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12月03日-02号

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  1. 松山市議会 2020-12-03
    12月03日-02号


    取得元: 松山市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-07
    令和 2年12月定例会                 令和2年          松山市議会第5回定例会会議録 第2号          ──────────────────             令和2年12月3日(木曜日)             ───────────── 議事日程 第2号   12月3日(木曜日)午前10時開議日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 議案第102号 令和2年度松山市一般会計補正予算(第7号) 議案第103号 令和2年度松山市競輪事業特別会計補正予算(第1号) 議案第104号 令和2年度松山市国民健康保険事業勘定特別会計補正予算(第3号) 議案第105号 令和2年度松山市介護保険事業特別会計補正予算(第3号) 議案第106号 令和2年度松山市道後温泉事業特別会計補正予算(第1号) 議案第107号 令和2年度松山市後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号) 議案第108号 令和2年度松山市公共下水道事業会計補正予算(第1号) 議案第109号 松山市事務分掌条例等の一部改正について 議案第110号 松山市道後温泉事業施設の設置及び管理に関する条例の一部改正について 議案第111号 道後温泉別館 飛鳥乃湯泉及び椿の湯に係る指定管理者の指定について 議案第112号 工事請負契約の締結について(旧中島東小学校ほか2校解体工事) 議案第113号 財産の取得について((仮称)新垣生学校給食共同調理場厨房機器炊飯システム等)) 議案第114号 財産の取得について((仮称)新垣生学校給食共同調理場厨房機器蒸気回転釜等)) 議案第115号 旧慣による市有財産の使用廃止について 議案第116号 市道路線の認定及び廃止について 議案第117号 市営土地改良事業ため池等整備事業(内山地区))の施行について 議案第118号 市営土地改良事業ため池等整備事業(仏谷地区))の施行について (一般質問)   ──────────────── 本日の会議に付した事件日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 議案第102号~第118号   ──────────────── 出席議員(43名)  1番  田 渕 紀 子  2番  檜 垣 良 太  3番  矢 野 尚 良  4番  山 本 智 紀  5番  松 波 雄 大  6番  河 本 英 樹  7番  岡 田 教 人  8番  白 石 勇 二  9番  本 田 精 志  10番  池 田 美 恵  11番  太 田 幸 伸  12番  山 瀬 忠 吉  13番  長 野 昌 子  14番  松 本 久美子  15番  岡   雄 也  16番  大 木 健太郎  17番  向 田 将 央  18番  松 本 博 和  19番  上 田 貞 人  20番  杉 村 千 栄  21番  小 崎 愛 子  22番  梶 原 時 義  23番  武 田 浩 一  24番  上 杉 昌 弘  25番  渡 部   昭  26番  清 水 尚 美  27番  吉 冨 健 一  28番  大 塚 啓 史  29番  角 田 敏 郎  30番  原   俊 司  31番  渡 部 克 彦  32番  若 江   進  33番  菅   泰 晴  34番  土井田   学  35番  猪 野 由紀久  36番  大 亀 泰 彦  37番  雲 峰 広 行  38番  丹生谷 利 和  39番  清 水 宣 郎  40番  白 石 研 策  41番  寺 井 克 之  42番  池 本 俊 英  43番  田 坂 信 一   ──────────────── 欠席議員(0名)   ──────────────── 事務局出席職員職氏名  事務局長     渡 部 俊 明  事務局次長    仙 波 章 宏  事務局次長兼議事調査課長           金 森 和 久  総務課長     野 本 克 彦  議事調査課主幹  井 上 真 紀  議事調査課主査  重 川 卓 也   ──────────────── 説明のため出席した者の職氏名  市長       野 志 克 仁  副市長      梅 岡 伸一郎  副市長      北 澤   剛  総務部長     松 本 善 雄  理財部長     黒 川 泰 雅  理財部副部長   大 木 隆 史  総合政策部長   河 合 洋 二  総合政策部防災危機管理担当部長           牟 禮 里 義  坂の上の雲まちづくり部長           吉 田 健 二  秘書広報部長   玉 尾 浩 紀  市民部長     田 中 教 夫  保健福祉部長   白 石 浩 人  保健福祉部子ども子育て担当部長           西 岡 英 治  産業経済部長   家 串 正 治  産業経済部農林水産担当部長           中 矢 博 司  教育長      藤 田   仁  公営企業管理者  大 町 一 郎   ~~~~~~~~~~~~~~~~       午前10時0分開議 ○若江進議長 これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付の日程第2号のとおりであります。   ──────────────── ○若江進議長 まず、日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員は、会議規則第86条の規定により、議長において28番大塚議員及び29番角田議員を指名いたします。   ──────────────── ○若江進議長 次に、日程第2、議案第102号ないし第118号の17件を一括議題とし、上程議案に対する質疑と併せ、一般質問を行います。 この際、申し上げます。各議員の発言は、申合せの発言時間内においてお願いいたします。 それでは、一般通告者の発言を順次許可します。まず、池本議員。 〔池本俊英議員登壇〕 ◆池本俊英議員 みらい松山の池本俊英です。ただいまから一般質問をいたします。御答弁をよろしくお願い申し上げます。 本年第1回定例会の代表質問において、令和として最初の新年を迎えた今年のえとは、60年に一度のかのえね年である。かのえね年は、政変や戦乱、暴動、自然災害も多発している。令和2年のかのえね年は、今までの歴史にない平和で明るい年でありますようにと申し上げたところでありましたが、安倍首相の突然の退陣という政変が起き、中国・武漢で現れた新型コロナウイルスは、日本・愛媛・松山まで魔の手を大きく広げて、現在もこの見えない脅威と戦っているところであり、過去のかのえね年以上に大変な年になっています。「用心にけがなし」ということわざがあります。「十分に注意を払えば、けがを防止をできる。」「用心に国滅びず」という同義語もあります。みんなで用心しながら、コロナ感染を防ぎ、この難局に力を合わせてぜひ乗り越えていきたいと思います。 十年一昔といいますが、早いもので、平成22年11月に野志市政が誕生してから、丸10年の節目となります。平成22年12月定例会の一般質問で、私はこう申し上げました。野志市長におかれましては、11月28日に執行された松山市長選挙において、10万8,505票を獲得し、得票率は投票総数の48.31%と過半数に届かなかったものの、投票者の約2人に一人が野志克仁候補の支持をいただくなど、他の候補を寄せつけない快勝でありました。選挙とは、民主主義を具現化する最大の方法であります。多くの市民の信任をいただき、ここに第30代松山市長の御就任を心よりお喜び申し上げます。野志市長の愛する松山のために身を粉にして働く情熱と強い意欲に多くの市民の熱い期待が寄せられていますので、遺憾なくその手腕を発揮されますことを心より御期待申し上げますと発言したことを今も鮮明に覚えております。そして、1期4年間の実績をひっ提げて、2期目の挑戦は、政権与党の両政党支部が推薦した新人候補と厳しい戦いになるかと思いましたが、結果は12万5,334票と得票を伸ばし、再びダブルスコアに近い大勝でありました。そして、3期目の挑戦は、2期8年の実績と2度の松山市長選挙での大勝を受けて、信任投票的な選挙でしたが、13万2,871票とさらに得票を伸ばし、得票率は88.9%と圧勝でした。そして平成30年11月、「笑顔広がる人とまち 幸せ実感都市 まつやま~一人でも多くの人を笑顔に~」をキャッチフレーズに、3つの基本姿勢と松山をつくる5つの柱を掲げた野志市政3期目がスタートいたしました。3期目を少し振り返りますと、2019年は、アジア初となるラグビーワールドカップが日本で開催され、流行語にもなったワンチームの下、我が日本代表チームは、初のベスト8に輝き、日本中が感動に包まれました。そして2020年の今年、勢いそのままに日本国民はもちろん、世界中が心待ちにしていた東京オリンピック・パラリンピックを目前に、事態は一変しました。新型コロナウイルスが突如猛威を振るい、瞬く間に世界中を恐怖の渦へと巻き込んだのです。日本では、4月に緊急事態宣言が発令され、学校の一斉休校や外出自粛、飲食業等の営業自粛要請など、全国民が思いを一つに一刻も早い終息を願いました。本市でも感染拡大当初からワンチームとして、愛媛県や医療機関などと緊密な連携を図り、徹底した感染予防対策と市民生活を守り、観光産業や飲食業、商店街など、落ち込んだ地域経済を回復させるため、今議会で6度目となる補正予算を組み、様々な独自支援策を打ち出されるなど、迅速に対応していただいているところです。そして多くの市民の協力と市の政策効果もあって、感染者数は減少し、市民生活や道後地区をはじめとする地域経済にも明るい兆しが見え始めていましたが、冬場を迎えた今、日本全国で日々過去最多の感染者が出るなど、危機的状況になっております。野志市長におかれましては、引き続き市民に寄り添った対策に積極果敢に取り組まれますよう強く望むものであります。さて、そのような厳しい状況下ではありますが、市長の開会日の提案説明にもあったように、これまで公約の実現に向けて着実に前進してこられました。野志市政3期目のスタートに当たり、去る平成31年第1回定例会において、私は3期目の公約にまちづくりの基本姿勢を掲げた思いとこの4年間でどのような松山をつくりたいのか、質問いたしました。それに対して市長からは、何事にも前向きに、そして全力で取り組み、現地・現場を大切に、市民目線を大切にすることに徹底してこだわること、そして市民の笑顔をまち全体に広げ、将来にわたって輝き続けるまちをつくるため、公約の5つの柱を着実に進めるという力強い答弁をいただきました。それから2年が経過しました。野志市長の市民目線、現地・現場を大切にする基本姿勢に揺るぎはなく、初当選以来、いち早く取り組んでいるタウンミーティングは、これまで123回を数え、自分に甘えることなく、市民主役のまちづくりを進めておられます。また、連携・協働では、愛媛県をはじめ大学機関や民間事業者など、様々な分野で連携を図る中、今年7月には、国のSDGs未来都市及び自治体SDGsモデル事業に四国で初めて同時に選定されました。新たに設置した松山市SDGs推進協議会には、既に100を超える団体からの参加があると伺っており、今後中島地域を中心に展開されるスマートアイランドモデル事業など、人口減少問題を抱える離島地域をはじめ、全国のモデルとなるような取組に強く期待しています。そして、継承・発展では、坂の上の雲のまちづくりをはじめ、前中村市長が手がけた道後温泉地区歩行者空間再編や景観整備など、活性化の取組を引継ぎ、長年の懸案であった本館保存修理工事という、世紀の一大プロジェクトに着手されました。また、1期目から取り組んだ花園町通りの再生は、全国街路事業コンクール国土交通大臣賞をはじめ、様々な賞に輝くなど、歩いて暮らせるまちのシンボルロードとして見事に復活させ、特に休日の産直市やマルシェは、多くの市民や観光客でにぎわっています。これも前中村市長が手がけたロープウエー街や坂の上の雲ミュージアムの整備という中心市街地エリアに、野志市長が手がけた道後エリア、花園町エリアが、面としてつながっており、まさに先人たちから受け継いだまちの宝をしっかりと次の世代へ継承・発展させた大きな成果だと思います。 そこでまず、1点目ですが、野志市政3期目の折り返しを迎えた今日までの主な成果、また御自身にその評価というのもどうかと思いますが、反省点があるなら、そのことについてもお示しください。 次に、2点目ですが、新型コロナウイルスに関しては、再び感染者が拡大する中、ワクチンの開発などのニュースも届き始めました。しかし、たとえワクチンが開発され、感染者や重症者が軽減されても、豪雨災害などと同様、市民生活や地域経済の回復には、多くの時間と労力、財源が必要です。また、市政の重要案件である新規水源の確保やインバウンド対策など、外部の要因によって軌道修正すべき項目もあると思います。コロナ禍が市民生活や地域経済などに大きな爪痕を残し、その収束がいまだに予測困難な中で、市民の皆さんとの約束を実現するには、平常時よりも多くの困難を伴いますし、政治家としての決断と覚悟が必要です。そこで、残りの任期2年間で公約実現に向けてどう取り組もうと考えているのか、改めて野志市長の意気込みをお聞かせください。 次に、ハイムインゼルごごしまについてお伺いします。移住・定住希望者向け体験滞在型交流施設ハイムインゼルごごしまが、平成29年度に供用開始してから今年4月で3年経過しました。途中で入居者が入れ替わったこともあったようですが、最長期間の3年を超えたことで、当初に入居した方は、皆さん退居されたと伺っています。私は、供用開始からこれまで完成式典や収穫祭へ参加させていただいたり、入居者の方とスポーツ大会で共に心地よい汗を流し、その後の懇親会で交流したりするなど、興居島の出身者として本施設を見守ってまいりました。これまでの3年間を振り返り、特に印象に残っているのは、地元の町内会長や島の皆さんで構成された管理組合の方々が、日々施設の管理はもとより、入居者と島民の橋渡しとなるべく、入居された方の対応に懸命に取り組んでおられる姿であります。これまでのところは、このような管理組合の皆さんの思いが通じてか、過去に入居していた方から、島の皆さんにはよくしてもらったとか、地元の人とのつながりができたという声が聞かれるなど、移住する際の課題の一つである地域コミュニティへの参加のハードルをうまく下げることができており、地元での受入れ態勢が整いつつあるのではないかと思います。一方で、ハイムインゼルごごしまは、定住を最終目標にした施設ですので、入居された全員が興居島に定住するというのが理想であります。ただ実際には、どれだけ受入れ態勢を整えたとしても、入居者それぞれが様々な事情をお持ちのようですので、市や地元の皆さんの努力にもかかわらず、入居された全員を定住につなげることが難しいことも理解しております。ただ入居者の皆さんの声を聞くと、移住・定住を模索している体験入居者の生活相談窓口の担当部署に、具体的な生活支援体制が構築されていないため、入居者個々のニーズを把握していただけないという声や平成30年の豪雨被災やコロナの影響もあり、供用当初時のような地域住民との本格的な交流事業が実施できていない。今は、入居者が実生活を通じて、島内の住環境の利点や課題を個々に判断せざるを得ないなど、島民との積極的交流が図られていない中で、3年間という使用許可期間の条件では、島内での定住先を選定することが困難であるとの声もあります。また、入居者が移住・定住を諦めた原因は、ひとり親や共稼ぎ世帯では、幼児や低学年を抱えている世帯もあり、就労するに当たって島内のこども園では、延長・休日保育のサービスがなく、また学童クラブもないことから、教育環境を理由に中心部に転居するケースもあるようです。興居島の活性化に向けて引き続き一人でも多くの方の定住に向けて、市をはじめ関係者の皆さんで取組を進めていただきたいと思います。 そこで、供用開始から最長期間の3年を経過し、一つの区切りを迎えたことから、質問の1点目として、これまでの定住状況についてお聞かせください。 次に、入居の状況について伺います。今年の春頃から島民の方から、ハイムインゼルごごしまの空き部屋が気になるとの声がありました。地元の皆さんにとっては、供用開始からこれまでほぼ入居者で埋まっている状況が日常の光景になっていたので、空きが見られることに違和感を覚えたのだと思います。多くの方に応募していただくためには、まず興居島に行ってみたいと思う環境をつくらなければならないと思います。今は、移住を視野に入れて訪れたい方に、VRによる施設や観光スポットの見学、リモートによる既に移住した方との対話、また教育・医療・交通・地域のコミュニティ等、様々な質問にお答えできるようなデジタル環境が整っていない。現在、移住していただいている方からも、どこを探しても興居島のPR情報がなかったとの声もあります。先月30日の新聞報道で紹介されていましたが、内閣府は、地方暮らしの魅力をPRし、移住を後押しするための専用サイト──はじめての移住応援サイト「いいかも地方暮らし」を開設し、移住には関心があるものの、行動を起こしていない東京圏──埼玉・千葉・東京・神奈川の20代から30代の若者をターゲットにPRを強化するそうです。実際に東京圏から地方に移住した20代から30代の暮らしぶりのほか、どのように住む家や仕事を見つけたかといった体験談も紹介、詳しい移住情報を掲載している各種サイトのリンク集もあるそうです。このようなあらゆる情報ネットワークも活用しながら、せっかくの移住・定住に向けての体験型交流施設ですので、多くの方に利用してもらうことで、島民にもいい意味の刺激を与えていただき、島に活気を与えてほしいと思います。 そこで質問の2点目として、現在の入居状況についてお聞かせください。 最後に、新型コロナウイルス感染拡大以降、働き方が変わり、地方移住への関心が高まっていると言われる一方で、受入れ側では、感染拡大防止対策の徹底が求められるなど、ハイムインゼルごごしまの運営にも少なからずその影響が及んでいると思われますが、そのような中でも定住者の確保に向けて、一歩でも前へ進める努力も必要ではないかと思います。興居島は、先ほどから述べている課題をはじめ、何といっても海を渡るという島特有の交通事情があり、渡航フェリーの最終便が午後8時半前には終了し、民間の海上タクシーも廃止となっているので、市内中心部で就労されている方は、フェリーの最終時刻に間に合わないことで、移住しても市内での就労が困難で、やはり中心部に転居するといったケースもあります。また、高齢者には、夜間・休日の医療機関の受診が困難で、特に天候が荒れた夜間の緊急受診ができないことの問題や通信インフラが脆弱で、インターネット等の通信速度が遅く、移住者がネット等を活用した事業で生計を立てようにも、仕事に使えない状況があるなど、多くの課題が山積しています。 