の基本的な方針を変更することは難しいものの、可能な限り要望等に応えるよう努めてまいりたいと考えております。 また、既に災害公営住宅に入居された方の意見、要望について、市は災害公営住宅特別区を活用し、組長などを通して要望等を把握してまいりたいと考えております。 その他の質問は、担当部長に答弁いたさせます。 ○議長(佐藤満君) 民生部長。 ◎民生部長(吉田睦生君) 4番鈴木一弘議員の、みちのく潮風トレイル及び復興エコツーリズムについての質問にお答えいたします。 環境省は、自然環境と地域の暮らしや自然の恵みを学び活用しながら復興を目指す、グリーン復興プロジェクトの一環として、みちのく潮風トレイル及び復興エコツーリズムなどの7事業を推進しており、松川浦地区が復興エコツーリズムのモデル事業を実施する5地域のうちの一つとして選定されました。 去る8月7日、8日には、参加者18名による松川浦地区でのモニターツアーが実施され、地元の旅館組合の組合員などが現地ガイドを務めて震災前後の松川浦の状況を説明したほか、参加者は干潟の観察会やナイトフィッシュキャッチを体験したところであります。 市といたしましては、松川浦環境公園を含め松川浦全体がみちのく潮風トレイル及び復興エコツーリズムの対象として、多くの人々に知れ渡り交流人口が増加することは、地域の振興につながるものと考えており、今後、国及び県が松川浦周辺において環境整備する際には、市は関係団体と連携の上、協力してまいりたいと考えております。 また、地元の皆様が自主的に復興エコツーリズムを継続して実施する場合には、人材の育成のための支援も検討してまいりたいと考えております。 以上であります。 ○議長(佐藤満君) 産業部長。 ◎産業部長(吉野光一君) 4番、鈴木一弘議員の、スポーツツーリズムへの取り組みについての質問にお答えいたします。 相馬市商工会議所及び相馬市観光協会は、6月27日、スポーツ団体や旅館組合など25団体による相馬スポーツツーリズム推進協議会を設立したところであります。 市といたしましては、光陽地区のサッカー場、パークゴルフ場、ソフトボール場の3つのスポーツ施設を活用した交流人口の拡大により、本市の観光産業の振興を図るために光陽地区のスポーツNPOや相馬市観光協会との連携のもと、スポーツ交流などのイベントの企画、広報宣伝等の情報発信、宿泊施設との調整、他の観光資源の活用などを千客万来館を拠点として取り組む計画であり、今後、相馬市スポーツツーリズム推進協議会には市からの補助金を活用して、その目的達成のために活動していただく予定であります。 以上です。 ○議長(佐藤満君) 4番、鈴木一弘君。
    ◆4番(鈴木一弘君) それでは、みちのくトレイルについて、まず再質問させていただきます。 相馬が南の玄関口に指定をされたわけなのですが、北のいわゆる玄関口というのが八戸市であります。それで、八戸市においては市を挙げて取り組んでおるようでございます。しかも、電動アシスト付の自転車を貸したり、そういったことを積極的にやっておりますので、市としてもこの事業がもっと市民に知れ渡るような施策として具体的な例をちょっと挙げていただきたいなと思うのですが、いかがでしょうか。 ○議長(佐藤満君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 八戸市の話ですけれども、八戸市と相馬市の置かれている環境がちょっと違うのです。八戸市の場合は、今回、国立公園に加入するという大きなテーマがございまして、このみちのくトレイルとまた別に、三陸全体の国立公園あるいは国定公園、そちらの活動としてそういうことが始まったわけです。これは先行事例ということになるからということで、小林市長からもいろいろ話を聞いているのですが、若干相馬市とのスタンスの違い、立ち位置の違いというのはあります。 一方、相馬市はこの被災地の復興という立場でこのことに取り組むことになるわけです。それで、環境省のこの事業につきましては、私のほうから松川浦の環境公園を終点にしてくださいということをお願いした経過がございました。そういうことが糸口にならないかということで考えたわけでございます。今後、このみちのくトレイルのこのプロジェクトについて、八戸から相馬まで歩くということは、この前、遠藤君ですね、あの青年が歩きましたけれども現実的ではないので、それぞれの地域の持っている特性、自然の財産であるとかそういうものを歩きながら、実感しながら体得していきましょうというのがこの趣旨でありますから、そういった意味ではコースの設定あるいはその周辺に何があるのか等について、いろいろと検証しながらこの事業に取り組んでいく必要があると思います。すなわち、歩きながら実際の何を体感できるか、そこで体感できるすばらしいものは何なのかということで、松川浦の復興と同時にこの事業が成長していってくれないかというふうに思っています。 また、この事業による観光客の誘客とか、そういうことを今、直接考える戦略をぶつような状況でもないと思っていますし、そのためには人材の育成がまた必要です。ご発言の中でございましたけれども、コーディネーターの育成とかあるいはボランティアで案内してくださる方とか、現在そういう可能性も含めて環境公園を管理しているNPOのほうにいろいろご相談を申し上げているところでありますし、そちらのほうでもいろいろ検討してくださっているというふうに認識しております。 復興と同時に、このようなことで新たな探索コースができるとか、新たなご案内をできるような、そういう何らかの形ができるようにということも踏まえて、環境省と相談しながら今後進めてまいりたいと考えております。 ○議長(佐藤満君) 4番、鈴木一弘君。 ◆4番(鈴木一弘君) 今、市長答弁にあったトレイルの件については、確かに八戸市と相馬市の置かれている環境が違うのだなということはわかって、了解するところであります。 次に、同じリンクすることになるのですがエコツーリズムにおいても、やはり現在、松川浦がそういった生物の回復傾向が見られるということで、実際もうモニターツアーが始まっているわけであります。さっき言ったように、ガイドも含めてコーディネーターも含めてそうなのですが、地元でそういった機運があるということ自体、知らない方がたくさんいらっしゃいますので、干潟の維持、そういったものも含めてもっとあそこの環境整備に関して底上げをしていただきたいなと思うのですが、その件に関してご所見伺います。 ○議長(佐藤満君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 今、環境整備についての底上げというお話しございましたけれども、これを具体化するというのはなかなか議論のいるところでありまして、環境省ともいろいろ相談をしてまいりたいと思いますし、先週も私は、環境省でいろいろ話をしてまいりましたけれども、松川浦もそうですし、あるいは相馬市全体もそうですし、被災地全体も環境省がいろいろ注目しているところがございますから、我々だけの知恵ではなくて、いろいろなところの知恵を経ながらこの松川浦の自然ということに対してどういうスタンスで臨んでいくのか、そういうことも踏まえながらいろいろと検討してまいりたいと思っております。 ○議長(佐藤満君) 4番、鈴木一弘君。 ◆4番(鈴木一弘君) では、この環境省の取り組みについては市長のほうで環境省に行って一生懸命お願いをしているということで、さらに今、一生懸命頑張っていただきたいと思います。 次、スポーツツーリズムについて再質問いたします。 スポーツというのは、人と人、先輩だったり後輩だったり、人のつながりというのが非常に大事なのではないかなと思っているところであります。その人脈と信頼性により、継続するところが大きい事業でありますので、単発ではなくどうかまとまってスポーツツーリズムに取り組んでいただきたいと思うのですが、そういった中で千客万来館ができるということもあるのですが、今6月27日に、私は野球協会のほうで参加をさせていただいたのですが、その後にもっとみんな、そのときはスポーツツーリズムに何か参加してやるぞという高揚感があったのですが、約2カ月過ぎてしまった今となってはちょっとその関係各団体のモチベーションが下がっているというようなこともありますので、今後早期にそういったものの、先ほど200万円ですか、予算をとってそれを利活用するというような答弁もあったのですが、行政側のサポートとしてどんなことが最大として考えられるか、所見を伺います。 ○議長(佐藤満君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 相馬スポーツツーリズム推進協議会の活動については、これは補助金を出すことも決めておりますし、しっかりやっていただきたいと思うのですが、ただ推進理念は規約に書いてあるとおりなのですが、どうもちょっとそのために過大な設備投資というか社会資本の整備をするような誤解を与えるようなところがありましたので、市の立場であのときは、このようなことにはなりませんよということを申し上げてきたのですが、もう一方、サッカー場ができて、あるいはソフトボール場も若干手入れをいたします。それからパークゴルフ場については、これは震災が終わっていずれ千葉県あたりからたくさん、震災というか放射能の風評被害も薄れてくればたくさんの方がおいでになると思うのですが、そうしますと集客能力というか人を集める能力ではこの3つの施設、パークゴルフ、サッカー、ソフトボールが相当な力を発揮することになると思うのです。それは、当市の観光産業に当然反映されなくてはいけませんから、具体的にはスポーツツーリズムとしてはこの3つの施設を中心とした集客ということで考えておりました。 ですから、この3NPOが集まって協議会のようなものをつくってほしいということは、市のほうからそれぞれの管理しているNPOに要望してきたところでございますが、このスポーツツーリズム協議会は全部入っているわけです。ですから、スポーツツーリズムというためには、こちらにきて泊まって観光にならないといけないので、ちょっと考え方のずれが生じているのかなという気はしますけれども、ただスポーツツーリズムは全体として向き合っていくことも大切なことだし、お互い理解し合うことも大事なことですから、例えばサッカー愛好者の方々にもご理解をいただいて機会があれば入っていただくということも必要なことと思っておりますけれども、実態的に、実際にスポーツツーリズムとして人を呼び得る施策は何なのかということを中心としながら、現実的な立場でこの現在ある相馬のスポーツ施設の利活用についてもっと現実的に考えていく必要があろうかと思っておりますし、当然、旅館の皆さんなんかにも本気になって参加していただかなくてはいけないものと思っております。今後、協議を続けるべきものと考えております。 ○議長(佐藤満君) 4番、鈴木一弘君。 ◆4番(鈴木一弘君) では、スポーツツーリズムにおいては、宿泊をしていただくことが私どもの一番の理想でございますので、その関係団体と協議をしながら進めていただきたいと思います。 次に、集団移転の今後のあり方について伺います。 ワークショップ、明神前6回、細田4回、刈敷田2回等を開催をしているということなのですが、例えば明神前でいうと、エアコンの室外機の置き場にそれぞれ困って、リビングだと何となく正面にあればいいのですが、ほかの部屋のところは、家と家の間が近いので非常に気を使いながら設置をしなくてはいけないとか、そういった問題に苦慮している方もいらっしゃいますので、そういった面では、例えばああいうところであれば、勉強会を開いて今後エアコンの室外機の置く場所はここにしようね、なんていうことで逆に決めてもらうと、皆さんが歩く側に室外機を向けられたとかそういった気を使いながら住まなくてもいいような気がするのですが、そういったことに対しての配慮等も含めた勉強会をさらに開いていただきたいと思うのですが、所見を伺います。 ○議長(佐藤満君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 今、エアコンの問題出ましたけれども、そのエアコンの置き場所が狭いということについてはいろいろ経過がございまして、最初の段階での設計ではエアコンは備えつけということになっておりました。ただ公営住宅は、集合住宅はいいとしても、個別のエアコン設置はできないことになっております。したがって、エアコンの穴だけつけておいたということになるわけです。ご本人が負担していただくしかない。また、先ほど門馬優子議員の質問にございましたけれども、仮設住宅のエアコンは持っていけないのかというような話もございましたけれども、そのことが可能になるように、きょうせっかく質問いただきましたから、今までは口頭で言ってきたのに対してまだ決めていないという話だったのですけれども、もうちょっと厳しくというか、激しくというか、きちんとしたお話をさせていただかなくてはならないと思っています。 それで、このエアコンに限ったことではなのですが、細かいことはいろいろ出てくるのです。先ほど答弁で申し上げましたように、大枠は変えることはもうできないです。これは、例えば1戸当たりの面積が広ければそれは可能だったのですが、土地を買う苦労、あるいは地元の人々にも参加してもらって相当な努力をして土地を確保したのです。その苦労を考えたときに、大枠を変えることはもう既にできないわけで、この条件の中で工夫していくしかないと思うのです。それと、いろいろなことをおっしゃる方がいらっしゃいまして、全部の要望は聞けないですが、可能な範囲においてできるだけ実現したいと思っておりますし、それは勉強会を通してあるいは仮設住宅にいらっしゃる方には組長制度もありますから、いろいろなチャンネルを通してご要望を伺って、できる範囲で努力をしたいと思っております。 