そこで質問の3点目として、ハイムインゼルごごしまの今後の展望についてお聞かせください。 次に、ICTの活用についてお伺いします。近年の急速なデジタル技術の進展に加え、新型コロナウイルス感染症の流行によって私たちの生活は大きく変化し、これまでとは異なる新しい生活様式が日常化しようとしています。そのような中、我が国では、諸外国に比べ、行政分野でのデジタル化オンライン化の遅れが明らかになってきました。今年5月の定額給付金の支給では、国の「ぴったりサービス」を使ってオンラインでの申請が可能でしたが、支給の遅れやオンライン申請を取りやめる自治体も出てくるなど、様々な課題が浮き彫りになりました。そのため国では、行政のデジタル化を進めるべく、世界最先端デジタル国家創造宣言の見直しを行い、さらに経済財政運営と改革の基本方針2020、いわゆる骨太の方針を閣議決定し、デジタル強靱化社会の実現や10年かかる変革を一気に進めるなど、国だけではなく、自治体も含めて行政のデジタル化を加速される方針が示されました。こうした動きをさらに進めるべく菅内閣がデジタル庁の創設に動いていることは、御案内のとおりです。このような状況の下、地方に目を転じると、市民の行政に対するニーズや地域課題は、多様化・複雑化し、これまでと同じサービスや手段で取り組んでいては、市民一人一人のニーズに応えることや地域課題を解決することが難しくなっています。これからの行政は、ICTを十分に活用するとともに、市民ニーズや地域課題を的確に捉え、市民が安全で安心な暮らしや豊かさを実感できる社会を実現するとともに、新たな市民サービスを提供する必要があると考えます。具体的には、市民が自分にとって必要なサービスを時間や場所を問わず、最適な形で受けられるとともに、デジタルになれ親しんだ若い世代だけではなく、デジタル技術を使いこなすことに不安がある高齢の方々も含め、全ての人が恩恵を受けることができるよう、デジタル化を前提とした行政事務や手続につくり替えていく。そして自治体でもIC技術の進化に伴って、新たなサービスを展開することでコストを削減し、働き方改革や社会そのものの変革につなげる施策、すなわちデジタルトランスフォーメーションに取り組む必要があるのではないでしょうか。中でも令和の時代の基盤である次世代通信の5Gは、私も中村知事と勉強を続けているLs21──ローカルステートメント21の昨年の第4回勉強会において、専門家の講師を招き、いち早く勉強したところでありますが、今年から順次商用サービスが開始され、これまでの4Gと比べて、超高速大容量通信、超低遅延、多数同時接続という特徴があり、先進事例として、車の自動運転やロボットアームを使った遠隔手術などが話題になっています。5Gの普及によって、地方にいても都市部と同じサービスを受けられたり、同じような働き方ができたりするなど、地方でも都市部と同様のライフスタイルやワークスタイルを実現できる可能性が、今後ますます高まってくると考えます。 そこで、本市のICTの状況を踏まえ、その活用について2点お伺いします。まず、1点目ですが、先日移住・定住、地域防災、まちづくり、経済活性化などの様々な課題解決の可能性について、次世代の通信インフラであり、社会的に期待が高い5Gなどの情報通信技術に精通した専門家による職員研修を実施されたと新聞報道でもありました。そこで、その研修の内容及びそれを今後どう活用していくのかについて、お考えをお聞かせください。 次に、2点目ですが、今後は5Gに限らず、ICTの利活用は、市民の利便性の向上や行政の効率化を図るために、これまで以上に強く求められてくると思います。特にコロナ禍で浮き彫りになった課題への対応やポストコロナ時代における非対面、非接触など、新型コロナウイルス感染防止対策や新しい生活様式につながる対応など、様々な可能性があります。そこで、松山市として現在ICTをどう活用しているのか、今後どう活用していくのかについてお考えをお示しください。 次に、経済対策についてお伺いします。11月に入り、新型コロナウイルスの感染は、首都圏や北海道などで拡大し、1日当たりの全国の感染者数が最多を更新するなど、拡大期に入ったのではないかと懸念されています。愛媛県や本市では、市民の皆さんがふだんから3密を避け、アルコール消毒など感染症対策に取り組んでいただいておりますが、再び感染者が増加し始め、11月17日以降の1週間で100人を超え、県内は感染警戒期に移行しました。今後冬場を迎え、インフルエンザが流行期に入ることから、新型コロナウイルスとの同時流行が大変憂慮されるところです。このような事態に備えて地域のかかりつけ医など、身近な医療機関が発熱患者らの診療・検査を担う体制を整えるなどの対策が、既に11月16日から取られていると伺っています。医療機関関係者の御苦労に心から敬意を表したいと思います。さて、新型コロナウイルスの感染拡大は、本市経済にも大きな影響を与えています。振り返りますと、緊急事態宣言が出された4月には、本市中心部の銀天街や大街道でも通行者を見かけなくなりました。前年と比べて約8割も通行者が減少したそうです。やむを得ないことですが、このように市民が外出しなくなったことで外食は減り、テークアウトなど飲食店の新たな取組を支える市民の輪が広がりましたが、飲食店は大きな影響を受けました。また、人が移動しなくなり、電車やバス、それにホテルや旅館など、交通や観光産業は大打撃を受けました。一時は道後でも観光客の姿を見ることがなくなりました。全国的に見ると、大手航空会社に至っては、軒並み業績が悪化し、社員の方を家電量販店など、他の企業や地方自治体などへ出向させることなどで、多くの人材をつなぎ止めるための努力がなされていることは、新聞等で御存じのとおりです。影響は、飲食や宿泊業などにとどまりません。自動車の販売台数の落ち込みから、関連企業の業績も悪化するなどの例をはじめとし、製造業も影響を受けました。また、イベントなどの開催が困難となり、関連産業も大きな影響を受けるなど、幅広い業種に悪影響が出ました。5月に緊急事態宣言が解除されて以降、全国的には8月に感染者の拡大があったものの、本市や県内では、市民の皆さんが3密を避け、アルコール消毒など感染症対策に取り組んでいただいた結果、比較的感染者の増加を抑えることができていましたが、このところ感染者が増加しており、市民への感染拡大防止はもちろんですが、今後の経済活動への影響が大変心配されます。先月11日には、日本銀行松山支店から愛媛県の金融経済概況が発表されました。概観では、個人消費は幾分持ち直しているが、全体的には弱い動きであり、生産についても一部持ち直しの動きも見られるが、総じて見れば、弱い動きが続いているそうです。雇用や所得については、弱めの動きが見られるといった状況でありましたが、11月に入り感染拡大を受け、再び悪化することが懸念されます。 そこで、本市を含む県内の経済や雇用についての認識をお聞かせください。 次に、新型コロナウイルス感染拡大といった未曽有の状況の中、市民の安全対策は必要不可欠です。また、このような状況下でも経済活動は続けなければなりません。本市では、早くも3月専決で、本市初の無利子、信用保証料なしの融資制度や相談体制の充実を行い、5月補正では、企業への支援として、テレワーク導入や個人事業主向けには、国に先んじて家賃等固定費の負担軽減を図る給付金や貸付けを行い、さらに商店街の感染症対策や飲食店のテークアウトなどへの支援、雇用対策として、職業訓練奨励金の対象年齢を拡大してきました。続く6月補正では、創業間もない事業者への給付金や特に深刻な影響を受けた飲食店に対し、プレミアム付飲食券を発行されました。このように矢継ぎ早に企業の破綻防止や雇用対策、消費促進などを展開され、3月の専決予算を含む計4回にわたるコロナ対策の補正予算額は、令和2年度当初予算額の33億円に対し、約2倍に迫る58億円に上り、総額91億円と約3倍もの大規模な予算措置を行い、全力で本市の経済を支えてきた結果、厳しい状況下ではありますが、何とか踏みとどまっているのではないかと思います。市長をはじめ担当部局の労を多としたいと思います。また、今回の感染拡大を受け、より一層経済対策に注力いただきたいと思います。一方で、新型コロナウイルスは、経済や社会に様々な影響をもたらしました。オフィスでは、テレワークやリモートワークの導入などが飛躍的に進み、企業の採用活動もテレビ会議など、オンライン化が進みました。消費では、家から出ないため、巣籠もり需要や人と過度に接触しないキャンプなど、アウトドアの人気が上昇するなど、人々の行動の変化に合わせた新たな需要が生まれてきました。このように新型コロナウイルスは、企業の収入や雇用をはじめ、人々の行動様式など、経済の幅広い分野で大きな変化をもたらしています。 そこでお伺いします。ウイズコロナ時代を迎えた本市の今後の経済対策についてお聞かせください。 次に、自治体クラウドの導入に向けた取組についてお伺いします。現在、国では、自治体が住民記録や税・福祉などに利用している各種業務システムを外部のデータセンターに設置し、複数の自治体で共同利用する自治体クラウドを推進しており、令和元年12月の閣議で決定されたデジタル・ガバメント実行計画では、昨年度約490団体であった自治体クラウド導入済みの団体数を令和5年度末には1,100団体に倍増させることを目標としています。この自治体クラウドの導入については、システム経費の削減やデータセンターでの集中監視による情報セキュリティー水準の向上、災害等により庁舎が被災しても業務が早期に復旧できるなどの多くのメリットが示されており、町村や小規模な市では、協議会を設立するなど、自治体クラウドの導入が進んでいます。一方、人口20万人を超える中核市規模以上の自治体では、近隣に同規模の団体が少ないこともあり、自治体クラウドの導入が進んでいない中、本市では、瀬戸内圏域の中核市である倉敷市及び高松市と主要な業務システムを共同で調達し、共同で利用することを目指したせとうち3市自治体クラウドの推進に係る協定を10月29日に締結されたとお聞きしました。今回の自治体クラウドが実現すれば、県をまたいだ中核市間で、全国初かつ最大規模となる先駆的な取組であり、地域の歴史や風土が異なる県域を越えた3市での実施は、大変意義があると理解しています。 そこでお伺いします。県域を越える3つの中核市で自治体クラウド推進に係る協定を締結するに至った経緯と今後の取組についてお考えをお聞かせください。 次に、国は時期を同じくして、国が策定した標準仕様に準拠したシステムを全国の自治体に導入すべく、その期限を令和7年度末とすること、またその経費の一部を国が負担することを法制化しようしています。これまではそれぞれ自治体が個別に業務システムを整備してきており、これが共同でシステムを利用するという自治体クラウド導入の大きな障壁になっていましたが、今後は国が定める標準仕様に沿ったシステムを開発することで、基本的な機能が統一されることになります。各自治体で利用する情報の項目や申請書などの様式に差がなくなり、業務も標準化されることから、自治体クラウドはさらに進んでいくのではないかと思われます。 そこで2点目としてお伺いします。今後、国が示すシステムの標準仕様が、3市の自治体クラウドの推進に係る協議にどのような影響を与えるのか、お聞かせください。 最後に、教育の情報化と外国語教育の推進についてお伺いします。全国的に新型コロナウイルスの感染者が増加しており、第3波を迎えているとも言われています。松山市でも感染者が増加し、また学校関係者のクラスターが発生し、多くの感染が確認されるなど、今後の感染拡大を懸念しているところです。子どもたちを預かり、教育をしている教職員は、日々消毒をしたり、密にならないように工夫したりしながら、感染予防を徹底するとともに、子どもたちに充実した教育活動を提供するために大変な御苦労をされながら務めていることと思います。本市では、これまで各学校が感染症対策を徹底しながら、子どもたちの学びを保障できるよう、必要な衛生用品や家庭学習でも使用できる教材を整備したり、感染につながる可能性の高いトイレ掃除を業者に委託したりしてきました。さらに、スクール・サポート・スタッフ16名を未配置の中学校に配置したり、児童数が多い16校に教育活動支援員を配置したりするなどして、増加する教職員の負担を軽減し、本来の子どもへの指導等に注力できる体制づくりを行っており、学校現場からは、随分助かっているとの声も聞いています。また、災害や感染症の発生等による緊急時にも、子どもたちの学びを保障するためには、ICTが極めて重要な役割を果たすことから、本市ではGIGAスクール構想の早期実現に向け、今年度中には1人1台端末の整備が完了する予定と聞いています。ICTは、児童・生徒たちがお互いのキャッチボールで個別にいろんな意見を発表してもらったり、あるいは他の学校の専門家とつないで遠隔教育をしたり、グループワーキングをしたり、複雑な展開図をネット上で分かりやすく見せたりすることができるなど、子どもたちの学びが豊かになることは大変望ましいことです。しかし一方で、GIGAスクール構想による1人1台端末の導入は、使いこなせば大変便利になるとは思いますが、これまでになかった環境で教育をしていくことに不安を感じている教職員も多くいるのではないかと思います。これまでの議会の答弁では、ICTスキルアップ研修などのICTに関する研修を充実させているとお答えいただいており、1人1台端末の活用に向けて取り組んでいただいていると感じてはいますが、実際にICT機器が導入されると、操作の習得、準備や片づけ、機器を活用した授業改善など、新たな業務が発生することは十分考えられます。国は、教育委員会が取り組むべき方策として、専門スタッフとの役割分担の明確化及び支援を挙げており、次代を担う児童・生徒を育成するこれからの学びを実現するために、ICT支援員は不可欠な存在であると示しています。私もICTを活用した授業の機器操作の支援、器具の準備、片づけなどを行うICT支援員は、教育活動を充実させていく上にも、教職員の負担軽減のためにも必要不可欠なものであると考えます。まだまだコロナ禍にある現状では、なおさらです。 そこでお伺いします。本市でも本議会にICT支援員配置の債務負担行為が計上されていますが、その配置計画と業務内容、活用方法についてお聞かせください。また、ICT支援員の配置のみならず、本市においてGIGAスクール構想を実現していくための取組を具体的に展開し、教育の情報化を確実に推し進めていくためには、本市としてのGIGAスクール構想推進に関する方針や体制が必要と考えます。併せて、GIGAスクール構想実現に向けた本市の方針や体制についてもお聞かせください。 次に、本市のALTについてお伺いします。現在、急速に進むグローバル化に対応した教育環境づくりを進めるため、小・中学校では積極的に英語力を育成していくことが求められています。本市でも小・中学校での外国語教育の充実に向け、児童・生徒に生きた英語を提供するために、積極的にALTを活用しているとお聞きしています。そのような中、新型コロナウイルス感染症対策による入国制限のために、本県で活動する予定であったALTの9月の着任が遅れ、学校での外国語学習にも影響が出ているとの報道がありました。記事によると、9月末時点では、各自治体への派遣時期が見通せないとのことで、日本の子どもたちのために志を持って来日を希望している方々の思いがかなわない状況が続いているのは、とても残念なことです。今年度から小学校外国語教育の授業時間が増えることに伴い、本市では、昨年度の夏にALTを増員したと伺いました。しかしながら、入国制限により、ALTの入れ替わりができず、本市においても小・中学校での外国語教育における学習支援に少なからず影響が出ているのではないかと心配されるところです。子どもたちへの支援などの充実に向け、少しでも早く元の体制に戻ってほしいと願います。 そこでまず、ALTの現状と派遣の見通しについてお聞かせください。 続いて、ALTを活用した興味深い活動についてお尋ねします。今年はコロナ禍で暗い話題も多く、先ほど申し上げたように、ALTの活用にも支障が及びましたが、一方で明るくほほ笑ましいこともありました。今年の夏にALTが中心となって企画・運営した小学生対象のイングリッシュ・デイが実施され、大変好評であったという新聞記事を思い出しました。子どもたちとの触れ合いを通して、英語でコミュニケーションを図ることの楽しさを実感させた体験型の活動で、多くの子どもたちが英語漬けの一日を楽しんだようです。今年度は、新型コロナウイルス感染症対策のために、小・中学校の授業では、会話活動などの対面でのやり取りが制限された時期があったと伺っています。特に様々な体験を通して英語になれ親しむ小学校外国語の授業では、思うような活動ができていない中、各学校で工夫をしながら、可能な活動を試行錯誤されたのではないでしょうか。ALTは、子どもたちとの触れ合いを通して、英語でコミュニケーションを図ることの楽しさを実感させ、海外の様々な文化を伝えることができる貴重な存在です。英語を話せるようになりたい、将来海外で活躍したいという思いを持った子どもたちが、学校外でもALTと英語でコミュニケーションを図ることができるような活動は、子どもたちにとって貴重な体験であり、さらに拡充してほしいと願います。 そこで、ALTによるイングリッシュ・デイの事業効果についての見解と今後の方針についてお聞かせください。 以上で、私の一般質問を終わります。 ○若江進議長 これより答弁を求めます。野志市長。 〔野志克仁市長登壇〕 ◎野志克仁市長 池本議員に、私からは3期目の折り返しを迎えてについてお答えします。 まず、主な公約の成果とその評価は、特にこだわり続けてきた子ども医療費は、愛媛県や医師会など、関係機関の協力や尽力をいただき、今年1月、中学3年生までの無料化を実現できました。また、4月から産後ケアを開始するなど、出産後の母子をきめ細かく支援し、子育て環境を充実しています。本市でも被害があった平成30年7月の西日本豪雨災害は、復旧工事が完了するめどが立ち、全国で初めて全世代型防災教育に取り組み、愛媛大学や東京大学、また産官学民が参加する防災教育推進協議会を中心に、小学生から高齢者まで切れ目のない防災リーダーを育成する教育プログラムを作成しました。現在、ジュニア防災リーダーを結成したり、モデル校で実践したり、全国の自治体の参考になるよう、松山方式の確立を目指しています。観光分野では、道後温泉本館が、営業をしながらの保存修理工事に着手し、ピンチをチャンスと捉え、ラッピングアートやプロジェクションマッピングのほか、工事見学会など、この期間ならではの魅力や話題を継続して発信し、令和元年の観光客推定数は、3年連続で600万人を超え、平成以降で最高になりました。生まれ変わった花園町通りでは、広くなった歩道空間を生かし、地元が主体で産直市やマルシェが開催されるなど、新しいにぎわいが生まれ、JR松山駅から花園町通り、市駅前、商店街、ロープウエー街を通り、道後へとつながる歩いて暮らせるまちづくりが着実に進んでいます。今年に入ってからは、新型コロナウイルスの影響で、学校の一斉休業や外出の自粛など、経済活動が制限されるとともに、多くの行事が中止や延期になりました。そうした中、オンラインでの育児相談や学習支援動画の配信に加え、各種イベントの開催など、知恵を絞り、工夫を凝らしてしっかり寄り添い、お約束したことは私なりに一定取り組めていると考えています。 次に、公約実現に向けた意気込みは、公約の中には短期間で達成できるものや時間をかけて検討しなければならないものもあります。また、世界で新型コロナウイルスの影響がいつまで続くか、世の中がどう変わるか、見通せない状況です。だからこそこれからも現地・現場を大切に、市民目線を大切に、連携や協働でまちの力を引き出し、継承と発展をキーワードに挑戦し続ける3つの基本姿勢に徹底的にこだわり、一人でも多くの市民が笑顔で幸せを実感していただけるよう全力で取り組みます。 そのほかの質問につきましては、関係理事者からお答えいたしますので、よろしくお願いをいたします。 ○若江進議長 河合総合政策部長。 〔河合洋二総合政策部長登壇〕 ◎河合洋二総合政策部長 池本議員に、ICTの活用及び自治体クラウドの導入に向けた取組についてお答えします。 まず、ICTの活用のうち、研修の概要についてですが、先日の研修は、株式会社NTTドコモと締結した5G・IoT・AIの活用による地方創生に関する連携協定に基づくもので、10月15日・16日の2日間実施しました。初日は、ドコモによる座学に合わせ、別途国の派遣制度を活用した5Gの専門家を招き、他市の先進事例や企業の実証実験の事例を学びました。また、2日目のワークショップでは、AIを活用した高齢者の安否確認やAR技術を用いた災害疑似体験アプリなど、本市が提示した分野別の地域課題について、具体的なICT活用方法への助言をいただき、参加した関係各課が事業内容を見直したり、新たなサービスを検討するきっかけとなるものでした。このうち5Gについては、市街地を中心に拠点整備が先行する一方で、市内全域への普及には、まだ少し時間がかかるとのことでしたが、今後とも情報収集や研修を開催する中で、職員のスキルを高めていくとともに、普及状況も注視しつつ、本市での活用方法を検討したいと考えています。 次に、今後の取組についてですが、本市では、昨年度から軽自動車税や中小企業共済などの事務にRPAを導入し、事務処理の自動化による効率化を図ってまいりました。また、今年度は、Web会議システムやテレワーク端末を導入し、コロナ禍でも業務が継続して行える環境を整備するとともに、LINEを活用した道路の異常や不法投棄などの通報サービスのほか、オンラインによる育児相談など、ICTを活用した新たなサービスも開始しました。さらに現在、各種申請書類への押印廃止や添付文書の見直しに合わせて、行政手続のオンライン化に向けた検討を行っており、今後もICTを活用した地域課題の解決や市民サービスの拡充に取り組んでまいります。 次に、自治体クラウドの協定の締結に至った経緯及び今後の取組についてですが、本市では、システム費用の削減や災害時の業務継続を目指し、平成30年5月から中核市の自治体クラウド研究会に参加し、情報収集に努めてきました。そして、令和元年8月からは、システムの規模が同程度で、比較的更新時期も近い倉敷市と高松市の3市で具体的に協議を実施してきたもので、今年10月29日に自治体クラウドの推進に係る協定を締結しました。また、今後の取組についてですが、現在住民記録、印鑑登録などの4つのシステムで費用の積算や共通仕様書の作成などの協議を行っており、令和4年度中に自治体クラウドとしての導入を目指しています。 次に、標準仕様が3市の協議に与える影響ですが、国が作成する標準仕様は、今年度示された住民記録を手始めに、来年度以降、税や介護保険など、15業務についても順次示される予定です。これまでは、各自治体の事務処理や現行システムの機能の違いを統一するため、協議に多大な時間を要していましたが、今後国から標準仕様が示されることで、各自治体の業務が統一され、導入に向けた協議が容易になることから、現在検討している4つのシステム以外にも導入が進むものと考えています。以上です。 ○若江進議長 吉田坂の上の雲まちづくり部長。 〔吉田健二坂の上の雲まちづくり部長登壇〕 ◎吉田健二坂の上の雲まちづくり部長 池本議員に、ハイムインゼルごごしまの現状についてお答えします。 まず、これまでの定住状況ですが、今年の11月末までに利用を終えられた11世帯のうち、4世帯が島内に住居を確保し、定住に至りました。いずれも県外の出身で、入居期間中、管理組合をはじめ、地元の皆さんに温かく受け入れていただいたこともあり、定住につながっています。 次に、現在の入居状況ですが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言や来県自粛等が募集時期と重なり、入居者の確保が厳しい時期もありましたが、6月の感染縮小期以降後に募集を再開したことで、現在全8棟のうち6棟の入居となっています。引き続き移住フェアや移住体験ツアー、SNS等を通じて島の魅力を伝えるとともに、新型コロナウイルスの感染状況を注視しつつ、地域おこし協力隊によるオンライン相談を増やすなど、できるだけ早く満室になるよう取り組んでいきます。 最後に、今後の展望ですが、島嶼部には、地理的な条件からインフラ等に課題がある一方、海の近くでのんびりと暮らせるという、まちなかにはない魅力があることから、課題に向き合いながら、島ならではの魅力を生かし、定住につなげていくことが重要であると考えています。そうした中、これまで定住された方には、先輩として入居者の相談に乗ったり、農作業を手伝ったりするなど、サポートいただいており、また興居島で活動する地域おこし協力隊も入居者と地域との橋渡しを行うなど、移住者の視点を生かした支援を行っています。今後もこうした先輩定住者や地域おこし協力隊とともに、管理組合との連携を密にして、入居者一人一人に丁寧に寄り添い、それぞれの定住に向けた課題を解決していきたいと考えています。以上です。 ○若江進議長 家串産業経済部長。 〔家串正治産業経済部長登壇〕 ◎家串正治産業経済部長 池本議員に、今後の経済対策についてお答えします。 まず、本市の経済や雇用の認識についてですが、民間の調査機関によると、9月の時点で県内の75.9%の企業がマイナスの影響ありと回答しており、雇用については、ハローワーク松山の有効求人倍率が、昨年12月の1.71から下落した後、5月以降は1.1台で推移しています。今後の見通しについては、約8割の企業がマイナスの影響が続く見込みと回答し、経済団体などへの聞き取りでは、コロナウイルス感染拡大を受け、外食の減少や宴会のキャンセルが出ていると伺っており、さらに内閣府の11月の月例報告では、経済の下振れリスクへの懸念が示されるなど、経済や雇用については、厳しい状況が続くものと認識しています。 次に、本市の経済対策についてですが、各種調査では、企業の資金繰りや雇用維持への支援、相談機能の充実などの企業の破綻防止や雇用の維持に加え、個人消費の需要喚起など、消費の活性化が求められています。また、ウイズコロナ社会では、安全・安心な近場を、短く気軽に楽しむ旅行スタイルやテレワークやオンライン化の進展、地方への関心の高まりなどの意見が数多く見られることから、今後はマイクロツーリズムに加え、働き方やビジネスモデルを変革させるデジタル技術の活用、さらに企業の地方進出などが進むのではないかと考えています。そこで、ウイズコロナ時代における今後の経済対策では、企業の破綻防止と雇用の維持などで守りを固めるとともに、変化する消費行動、企業活動や多様な働き方などへの対応策を時期を逸することなく実施したいと考えています。以上です。 ○若江進議長 藤田教育長。 〔藤田 仁教育長登壇〕 ◎藤田仁教育長 池本議員に、コロナ禍における教育の情報化と外国語教育の推進についてお答えいたします。 まず、ICT支援員の配置とGIGAスクール構想実現に向けた方針についてですが、本市では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による1人1台端末導入の前倒し等、急速で広範なICT化に対応するため、今年度はGIGAスクールサポーターを配置し、ICT環境整備の設計、運用マニュアルの作成や使用方法の周知など、ICT環境整備の初期対応を行うことで学校現場を支援をします。来年度からは、ICT機器のセッティングやマニュアルの提供をはじめ、教員や児童・生徒に対する操作支援、また授業での効果的な活用方法や教材作成についての提案・助言などを行うICT支援員を3か年にわたって4校に1人に当たる20名配置し、教員の負担軽減やスキルアップを図りながら、子どもたちの情報活用能力や教科等の学力を着実に育成していきます。また、本市では、8月に庁内関係課をはじめ、愛媛大学等とも連携をするGIGAスクール構想推進委員会を立ち上げ、構想の実現に向けた体制を整えており、「いかす・ひらく・つなぐ」をキーワードに、「自ら問いを立て、その解決に向けて挑み続ける学びを求めて」とする基本方針を定めました。さらに、GIGAスクール構想専門部会を設け、教科等の学びの充実や情報活用能力の育成など、5つのテーマごとに具体的な取組を進めています。 次に、本市の外国語指導助手、いわゆるALTの現状と派遣の見通しについてですが、今年度は小学校での外国語の時間数が増加することに備え、ALTを計画的に増員をし、昨年8月には、38名体制としていました。しかしながら、コロナの影響による入国制限のために、9月来日予定であった新規ALT16名の来日が遅れ、22名体制となってしまうおそれが生じました。そこで、できるだけ多くのALTを確保するために、任用規則改正を行い、通常、最長5年間の雇用であるところを今年度に限り通算6年間の勤務を可能とした上で、全ての帰国予定者に継続を依頼をしました。その結果、帰国予定であった者のうち、8名から申出があり、再任用することができ、ほぼ半減する影響を受けている県内の他市町もありますが、本市は30名のALTを維持することができました。また、ALTが少ない中、英語の専門教員が少ない小学校に優先的に配置し、影響を極力少なくする工夫も行いました。さらに、県を通じて要望しておりました8名のうち5名が、1月初旬に来日することが決定しましたので、研修期間を経て、本市へ着任する1月末からは、より充実した35名体制で本来の姿に近い学習が行えるものと考えています。 次に、ALTによるイングリッシュ・デイについてですが、ALTとコミュニケーションを図り、英語になれ親しむ機会を増やすことを目的として、夏季休業中に小学生高学年を対象とするイングリッシュ・デイを今年初めて開催しました。参加した約50名の小学生は、本市ALTが企画・運営する小グループごとに体験型学習を通して、英語によるコミュニケーションや外国の文化への関心をさらに深めることができたと考えています。当日の子どもたちの感想からは、英語で話すと、自分の気持ちが外国の人たちにも伝わった。家で家族ともやってみたい。学校での英語の授業がもっと楽しみになってきたなどの記述が多く見られました。また、企画・運営をしたALTからも、ALT同士でアイデアを持ち寄って企画した活動で、子どもたちに楽しんでもらえたので、この経験を学校でも役立てたいというような意見が多くあり、今後の授業支援に生かそうとする意欲的な姿勢がうかがえました。今後は、今年度の活動状況を踏まえ、より多くの子どもたちにこのような機会を増やしていくよう検討していきます。以上でございます。 ○若江進議長 以上で、答弁は終わりました。 以上で、池本議員の一般質問を終わります。 ただいまから新型コロナウイルス感染症対策による議場内換気のため、午前11時20分まで休憩いたします。       午前11時3分休憩   ────────────────       午前11時20分再開 ○若江進議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。大木議員。 〔大木健太郎議員登壇〕 ◆大木健太郎議員 自民党議員団の大木健太郎です。通告に従って、一括方式で質問いたしますので、市長はじめ関係理事者には、御答弁よろしくお願いいたします。 まず、道後温泉活性化についてお伺いいたします。道後温泉本館は、平成31年1月15日に、公衆浴場として全国で初めての営業しながらの重要文化財の保存修理工事を始めて、もうすぐ2年がたちます。これまでの工事では、入浴客の出入口である玄関を変えるための休館や仮設の屋根を設置する工事で、県道を夜間に通行止めにしたり、来街者への工事の影響が心配されましたが、営業時間の短縮や歩行者には本館西側に迂回路をつくるなど、工事計画の工夫や早い段階からの地元などへの周知を図ったことで、工事による影響を最小限にできたことは、関係者の努力の結果だと思っております。また、道後温泉地区の来街者が多くなる夏休みまでには、仮囲いの工事や歩行空間を確保するとともに、「火の鳥」のオブジェの設置やプロジェクションマッピングの投影などを行う「道後REBORNプロジェクト」を行い、観光産業への影響にも考慮して取り組んでこられました。さらに、工事見学をはじめ、工事の進捗や仮設パネルを仮囲いに設置し、貴重な情報を発信することで、保存修理工事の意義や理解が市民や観光客にも広く伝わったなど、地元としてもおもてなしの意識が高まったと感じております。地元としても、工事を実施すると少なからず影響が出て、来街客が減少すると考えていましたが、令和元年の観光客推計の結果では、道後温泉の宿泊客数は工事中にもかかわらず、前年よりも少し少ない3%減になっており、ゴールデンウイークや夏休み期間、年末年始には、商店街や旅館・ホテルなどの地元関係者の努力や協力もあり、例年よりも増して多くの来街者に道後を楽しんでいただいたと感じております。一方、道後温泉地区の旅館・ホテルの耐震化による施設の建て替えもほぼ終わり、これからというときに新型コロナウイルス感染症の影響が出始めたため、道後の宿泊客数は、令和2年5月には前年度比の90%まで減少いたしましたが、現在、国の様々なGoToキャンペーン効果もあり、道後温泉地区にも活気が戻り、これまで以上に集客への期待が膨らんでいるところでございます。そのような中、来年度の令和3年度からは、工事の範囲を切り替えると聞いております。そこで1点目の質問ですが、本館の保存修理工事の進捗状況と来年度の保存修理工事について、観光客が目にすることになる素屋根の移設工事を中心にお伺いいたします。また、平成27年に策定された道後温泉活性化計画に基づき、これまでも本館だけに頼らない新しい魅力づくりに取り組んできたと思いますが、道後オンセナート2014から続くアート事業や道後温泉別館飛鳥乃湯泉の整備や第4分湯場の改築、さらに空の散歩道への足湯の設置など、これまでも様々な事業を実施して、道後地区に新たな魅力が多く生まれていると思っております。また、保存修理工事の開始後の「道後REBORNプロジェクト」と道後アート2019・2020は、活性化事業の中核として進められております。そのうち「道後REBORNプロジェクト」では、手塚プロダクションの制作で、道後地域の歴史や文化を題材としたオリジナルアニメーション「火の鳥・道後温泉編」を第1話から第3話まで制作し、この動画が100万回を超える再生回数になり、多くの方に見られております。また、令和元年7月には、道後温泉本館を覆う仮設の素屋根を全面に「火の鳥」で彩るラッピングアートが完成しました。一般的に工事現場は無機質になりがちですが、観光地にふさわしく、鮮やかな「火の鳥」で包み込む新たな写真スポットとなりました。さらに、本館周辺以外でも、道後温泉商店街では、「火の鳥」がデザインされたお土産を販売するなど、地元を挙げて本館工事を盛り上げようとみんなで頑張っている空気を感じております。また、道後アート2019・2020では、全国的に著名なアーティストであります日比野克彦さんのプロデュースで、これまでの鑑賞型アートから参加型アートに発展させるほか、多くのアート作品を募集により選んでおり、令和元年10月の福祉施設や社会的支援を必要とする人たちのアート作品の展示をはじめ、令和2年6月からは、アート作品を貸出しするレンタル事業を始めたり、宝厳寺のすぐ下に「ひみつジャナイ基地」を整備し、アート事業の拠点として情報発信や交流の場としてにぎわっております。加えて、平成26年から継続して行っている「ひかりの実」や若い女性の方を中心に人気の松山出身のモデルラブリさんの作品「ラブレター」のほか、これまで道後オンセナートや道後アートの作品も併せて展示するなど、アートを生かしたまちづくりが道後温泉に根づき始めたように思っております。このような中、「道後REBORNプロジェクト」と道後アート事業は、いずれも今年度で終了すると聞いており、大変残念に思っておりましたが、今議会に新たに未来へつなぐ道後まちづくり事業として、これまでのアート事業の特徴を生かしながら、統一したコンセプトで、道後温泉本館と上人坂エリアを核としながら、地域全体で取り組む活性化事業が提案されております。私は、本年3月議会で、本館の保存修理工事が終了する令和6年度までの活性化事業の取組について質問をしておりますが、理事者からは、令和2年度にはこれまでの活性化事業について、地元関係者等の意見を聞きながら、各種事業の経済波及効果などを検証し、令和3年度以降の具体的な取組を検証するとの答弁でございました。 そこで2点目の質問は、今回の新規事業の効果を最大限に発揮するためには、これまでの活性化事業の成果を十分に検証することが大切であると考えられますが、そこで、これまでの道後温泉活性化事業の成果についてどのように捉えられているのか、お伺いいたします。 次に、競輪事業についてお伺いいたします。公営競技である競輪事業は、戦災に遭った都市の復興を図るための公共施設の建築などを早く行うため、被災を受けた都市に認められたもので、北九州市の小倉競輪を皮切りに、全国各地で戦後間もなく始められました。また、自転車その他機械の改良及び輸出の振興、機械工業の合理化並びに体育事業など、様々な公営を増進する事業の振興に役立てられ、地方財政の健全化を図ることを目的として実施され、現在では、全国43か所で自転車競技法に基づき、自転車競争が開催されております。本市の松山競輪も昭和25年に堀之内の公園の中に500メートルバンクが、県営陸上競技場と併設した施設として開設されて以来、多くの雇用の場をつくるとともに、市の中心部にたくさんの人が集まり、にぎわいを生み出してまいりました。その後、平成17年に市坪の中央公園内に今の主流である400メートルバンクの多目的競技場として移転オープンしてからは、本市のスポーツ拠点の一部として、県武道館、坊っちゃんスタジアム、アクアパレットなどとともに、市民の皆様に親しまれてまいりました。これまでの71年間に及ぶ競輪事業の歩みの中に、その売上金からこれまでに約240億円を一般会計に繰り出しており、学校や市営住宅の建設、道路や下水道の整備など、本市の社会資本の整備に大きく役立ててきたと伺っております。また、公営競技としての存在意義の長きにわたり発揮してきたと思います。このような競輪事業は、娯楽が少なかった昭和の経済成長の時代においては、復興に邁進する国民の息抜きや癒やしを与える産業でもありましたが、今日では、オリンピックの競技種目にも加わり、プロを志す若者たちの活躍の場として、また多くの人に感動や夢を与えるスポーツ競技として、今日の自転車ブームにも一役貢献していると思っております。私は、競輪選手会の愛媛県支部の顧問を市議会議員の先輩でもあります中西 智さんから選手会の顧問を引き継いでいる関係上、競輪選手たちと話す機会も多くあり、多くの競輪選手からは、今回のコロナ禍で出場する機会を奪われており、経済的な面に加えて、選手自体の競技力をどのように維持していくのかなど、大変つらい数か月を過ごしているとお聞きしました。