建物の、例えばトイレの配置ですとか玄関の配置ですとか階段の配置ですとか、そういうことについて若干の微細な変更はそれは可能な限りという範疇に入りますので、そのようなことについてはご要望にお応えしたいと思っておりますけれども、何でも聞けるというわけにはいきませんので、あるいはその居住者の方々の間でもいろいろあろうかと思うのです。ですが、狭いところに頑張ってつくっているわけですから、これは決して時間があって余裕があって住宅をつくっているわけではありませんので、そこら辺のところは居住者の方々にもそれぞれ譲り合っていただかなくてはならない部分もあろうかと思っております。 そのようなことも踏まえて、勉強会を開催する中でご要望をお聞きしながら鋭意努力をしてまいりたいと考えております。 ○議長(佐藤満君) 4番、鈴木一弘君。 ◆4番(鈴木一弘君) 今、市長の答弁で、可能な限りということがございましたので、たくさんいるとなかなか自分の意見を言えない方が多くいらっしゃいますので、少ないワークショップを数多く開いていくことを望んで終わりにしたいと思います。 ○議長(佐藤満君) 次に、8番、荒川五郎君。         (8番 荒川五郎君 登壇) ◆8番(荒川五郎君) 8番議員、荒川五郎であります。 おぞましい、まるで地獄絵のような大震災から2年と6カ月になります。今日までさまざまな困難を背負いながら、いまだに凛とした人生を送れている人、あるいは希望の光に陰りがある人、周囲に目を配れば百人百様であります。私たち人間は本当に強いのか、また弱い存在なのか、隔世の感があり判断に苦慮するところであります。凛とした人間を一人称的に表現するならば、いついかなるときも確たる希望や夢を持ち続けられることが条件のようであります。 1964年、アメリカの二大名演説といわれたマーティン・ルーサーキング牧師は、「I have a dream」、「私には夢がある。」、と語りました。キング牧師は公民権運動に命をかけ、黒人差別撤廃を目指した指導者でした。夢や希望を人生の道しるべとして、これらに命をかけられるとは何と美しく幸せな人生でしょうか。しかし、私たちの周囲には、あまねく確たる夢や希望を持ち、ポジティブ思考で生活している方ばかりではありません。光を失いつつある者には、寄り添い、支えるという行為が不可欠であり、このことこそ私たちの責務なのであります。言いかえるならば、彼らにこそ光を当て励ましが必要なのであります。 光を必要としているのは、むしろ被災された弱者であることを忘れてはなりません。光を当ててあげるべき人間が、光を受けスタンドプレーを演じているとしたらば、まさに本末転倒という言葉以外の日本語があるでしょうか。私たちは、言わずもがな市民の幸福追求を目標としている組織であります。 今や、古典的となった幸福について、私たちの思考回路の深層部から再度考えるもう一つの例として、哲学者三木清の「人生論ノート」があります。そこには「愛するもののために死んだ故に彼等は幸福であつたのではなく、反対に、彼等は幸福であつた故に愛するもののために死ぬる力を有したのである。」とあります。幸福の力は、自己犠牲をも凌駕すると三木は説いたのであります。価値観の相違と言って一蹴してしまえばそれまでであります。今日、私たちの社会のベクトルは、協働のまちづくりあるいは住民自治の方向にあることからも、幸福に満ちた市民の存在を社会は求めているとの思いから、私のささやかな思いやりの質問を通告しております。 まず、産業振興についてでありますが、今日までの立谷市政の具体的な農業政策とその評価を問うものであります。続いて、学卒を含め若年労働者の地元定着についてどのような認識を持っておられるのか伺うものであります。また、相馬市は第3セクターとしてリサイクルセンター、振興公社、公設市場などと経営参加しているわけでありますが、この関係を見直し、時代の要請に応えるべく新たな産業の創出を図るべきと考えますが、市長のご所見を伺うものであります。 次に、市有地及び施設の利活用に関連した質問を5つほど並べました。 まず、慌ただしく購入された菖蒲形でのメガソーラー事業の進捗状況について伺います。次に、エムセテックより返却、贈与されたと伺っておりますが、今田の土地の今後の活用計画についてお尋ねするものであります。3番目に、駅東地区に具体的な開発計画はあるのか触れさせていただきました。次に、JAそうまより譲られた西山の八幡米倉庫を相馬市では今日まで防災倉庫として利用しておりましたが、今後はどのように整備し利用されるのかお尋ねいたします。 最後の質問であります。北三の丸の土地は取得以来、活用計画等について公の場で議論した記憶はございません。この土地利用計画をお示しいただきたいと思います。 以上で演壇からの質問といたします。 ○議長(佐藤満君) 市長。         (市長 立谷秀清君 登壇) ◎市長(立谷秀清君) 8番、荒川五郎議員の、農業施策と評価についての質問にお答えいたします。 市は、本市の基幹作物である水稲について、国の生産調整に基づき農業施策に取り組んできたところであり、具体的には水稲にかかる育苗、田植え作業等の作業時間の大幅軽減や、資材等の生産コストの低減を図る目的での直播栽培の導入や、自然循環にやさしい農業及び高付加価値化を図るための低農薬栽培、有機栽培を促進し、さらに土づくりと化学農薬の低減に取り組むエコファーマーの拡大に努めてまいりました。 さらに市は、米の消費拡大として学校給食への米粉パンの導入、また転作田を活用した飼料作物を畜産農家へ供給する資源循環型経営の推進に取り組んでまいりました。震災後、市は東京農業大学の協力を得ながら、被災農地を再生する方法として、転炉スラグを活用した相馬市独自の水田復旧に取り組んでおります。 また市は、本市の特産品であるイチゴについて、観光イチゴとして誘客の拡大と販売促進に努めました。震災後は、新たな農業法人が水耕栽培を行うための大型ハウス及び水耕栽培施設を建設し、早期営農再開を支援してきたところであります。さらに、市は梨について消費者ニーズにマッチした商品づくりを目指し、フェロモン剤による害虫駆除を実施して低農薬化を図り、震災後は営農に必要な農業機械を法人化を目指す組織に無償貸与し営農再開の支援を行いました。 また、市は農業者の高齢化対策と後継者不足解消のため、担い手となる認定農業者の確保に努め、市認定農業者協議会の活動を支援するとともに、担い手への農地集積を推進し農家経営の安定に努めてまいりました。 しかしながら、東日本大震災の影響により、営農再開を断念する農家が多く見られたことから、市は新たな担い手としての農業法人の設立、育成を推進するとともに、作物の生産から加工、販売につなげる六次化産業化への取り組みなど、再生から未来へと向かうための農業施策を各種団体や研究施設の協力のもとで進めていくべきものと考えております。 なお、これまで私が市長として取り組んできた農業施策の評価については、これは第三者が評価すべきものと考えておりますので、私から言及をすることはご容赦願いたいと思います。 次に、若年労働者の地元定着についてお答えいたします。 市は、新規高校卒業者及び若年労働者が地元に定着するためには、雇用機会の創出が最も有効な施策であると考え、これまで企業誘致に全力を注いでまいりましたが、震災後は工業団地には応急仮設住宅等が建設されており分譲可能な土地が少ないため、企業誘致の活動は困難な状況となっておりますが、相馬市に移転を希望する企業がある場合には、市は各種補助金のあっせんやその利活用のために、国・県との調整を行ってまいりたいと考えております。 また、市は震災後も新規学卒者及び若年労働者への支援として、ハローワーク、相双地域雇用創造推進協議会と共同で、就職相談会、企業見学会を行っております。平成25年の相馬高校及び相馬東高校の新卒求職者の地元企業への就職状況は、全53名のうち地元企業等に就職した者は、約85%に当たる45名となっております。市といたしましては、現段階において復興に全力を傾注していることから、企業誘致の活動は難しいものの、産業の復旧・復興を推進することによりある程度の雇用は拡大するものと考えております。 次に、第3セクターを活用した新たな産業の創出についてのご質問にお答えします。 市と民間企業との共同出資による、いわゆる第3セクター方式で設立したリサイクルセンター、振興公社、公設市場につきましては、地域振興やごみのリサイクルなど、公共性や公益性を目的としていることから、今後とも市が関与し適正かつ健全な運営に努めていく必要があるものと考えております。第3セクターの見直し、統合のご提案をいただきましたが、第3セクターといえども相馬市以外の株主も多く有する民間会社であることから、相馬市主導による整理、統廃合を行うことは不可能であります。また、具体的な目標課題が明確でない中で、民間資本を募り新たな第3セクターを設立することは考えておりませんし、適切なことではないと思っております。 そのほかの質問は、担当部長に答弁いたさせます。 ○議長(佐藤満君) 産業部長。 ◎産業部長(吉野光一君) 8番、荒川五郎議員の、山上字菖蒲形のメガソーラーの進捗状況についての質問にお答えいたします。 市は、平成24年12月、山上字菖蒲形地内でメガソーラー事業を計画する、国際自然エネルギー推進株式会社と立地に関する基本協定を締結いたしました。現在、国際自然エネルギー推進株式会社は、現地調査や発電事業者の選定などメガソーラー事業の実施に向けて検討しているところであり、市といたしましては当面はこのような取り組み状況を見守っていきたいと考えております。 次に、今田の市有地の今後の活用についてお答えいたします。 市は、現時点において今田の市有地の具体的な利用計画を立てておりませんが、同地の土砂を震災の復旧・復興事業に使用することについて、現在、県と調整しているところであり、県は今年度中に土質調査を行う予定であります。なお、土砂を採取した後の土地利用については、市は現時点で具体的な検討はしておりません。 以上であります。 ○議長(佐藤満君) 企画政策部長。 ◎企画政策部長(橘川茂男君) 8番、荒川五郎議員の、駅東地区の開発計画についての質問にお答えいたします。 市は、駅東地区の土地区画整理事業の実施により確保した道路広場用地、さらに平成9年に国鉄清算事業団から取得した土地を活用し、相馬駅を中心に東西両地区が自由に往来できる通路などを計画したことがありましたが、工事費用と当時の財政状況を踏まえその計画は中止したところであります。現在、これら駅東地区の土地は、震災により運休しているJR常磐線の代替バスの待機所や仙台駅直行の高速バスの発着所、あるいはバス利用者の駐車場として活用されております。 市といたしましては、現時点において復旧・復興を優先に取り組まねばならないことから、駅東地区の新たな開発計画を策定する状況にはないものと考えております。 以上でございます。 ○議長(佐藤満君) 総務部長。 ◎総務部長(青田稔君) 8番、荒川五郎議員の、西山の防災倉庫の利活用についての質問にお答えいたします。 西山の防災倉庫は、昭和41年に相馬市農業協同組合が米倉庫として建設し、その後、米倉庫として使用しなくなったことから、市が平成8年に防災関係の資機材を備蓄する倉庫として活用するために取得したものであります。倉庫は南側と北側に2棟あり、それぞれ鉄骨石造平家建てで、南側の倉庫には水害等の際に使用する土のう袋や川砂を初めブルーシート、くい、テント、担架などの防災関係の資機材を備蓄し、北側の倉庫には、平成15年から市教育委員会の倉庫として、市内の遺跡等の発掘調査で出土した瓦やつぼなどの破片を初め、展示用パネル、民俗資料などを保管しております。 市は、完成した防災備蓄倉庫には、災害発生時の救援物資である水、食糧、毛布、簡易トイレなどを備蓄し、西山の防災倉庫には、災害時に使用する防災関係の資機材を備蓄することで、備蓄内容を区分しているところであります。 したがいまして、市といたしましては、西山の防災倉庫は屋根などが老朽化し雨漏り等があるものの、それらを修繕することで当分の間、現行どおりに使用してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(佐藤満君) 生涯学習部長。 ◎生涯学習部長(渡部卓君) 8番、荒川五郎議員の、北三の丸の土地の今後の利活用についての質問にお答えいたします。 市は、北三の丸を取得後、敷地内の除草、樹木の伐採、庭木の剪定等の作業を随時行いながら維持管理に努めており、取得した当時に比べ敷地内の環境は改善されてきております。 また、市が北三の丸を取得した目的の一つに、相馬野馬追での総大将出陣の際、三献の儀がとり行われる、本市にとって貴重な文化遺産を後世に残すということがありますが、ことしの相馬野馬追では総大将を努められました相馬陽胤公が北三の丸の屋敷からご出陣され、その目的が達せられているところであります。 市といたしましては、今後も敷地内の環境整備に努めながら史跡中村城跡保存管理計画に基づき、県と協議を行い市民が憩える場としての利活用を検討してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(佐藤満君) 8番、荒川五郎君。 ◆8番(荒川五郎君) それでは、再質問に入ります。 まず伺ったのは、市長の農業に対する具体的な政策について伺いました。るる答弁いただきましたが、大分詳しく答弁いただきました。それは、市長の具体的な政策ではなくて日本の農業政策をるる説明いただいたかなと、こういうふうに私感じております。 実は、市長が就任以来、農家は福祉医療だけではなく農業についても相当期待したところがあったのです。