プロスポーツ界で生きる選手たちは、グレードの高いレースで高額な賞金を手にすることを目指しておりますが、賞金以外の安定した収入はございません。本当に切実な問題でございます。また、松山競輪でも様々な条件をつけての開催が余儀なくされている中で、当然市の経営面にも大きく影響が出ていると思いますが、可能な限りの経営改善努力を尽くしながら、苦しい時期を持ちこたえなければなりません。 そこで2点お伺いいたします。競輪界は、2月27日以降、開催の中止や観客を入れないことを期限を定めないままで行ってきたことや場外販売もできない期間が長かったと聞いております。そこで、まず1点目は、今年度の開催状況についてお伺いいたします。 2点目は、開催の中止などで売上収入は減少していると想像しますが、再開後の競輪事業の運営の中で、今回の補正予算の計上に至った要因についてお伺いいたします。 最後に、イノシシ対策についてお伺いいたします。近年の傾向では、高齢化や過疎化が急速に進み、人里の人口が減少していることがきっかけになって、耕作されず放棄された農地が増えているとお聞きします。そうしたことで、これまでの山と里の境目が曖昧になってきたため、野生鳥獣が行動する範囲が、農村部やまちの中まで拡大していると思われます。その結果、農家の皆様が汗水流してつくった農作物は食い荒らされ、出荷することができないだけではなく、農地も荒らされ、営農の継続にも支障が出ているなど、農家の生活を脅かす大きな原因となっております。また、最近では、市街地で頻繁にイノシシが目撃されており、市民生活の安心・安全面にも不安を与えるとお聞きします。このような傾向は、テレビや新聞等の報道から見ても全国的で、熊、猿、イノシシといった野生鳥獣が畑や市街地に出没し、警察や自治体がその対応に追われたり、農作物の被害や住民の人的被害を心配するニュースをよく目にするようになってきました。特に今年の熊による被害は、全国でも相次いでおり、環境省によると、4月から9月の熊の出没件数は1万3,670件で、この5年間で最も多い数となっており、それに比例して人的被害も多く発生しております。原因は、今年は熊が好んで食べるブナなどの木の実が不作であることが挙げられており、餌を求めて人里に下りてきていると言われております。本市では熊の出没は報告されておりませんが、今年はイノシシが、今まで目撃されていることがなかったような農地や市街地などでも出没しているとお聞きしております。熊と同様のことが本市でも起こっているのではないでしょうか。農林水産省では、平成30年度の野生鳥獣による農作物の被害状況を都道府県別で公表しておりますが、全国での被害総額は、年間約158億円を上回ります。そのうちカラス等の鳥類を除く獣類の被害額は、全体の約8割で、129億円になります。また、被害が多い順では、鹿、イノシシ、猿の順で、この3種類の獣類で全体の8割を占めていました。こうした内容から、特に獣類による被害がいかに深刻な問題を引き起こしているかが分かります。 一方、県内に目を移すと、野生鳥獣による農作物の被害状況は、令和元年度は前年度より3%少ない3億9,546万円となっており、その内容は、イノシシの被害が減った反面、猿の被害が増えており、また作物別では、果樹が全体の74%を占めているとの新聞報道がありました。全国と同様に、被害額はここ数年減少する傾向にあるものの、被害が大きく減少している状況ではありません。また、果樹への被害が全体の約4分の3を占めているという現実は、かんきつ栽培が盛んに行われている本市にとっては、農家の方の営農意欲がなくなる大きな問題であると考えております。また、これがきっかけとなって高齢者の離農が増えることも考えられ、さらには、担い手も不足しているなどの状況から、耕作放棄地の増加に拍車がかかることも心配であり、鳥獣対策の強化は、本市の農業振興にとって早急に対応しなければならない課題であると考えております。しかしながら、鳥獣対策は、被害を及ぼしている鳥獣の種類や被害を受けている土地の状況、さらには、その地域の実情に応じて対策が制限されるなど、効果的に取り組むことが難しく、一筋縄ではいかないので、決定的な対策が難しいのが現状でございます。また、即効性のある対策もないため、息の長い地道な取組が必要となっており、なかなか先が見えない困難な課題であるとも言えます。そのため、農作物の被害防止や市民の安心・安全を確保するために、有害鳥獣の捕獲などをさらに進めていく必要があると考えております。今後も関係者の皆様が連携し合いながら、それぞれの立場で粘り強く課題解決に取り組まれることを願って、質問に移ります。 まず、1点目は、今年度に入ってテレビや新聞等の報道や市民の皆様の声からも分かるように、以前より野生鳥獣を見かける回数は確実に増えております。それに伴い、報償費などを今回の12月補正予算に上げておりますが、有害鳥獣の捕獲頭数も増加しているのではないでしょうか。そこで、平成29年から年度別に3年間の鳥獣対策に基づくイノシシの捕獲頭数と今年度の捕獲頭数の状況についてお伺いいたします。 次に、2点目の質問は、市街地に出没したときの対応についてであります。今年度に入り本市では、7月に祝谷の住宅地に3頭の子を連れたイノシシが、また鷹子町と平井町の境にあるため池の付近では2頭の子を連れたイノシシが、さらに8月には、津吉町の住宅地でイノシシが1頭出没し、注意を促すような報道がされておりました。また、私の住む道後地区でも、イノシシの目撃をすることが多くなり、家庭菜園を掘り起こされたなど、いろいろな話をよく聞きます。今年8月には、近所の方から、毎日のようにイノシシが道後温泉本館の東側の山裾に出没しているとの相談を受けました。市にお願いしたところ、出没場所と思われるすぐ近くの山に、猟友会の方にわなを仕掛けていただき、そこで9頭のイノシシを捕獲していただきました。本市では、農作物被害の軽減と併せて、市民の安心・安全のために様々な対策を講じていると思いますが、鳥獣対策で成果を上げるためには、行政だけに頼るのではなく、地元による主体的な取組も必要でないかと考えております。道後地区は、皆様も御存じのとおり、道後温泉本館等の全国に誇れる観光資源を保有している地区で、地域住民のみならず、国内外からも多くの観光客が訪れる場所でもあり、安全・安心の確保が気になるところです。そこで、イノシシが市街地に出没した場合、どのような対応をされているのか、お伺いいたします。 最後に、3点目の質問は、鳥獣に強い集落づくりについてであります。本市が策定しております松山市鳥獣被害防止計画では、鳥獣被害を防止するために捕獲する駆除と電気柵等の防護柵を設ける防除、さらには、集落が主体となり被害防止活動に取り組む環境整備の3本柱を掲げ、総合的な対策で取り組むとのことです。鳥獣被害対策は、個々の農家の対策だけでは限界があると思いますので、計画にあるように、野生鳥獣を寄せつけないまちぐるみの対策が重要であると私も思います。そこで、鳥獣に強い集落をつくる取組を市内の数か所で実施していると聞いておりますが、その取組の内容などについてお伺いいたします。 以上で、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○若江進議長 これより答弁を求めます。野志市長。 〔野志克仁市長登壇〕 ◎野志克仁市長 大木議員に、私からは道後温泉活性化についてお答えします。 道後温泉本館は、本市を代表する貴重な観光資源で、経済的影響を緩和するため、営業しながら保存修理工事を行っています。まず、保存修理工事の進捗状況は、現在素屋根に覆われている又新殿・霊の湯棟と南棟の屋根のふきかえ作業を終え、年明けから商店街前の玄関棟付近で、素屋根を移設する基礎工事を開始します。今年度末には、全工程の39%の進捗になる見込みです。来年度の工事予定は、7月に入浴客の入り口を北側から東側に切り替えます。9月以降は、素屋根を本館西側に移設して、新しいテント幕を設け、12月中旬までに板塀で周囲を囲い、来街者の安全対策を行うなど、お客様に安心して入浴や観光を楽しんでいただけるよう、工事を進めたいと考えています。 次に、道後温泉活性化の成果については、民間の調査機関によると、道後アート事業や「道後REBORNプロジェクト」など、道後温泉活性化事業の結果、平成26年から令和元年までの6年間で、道後温泉地区の観光客数が約150万人増加したのに加え、アンケートでも観光客の旅行した後の満足度は、旅行する前の期待度を上回り、地元事業者からは、客数、売上高ともに増加したと回答をいただいています。また、この間の経済波及効果は約312億円で、道後温泉活性化事業が大きな成果をもたらしたと考えています。 そのほかの質問につきましては、関係理事者からお答えいたしますので、よろしくお願いをいたします。
    ○若江進議長 家串産業経済部長。 〔家串正治産業経済部長登壇〕 ◎家串正治産業経済部長 大木議員に、競輪事業についてお答えします。 まず、競輪事業の今年度の開催状況についてですが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、年度当初から全国で開催中止が相次ぎ、松山競輪における本場開催では、ミッドナイト競輪とナイター競輪の2回、松山競輪場で他場の車券発売を行う場外開催では、36回を中止することとなりました。その後、感染防止策の徹底により、全国各地で徐々に再開され、松山競輪では、6月22日から無観客で、7月2日からは観客を入れて再開をいたしました。また、ファンサービスの向上のため、通常開催とは別枠で新たなレースを誘致し、11月に開催したところです。 次に、補正予算の要因についてですが、松山競輪では、これまで新たなファンの開拓や利用者の利便性を向上させるため、他場に先駆けて平成21年度からナイター競輪を、平成30年度からは、電話やインターネット購入などで行うミッドナイト競輪に取り組んできました。こうした中、新型コロナウイルスの影響で、新たな生活スタイルへの変化から、在宅などで競輪を楽しめるミッドナイト競輪の車券売上げが大きく伸び、当初予算の払戻金などが約20億円不足する見込みとなったことから補正予算を計上するものです。以上です。 ○若江進議長 中矢農林水産担当部長。 〔中矢博司農林水産担当部長登壇〕 ◎中矢博司農林水産担当部長 大木議員に、イノシシ対策についてお答えします。 まず、イノシシの捕獲頭数は、平成29年度は1,918頭、平成30年度は2,010頭、令和元年度は2,076頭で、今年度は10月末時点で既に2,783頭を捕獲しており、昨年の同時期と比較して約1.6倍と大幅に増加しています。 次に、市街地にイノシシが出没したときの対応についてですが、通報や連絡があった場合は、休日や夜間に関係なく職員が現場に急行し、警察、猟友会などと連携しながら、山への追い払いや捕獲を行っています。また、併せて、周辺パトロールや学校や支所などに情報を周知したり、状況に応じて防災行政無線などを活用し、注意を呼びかけるなど、住民の安全を第一に対応しています。 次に、鳥獣に強い集落づくりについてですが、本市では、被害が多く、広範囲に及ぶ地域で地元関係者が組織づくりを行い、鳥獣被害の実態調査や対策を愛媛大学農学部や農協などと連携して実施しており、これまでに興居島の由良地区と泊地区、伊台の実川地区及び小野の今吉地区の4か所で取り組んでいます。具体的には、カメラを用いた生息状況や現地調査を実施し、集落独自の被害防止計画を定めて、防護柵や花火による追い払い活動などの対策を地域ぐるみで行っているもので、実施した集落からは、被害が減少していると聞いています。今後も市民の安全・安心を最優先に、大学や猟友会、農協などと連携しながら、地元の皆様に寄り添って住民主体の取組を推進し、松山の農業を守っていきます。以上です。 ○若江進議長 以上で、答弁は終わりました。 以上で、大木議員の一般質問を終わります。 ただいまから午後1時まで休憩いたします。       午前11時48分休憩   ────────────────       午後1時0分再開 ○若江進議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。雲峰議員。 〔雲峰広行議員登壇〕 ◆雲峰広行議員 公明党議員団の雲峰広行でございます。公明党議員団の一員として質問いたします。市長はじめ理事者の明快な答弁をよろしくお願い申し上げます。 まず、このたびの新型コロナウイルスに感染された市民の皆様、治療中の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。そして、今懸命にコロナ感染症ウイルスと戦っていただいている医療従事者及び関係者の皆様、市保健所の職員の皆様、そしてコロナ禍で市民の生命と生活を支えていただいている多くの方々に感謝を申し上げます。本市では、しばらく鎮静化しておりましたコロナウイルス感染でございましたが、再び感染拡大が顕著になり、11月11日から昨日までの3週間で186名の感染者が出ております。この数は、今回のコロナ禍で松山市民の全感染者数の約7割に相当します。爆発的な感染拡大と言えます。そして、国の支援策で徐々にですが回復しつつあった市内経済ですが、コロナ禍第3波の拡大により、市内観光地などへの人手の減少、市内経済の低迷、さらに、年末年始行事の中止など、社会面も含めて市内経済、市民生活に大きな影響が出ております。そこで私ども公明党議員団は、11月24日に野志市長に、令和3年度政策提言書を提出させていただきました。今最も重要な要望12項目を含む108項目の政策提言であります。特にコロナウイルス感染症対策に関しては、多くの政策要望を盛り込みました。野志市長におかれましては、国との連携の中で、本市独自の実効性のあるコロナ禍対策を推進していただきたいと思います。私ども公明党議員団も政権の一翼を担う立場で協力を惜しみませんので、よろしくお願いを申し上げます。それでは、通告に従い、全集中で一般質問に入らせていただきます。 まず初めに、自治体クラウドについてお伺いいたします。本市は、10月29日高松市、倉敷市との3中核市による自治体クラウドの推進に係る協定を結びました。実現すると、県を超えた中核市同士の自治体クラウドでは全国初の試みで、3市を合わせた人口140万人での共同利用は、国内最大規模と伺いました。自治体クラウドとは、住民基本台帳、税務、福祉などの自治体の情報システムやデータを外部のデータセンターにおいて管理・運用し、複数の自治体で共通化そして共同利用をする取組を言います。自治体クラウドでは、ハードウエアもそれを置くスペースや動かすための電力も全てをサービス提供主体が保持し、一元管理します。また、業務用のアプリケーションや基本的なオペレーションソフトなどの維持管理も全てサービス提供主体が行います。その結果、市庁舎内に設置されたハードやソフトを維持管理するための人手や電気代、ハードウエアの設置スペースの確保、セキュリティー対策費など、運用コストが大幅に削減でき、利用自治体にとって大きなメリットになると言われ、持たずに使う、これがクラウドの最大メリットだと言われております。また、総務省の調査によりますと、平成31年4月1日現在、全国で自治体クラウドの導入例は82例ありますが、愛媛県内には1例あるのみです。そして、全国82例のうち77例が、同一県内の自治体クラウドとなっています。残る5例は、県をまたいでいますが、人口10万以下の小規模な自治体の連携となっているようです。 そこでまず、基本的なことをお伺いいたします。今回の協定締結がなぜ県をまたぐ中核市3市になったのか。本市及び市民にどのようなメリットがあるのか、お示しください。 2点目は、現在自治体クラウド導入に向け検討しているのは、具体的にどのシステムなのか。また、今後の協議でシステムを拡充する予定があるのか、お示しください。 3点目、自治体クラウドの実現には、入り口である推進組織の立ち上げが最重要と言われております。そこで、今回の協定締結を受けて、推進組織の立ち上げについて、また推進組織の事務局はどこに置くのか、お伺いいたします。 4点目は、本市が従来から導入しているシステムの膨大な各種重要データのバックアップはどのようにしているのか。また、今回の自治体クラウドを導入することによってどのようになるのか、お示しください。 5点目は、こういった個人情報を含むデータをクラウドにおいて利用する場合の不正アクセスやウイルス等へのセキュリティー対策について、また災害時における業務継続性の確保についてどのようになるのか、お伺いいたします。 次に、押印廃止と書面主義の見直しについてお伺いいたします。中央省庁の行政手続の押印廃止を強力に推進している河野太郎行革担当大臣は、11月13日の記者会見で、行政手続での判こ使用について、その99%以上を廃止することに決定したと発表しました。国民生活に身近な婚姻・離婚届、自動車検査証、住民票の写しの交付請求など、1万4,909種類の手続で押印が不要となることになります。また、河野大臣は、本人確認、本人の認証にならない認め印は全てなくなり、今後は書面や対面の必要がない手続はやめて、オンライン化を進めたいとも述べました。一方、印鑑証明や登記登録で必要なものや銀行への届出印など、83種類は今後も存続させるとして、押印廃止に伴い、来年度デジタル庁が発足し、業務がデジタル化された際には、電子認証などが導入されるだろうとの見通しも示しました。さらに国は、確定申告などの税務手続においても押印の原則廃止を検討する方針を明確にしております。このように行政手続文書だけではなく、税に関わる他の書類でも押印廃止の流れが加速化しています。 そこでお伺いする1点目は、国において行革担当大臣が推し進めている押印廃止について、約99%以上の中央省庁の行政手続文書の押印が実際に廃止された場合、本市のどの行政文書が連動して廃止できるのか。今から廃止対象のリストの洗い出しを積極的にすべきと考えますが、御所見を伺います。 2点目は、本市独自の行政手続文書について、押印を必要とする行政手続文書が幾つあって、そのうち国と連動せざるを得ない文書が幾つ、市単独で判断できるものが幾つあるのか、早急にリスト化をすべきと考えます。御所見を伺います。押印廃止と書面文書の見直しについては、国の動きを敏感に察知して、何よりも住民サービスの向上に向けて市長のリーダーシップの下、早急な洗い出しと対応を期待しております。 次に、本市の行政デジタル化オンライン申請についてであります。我が国のICTやデータの活用は、先進諸国に大きく遅れており、特に目立つのは、行政のデジタル化だと指摘されております。パソコンやスマートフォンなどからオンラインで完結できる行政手続は、全国平均で僅か7%程度とのデータもあります。このような中、9月に発足した菅内閣は、社会行政のデジタル化を推し進めるデジタル庁を創設して、行政手続のオンライン化の推進や自治体の基本システムの統一、標準化、マイナンバーカードの普及などに積極的に取り組もうとしております。ただし、国の主導する本格的なデジタル化を待ってシステムを統一・標準化されてから、その後に本市の対応を検討しようというのではなく、住民サービスの向上、行政の効率化のために、今ある制度・システムを活用して、できることからまず実行することが重要だと思います。そこで、今からすぐにでも実現可能な行政手続のオンライン化、それは、マイナンバーカードを活用したマイナポータル「ぴったりサービス」のフル活用であります。