今ほとんどの農家の方は、もう諦めかげんなのです。ですからあえて言うと、私も市長がどういう農業政策だったっけなというふうに思って、一番の質問にさせていただいたのでした。 それはともかくとして、先ほどその政策とその後段にある評価、評価については私の質問が悪かったと思います。これは、検証とか分析に直したほうが市長が答えられるのかなと思いますので、まずここのところの検証とか分析という範疇だったらば、市長どのように答弁されるかもう一度伺いたいと思います。 ○議長(佐藤満君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 分析というか、自分なりにどう思っているかということですね、そういうことですね。 分析を自分でやるというのもまた難しい話かと思います。ですが、農業については基礎自治体のレベルで特別なことをできるものではない。TPPの問題もありますし、国の農業政策もありますし、そちらに相当左右されるものです。ですから、市長としてまず平常時であれば、国の方針あるいは国の補助事業等ありますけれども、そのようなものに従って、まず、よその地域と遜色のない農業支援をしっかりやっていくということが私は基本中の基本だと思っています。その上で、特色ある農業の誘導ということであれば、私が非常に意識してきたのは農業法人化ということでございました。しかしながら、これは集落営農から農業法人ということになるわけでありますけれども、このことについてはなかなか困難であったというのが実際のところであります。 そのほか震災前に取り組んできたこととすれば、やはり相馬市と土地改良区と一緒になって、圃場整備、田んぼの維持、そのようなことをやっておりますから、そこでその田んぼを減らすことがないようにということがやはり普通の農業、日本にとって平均的な農業を営んでいける、そのためには土地改良区の管理から何からいろいろあるわけですね、そういうことをよそと同じようにやれるということが私は一番のこと、そのほかに補助金等ありますから、例えばフェロモン農薬の補助金等がありましたけれども、そういうところでチャンスをしっかりと捉えることができるようにということが一番です。そのような方針でやってまいりました。特別なことができるような、そのような環境にあるとはとても思えないです。ですから、しっかりとしたことをしっかりとした足取りでやっていけるようにと、これが一番だと思います。 震災後については、これはやはり復旧です。復旧についても、これはいろいろな段階があります。例えば、瓦れきで相当破滅している田んぼもありますから、そういうところはほかの利活用も踏まえながら考えていかないといけません。可能なところは一つ一つ復旧する、そのためにいろいろな知恵を凝らしながらやってきたということでありますが、議員が先ほどおっしゃったように、どういう夢を持つのだということですが、夢をどうやったら与えられるかということについては、残念ながらこれはなかなか夢のあるというところまで至っていないことだろうと思っていますし、それは何人をしてもまた難しいことでなかろうかと思っています。 ただ、現在与えられた条件や、状況の中でどこまでやれるかということが大きなテーマですから、そういった意味で夢を求めるというよりも、復旧あるいは今後も継続できる農業の確立に向かってあらゆる努力をしていく。例えば、トラクターをいただいてくることもありましたし、東京農大のお知恵を拝見するということもありましたし、鉄鋼スラグをいただいたこともありましたし、あるいは苺組合を法人化して立ち上がったということもございました。今後、6次化に向かっていきますが、ただこれは相馬市全体からすれば一部ですから、全体的なことを言うと、やはりこれは国の農業政策等に相当左右される問題と思っています。また、風評被害もありますから、これらのことも踏まえつつ、できれば私は震災以前の姿に少しでも戻っていただきたい、そのために努力をすべきものと思ってこの2年半はやってまいりました。 議員がおただしのように、なぜ夢のある農業を提案できなかったのかということかもしれませんけれども、それは非常に困難であったというふうに言わざるを得ないと思いますし、若干その点については考え方が違うと思っております。 また、私、市長在任以来、特別な夢ということをテーマにして皆さんに語ったことはなかったと思っております。やはり農業については、例えば後継者がいない中でどうするか、この日本の農業、あるいは相馬市の農業を維持していくためにはどうするか、例えば水路の管理はどうするか等のこと、そういうことについて意を砕くのが現在の地方自治体の姿と思ってやってまいりましたし、この震災復興についてもその理念に照らしてできるだけ前の姿に戻して、そこで継続できるということを念頭に置いてやってきたというわけであります。 ○議長(佐藤満君) 8番、荒川五郎君。 ◆8番(荒川五郎君) 農業政策については、国の政策に左右されるという、それは私も十分承知しております。その中であっても、全国的にいろいろな箇所で行政が農業政策に仕掛けをかけているという、そういう事実もあるわけです。でも今、市長の答弁の中で市長のスタンスがわかりましたので、この質問についてはこの程度にさせていただいて、次の若年労働者の問題に移りたいと思います。 数字を先ほど、地元高校卒業の就職希望者から85%と、こういう数字が示されました。85%は確かに、ある程度、満足すべき数字かなと、こういうふうに私は思っております。ただ、実態としてはほとんどの高校生が地元に残っていないようなそういう実態を感じております。ですから、できるだけ高校の卒業生でもここに残れるように、これもまた行政の仕組みなのですが、していただきたいなと思っております。残念ながら、相馬市自体も採用試験には大卒じゃないと採用できないという、こういう高いハードルがありますからやはりこういうことを考えるとこのハードルはちょっと邪魔なのではないでしょうか。市長、どうでしょう。 ○議長(佐藤満君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 相馬市として職員採用の際に大卒という、そういう決めをさせていただいたのは私でございます。このことについて、ことしはそのような形で募集をさせていただきましたけれども、来年度以降については、私の任期は12月までですから、その次の段階での考え方になろうと思いますので、私がこの場でお答えするのは適切ではないと思います。 ○議長(佐藤満君) 8番、荒川五郎君。 ◆8番(荒川五郎君) 3番目に移らせていただきます。 第3セクターを見直して、新しいそういう産業を創出すべきではないかという私の質問でありますが、ある程度、行政といえどもリーディングカンパニーという役割を果たす部分は、私はあるのではないかなと思います。この地方に手薄ないろいろな産業、企業をみずから第3セクターで立ち上げるという部分もあるのではないかなと思って私質問したのですが、市長、再度答弁願いたいと思います。 ○議長(佐藤満君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) まず、議員の先ほどのご質問を聞いておりましたけれども、既存の第3セクターを整理、統合することはこれはできませんので、このことについてはご承知おきいただきたいと思います。相馬市主導であっても、株の半分、51%持っておってもこれは不可能なことですから。 しからばこの第3セクター、例えば相馬市の市場もできたときには相当な夢があったと思うのですが、現在、経営には相当苦慮しているという状況です。そういう中で、新たなリーディングカンパニーを相馬市でつくったらよいのではないかということですが、総論でできるものではないと思っています。第3セクターというのは市が出資して、そのほかに民間の会社の出資でもって、市の出資が必ずしも50%以上なくても結構ですけれども、つくった以上は責任があるというのが現実なのです。 ですから、その一般の民間の企業の方も出資するような、出資しやすいような、あるいは出資する限りは利益が出ないといけませんから利益が出るような、なおかつ相馬市にとって十分公益性があるようなそのようなテーマがあればそれは考えないことはないし、テーマに合致するものであればすべきだと思います。 ただ申しわけないけれども、私にはそのテーマが今のところ見つからない。あったほうがいいと言って旗を上げて何やりますか、と募集するようなものでもありませんから、テーマによっては新たな第3セクターをつくることを、かならずしも排除すべきではないと思います。ですから、どのような事業にどのような需要があって、そのことによって出資される民間会社の方々に十分な利益をペイできるかということがテーマになりますから、そのようなテーマがありましたらぜひご提案いただきたいと思いますし、それはきょうでもあしたでも結構ですので、そういうご提案があったらいつでも検討していきたいと思いますので、どうぞその際はよろしくお願いしたいと思います。 ○議長(佐藤満君) 8番、荒川五郎君。 ◆8番(荒川五郎君) 市長、日ごろから民でできることは民でやらせるという、そういう趣旨だったものですからついついこんな質問をさせていただきましたが、市長の再答弁で十分理解できましたので、次に移らせていただきます。 次は、市有地及び施設の利活用についてをテーマとした第1番目、山上字菖蒲形のメガソーラーの進捗状況について再質問させていただきます。 先ほどの産業部長の答弁で、国際自然エネルギー推進株式会社のむしろこちらの進捗状況を見守っているという答弁でございました。これは、いつまで見守るのか伺いたいと思います。これは私たちに全員協議会だったかで市長から説明を受けたときは、ここを1億2,000万円で買うぞと、よろしいかという説明でした。それの目的は、環境保全と産業振興だということで、この産業振興というのがここでメガソーラー、役所で直接やるわけではないのですが、国際自然エネルギー推進というところがメガソーラーをやる会社を探してくるのだと、こういう説明でした。その1億2,000万円も、向こう30年の間に地代として回収するからツーペーになるぞと、こういう説明ではなかったかなと思いますが、果たしてこういう1億2,000万円を相馬市から持ち出しているわけですから、いつまで市民を待たせるのか、その辺を伺いたいと思います。 ○議長(佐藤満君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) この当該する国際自然エネルギー推進株式会社に打診をしてどうやっているかということをいろいろと聞いておりますけれども、正直申し上げて、この会社の事業については今、不振の状態であります。したがって、計画どおりに進むような状況ではないということを申し上げなくてはなりません。 しからばどうするかということになるのですが、メガソーラー設置の会社を今よそで探しておりますけれども、しかしながらこのことに一生懸命になれないような事案ももう一つ発生しておりまして、言うまでもなく、丸森町の産廃処分場計画なのです。今、そのことに非常に没頭しておりまして、なかなかこちらまで手が回らないというのが実情でありますけれども、この国際自然エネルギー推進株式会社については、この会社は不調であります。ちなみに、この会社と契約したときの、契約というか覚書を交わしたときの約束で、市民会館にスタンウェイのピアノをプレゼントしてくれると、そういうようなことも約束していたのですが、そのことも催促したのですが、とてもできないということなのでIHIにお願いしたという経過がございました。何度か接触をいたしましたがこの会社は不調です。 したがいまして、あのとき全員協議会で説明したような状況には至っていないというのが実際のところですが、ただ、メガソーラーあるいは太陽光発電のこの可能性というものはほかにもございますから、ほかの業者との引き合いもございますし、その際はそれなりにと思っておりますけれども、ただもう一つの目的として、相馬市による菖蒲形の保全、これはこの会社を経由してあの土地を買わない限り不可能でございましたので、今、丸森町の産廃処分場の計画と向き合っている相馬市としましては、菖蒲形の心配をしないだけ向こうに集中できるというメリットは大いにあったものと思っています。 ただ、おただしの件については、なかなか不調であるということを申し上げざるを得ませんので、明確に申し上げさせていただいて、その上でそのほかの太陽光発電等の模索をいろいろな形でやっているという状況だということを申し上げたいと思います。 ○議長(佐藤満君) 8番、荒川五郎君。 ◆8番(荒川五郎君) 今の問題はあまり大きくならないうちに上手に、言葉は悪いですけれども、処理していただくようにお願いしたいと思いまして、次の質問に移ります。 私も知らなかったのですが、エムセテックから返却贈与された今田の土地ですね、かつては農業公社から500万円でお買いになった土地でございましたが、あの土地で市制50周年ということを記念して食事会をしました。その後、10カ月ほどでエムセテックに売るという、そういういわくつきの土地でございますが、今度またエムセテックから、無償譲渡という状況になって、私は、当時買ったとき、食事をしたとき、市長が現場で100年後の子供たちにこの自然をどうやったら残せるかみんな考えてほしいと、こういうことで、あれから何度もあの土地が子供たちの森林公園にならないかなと思って通ったものでした。それが残念ながら、10カ月後にエムセテックの手に渡ったと、それが今また相馬市に返ってきたと、いよいよまた子供たちのために使えるかなと思ったら、今、部長から説明があったようにあそこのお山は土をとるのだということでございました。 