これには、自治体レベルでの新たなシステム構築などは不要であります。各自治体の手続検索と電子申請機能を活用することで、災害時の罹災証明書の発行申請から子育ての関係では、児童手当等の受給資格の認定申請、保育施設等の利用申込み、妊娠の届出など、幅広い行政手続をパソコンやスマホから申請可能になります。野志市長も2015年6月議会での答弁で、マイナポータル「ぴったりサービス」については、市民が自宅にいながら納税や社会保障の手続が可能になるなど、さらなる市民サービスの向上が期待できると答弁されております。全国他市の例ですが、「ぴったりサービス」に国の15の指定項目に加え、市の判断で新たに23項目もの様々な分野の行政申請を追加し、オンライン申請の拡充を図っております。 そこで3点目は、現在本市でマイナポータル「ぴったりサービス」を利用してオンライン申請をすることができる手続は何があるのか、具体的にお示しください。 4点目は、本市においてマイナポータル「ぴったりサービス」にオンライン申請をすることができる手続をさらに追加するなど、今後の活用について御所見をお伺いいたします。 次に、デジタル化の恩恵を誰もが享受できる社会をつくることについてお伺いいたします。国は、全ての人に最低限のデジタル環境を保障する意味のデジタルミニマムを掲げております。そのためには、行政のデジタル化で全ての市民にとって利用しやすくなり、デジタル化の恩恵から誰一人取り残されないような環境整備を進めるべきと思います。また、今後は、行政だけではなく、医療や教育など、あらゆる分野でデジタル化が進むと予想され、デジタル機器やサービスを利用できないと、情報の格差が経済的な格差につながり、ひいては、社会の分断を招くおそれもあると危惧されております。そこで国は、今年度から高齢者などを含む情報弱者と言われる方を対象に、スマホなどを使って行政のオンライン申請の講習会などを行う実証事業を全国11地域で実施しております。この実証事業は、行政のオンライン手続のやり方など、民間では光が当たらない公共分野のサービスを地域に広げていくことを目的としております。地元IT企業、自治体、携帯ショップ、またシルバー人材センターが担い手となり、スマホをはじめとする電子機器の使い方をデジタル活用支援員が分かりやすく伝授するものであります。本市もこの実証事業に選定されており、松山市シルバー人材センターが12月から講座を開催いたします。国は、実証事業を通して制度の枠組みを検討し、来年度は全国展開につなげるとの計画と伺っております。 そこでお伺いする5点目は、本市において情報弱者と言われる世代や障がいを持つ市民に対して、このような行政のオンライン手続ができるように、スマホやパソコンでの操作方法を伝授する講習会を開催してはどうかと思いますが、御所見をお伺いいたします。 次に、本市のGIGAスクール構想についてお伺いいたします。この構想の目的は、1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、特別な支援を必要とする子どもを含め、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、公正に個別適正化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育ICT環境を実現するとされております。ここで言う個別最適化とは、難しい表現ですが、言い換えれば、ICT教育を整えて、一人一人の子どもの特性に適した学びを全ての子どもに保障していくこと、すなわち一人も取り残さない教育の実現となります。いよいよ本市にも来年2月末までには、全ての小・中学校に使用できるよう設定されたウィンドウズタブレットが導入されると伺っております。今議会にも来年度事業として、小・中学校に実際に授業で活用する先生方への支援策として、ICT支援員の配置の予算も上程されており、準備も進んでいると認識しております。 そこでお伺いする1点目は、本市の採用がウィンドウズということですが、国はiOS、クロームを含めた3種のOSソフトの機器を推奨しておりました。県内の他の自治体では、ウィンドウズではない自治体もありますが、どのような経緯でウィンドウズに決定したのか、お伺いいたします。 2点目は、ウィンドウズタブレットを各学校で使用する場合の使用目的、使用場所、管理方法、自宅でも使えるのかなど、細かい運用規程が必要と思いますが、既に作成しているのか、伺います。 3点目は、児童・生徒の学習支援に活用するロイロノート・スクールについてどのようなもので、どのように活用するのか、利用する場合の効果やメリットについてお示しください。 4点目は、デジタル教科書の導入です。児童・生徒1人1台のタブレットと高速の校内ネットワークを整備するGIGAスクール構想の進展には、デジタル教科書が必要になります。現在、小・中学校で児童・生徒が使用している教科書の95%以上が既にデジタル化されております。しかし、実際に導入されているのは、全国で1割にも達しておりません。そのため国は、来年度予算の概算要求に約50億円を盛り込み、デジタル教科書の導入を希望する自治体を募集し、小学校5年・6年の1教科分、中学生の2教科分の導入費を負担することになりました。そこで、利用する環境が整備される来年度、本市においてもデジタル教科書を積極的に導入すべきと思いますが、理事者の御所見を伺います。 5点目は、デイジー教科書についてであります。デイジー教科書とは、視覚障がいや発達障がい、識字障がいなどがある児童・生徒の使用を想定し、教科書の文章を音声で読み上げる教材で、2008年に施行された、いわゆる教科書バリアフリー法に基づき、日本障害者リハビリテーション協会を中心に、国内のボランティア団体と協力して提供しているものであります。また、最新の報告では、デイジー教科書は、外国人児童・生徒の日本語の習得にも効果があるとの報告がされております。私は、10年前にもデイジー教科書の導入について質問しましたが、現状は10年前と同じで全く進んでおりません。今回のGIGAスクール構想での目的、一人一人の子どもの特性に適した学びを実現するためにも、ハード環境の整った今、デイジー教科書の積極的な導入が望まれると思いますが、御所見をお伺いいたします。 次に、改正建設業法に関する本市の取組についてお伺いいたします。近年、気候変動を要因とした豪雨の増加や台風の強大化による浸水被害の甚大化・頻発化や土砂災害の発生、また発生確率が高まっている南海トラフ巨大地震への対応など、こうした自然災害への備えに加えて、地域の持続的な発展に向け、暮らしや経済を支えるための道路や河川をはじめとした社会基盤の着実な整備が今求められております。そして、いざ災害発生時には、自らの危険を顧みず現場に駆けつけ、被害の拡大防止や復旧・復興に貢献する地域の建設業にとって、今後も持続可能な経営の継続が重要であると思います。しかし、地域の守り手となる建設業は今、少子高齢化や人口減少の影響を受け、深刻な人手不足に陥っております。国は、このような現状の打開を目指し、新たに建設業の働き方改革の促進、建設現場の生産性向上、持続可能な事業環境の確保の3つの観点から、25年ぶりの大改正と言われる建設業法等が、本年10月1日に改正施行されました。今回の改正には多くの改正点がありますが、特に働き方改革の促進に絞り、以下数点本市の取組について、またお考えをお伺いいたします。 まず、適正な工期についてであります。2019年4月の働き方改革関連法の施行に伴い、労働基準法が改正され、原則として、時間外労働の上限は月45時間、年360時間が法律による上限になり、建設業については、5年間の猶予があり、2024年4月から時間外労働の上限が設けられるようになります。そして、将来の担い手となる若手の入職者の促進については、週休2日の完全実施、残業削減や年次有給休暇取得も必要だとの声が現場から出ており、雇用確保のために対応が急がれております。しかし、建設業界で長年の課題であった長時間労働の是正には、工期という壁の克服が不可欠になります。それらに対応するには、発注者側としても現場の安全、工事の品質、労働環境を考えた適正な工期の設定が重要になります。これが今回の改正のポイントであります。今回の改正で新たに著しく短い工期による請負契約の締結禁止の規定が追加され、中央建設業審議会が作成する工期に関する基準を前提に、直接的な規制に乗り出します。禁止規定に違反した発注者に対しては、国土交通大臣等が勧告できる仕組みを創設し、勧告に従わない場合には公表するなど、実効性を持った対策を設けました。この禁止規定は、建設業者にも適用となり、違反した場合は、監督処分の対象となります。加えて、公共工事の過度な年度末集中の是正を強力に推進するために、発注者の責務に、工期の平準化も明記しており、施工時期の平準化に向けた取組も責務として課しております。そこで、本市として、法改正を受けて適正な工期の設定、施工時期の平準化についてどのように取り組むお考えなのか、お伺いいたします。 次に、今回の法改正で、現場の処遇改善に関して建設業許可を見直し、年金・医療・雇用の社会保険の加入を要件化するとあります。この改正を受けて、下請業者も含めて本市発注の工事から社会保険の未加入業者を排除すべきと思います。また、法改正で元請会社から下請会社に支払われる工事代金のうち、労務費相当分は現金にて支払うとあります。 そこでお伺いする2点目は、この2点について本市の現状と法改正後の取組についてお示しください。 次に、建設業界全体の従事者数が減少する中で、女性の技術・技能従事者数は増加しております。そこで、建設業界で活躍する女性にとって、快適な職場づくりに向け、たとえ少数でも女性専用で快適な仮設トイレが必要ではないかと、国は2016年10月より建設現場で男女が働きやすい環境づくりに向け、国土交通省が発注する建設現場に、快適トイレの導入を基本とすると発表いたしました。建設現場のトイレを美しく、使いやすい環境にすることで、女性の建設業界への進出を後押しして、女性従事者の新たな入職者の増加やさらなる活躍につなげることで、担い手の確保に寄与しています。この取組は、既に全国の自治体でも快適トイレの仕様や要綱を定めて設置が始まっております。 そこで3点目は、本市発注の工事に関して、現場に女性に配慮した快適トイレを設置することについて、理事者のお考えをお伺いいたします。 次に、前立腺がんの検診についてお伺いいたします。先月、国立がん研究センターから、2020年がん統計予測が発表されました。その予測では、前立腺がんの罹患数が、胃がんを抜いて4年連続でトップでした。また、死亡者数予測については、男性では肺・大腸・胃・膵臓・肝臓に次ぐ6番目でした。我が国の前立腺がん罹患患者は、近年確実に増えており、過去10年で約3.4倍に増加しております。罹患率の上昇の原因としては、高齢化の進行とともに、食習慣の欧米化が上げられ、特に最近増えております50歳代の患者の増加は、食事との関係性が高いと言われております。前立腺がんの検査として一般的に行われているのはPSA検査で、前立腺がんの初期検査として最適な方法とされております。また、採血だけで結果が出るので、自覚症状がない場合でも、健康診断の一環のような感覚で手軽に受けることができ、PSA検査が普及したことで、前立腺がんの早期発見率は格段に上昇したと言われております。欧米では、前立腺がん患者は日本よりはるかに多いですが、PSA検査率が高く、早期治療に結びついて、死亡率は減少傾向にあります。一方、日本では、1990年代以降、罹患者数、死亡者数も増加しております。その原因の一つに、PSA検診率がまだまだ低いことが上げられ、がんが見つかったときには、既に転移している方もいると聞いております。私自身2年前の定期検診でのPSA検査で、自覚症状も全くなく、数値自体も問題視するほどではなかったのですが、過去3年間連続で数値が上昇していることで、念のため精密検査を受けるように勧められ、検査を受けたところ、罹患していることが分かりました。検査では、ステージ3との診断でしたが、このがんの特性として、進行速度が遅いことが上げられ、ステージ3での5年生存率はほぼ100%と言われております。しかし、ステージ4になると約60%と一挙に激減します。ちなみに50歳以上の男性について単純な計算によりますと、15人に一人が一生に一度前立腺がんになるそうであります。前立腺がんは、私の体験も踏まえて50歳を過ぎたら、毎年定期的なPSA検査を受けることで、早期発見・早期診断・早期治療、そして完治が十分可能ながんであると思います。厚生労働省は、胃がん・肺がん・大腸がん・乳がん・子宮頸がん、この5つのがんに対して、定期的にがん検診を受けることを推奨しております。そのため、前立腺がんについては、がん検診の項目に含まれていない自治体が多い中、本市では、2010年から6番目の検診項目として、集団検診で50歳以上の男性に対し、約3,000円のPSA検査を700円で受けられるよう補助を行っております。国の推奨しない不要な検診との指摘に臆することなく、前立腺がんの検診事業を長年行ってきたことを評価したいと思います。ただし、本市の受診率については、2015年からこの5年間で9.2%から2.8%に大きく減少しているように見えます。 そこでお伺いする1点目は、検診受診率の減少の要因は何か、お伺いいたします。 2点目は、前立腺がんの周知・啓発についてであります。毎年11月の1か月間を通して、男性特有のがんである前立腺がんなどの認知度や健康意識を高めていこうとするモーベンバーというキャンペーンがあります。男性の口ひげと11月のノーベンバーを掛け合わせてモーベンバーと呼ぶそうです。ヨーロッパ諸国やアメリカなどでは、この1か月間は口ひげを伸ばして男性がアピールしてこの運動を推進するそうですが、我が国では、モーベンバーはまだあまり知られておりません。口ひげを伸ばす習慣にはなじめないからだとは思いますが、その目的には共感する男性は多いと思います。一方、女性の乳がんの啓蒙活動であるピンクリボン運動が有名でありますが、実際は乳がんと前立腺がんの死亡者数に大差はありません。私も罹患するまで、他のがんと比べ、前立腺がんへの認識が少なかったと思いました。自分の健康は自分で守ることが前提ですが、そのための知識や情報提供は、行政の役割と思います。そこで、前立腺がんや検診受診率の向上の啓発、広報をどのように行っているのか。また、来年11月に本市においても前立腺がんなど、男性特有のがんやPSA検査について市民への認識、理解を深めるための啓発運動をしてはどうかと思いますが、御所見をお伺いいたします。 次に、中島本島における患者の搬送についてお伺いいたします。高齢化が進む中島地域で発生した救急患者を市内の救急病院に搬送する場合、2009年10月から運航されている市の消防救急艇を利用する方法、もう一つは、重篤な患者を搬送する場合を想定して、2017年2月から患者モニターや人工呼吸器など、救急医療に必要な医療機器や医師や看護師が搭乗した県のドクターヘリを使って搬送する方法があります。さらに、2019年7月からは、中島地区で初めてヘリポート2か所が完成し、より早く安全に患者を搬送する体制が構築されており、市民からもいざというときに安心できるとの声を聞いております。本市の救急搬送への努力に対して大いに評価したいと思います。しかしながら、先日、中島に住むある高齢の女性よりこのような苦情を受けました。今年6月に夫の体調が急変し、119番へ電話。そして、市内の救急病院に消防救急艇での搬送を依頼し、港までの患者搬送車を待ったそうです。しかし、到着した患者搬送車には、運転手の一人だけで、自宅から狭い道で担架で運ぶにしても、一人では運べないので、急遽近所の方に手伝ってもらって患者搬送車まで運んだとのことでした。御婦人いわく、たまたま近所に人がおられたのでよかったものの、なぜ2人で来てくれないのか。過疎化が進む集落では、近所に人がいない場合もあり、今後も不安が残ると言われておりました。市内で救急搬送をする救急車の場合、必ず2人以上が自宅まで行くと伺っております。中島で運行業務の委託を受けているのは、中島汽船であり、車の保守費用を除いた年間契約額は500万円です。そして、中島汽船からは、地元住民の2人と契約を交わし、1日2交代で運行業務を行っています。また、出動については、消防局を介して直接携帯電話に連絡が入るそうです。搬送人数は年間約110名程度で、市と中島汽船との契約では、2人での搬送業務は必要に応じて対応しているそうですが、中島の市民からの話では、多くの場合、1人での搬送だと言われておりました。 そこでお伺いする1点目は、さきに述べたとおり、患者を搬送する場合、自宅から港、またはヘリポートまでの民間運行業務が、1人での搬送になっていることに不安を感じます。私は、搬送業務委託の費用がたとえ倍額となったとしても、市民の命を守るために、市内と同じように常時2人体制で患者搬送をすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 2点目は、搬送業務委託の業務選定に当たり、中島汽船1者の特命随契を長年行ってきていることについてであります。本市の委託契約事務の手引きには、見積りの取扱いの注意点として、2者以上から実態に合った適切な見積りを徴集し、比較を行うこととされております。それに対して担当課からは、それができない理由として、市の条件に合う登録業者がほかになかったからと言われますが、合併後既に15年が経過しております。行政として、島内また市内の他の企業や団体まで応募範囲を広げるとか、見積り参加を促す努力は十分可能だったと思えます。 そこで、今後も1者の特命随契で運行業務先の選定をすることについて改めるお考えはないのか、お伺いいたします。 最後に、一般競争入札、総合評価方式の運用について伺います。本年9月初旬に下水道工事「中須賀3号雨水幹線工事」の入札が行われました。この入札は、一般競争入札、総合評価方式で行われ、最終的に1共同企業体だけの応札で、9月中旬に落札したフジタ・吉野・愛媛シールド特定建設工事共同企業体との16億1,150万円の工事契約が既に終わっておりました。そもそも一般競争入札とは、不特定多数の業者が参加できる機会均等、ルールに基づく公正性、そして予定価格内で最安値で落札する経済性が目的であります。私も総合評価方式の入札については、これら3点を保てる入札ができるような評価項目、評価基準及び点数配分について、できる限り多くの参加ができるよう、以前から関係部に要望をしておりました。しかし、今回の入札では、結果的には応札したのは1特定建設工事共同企業体、つまり1JVのみでした。理事者は、各企業の都合もあるから、あくまで企業の判断と言います。私は、今回の結果を見て、この状況を分かりやすく説明するならば、例えば、5人が100メートルを走る競争をするときに、1人が50メートルからスタートをするルールがもしあれば、残りの4人は誰も参加する気にはならないでしょう。この現状は、今回の入札説明書にある評価項目、評価基準及び点数配分の内容にそもそも問題があったのではないかと思います。そして、この内容については、ここ10年以上、大きな変更はありません。本市における過去10年間で予定価格が1億8,000万円を超える下水道管渠の推進工事の発注件数は、本件を除き9件あります。そのうち工事の難易度が高く、地元業者では技術的に困難な工事は、実績のある全国大手企業が入札に参加しますが、そのような契約金額5億円以上の工事は、僅か1件でした。