これは、60ヘクタールほどありますけれども、どのような形に最後、その土をとった後の、今後のことはまだ決まっていないという答弁でございましたので、どの程度とろうとして、どういう形でとにかく残そうと思っていらっしゃるのか伺いたいなと思います。 ○議長(佐藤満君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 経過を説明しますけれども、エムセテックに譲渡したとき、当時の社長と条件がございまして、植林したところは残すと、そういうような条件で譲渡したわけであります。あのときも随分騒がれまして、500万円で買ったのを3,000万円で売るとは何事だということで、もともと3,000万円で売ることをわかっていて500万円で買ったのではないかとマスコミが随分大騒ぎをしまして、しかし買った段階でエムセテックのその話はありませんでしたから、相馬市は2,500万円ほどもうけさせていただいて、そのもうけた金を持ってソフトボール場の土手をつくったという経過がございましたので、結果的に見るとよかったなと思っています。 しかしながら、その後、この植林した場所に対して注意を払うようなことをやっているうちに震災になりまして、なかなかそちらまで手が回らないというところだったのですが、このたび県のほうから、復興のためにあそこの土を使わせてもらいたいというような、そういうお申し出がございました。このことについては、やはり相馬の波打ち際に、波打ち際というか原釜磯部地区に防潮林をつくるという計画なのです。そういうことに対して、どうしても土がほしいということであれば、相馬としてはなかなか断りづらいというか無償で提供せざるを得ないです。県の事業として、安全・安心のためにやるということですから。植林の部分についてのことも当然考えないといけないと思うのですが、この際は、私も木を植えてきましたけれども、復興のほうを優先させて考えざるを得ないだろうというのが率直なところです。 土をとった後の土地の利活用は、今とてもそれを考えられるような状況ではありませんから、やはり先ほど来、申しておりますように、復旧・復興に全力を傾注しているというところで、例えばそこに夢のあるような施設ができないかというようなお考えもあるかもしれませんけれども、残念ながら今そこまで考えを至らすことはできないうちに、県のほうの土地を提供するようなそのような方向性で考えてきたということであります。 ○議長(佐藤満君) 8番、荒川五郎君。 ◆8番(荒川五郎君) 3番目に移ります。駅東地区の開発の質問であります。 ただいまの答弁では、具体的には考えていないという答弁でございました。しかし、やはりこの相馬の東西の均衡ある発展を考えたときに、どうしても相馬駅という、これがキーワードになるのではないかと思うのです。むしろ今、JRの本数が少ないうちに何とかあの上に橋を架けられないものかというふうに私は考えているのですが、例えば市長、振興公社の駐車場、あそこの駐車場の上が空いているんですよね、あそこに屋根があればすっと行けるのです。何か具体的に、この今田の土を県に安く売っても、それの金で何とかこれなりませんかね。 ○議長(佐藤満君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 随分前の話ですけれども、これは私が市長に就任した12年前に随分議論になった話なのです。非常に懐かしい思いをして、いわゆる議員のおっしゃることは橋上駅のことだろうと思います。橋上駅をつくるという計画が当時ありまして、駅の東の方にそれなりの建物をつくって相馬駅とこの橋上駅、つまり橋で結んでその上で切符を切ってこっちにおりてくる、あっちにおりてくるとという計画です。たしかあのとき17億円の経費がかかって、補助金は一切ない。JRでほんのちょっと数百万円だったかそのぐらい出してくれるという話だったのですけれども、当時、相馬市の財政調整基金が6億円しかございませんでしたから、これは無理だということで立ち消えになったという経過がございました。 その後、東西の交通ということでトンネルを掘ろうかと思って、つまり地下歩道をつくろうかと思って、地下歩道をつくるのに5億円かかるのです、駅の向こうまで行くのに5億円です。その5億円の地下歩道が幅2メートルなのです。向こうに相馬東高校がございますから、地下歩道の長さが50メートルですか、2メートルの幅の50メートルの地下歩道、相馬東高校の女子高校生がとことこ歩いてきて、こっちから荒川議員のようなジェントルマンが行く分にはいいですけれども、私みたいなこんな顔を見たら女子高校生はびっくりして逃げ出すのではないかと、ですから2メートルの幅ではちょっと無理だと。幅を広げるとなると、これが8億円、10億円と金がかかってくるのです。 そういうことで、これは費用対効果あるいは安全性の面で難しい。その跨線橋のことを今おっしゃっていると思うのですけれども、相当な経費、つまり駅ビル、現実的に駅ビルに、向こうにビルつくってそこにぽんと鉄板を置いてその上を越えろというのはこれは構造計算上無理ですけれども、そのような跨線橋をつくるというようなことになっても、これは相当な経費がかかってまいりますので、おそらく十数億円、橋上駅と同程度の経費かかってくると思いますので、今はやはり復興で相当お金かかっていくわけです。さっきのご質問にあったけれども、将来、恒久住宅、復興住宅を払い下げするときの差額分なんかもある程度工面していかないといけないと思いますので、これからのことを考えて今その事業に着手するというのはなかなか難しい、相当な余裕があって市民の皆さんからの声の高まりがあって、新しい市役所の際にはそれなりのアンケートとか何とかやりましたけれども、相当な合意形成が必要だろうと思います。それが必要なぐらいの出費がかかる事業であるというのが今までの経過ですので、今後のことについても、お考えとしては非常によろしいと思いますけれども、実現のタイミング、あるいはその実現に至るまでの資金計画等の点で、ちょっと現段階では難しいのではないかと。将来的にはそういう夢が、先ほど来おっしゃるようなドリームがあってもよろしいかと思いますが、相当慎重に図っていかなくてはならないのではないかというふうに思います。 ○議長(佐藤満君) 8番、荒川五郎君。 ◆8番(荒川五郎君) 駅東の開発については理解いたしました。せめて今実施できなくても、今実施するというのは今復興を優先にしなければなりませんから、それは無理なのですが、せめて計画だけは継続的にしていただきたいなというふうに思っております。 それで、次は西山の防災倉庫について触れさせていただきます。 この倉庫は、大谷石でできております。この大震災で、相馬市のあっちこっちで甚大な影響を受けたのは大谷石の建物でございました。しかし、この倉庫はびくともしません。こういう建物をやはりきっちり整理して、相馬市では長く使うべきだと。今、話を伺いますとこれが物置です。物置にしてはちょっともったいないです。確かに雨漏りする部分はありますが、屋根はきっちりその大谷石にふさわしく整備をされて、そしてあそこはもっと有効に活用すべきではないかと私は思いますけれども、市長も同感でしょう。ご答弁お願いします。 ○議長(佐藤満君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) おっしゃることはまことに適切なことでありますし、相馬市の財産ですからそのように評価いただいていることもありがたいと思います。私も、職員にもっと働けと言うのもなかなか難しいことですから、ただ整理整頓というのは必要なことですし、そのような中で修繕、先ほども答弁で申し上げておりますけれども、修繕も踏まえてできるだけ有効に使うように考えてまいりたいと思います。 ○議長(佐藤満君) 8番、荒川五郎君。 ◆8番(荒川五郎君) 西山防災倉庫については、期待を申し上げておきます。 それから、最後になりましたが、北三の丸の土地について質問させていただきます。 残念ながら、なかなか有効な活用という方向で答弁はいただけませんでした。しかし、これは購入する際に市長から、これも全員協議会かなと思いましたが、この北三の丸の土地が競売で第三者に渡ってあそこの歴史的なエリアに変なものを建てられたら困るということで相馬市がお買いになったというような、記憶を私は持っているのですが、そうではなかったでしょうか、市長。 ○議長(佐藤満君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) あのとき皆さんに申し上げたのは、変なことというよりもあの北三の丸から相馬家が出陣する姿は、いわば相馬野馬追のシンボルであって相馬市民のプライドである。これを人手に渡るよりは、相馬市として何とか押さえたいということで、皆さんのご理解をいただいたものと思っています。もちろん他人に渡れば、他人がどのような形で使うか、県のほうの遺跡ということでありますから建物は建てないまでも物を置かれたりしたらたまったものではない、そのようなこともありましたし、ただ、あのときは相馬だけではなくて五郷騎馬会の皆さんからもご要望をいただきましたし、何とか人手に、人手といいますか一般的な第三者に渡ることを防いで、というか私は相馬の歴史であるとかプライドであるとか、そういうものを守るためにそこを買うための努力をしたいということで皆さんのご理解をいただいたものと記憶しております。 ○議長(佐藤満君) 8番、荒川五郎君。 ◆8番(荒川五郎君) 実は、新しい市民会館の脇が駐車場になって、そこから東のほうに資料館や収蔵館を建てると、こういうふうな行政からの発表のときに、私は大変残念に思いました。駐車場が狭くなるなと、だったらばこの北三の丸にそういうものを建てられないのかなと思ったときがございました。いろいろ担当者に伺いますと、建てられないという、そういう規定も伺いました。しかし、馬陵公園の中に交通児童公園だかなんかとああいうことをつくった時代があったのですから、何とかその辺はうまい方法があるのではないかなと思いまして、その後はその資料館とか収蔵館ではなく、三献の儀をやる土地ということですから、あそこの竹やぶはちょっときれいにしましたよね。あの辺に野馬追物語館みたいな野馬追に関した資料だけをあそこに置くという、そういう資料館をあそこに建てられないものかなというふうに私はずっと思っておりましたけれども、市長の考えを伺いたいと思います。 ○議長(佐藤満君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 今後それはいろいろな利活用があっていいと思います。ただ、今日の段階で申し上げれば、あるいは今日までの段階で申し上げれば、いま復興事業以外の新しい事業に着手するというのはなかなか大変です。中村二中の建てかえというような要望もありましたけれども、これもやはり復興に若干絡んでくるのです。中村二中の隣が復興住宅になりますから。やはり若干復興に絡んでくる話になりますので、そういうところについては鋭意努力をしなくてはならないと思っていますが、北三の丸も市有地ですから市民の散策の場所であってもいいでしょうし、建てられるのであればその野馬追の記念館みたいなものもいいかもしれませんけれども、ただ、今の段階でこれだけの作業量と毎日闘っておりますから、例えば千客万来館にしても皆さんにいろいろご相談申し上げなければいけないと思いますけれども、予算の条件とかいろいろ決まっている中で、やはり急いでやらなければいけないところもあるのです。そういった意味で、今やはり復興事業というのはおもちゃ箱をひっくり返したような話を毎日やっているわけですから、ちょっと今すぐ取りかかるというのはご容赦いただいて、議員もいろいろご検討の上、いろいろなアイデアをためておいていただきたいと思います。いずれ、北三の丸もこのままにしておくということはないと思いますので、それはいずれかの日に、時代に、やはり市民にとっていい施設になるように考える日が来ると思いますから、どうぞ温めておいていただきたいと思います。 ○議長(佐藤満君) 8番、荒川五郎君。 ◆8番(荒川五郎君) この北三の丸の、今私が申し上げたことを優先的に取り組めという話ではございません。やはり今、大事な復興に全力を投球していただきたいなと思いますが、この北三の丸の土地の活用についてはもうじっくり市民からそれこそ市長の大好きなアンケートをとるなり何なりしていただいて、じっくり検討していただいて、市民の本当の声をあそこに反映していただければいいかなと思っております。ぜひ市長、そういう方向で、急ぎはしませんけれどもある程度、行政事業としても落ち着いた段階でそういうことに取り組まれる考えでおられるかどうか、最後に伺いたいと思います。 ○議長(佐藤満君) 市長。 ◎市長(立谷秀清君) 将来的なことについてはちょっと言及を控えたいと思いますけれども、当然、議員がお話しのように、そのようなことが必要な時代が来るものと思っております。--------------------------------------- △延会の宣告 ○議長(佐藤満君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。         (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(佐藤満君) ご異議なしと認めます。 よって、本日はこれにて延会することに決しました。 あす6日は、午前10時から本会議を開きます。 本日はこれにて延会いたします。                              (午後2時24分)...