総合評価で過去10年間の市内での工事成績、その工事を担当した技術者の能力を問えば、当然この落札したJVの総合評価点は、確実に上がります。最終的にその評価点1ポイントないし2ポイントで優劣がつき、落札業者が決定となります。つまり先ほどの例を出すと、スタートで既に50メートル先にいるわけであります。今回確かに幾つかの点において参加基準や評価項目、評価基準及び点配分については、応札JVが増える努力をしていただいてはいますが、私はその内容について、現状を変えるには程遠いと感じておりました。そして結果は、私の予想どおりとなりました。しかも落札金額を見ても、先ほどの1億8,000万円を超える9件の平均落札率が89から90%に対して、本件は94%と突出しております。仮に競争原理が働いていれば、約4,000万円から5,000万円は落札金額が下がったのではないかと私は推測しております。一方、この入札と同時期に行われました愛媛県発注の松山東警察署庁舎新築工事の入札では、本市の下水道工事と同じく一般競争、総合評価方式で行われました。落札金額が約24億円の大工事ですが、全国大手、県内、市内業者の様々な組合せの7JVが応札しました。 そこでお伺いする1点目は、そもそも今回の入札で、発注者として幾つのJVが参加することを想定して入札説明書の内容などを作成したのか、お伺いいたします。 2点目は、同時期に入札があった県警東署工事と本工事について、結果的に参加JV数のこの違いがあることについてどのように感じておられるのか、お伺いいたします。 3点目は、来春には上下水道の組織統合が行われます。組織統合後は、総合評価方式の評価項目、評価基準及び点数配分についてどのように対応されるお考えなのか、お伺いいたします。 以上で、質問を終わります。御清聴大変ありがとうございました。 ○若江進議長 これより答弁を求めます。野志市長。 〔野志克仁市長登壇〕 ◎野志克仁市長 雲峰議員に、私からは本市のデジタル化のうち、押印廃止と書面主義の見直し、オンライン申請についてお答えします。 1点目と2点目は、関連がありますので一括してお答えします。押印の廃止は、行政手続の簡素化やデジタル化を進め、市民の利便性を高めたり、行政事務を効率化したりすると考えています。こうした中、国は、11月に押印を廃止する行政手続の一覧を示し、今後、地方公共団体独自の手続のマニュアルを策定する予定です。本市では、既に今年7月から行政手続のオンライン化と併せ、押印の見直しに着手しており、これら国の動向を考慮して、法令に基づく行政手続や本市独自の手続をリスト化し、押印廃止を進めていきたいと考えております。 次に、「ぴったりサービス」でのオンライン申請の現状は、「ぴったりサービス」は、マイナンバーカードを生かして行政機関が提供しているサービスを検索したり、オンラインで申請したりできるサービスで、本市では児童手当に関する認定請求など8つの手続と保育施設の利用申込みなど3つの手続のほか、児童扶養手当の現況届と妊娠の届出の合わせて13の手続が利用できます。 次に、「ぴったりサービス」でのオンライン申請の追加と今後の活用については、国では、地方公共団体のデジタル化を進めるため、「ぴったりサービス」で利用できる申請手続を追加し、使いやすいシステムに改善するなども始める予定です。本市では、既に庁内が連携して、行政手続のオンライン化に取り組んでおり、こうした国の動向を注視し、市民の利便性を高めるため、オンライン申請の追加や「ぴったりサービス」の有効活用を検討していきたいと考えています。 最後に、オンライン申請に関する講習会については、国は、高齢者や障がい者などがICT機器を使い、生き生きとさらに豊かな生活を送れる仕組みを検討しています。こうした中、本市でも松山市シルバー人材センターが、全国の11地域のモデル事業の一つに採択され、この制度の実証をしています。今後、国がこの実績を考慮し、デジタル活用支援員制度の仕組みを示すので、本市での有効な対策を研究していきたいと考えております。 そのほかの質問につきましては、関係理事者からお答えいたしますので、よろしくお願いをいたします。 ○若江進議長 松本総務部長。 〔松本善雄総務部長登壇〕 ◎松本善雄総務部長 雲峰議員に、改正建設業法等に関する本市の取組及び下水道工事「中須賀3号雨水幹線工事」の入札についてお答えします。 まず、適正な工期の設定、施工時期の平準化についてですが、公共工事では、工事目的物の品質確保はもとより、建設業に従事する担い手の中長期的な育成・確保が求められており、そのためには、適正な工期設定と施工時期の平準化が発注者の責務であると考えています。そこで、本市が発注する工事の工期設定に当たっては、標準作業量や施工実績を基に、休日や作業ができない日を考慮するなど、国の基準に沿って行っています。また、施工時期の平準化については、早期発注や債務負担行為を設定するほか、昨年4月には、受注者が工事を開始する日を柔軟に選択することができる制度を導入するなど、工事の時期的な偏りの緩和に努めており、引き続き適正な工事発注に取り組んでまいります。 次に、社会保険未加入業者の排除、また下請会社への労務費相当分の支払いについてですが、本市では、平成27年4月から社会保険の未加入対策に取組、現在では、全ての元請・下請業者を対象に実施しています。未加入の場合、入札参加を認めないほか、下請業者については、元請業者を通じて指導し、是正されない場合は、成績評定の減点に加え、関係機関へ通報することにしています。また、下請代金の労務費相当分を現金で支払うよう配慮することについては、ホームページでお知らせているところですが、労働者の処遇改善や担い手確保のためにも大切なことであることから、今後業界団体等を通じたさらなる周知・啓発に努めたいと考えています。 次に、現場に快適トイレを設置することについてですが、本市では、平成29年7月から受注者が設置を希望した場合に、一定の費用を負担することにしています。さらに、本年9月には、より設置しやすくなるよう上限額を増額したところです。本市としても、女性にも配慮した快適トイレの設置を広め、建設現場の環境改善を支援していくことが重要であると考えています。 次に、一般競争入札、総合評価方式の運用のうち、JVの入札参加の想定ですが、本工事は、下水道管渠の口径が大きく、延長も1,000メートルを超える大規模で難易度の高い工事であるため、市外業者を含む構成員3者のJVとして、総合評価落札方式で入札を実施しました。代表者には、本工事の適正履行がなされる程度の実績として、同種工事で5億円以上の施工実績を求め発注したもので、15程度のJVが参加可能であったと考えています。 次に、県発注工事と比べ、入札参加JVが少ないことについてですが、この2つの工事は、構成員3者のJVという点は同じものの、工事内容や工種、評価方法など、相違点があるほか、入札への参加は、各業者の手持ち工事や現場状況等、様々な要因が影響するため、比較し、評価することは困難であると考えています。本工事の入札には、相当数の参加が可能であり、適切に行われたものと認識していますが、より多くの入札参加が望ましいと考えていますので、今後も競争性の確保に努めてまいります。 最後に、上下水道の組織統合後の一般競争入札についてですが、現在松山市と松山市公営企業局では、同様の基準で総合評価落札方式の入札を実施し、案件ごとに工事内容や施工条件を踏まえ、評価項目及び配点等を設定しています。統合後も適正な入札執行が図られるよう、評価項目等の整備が必要なものについては、検討していきたいと考えています。以上です。 ○若江進議長 河合総合政策部長。 〔河合洋二総合政策部長登壇〕 ◎河合洋二総合政策部長 雲峰議員に、本市のデジタル化のうち、自治体クラウド推進に係る協定についてお答えします。 まず、3市になった理由及びメリットについてですが、それまでの自治体クラウドの導入の大半が、人口10万人以下の近隣自治体間のものであり、中核市規模以上の自治体では、導入が進んでいなかったことから、平成30年5月に中核市の自治体クラウド研究会が設置されました。そこで、システム経費の削減や災害時の業務継続を実現するため、本市もこれに参加し、情報収集に努めてきたところであり、令和元年8月からは、システムの規模が同程度で、比較的更新時期も近い倉敷市と高松市の3市で具体的な協議を開始し、今年10月29日に自治体クラウドの推進に係る協定を締結したものです。また、導入によるメリットですが、システム費用の削減や災害時の業務継続、セキュリティーの強化、維持管理作業の削減のほか、導入により削減された費用や人的資源を他の分野に有効活用することで、質の高い市民サービスが提供できるものと考えています。 次に、導入予定のシステム及び今後の拡充予定ですが、現在、住民記録のほか、印鑑登録、国民年金、選挙人名簿の4つのシステムで費用の積算や調達方法などの協議を行っており、現行システムの更新時期である令和4年度中の導入を目指しています。また、システムの拡充については、今年度から新たに調整を開始した税システムに加え、来年度以降、国から標準仕様書が示される介護保険や児童手当などのシステムについても導入に向け協議を進めたいと考えています。 次に、推進組織の立ち上げ及び事務局についてですが、推進組織の実施要綱や今後のスケジュール等が整ったことから、去る11月24日にせとうち3市自治体クラウド推進協議会を正式に立ち上げたところであり、事務局は、中核市の自治体クラウド研究会の事務局でもある倉敷市に担っていただいています。 次に、バックアップと自治体クラウドとの関係ですが、現在運用しているシステムのバックアップデータは、本庁と同時に被災しないよう、遠隔地のデータセンターに保管しています。また、データのバックアップは、それぞれの自治体が実施するものであり、自治体クラウドの導入が影響するものではありません。 最後に、セキュリティー対策及び業務継続性の確保についてですが、クラウドを運用するデータセンターは、建物の入退室管理やサーバー室等の監視体制など、国が示す要件よりも厳しい運用基準を定めて選定します。また、端末とデータセンターの接続は、インターネットを経由しない専用回線で行うと同時に、外部からの侵入を遮断する機器やウイルス対策ソフトを常に最新の状態で維持することで、不正アクセスやウイルス等にも万全に対応できると考えています。さらに、データセンターは、地震や水害、火災など、様々なリスクを想定した建築物を選定することとしており、高い業務継続性を確保することができます。以上です。 ○若江進議長 白石保健福祉部長。 〔白石浩人保健福祉部長登壇〕 ◎白石浩人保健福祉部長 雲峰議員に、前立腺がんの検診及び中島本島での患者搬送業務についてお答えいたします。 まず、検診受診率の減少の要因についてですが、平成30年度分から受診率を算出する際の対象年齢が変更され、50歳以上の全受診者を対象としていたものが、受診者数の少ない50歳以上69歳以下となったことから、受診率が低く算出されているものです。なお、平成30年度以降も29年度以前と同じ対象で受診率を算出し、推移を見ると、平成27年度が9.2%、28年度が8.9%、29年度が8.7%、30年度が9.5%、令和元年度が9.5%となっており、受診率が減少している状況にはございません。 次に、前立腺がんや検診受診率の向上の周知・啓発についてですが、現在はほかのがん検診と併せ、広報紙や市ホームページ、4月に全戸配布している健診の御案内のほか、地域での回覧などで周知しています。今後は、議員の言われる11月の時期を捉え、前立腺がんに対する認識や理解をさらに深めていただけるよう、新たにPSA検査の紹介や検診でがんが発見された方の体験談を健診新聞で掲載し、全戸配布するなど、効果的な周知・啓発に取り組んでいきたいと考えています。 次に、患者搬送業務の2人運行体制についてですが、患者搬送業務は、中島本島の住民から、119番通報により要請を受けて、24時間365日体制で運用しています。現在、2名の人員を確保し、中島地域の家族や住民の方にも御協力をいただきながら、交代体制で搬送していますが、1名での搬送が困難な場合は、補助者を活用し、2名で搬送することが可能な体制となっています。このため、まずは中島地域の住民に安全・安心に必要な医療を受けていただくため、これまで以上に消防局と連携を密にし、患者搬送の情報を共有しながら、必要な場合には、2名での対応を行いたいと考えています。なお、高齢化や過疎化が進んでいる現状もありますので、常時2名を含めた効率的で効果的な搬送体制についても研究していきたいと考えています。 最後に、業者選定方法についてですが、患者搬送業務は、24時間365日の対応が必要であることから、島内に常駐する人員で速やかに対応できる体制の確保や中島の地域経済の活性化のため、中島本島に事業所がある業者を選定してきました。こうしたことから、これまで登録業者で条件を満たす業者は中島汽船のみで、1者特命随契としてきたものですが、合併時と比べ、生活圏域の一体化が進んでいますので、今後は中島本島に限らず、市内の事業者も含めて、島内での人員確保が可能な業者の中から適切に選定したいと考えています。 ○若江進議長 藤田教育長。 〔藤田 仁教育長登壇〕 ◎藤田仁教育長 雲峰議員に、本市のデジタル化についてのうち、GIGAスクール構想についてお答えいたします。 まず、ウィンドウズタブレット導入決定の経緯についてですが、国が推奨したウィンドウズ、iPad、クロームを比較した結果、ソフトウエアやセキュリティー対策、操作性等の機能面、維持管理等を含めた費用面に大差がないことから、現在も本市の全小・中学校で使用しており、教職員、児童・生徒ともに操作に慣れていること、教職員がこれまでに作成した多くの教材や子どもたちが作成した作品等の学習データを引き続き使用できることに加え、小・中学校の情報教育担当者や愛媛大学の教授等で構成する小・中学校情報教育研究委員会からの、職員室で作成した教材や資料がそのまま使えるので助かる等の意見も参考に、ウィンドウズを導入することにしました。 次に、運用規程の策定についてですが、現在、各学校に配備しているパソコン教室等の端末を安全かつ円滑に運用するために定めている現行の端末等の運用規程を、今回新たに1人1台端末を導入するに当たって、使用目的、使用場所、管理方法などについて見直します。また、災害や感染症の発生等による臨時休業等の緊急時に、児童・生徒が持ち帰る場合のルールについては、国から通知された「学校に配備されたICT端末の緊急時における取扱いについて」を参考に、現在作成中です。 次に、学習支援に活用するロイロノート・スクールについてですが、児童・生徒が調べたことや自分の考えを発表するプレゼンテーションを簡単に作成できることや友達と話し合うのに写真や資料等の共有がしやすくなること、また課題の受け取りや提出が容易になることなど、各教科の学習はもとより、教育活動の多くの場面で活用できるものです。これによって児童・生徒が自分の考えを表現しやすくなるほか、学習内容を理解しやすくなったり、協働学習が活性化したりするなどの効果やメリットが期待でき、授業の効率化が図られます。 次に、デジタル教科書の導入についてですが、今年度は全ての小学校に算数と外国語の指導者用デジタル教科書を配備しており、算数における説明用アニメーションや外国語でのネーティブによる朗読など、教員が教科指導を行う上で大変効果があると聞いています。来年度は、全ての中学校に数学と英語を配備する予定です。学習者用デジタル教科書については、文部科学省が学びの保障・充実のための実証事業として、小学校5・6年生に1教科、中学校全学年に2教科を導入するための予算を令和3年度に向けて概算要求をしており、本市としましても、学習者用デジタル教科書の導入を検討しているところでありますが、詳細や令和4年度以降の方向性がはっきりしていないことから、今後、国の動向を注視していきたいと考えています。 次に、障がい者のためのデイジー教科書の導入についてですが、デイジー教科書をはじめとする音声教材は、文章の読み上げに加え、読み上げ部分のハイライトや文字の拡大などができる機能があり、文章を読むことが困難な児童・生徒にとって、教科書の内容理解に効果的と言われています。現在、無償で提供されている音声教材は、2つのボランティア団体と4つの大学がそれぞれ作成している6つの種類があり、本市が導入する機器の構成やオペレーションシステムの関係上、そのうち4つが利用可能で、障がいのある児童・生徒に個別最適化された学習環境を整えることができると考えています。また、音声教材を活用するには、必要とする児童・生徒一人一人のニーズに応じた選択が望ましいことから、今後は各学校に対して、それぞれの音声教材の特徴などを情報提供しながら、授業の中での活用方法についてもしっかり指導していきたいと考えています。なお、外国人児童・生徒の日本語の習得のための音声教材の活用については、文部科学省の有識者会議からの提言で、その有効性が認められているとの報告もありますので、本市としても、障がいのある児童・生徒と同様に、音声教材を活用できればと考えていますが、現状では、著作権法の規定により、障がいのある児童・生徒以外は、提供の対象となっていません。このことについては、著作権法の規定を見直すことも提言されていることから、今後の国の動向を注視していきます。以上です。 ○若江進議長 以上で、答弁は終わりました。(「議長」と呼ぶ者あり)雲峰議員。 ◆雲峰広行議員 市長はじめ各理事者の皆様、丁寧な答弁、誠にありがとうございます。ですが、再質問させていただきます。 一般競争、総合評価方式の運用についてでございます。2点あります。そもそも幾つのJVが参加することを想定していたかということに対して、小さな声やったんで聞こえなかった、15と言われたような気がしたんですが、15です。そして、県警の東署の工事と比べて少ないことについてどのように感じるかということについても御答弁いただきました。その内容についてもう一回再質問させていただきます。 そもそも15がなぜ1になったかという理由についてと一緒に、なぜ県警が7つも出ているのにこんなにうちは少ないんだということについても同じような内容で、工種が違いますと。確かに工種は違います。内容も違います。それはそのとおりだと思います。ただ15が1は、ちょっと極端じゃないですかと、私は思います。何ぼ何でも15は極端やと思います。今回これが初めて、1つじゃないんです。もう言いたくなかったんだけど言います。10年間遡って松山市が発注した大手が入る土木工事、下水道に関して。2013年、西部浄化センター水処理施設土木工事4億2,000万円、これはフジタ・吉野が取っとります。ただし、そのときは2JVで1つです。次、2015年、堀江第1雨水排水ポンプ場土木建設工事、これが6億6,500万円の落札金額です。これはフジタ・吉野の1者のみの参加です。そして2013年12月、今回と同じような推進工事で、南吉田汚水幹線工事8億1,000万円、これは2業者が入ってますが、これもフジタ・吉野でございます。過去ずっとこのグループが取ってて、たまたま手持ち工事が大きかったとか、そういった理由は、私は常識的に考えておかしいと思います。ですから、さっき答弁としては、適切に行われたとおっしゃいました、適切に。適切に行われたかどうか知りませんけども、結果は不適切だと、私は思います。だから何らかの原因があるわけでしょう、それ。あるわけです。それに対して一切答弁はなくて、適切に行いましたでは、ちょっと我々としては納得できないので、再度県警の東署の工事と比べて少ないことについてどのように感じるのかというのをもう少し真摯に捉えて答弁していただきますように再度言います。よろしくお願いします。 ○若江進議長 松本総務部長。 ◎松本善雄総務部長 自席から再答弁をさせていただきます。 参加可能なJVについては、15程度というふうなことですけれども、そこを指名したのは、先ほど御答弁、少し繰り返しになるかも分かりませんけれども、一定、本工事、口径が大きくて延長も長いという、大規模工事ということで、市外含む構成3者のJVとしたわけでございますけれども、その中で評価をしていく項目の中で、それらを過去の実績等々を見る中で競っていた中で、全体で15者が該当をしてくるんではないかというふうなことで想定を立てております。その中で実際に、結果的には1者の応札というふうなことになったわけですけれども、我々が15程度と考えていた中で、実際に参加するかについては、各業者が自己の手持ち工事の状況や採算性などを検討して、それぞれ判断するものと考えております。発注段階での実際の参加数を見込むことは難しいため、実参加数は想定をしていませんが、工事の品質確保を担保した上で、可能な限り参加しやすい条件設定に努めているところでございます。 また、東署との工事の関係ですけれども、やはり土木工事と建設工事というふうなことで、根本的に工種、事業内容も違ってまいります。実績とか仕事、現場状況等、様々な要因が影響をしてきて、東署の場合は7JVの参加で、下水道工事の場合は1者の参加になったということでございます。そのように考えています。 ○若江進議長 以上で、再答弁は終わりました。 以上で、雲峰議員の一般質問を終わります。 ただいまから新型コロナウイルス感染症対策による議場内換気のため、午後2時25分まで休憩いたします。       午後2時10分休憩   ────────────────       午後2時25分再開 ○若江進議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。池田議員。 〔池田美恵議員登壇〕 ◆池田美恵議員 フロンティアまつやまの池田美恵です。野志市長におかれましては、2018年11月18日、最多の13万2,871票、89%もの高い得票率にて市長選を勝ち抜き、「笑顔広がる人とまち 幸せ実感都市 まつやま」を目指し、市政3期目がスタートしました。以来2年の歳月が経過し、現在3期目の折り返し地点を迎えています。さて、企業経営や自治体運営には、刻々と変化する社会経済情勢に応じ、守りと攻めの両面からの政策判断や施策の展開が大切です。そこで、こうした2つの視点から野志市長の市政運営に関する中間的総括をお聞きしたいと思います。まずは、守りの市政運営、いわゆる危機管理対応についてです。野志市政3期目は、西日本豪雨という自然災害への危機対応からのスタートでした。その後浮上したのが、長期に及ぶ道後温泉本館保存修復工事が及ぼす本市の主要産業である観光への危機対応でした。さらに、本市のアキレス腱と言われ、長年膠着状態が続いた西条分水の実質中止による新規水源対策への危機、そして現在のコロナ禍による健康危機と経済危機、このように未曽有の危機対応に明け暮れた2年間でもありました。さて、こうした様々な危機に対する野志市長のこれまでの対応は、市民生活への影響を最小限に抑え、おおむね適切に対応していただいたものと一定評価します。しかしながら、今回例示した危機は、いずれも抜本的解決には至っておりません。道半ば、少しでも手を緩めると、市民生活に大きな支障を来す危険性をはらんでいます。継続した危機管理対応に機を逸することなく万全な措置を講じていただきたいと願います。そこで、守りの市政運営に関して2点お伺いします。1点目は、野志市政の危機管理対応の基本方針について、2点目は、これまでの危機をどのように回避してこられたのか、また、今後の取組についてお聞かせください。 ○若江進議長 野志市長。 ◎野志克仁市長 まず、基本方針は、危機への対応は発生を未然に防ぎ、防ぐのが難しい事象には迅速で的確に対処し、被害を最小に抑えるのが重要です。そこで1つ目、速やかに情報を収集して状況を把握する。2つ目、時期を逃さず的確に判断し、対策する。3つ目、市民に分かりやすく情報を提供する。4つ目、関係機関と連携して対処するを基本方針にしています。次に、これまでの対応は、例えば平成30年7月豪雨では、地域に寄り添った息の長い支援を指示し、職員が一丸になって実践して、円滑に復旧や復興しています。また、道後温泉本館の保存修理工事では、「道後REBORNプロジェクト」や道後アート事業など、活性化策を進め、地域経済への影響を緩和しています。加えて、新型コロナウイルス感染症では、愛媛県と連携しながら、囲い込みと封じ込めに全力で取り組んでいるほか、様々な機会を捉えて、市民の皆さんに感染予防を徹底するよう呼びかけています。今後も現地・現場を大切に、市民目線を大切にし、時期を逸せず、有効な対策を行い、様々な危機に対応してまいります。以上です。 ○若江進議長 池田議員。 ◆池田美恵議員 ありがとうございました。 次に、攻めの市政運営についてです。人口減少、地方創生が声高く叫ばれ、生き残りをかけ、都市間競争が激化する中、全国から選ばれるまちを目指してまちの魅力を高める取組をより強力に進めていかなければなりません。その取組が、野志市長が提唱するたからみがきのまちづくりだと理解しています。これまで「瀬戸内・松山」構想や台湾とのインバウンド交流等、広域観光振興策や風早レトロタウン構想、愛ランド里島構想や中心市街地活性化策等、様々な地域活性化構想を策定し、具現化することによって、内外の交流人口が大幅に増加しました。今後、コロナ禍という先行き不透明な要因はあるものの、この流れを継続し、さらなる高みを求めていただきたいと願います。そこでお伺いします。攻めの市政運営に関して、たからみがきのまちづくりについて、これまでの取組の評価及び今後の方針について御所見をお聞かせください。 ○若江進議長 野志市長。 ◎野志克仁市長 松山には、誇れる資源や財産がたくさんあります。松山城や道後温泉はもちろん、俳都と言われる文学的な土壌や豊かな自然、加えてお接待の心など、どれも私たちの大切な資源で、かけがえのない財産です。私は、市長に就任して以来、先人たちから受け継いだこれらの資源や財産を誇りに思い、さらに磨き上げるため、たからみがきのまちづくりを進めており、3期目の公約でも継承・発展を基本姿勢の一つにしています。例えば、保存修理工事に着手した道後温泉本館では、営業をしながらという道を選択し、ピンチをチャンスと捉え、攻めの姿勢で、工事中ならではの魅力や話題を積極的に国の内外に発信しています。また、島嶼部では、里島ツーリズムを推し進め、豊かな自然をはじめ、伝統や文化など、魅力ある地域資源を磨いてきました。今年7月には、ほしふるテラス姫ケ浜が、里島活性化の拠点でリニューアルオープンし、国から選定されたSDGs未来都市として、スマートアイランド事業など、今後中島を舞台に様々な取組がスタートする予定です。平成29年に整備した花園町通りは、飲食店など多くの出店が進み、地域が主体になって産直市やマルシェが定期的に開催されるなど、多くの市民や観光客でにぎわっており、今後整備する予定の市駅前広場と併せて、さらに磨きをかけていきたいと考えています。また、北条地域や三津浜地区も、地域団体が協働してイベントを開催するほか、古民家を活用して新規出店するなど、新しいにぎわいが生まれています。このように1期目から地域の皆さんと取り組んできたまちづくりが、各分野でしっかりと根づき、花を咲かせ、実を結び、新しい輝きを見せ始めたと認識しています。現在、新型コロナウイルスが、市民生活や地域経済に影響を与えています。このような時代だからこそ、市民の皆さんに自分たちのまちに愛着や誇りを持ってもらうのが大切です。先人から受け継いだ宝を磨き、次世代につないでいく、このたからみがきのまちづくりに一人でも多くの人に参画いただき、ともにこの局面を乗り越えたいと考えております。以上です。 ○若江進議長 池田議員。 ◆池田美恵議員 ありがとうございました。 続いて、市民目線の行政についてお伺いします。大勢の方々の期待を背負って市のかじ取り役を担われている野志市長は、かつてこのようにおっしゃっていました。私のまちづくりの原点は、この松山が大好きであるということであり、また現地・現場を大切に、そして市民目線で物事を判断するのが私のスタンスであります。私も市民目線がとても大切だと思っています。野志市長の言葉に共感し、お人柄を信頼し、期待し、応援させていただいております。早速ですが、市長にお伺いします。行政の仕事は、その質や量が多岐にわたります。市民が理解するのに知識や時間を要することが多々あります。市長はどのような点に配慮して市民目線を行政に生かしているのでしょうか、御所見をお聞かせください。 ○若江進議長 田中市民部長。 ◎田中教夫市民部長 本市では、現地・現場を大切に、市民目線を大切にという基本姿勢の下、市長が地域に出向き、直接市民の皆さんと対話するタウンミーティングやいつでも市長へ意見が届く市長へのわがまちメールなどでいただいた声にしっかり耳を傾けながら、市民が主役のまちづくりを進めています。こうした姿勢を全庁に浸透させるとともに、本市にとって貴重な財産である市民の皆さんの生の声を聞きっ放しにせず、全て検討しています。そして、実現可能なものは、できるだけ早く市政に反映し、実現が難しい場合にも、理由を丁寧に説明することで、行政への信頼の醸成に努めています。以上です。 ○若江進議長 池田議員。 ◆池田美恵議員 ありがとうございました。新型コロナウイルス対策が始まって以来、私たち市議会議員のもとへも数多くの問合せが寄せられています。お困り事やお知りになりたいことは人それぞれ多様で、多岐にわたります。私もお問合せや御相談の内容に関する情報収集や制度内容、申請手続などを調べ、御理解いただくためのお手伝いする経験を通して、市民の皆さんがもっと知れるように、分かるように、できるようにすることの重要性をますます実感しているところです。さきの6月議会での私の質問に対し、今後も引き続き迅速に確実に様々な媒体を活用して情報を効果的に発信するとの御答弁をいただきました。また、田渕議員の広報あかしとの比較しながらの質問に対しても、必要な情報を的確にお伝えできるよう信頼される紙面づくりに取り組んでまいりますと御答弁されておりましたので、様々に研究してくださっていることと期待し、注目しておりました。今回は、市民目線での広報という点でお伺いいたします。松山市は、新型コロナウイルス緊急支援対策と銘打って、10月発行の広報まつやまに支援策を表にまとめて掲載しました。限られた紙面に情報を載せるためでしょうか、とても小さな文字が並んでいます。読者は難しい用語が並んだ記事を隅から隅まで読まねば、求めている情報は得られません。また、記事を拝見した第一印象として文字が小さ過ぎるように感じました。また、難しい日本語が多い気がしました。例えば、労務に服する、こんな難しい日本語を使う市民はあまり見かけませんが、難しい日本語を使うメリットがあるのでしょうか。さらに、節水シャワーや節水型トイレの助成金は、限られた紙面をこれほど割かねばならない優先度の高い情報なのでしょうか。また、支払いが困難な場合、支払い方法を相談できますという表現は、回りくどくて距離を感じました。支払いを猶予できる場合があります、相談してくださいと改めるべきだと思います。率直に申し上げますと、この紙面は、担当課から集めた補正予算の説明文を表にまとめただけだと感じます。さて、兵庫県明石市のホームページを検索して広報あかしを見てみますと、市が行っている支援策を紹介する点では、松山と同じですが、編集に工夫があります。市民の関心が高いメニュー、市民生活への影響が危惧されるメニューを目立させ、イラストや図を使ってより分かりやすく伝えようという意図が感じ取れます。さらに、どこに相談したらいいのかすら分からない方のために、総合相談ダイヤルを紹介する記事もあります。そこで質問です。新型コロナウイルス緊急支援対策を紹介する記事についてどのようなコンセプトで記事を編集され、どのような点に配慮されたのでしょうか、具体的にお答えください。 ○若江進議長 玉尾秘書広報部長。 ◎玉尾浩紀秘書広報部長 新型コロナウイルス感染症の拡大は、地域経済をはじめ、仕事や教育・福祉など、広く市民生活や事業者の活動に大きな影響を及ぼすことになりました。本市ではそれらに対応するため、今年度は5回の補正予算を編成して緊急支援対策を打ち出してきました。その内容を広報まつやまに掲載するに当たっては、多様な支援対策を必要とする方々に漏れなくお知らせすることが大切であるというコンセプトで編集を行いました。そこで、数ある支援対策の中から、市民や事業者の方が、その人に合ったものを選定できるように、対象者や制度の内容を分野ごとに見やすく色づけして整理した上で、一覧表にして見開きの特集ページに集約しました。さらに、10月15日号では、第5次補正予算で新たに追加した支援対策を枠で囲み、分かりやすく掲載するなど、必要な支援対策を選定しやすくすることに配慮しました。以上です。 ○若江進議長 池田議員。 ◆池田美恵議員 次に続けます。全国でコロナ対策が進められ、支援メニューを紹介する広報記事を御覧になることがあると思います。それらと比較して、本市の記事が勝っている点や劣っている点は何か、どのように認識されているでしょうか、お聞かせください。 ○若江進議長 玉尾秘書広報部長。 ◎玉尾浩紀秘書広報部長 本市の記事は、支援が必要な市民や事業者の皆さんが漏れなく支援を受けられるよう、紙面の構成を進める中で、緊急性や優先度を考慮して、可能な限り支援対策を掲載しました。分野ごとに見やすく整理した一覧表は、他の自治体と比べても、掲載した支援対策の種類や量が多く、10月15日号では、追加した支援対策を一目で分かるように枠で囲み、新たな活用につながるよう工夫するなど、充実した内容になっています。また、本市では、広報紙を月2回発行しており、月1回発行の自治体に比べ、新しい情報をタイムリーにお届けすることができることも強みになっています。一方で、限られた紙面のため、やむを得ないものの、御指摘のように、情報量が多くなることで、文字が小さくなってしまったことや国の制度を紹介していた一部に、法律用語を使用していたことは、検討していきたいと考えています。今後も市民の皆さんからの御意見を伺いながら、読みやすさや表現の方法、イラストや図の活用方法を研究することで、引き続き市民に親しまれる広報紙を目指してまいります。以上です。 ○若江進議長 池田議員。 ◆池田美恵議員 ありがとうございました。よりよく分かりやすく伝わるようにするにはどうすればよいかと常に考え続けながら、改善を積み重ねていくことが大切だと思います。広報紙やホームページのでき次第で、市民の人生が影響を受けるからです。情報が分かりにくいと助かる人も助かりません。市民目線の優しい紙面を期待しています。 さて、コロナ禍の中で、市民は行政情報を入手しなければならない機会が増えました。市民向けの冊子や広報紙にQRコードやホームページアドレスが掲載されるようになり、詳しいことはネット上の情報にアクセスして、読んで理解して活用しなければならない状況を強いられました。ネットを通して必要な情報を瞬時に得ることができる人とそうでない人の格差が、これまでよりも顕著になったように感じます。また、コロナ禍によって必要となる手続が増えましたが、ホームページ経由で書式をダウンロードして、手書きした書類に押印して紙で提出するというデジタルとアナログが混在したケースが依然として多いことにも気がつきました。さて、スマホを持っていても電話とLINEとカメラといったシンプルな機能しか使ったことのないという人も多いと思います。そして、スマホを使ってホームページや文章を見る方法や情報の探し方などが分からない人は、分からないことで損をしていることすらも分からないという皮肉な現象が起きています。ICTに疎くて自信がない大人がどれだけ多いか気づかされました。学校でパソコンを学ばなかった世代が、業務や趣味でICTに触れずにいられる環境下にあると、当然ながら情報入手や活用術が身についておらず、行政がどれだけICTを駆使して情報発信しても、情報が届かないことになります。行政から発信される情報の中には、すぐに届かないと命に関わる情報もあります。行政がICTを使ってスピーディーに情報発信しようとすればするほど、取り残される市民が発生します。そこで質問です。ICTを使いこなすスキルを身につける学習機会を設けることも、ICT化の推進に欠かせない取組だと思いますが、市の御所見をお聞かせください。 ○若江進議長 河合総合政策部長。 ◎河合洋二総合政策部長 本市では、松山市シルバー人材センターが国のデジタル活用支援員推進事業を活用し、スマートフォンやタブレット端末などの利活用について、身近な場所で身近な人に気軽に相談できる環境を整備したり、県が民間事業者に委託して、高齢者向けスマートフォン教室を開催しています。また、携帯電話事業者や民間の学習講座では、スマートフォンやパソコンの使い方について無料のものから有料のものまで、利用者のニーズやレベルに合わせて幅広い内容の教室が行われています。このように様々な学習の機会があることから、官と民の役割分担にも配慮し、他市の動向も注視しながら研究してまいりたいと考えています。以上です。 ○若江進議長 池田議員。 ◆池田美恵議員 お願いします。 それでは、次のテーマに移ります。さきの議会に続き、新型コロナに関連した差別事件についてお尋ねします。感染が確認された人、その家族や職場、地域においてどのような差別事例があったのか、また当事者の状態や対応を問いましたが、そのような実績はないという答弁でした。相談がないから差別はなく、調査しないという姿勢に疑問を感じました。例えば、インターネット上には差別的な言葉が並んでおり、心を痛めている市民がいるのではないかと思います。相談があるまで調査もしないという受け身の姿勢で事態は収束するのでしょうか。そこで質問です。コロナに関するインターネット上の差別的記事を確認していらっしゃるのでしょうか、お聞かせください。 ○若江進議長 田中市民部長。 ◎田中教夫市民部長 今年の5月、市内の障がい福祉事業所に対する差別事象が発生し、本市では様々な機会でコロナ差別解消に向けた周知・啓発に努めています。その後も報道やインターネット上の書き込みなどには、常に注意を払っており、出どころが不明な記事は幾つか確認はしていますが、本市の個人や団体などに対する差別事象であると特定できるケースは、現在のところ確認できていません。以上です。 ○若江進議長 池田議員。 ◆池田美恵議員 次に、続けます。市は差別的な行為を黙認してはならない立場ではないかと思いますが、記事を確認した後、どのような対応をなさったのか、お聞かせください。 ○若江進議長 田中市民部長。 ◎田中教夫市民部長 現在のところ、本市の個人や団体などに対する差別事象であると特定できるケースは確認していませんが、今後確認した場合は、直ちに状況把握に努め、人権相談機関である松山地方法務局や愛媛県とも連携して、差別行為の解消に向け、適切に対応するとともに、関係部局と情報共有を図り、啓発を強化するなど、再発防止に取り組みます。以上です。 ○若江進議長 池田議員。 ◆池田美恵議員 知事が日頃からおっしゃるように、患者や関係者への誹謗中傷を何とかしなければなりません。さきの質問で取り上げた新型コロナウイルス緊急支援対策を網羅した記事の中に、差別被害の相談窓口や差別解消の記事を掲載すべきだったと思います。市民の人権を守る責任者としてそのような発想はなかったのでしょうか、簡潔にお答えをお願いします。 ○若江進議長 田中市民部長。 ◎田中教夫市民部長 コロナ差別解消に向けた呼びかけは、広報まつやま7月1日号と12月1日号に特集記事として掲載し、思いやりの心を持つことと、正しい理解と冷静な行動を促すとともに、相談窓口を紹介しています。今後も市民の皆さんに、より分かりやすく伝わる記事づくりに努め、掲載時期にも配慮しながら啓発を続けていきます。以上です。 ○若江進議長 池田議員。 ◆池田美恵議員 大切なことなので繰り返しますが、患者さんやその関係者への誹謗中傷を何とかしなければならないと思います。ネット上であれ、現実社会であれ、差別的なことが疑われたら、相談が寄せられる前に調査すべきではないかと考えますが、御所見をお聞かせください。 ○若江進議長 田中市民部長。 ◎田中教夫市民部長 議員御指摘のとおり、差別が疑われる事案が見られた場合は、関係機関等とも連携して状況を調査し、適切な対応を行うべきであると考えます。以上です。 ○若江進議長 池田議員。 ◆池田美恵議員 差別を未然に解消することが大切ではないかと思います。そのためには能動的に対応すべきではないでしょうか。コロナに伴う人権擁護について、今後どのような姿勢で臨まれるのか、御所見をお聞かせください。 ○若江進議長 田中市民部長。 ◎田中教夫市民部長 新型コロナウイルスに関する正しい理解と冷静な行動について、市長が常に会見の場で呼びかけているのをはじめ、市ホームページや広報紙での啓発、横断幕の掲示や人権啓発展の開催のほか、地域や学校での各種人権講座などを行っており、今後も継続して実施していきます。さらに、愛媛県が実施する「STOP!コロナ差別~愛顔を守ろう~」キャンペーンにも積極的に参加して、コロナ差別解消に向けて取り組んでいきます。また、差別事例の把握についても、他の自治体の取組を参考にするなど、より充実した対応が図れるよう努めていきます。以上です。 ○若江進議長 池田議員。 ◆池田美恵議員 よろしくお願いします。 次に、信頼や満足度に市民目線を生かす視点で伺います。市が行っている施策の満足度や信頼度はどのように把握されているのでしょうか。また、その結果をどのようにフィードバックされているのか、実例を挙げてお聞かせください。 ○若江進議長 田中市民部長。 ◎田中教夫市民部長 本市では、第6次松山市総合計画に掲げている健康・福祉、安全・安心など、6つの分野ごとの施策に対する市民の満足度や重要度、優先度などを把握するため、毎年市民意識調査を実施しているほか、市長へのわがまちメールやタウンミーティングなどの機会を通じて、市政に関する様々な御意見等をいただいています。調査結果や市民の声は、全庁にフィードバックされ、総合計画などの適切な進行管理をはじめ、担当部署で各事業の立案や見直しなどに活用されています。以上です。 ○若江進議長 池田議員。 ◆池田美恵議員 市民相談室をはじめ、市の窓口には、相談や苦情が多数寄せられていますが、困り切った市民の相談内容と解決策は、施策改善に役立つ情報だと思います。そこで質問です。市民相談室へ寄せられた相談は、どのように施策改善につながっているのでしょうか。また、相談者の満足度はどのように把握しているのでしょうか、お聞かせください。 ○若江進議長 田中市民部長。 ◎田中教夫市民部長 市民相談室では、市民が抱える課題に対し相談員が応じるほか、弁護士などの専門家による相談日も設け、解決の糸口を助言しています。また、これらの相談のうち、市政に関するものは、内容に応じて所管する課へ取次ぎを行い、それぞれの課が詳しい内容をお伺いしています。その中で、特に件数が多い相談や問合わせについては、ホームページに掲載しているよくある質問に反映し、市民相談室に直接相談をしなくても、情報が得られる工夫を行っています。また、ごみの分別に関する相談が多いことから、松山市LINE公式アカウントに家庭ごみの分別が簡単に検索できる機能を導入するなど、市民の声を生かしています。次に、満足度の把握について、相談後に評価や満足度などを当事者に聴取することは難しいため、調査は行っていませんが、市のホームページやよくある質問の各ページに、閲覧後の感想や評価を尋ねるアンケート欄を設け、その声を施策やホームページの改善に役立てています。以上です。 ○若江進議長 池田議員。 ◆池田美恵議員 ありがとうございました。 次に、市民目線での行政改革についてお伺いします。10万円の特別定額給付金について、松山市では全庁体制に加え、官民連携によるオール松山で取り組んだ結果、早期の申請、給付がなされたとの御答弁をいただきました。全国で同じ事務を行ったことから、自治体によって事務の進め方に特徴があったようです。一例を挙げますと、給付金の振込先を確認する書類として、通帳のコピーを添付しなければなりませんでした。多くの市民が通帳を持ってコンビニなどへコピーしに出かけるなど、手間と時間を割いたものでした。ところが、税金や水道料金などを引き落としている口座を指定する場合、コピー不要と国は説明していました。振り返ってみますと、今回の給付金を請求できる人は、世帯主です。世帯主が公共料金用の口座を持っていることがごく一般的ではないでしょうか。ということは、申請書の書式を設計する時点で、公共料金引き落とし口座を振込先とするよう指定するチェック欄を設ければ、通帳コピーを添える手間と時間が節約できたのではないでしょうか。そこで質問です。申請者に対し、通帳のコピーを求めることに決めた理由をお聞かせください。 ○若江進議長 田中市民部長。 ◎田中教夫市民部長 特別定額給付金の申請者は、原則世帯主であり、税金や水道料金の引き落とし口座の名義人とは一致しない場合があります。また、一致する場合でも、口座情報を基に目視にて一つ一つ住所や氏名の情報を確認する必要があり、個人を特定する作業に多くの時間を要することが判明したことから、迅速かつ正確な給付につなげるため、通帳のコピーを添付していただきました。以上です。 ○若江進議長 池田議員。 ◆池田美恵議員 国が不要だという通帳のコピーを添付することについて、市民から苦情はありませんでしたでしょうか。また、苦情があった場合、どのようにフィードバックしましたでしょうか、お聞かせください。 ○若江進議長 田中市民部長。 ◎田中教夫市民部長 通帳のコピーを添付することへの苦情は、ほとんどありませんでしたが、添付の理由を聞かれるケースがありました。その際には、コピーを添付していただくことで、記入誤りによる給付の遅れを防ぎ、より早く確実に給付金をお届けするための対応であることを丁寧に説明し、御理解をいただきました。以上です。 ○若江進議長 池田議員。 ◆池田美恵議員 国の給付金事務は終わりましたが、その後、市が行う新生児特別定額給付金が始まりました。申請時に通帳のコピーは添付させているのでしょうか、お聞かせください。 ○若江進議長 田中市民部長。 ◎田中教夫市民部長 新生児特別定額給付金は、国の給付金と比べて対象者数が多くなく、記入誤りがあっても迅速に対応できることから、申請者の負担をできる限り軽くすることを最優先にし、通帳のコピー添付は不要にしました。以上です。 ○若江進議長 池田議員。 ◆池田美恵議員 ありがとうございます。 質問を続けます。市民目線でできるだけシンプルで分かりやすい手続にすることが大切です。市民からの苦情は、考え方を改めるチャンスだと思います。押印廃止をはじめとして全国で行政改革が進んでいます。行政の都合で制度設計すると、市民にとって使い勝手の悪い制度ができます。反省のチャンスを生かさなければ、使い勝手の悪い制度が続くことになります。市長は、民間出身です。弁護士や税理士だけでなく、IT経営者や統計学の教授など、その道のスペシャリストである民間人の視点を生かすと、市民目線の行政改革が実現できるのではないでしょうか。そこで質問です。市民目線で事務事業を改善することについて、市長はどのような姿勢で臨んでいくのか、御所見をお聞かせください。 ○若江進議長 松本総務部長。 ◎松本善雄総務部長 本市では、徹底した市民目線による行政、「一人でも多くの人を笑顔に 幸せ実感都市 まつやま」の実現を基本理念とした松山市人材育成・行政経営改革方針に基づき、事務事業の改善をはじめとした行政改革に取り組んでいます。また、この方針に基づく実行計画の策定や毎年行う計画のフォローアップでは、学識経験者や民間事業者からの意見を伺いながら取組を進めています。今後も市民の皆さんから寄せられる御意見を積極的に取り入れるなど、徹底した市民目線で現地・現場を大切にしながら、様々な施策を推進していきたいと考えています。以上です。 ○若江進議長 池田議員。 ◆池田美恵議員 ここにいる市議会議員の皆さんは、市民生活の最前線で活動しています。市民の困り事は、ダイレクトに耳に入ります。毎日のように市民の相談に乗り、市民の悩みが解消するまで寄り添うことが当たり前です。市民相談室をはじめ、市役所にはプロの職員と相談窓口がそろっています。市民の悩みが解消するまで市民の味方になっていただきたいと思います。どうかよろしくお願いします。 次に、接待業種の支援についてお伺いします。11月21日からの3連休中に、繁華街の接待を伴う飲食店で、新型コロナウイルスのクラスターが確認され、感染が疑われる期間中にその飲食店を利用した人は、保健所へ連絡するように呼びかけられました。この事態は、繁華街を利用する人や営業をしている関係者にとって激震だったのではないでしょうか。11月27日の愛媛新聞では、「年越せぬ、繁華街悲鳴」という大きな見出しの記事では、回復傾向にあった繁華街の客足は遠のき、感染第1波当時の窮状に逆戻りしそうな形相を呈していると書かれてあります。本市は、人口に比較して飲食店の多いまち、特に繁華街には、いわゆる接待を伴う飲食店であるクラブやキャバクラ、スナック、バーなどが多数あり、松山市や近隣の市町の人々や観光客、出張客に利用され、まちの繁栄に大きく貢献していると思います。コロナ自粛が解除され、新しい生活様式を進め、感染対策を行いながら経済回復を目指して始まったGoToトラベルやGoToイート、また松山市単独事業のキャンペーンが行われてきましたが、感染リスクのある接待を伴う飲食店の利用は控えてほしいとの呼びかけなどもあり、客足の回復が遅れていました。現に8月や9月の時点で閉店したところがあるようです。何とか頑張って経営を続けてこられたお店にとっては、10月を過ぎて少しずつ来店客が増えてきて、年末に向けて希望を持ち始めたところでクラスターとなってしまいました。接待を伴う飲食店をなりわいにしている人々の落胆はどれほどかと思います。接待を伴う飲食店は、コロナ感染の拡大で、相当の影響を受けているのではないでしょうか。また、働いている方々はお困りになっているのではないでしょうか。そこで質問ですが、本市の接待を伴う飲食店について、店舗数や従業員数への影響をどのように認識されているのでしょうか、お聞かせください。 ○若江進議長 家串産業経済部長。 ◎家串正治産業経済部長 直近の経済センサスによると、市内のバー、キャバレー、ナイトクラブの店舗数は424件で、従業員数は1,912人となっています。県内シンクタンクによる新型コロナウイルス影響調査では、6月末時点で100%が、9月末時点で87.5%が影響を受けたと回答しており、ほとんどの店舗と従業員が影響を受けていると考えています。以上です。 ○若江進議長 池田議員。 ◆池田美恵議員 さて、接待を伴う飲食店に従事する人たちにとって、コロナは長きにわたって続く深刻な災害だと思います。3月の自粛からこれまでを振り返ってみても、企業努力や自助努力で対応できるレベルを超えているのではないでしょうか。接待が感染の一因と言われる中、コロナ終息に時間がかかることは明らかで、経営が成り立たず耐えられない状況にあるのではないでしょうか。また、コロナ不況の中で厳しい求人状況を考えれば、接待業で働いていた方々が新しい職場へ転職して生計を維持することは、そう簡単ではないと想像できます。この業種の方々は、休業手当や失業保険で守り切れている補償はありません。職を失った方々が気力を失うだけでなく、生活や人生に行き詰まるのではないかと心配しています。さて、本市は、これまでも様々な支援策を提供してくださっています。経営相談窓口を設置されていますから、そちらで対応してくださっていることと思います。経営者ではない従業員の方がお困りのときは、福祉の相談窓口でも対応できるでしょう。でも、どう相談に行けばと、なかなか分からないという人が多いものです。したがって、行政は頼ってよい存在だと示すきっかけづくりが必要だと思います。接待を伴う飲食店に従事する人たちへの支援策を早急に用意し、来庁した機会に福祉や就業など、自立に役立つ情報提供をプッシュ型で行えば、効果的ではないかと私は考えます。そこで質問ですが、接待を伴う飲食店に従事する人たちへどのような支援策を検討されているか、御所見をお聞かせください。 ○若江進議長 家串産業経済部長。 ◎家串正治産業経済部長 本市では、新型コロナウイルスにより大きな影響を受けている飲食店に対して、これまで中小企業診断士や社会保険労務士による相談窓口を設けるとともに、家賃などへの給付金や市独自の貸付けなどで支援してきました。さらに、9月末からは、相談窓口に補助金申請などのサポートを行うため、行政書士を新たに配置し、相談体制を充実・強化してきました。今後は、同業組合と連携して周知を行い、飲食店からの相談機会を増やすことで、各種補助制度の活用や経営改善により支援を行いたいと考えています。以上です。 ○若江進議長 池田議員。 ◆池田美恵議員 次に、コロナ禍での子育てサービスについてお伺いします。各地で連日新たな感染者が多数発生するなど、全国的に感染が再拡大しており、現在、新型コロナウイルスの第3波の渦中にあります。第1波の際には、感染拡大を防止するため、学校が臨時休業になり、子育て世帯は、急遽仕事先との調整が必要になるなど、大変苦慮することになりました。特にひとり親については、失業や仕事の減少などにより、経済も非常に厳しい状況に直面する中、一人で保護者としての責任の全てを負い、育児に不安を抱えることになりました。松山市では、5月には早々にひとり親家庭等子育て応援金を給付され、ひとり親の不安を和らげる取組を行うなど、ひとり親の支援を進めてこられました。第3波の脅威の中、ひとり親の不安を取り除くような取組が、引き続き必要であると思います。先日、小学生の子どもを持つひとり親世帯の方から、感染拡大がこのまま続けば、また学校に行けなくなるのか。仕事に行けなくなると給料が減ってしまう。経済的な不安がある中、毎日子どもと一緒にいて、朝から晩まで食事の支度や掃除、洗濯などの家事をするのは大変だ。助けてほしいと相談を受けました。子どもと家にずっと一緒にいられる幸せの半面、肉体的にも精神的にも追い詰められ、家事や育児がおろそかになってしまうだけでなく、周囲の支援を受けられず、孤立して孤独な子育てをしているとそのストレスに押し潰され、子どもにストレスをぶつけてしまうことも起こります。コロナ疲れの蓄積は、子どもへの虐待にもつながってしまう心配があります。そこで、経済的な支援だけでなく、家事や育児の負担を軽減するための生活支援をすることが必要であると考えますが、現在行っているひとり親世帯等の生活支援にはどのようなものがあるのでしょうか、お聞かせください。
    ○若江進議長 西岡子ども・子育て担当部長。 ◎西岡英治子ども・子育て担当部長 本市では、ひとり親世帯等に対して、保護者が病気などのため、一時的に家事の援助が必要となった場合に、食事の世話や家の掃除、買物などを行うひとり親家庭等日常生活支援事業を実施しています。また、ひとり親世帯に限らず、病気や仕事、育児疲れなどのため、一時的に子どもの預かり支援が必要となった場合に、保育所などでの一時預かり事業や児童養護施設などでの宿泊も可能な子育て短期支援事業を実施しています。そのほか、養成講座を受講した会員が子どもを預かるファミリー・サポートや預かりに加え、家事の援助をする松山市シルバー人材センターのイクじい・ばあばママサービスがあり、これら子どもの預かりに係る利用料について、一部助成を行っています。以上です。 ○若江進議長 池田議員。 ◆池田美恵議員 松山市が平成31年3月に行った子ども・子育て支援に関するニーズ調査でも、子育て世帯で主に家事をしている人は、約半数が母親になっており、母親の家事負担が大きいことがうかがえます。一方で、家事や子育ての負担を軽減するために様々な支援策が提供されていますが、これらの支援策を知らないと答えた人が一定数いるようです。子育ての支援策を準備し、取り組んでいても、一人一人に支援策を知っていただかなければ、当事者には届きません。また、誰かに助けてほしいのに頼る人がいない、相談するところが分からないという方もたくさんいると思います。困ったときに自分で支援策を選んで利用することは難しいと思います。まずは、相談窓口の扉をたたくことが様々な支援への第一歩だと思います。そこで質問です。子育て世帯の生活や育児の不安についての相談先など、今後どのように周知に取り組んでいくのでしょうか、お聞かせください。 ○若江進議長 西岡子ども・子育て担当部長。 ◎西岡英治子ども・子育て担当部長 本市では、子育て世帯の生活や育児の不安についての相談窓口を広報紙やホームページ、フリーペーパーなどで周知するほか、出生時や転入時などの機会を捉えて紹介リーフレットをお渡しするなど、きめ細かくお知らせしています。また、必要とする世帯に確実に支援を届けるためには、身近なところで関わる機会が多い方々との連携が重要であることから、民生・児童委員や学校、医療機関などへの周知にも努めてきました。加えて、今年度から働く子育て世帯の方を対象に、その職場から相談窓口などの案内をしていただけるよう企業へ出向き、協力をお願いしています。今後も子育て世代の多くの方が、SNSを利用している状況なども踏まえながら、効果的な周知方法などについて調査・研究していきたいと考えています。以上です。 ○若江進議長 池田議員。 ◆池田美恵議員 ありがとうございました。よろしくお願いします。以上で、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○若江進議長 以上で、池田議員の一般質問を終わります。 これで本日の一般質問は終わりました。   ──────────────── ○若江進議長 以上で、日程は全部終了いたしました。 明日は定刻から会議を開きます。   ──────────────── ○若江進議長 本日は、これをもちまして散会いたします。       午後3時11分散会  ───────────────────────────────────────────    地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。                      松山市議会 議  長  若 江   進                            議  員  大 塚 啓 史                            議  員  角 田 敏 郎...